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ドリュー・ストーレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドリュー・ストーレン
Drew Storen
ワシントン・ナショナルズ時代
(2015年6月28日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 インディアナ州ヘンドリックス郡ブラウンズバーグ
生年月日 (1987-08-11) 1987年8月11日(37歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投両打
ポジション 投手
プロ入り 2009年 MLBドラフト1巡目(全体10位)
初出場 2010年5月17日
年俸 $3,000,000 (2017年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ドリュー・P・ストーレンDrew P. Storen, 1987年8月11日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州ヘンドリックス郡ブラウンズバーグ出身のプロ野球選手投手)。右投両打。愛称ホーメージ[2]

経歴

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プロ入り前

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父マーク・パトリックはインディアナ州インディアナポリスAMラジオ局WNDEなどでスポーツ番組のパーソナリティとして活動している。ストーレンは子供のころはシアトル・マリナーズのファンで、好きな選手はケン・グリフィー・ジュニアだった[3]2003年9月、父がモントリオール・エクスポズのトレーナーと知り合いだったことから、エクスポズがオハイオ州シンシナティに遠征してきたときに、ストーレンは球場でエクスポズの試合前練習を見学させてもらう。このときエクスポズに昇格したばかりだったチャド・コルデロと話をし、大学野球の全米選手権 "カレッジ・ワールドシリーズ" に出場したときのことなどを聞かせてもらったストーレンは、自分もその大会に出たいと思うようになった[4]。地元のブラウンズバーグ高校では最終学年時に、投げては55イニングで8勝1敗・防御率0.89・86奪三振、打っては打率.400・8本塁打・33打点を記録する活躍を見せる[5]。高校卒業時の2007年6月に、MLBドラフトニューヨーク・ヤンキースから34巡目(全体1050位)指名を受けたが[6]、プロ入りはせず、当時カレッジ・ワールドシリーズ出場15回のスタンフォード大学へ進学する。

元々は三塁手先発投手として野球部に入ったストーレンだが、コーチからリリーフ転向を打診され承諾[4]、1年目の2008年からチームの抑え投手となった。この年、チームはレギュラーシーズンとその後のトーナメントを勝ち上がり、2003年以来5年ぶり16回目のカレッジ・ワールドシリーズ進出を決める。ストーレンはこの間8セーブを挙げ、目標としていた大会への出場を果たした。8大学によるダブルイリミネーション方式のトーナメントで行われる同大会では、ストーレンはフロリダ州立大学との初戦に登板。3点リードの8回裏に同点本塁打を喫したが、その直後に味方が一挙11得点で勝ち越し、結果的に勝利投手になっている[7]。チームは準決勝でジョージア大学に敗れ、全米王座獲得はならず。ストーレンの大学1年目は、31試合56.1イニングで5勝3敗8セーブ・防御率3.51・50奪三振という成績だった。続く2009年は、チームはカレッジ・ワールドシリーズ出場を逃す。ストーレンは引き続き抑え投手を務め、28試合42.2イニングで7勝1敗7セーブ・防御率3.80・66奪三振を記録した。

プロ入りとナショナルズ時代

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2009年6月9日のMLBドラフトでは、1巡目(全体10位)でワシントン・ナショナルズがストーレンを指名。この順位での指名は、実力よりも契約可能性を優先してのものという評価が専らだった[8]。その見立て通り、指名翌日の10日には入団契約を結びプロ入りする。せっかちを自認するストーレンは、同日に球団幹部から「プロデビューはいつがいいか」と聞かれ「金曜日(12日)はどうですか」と答えたという[4]。結局、12日ではなく18日に、マイナーリーグのA級ヘイガーズタウン・サンズ英語版でプロ初登板[9]。これ以降、大学時代と同様に救援投手として登板を重ねたストーレンは、A+級ポトマック・ナショナルズを経てAA級ハリスバーグ・セネターズまで昇格してプロ1年目を終える。3クラス合計での成績は、28試合37イニングで2勝1敗11セーブ、防御率1.95、49奪三振、WHIP 0.78だった。

2010年は、シーズン開幕をAA級ハリスバーグで迎えたストーレンだったが、4月末にはAAA級シラキュース・チーフスへ昇格。そこで6試合に投げたところで、5月中旬にメジャーへ昇格することになった。不振のブライアン・ブルーニーと入れ替わる形でナショナルズに合流し[10]、5月17日のセントルイス・カージナルス戦でメジャーデビュー。2点ビハインドの7回裏一死一塁の場面で登場し、マット・ホリデイから空振り三振を奪うなど、この回を無失点に抑えた[11]。そのままメジャーに定着したストーレンは、前半戦終了時点で24試合に登板、中継ぎとして8ホールドを挙げる。後半戦になると、抑え投手だったマット・キャップスが途中でミネソタ・ツインズトレード移籍したこともあって、試合を締める役割を担うことが増えるように。8月6日のロサンゼルス・ドジャース戦で9回裏の1イニングを無失点に抑えメジャー初セーブを記録すると[12]、シーズン終了までに計5つのセーブを稼いだ。この年にデビューした選手の中では54登板は5位、5セーブは高橋尚成に次いで2位の多さだった。

2011年は43セーブを記録。

2012年は故障で出遅れ、クローザーの座に復帰したのはシーズン終盤になってからだった。10月12日のリーグ優勝決定シリーズ進出が懸かったカージナルスとのディビジョンシリーズ第5戦では、2点リードの9回表に登板し、二死2ストライクまで追い込んでから4失点で逆転を許し、ナショナルズは敗退した。

2013年は、開幕前にチームがラファエル・ソリアーノを獲得したため、ストーレンは中継ぎに配置転換された。これが、影響したのか成績不振に陥り、マイナー降格となった。一連の出来事に、チームメイトのタイラー・クリッパードもチームの編成部に対して不満を言っている。

2014年1月17日にナショナルズと345万ドル+出来高(登板試合数によって変動)の1年契約に合意した[13]。この年は、4月から6月にかけて、毎月1失点ずつに抑えるロケットスタートを決めた[14]7月には一時、不安定になったが、シーズン終盤にクローザーラファエル・ソリアーノが調子を落とした為、ストーレンが代役を務めた[14]。クローザー定着後も役割を全うし、最終的には65試合に登板して防御率1.12・2勝1敗11セーブ・WHIP0.98という素晴らしい成績を収めた。しかし、サンフランシスコ・ジャイアンツとのポストシーズンでは初戦でセーブを失敗[14]し、チーム敗退の一因となった。

2015年ジョナサン・パペルボンが加入したが、全体としてはクローザーを務め、58試合に登板して29セーブを挙げた。なお9月9日のニューヨーク・メッツ戦では決勝打を打たれた悔しさからロッカーを殴って親指を骨折し[15]、残りのシーズンを棒に振った。

ブルージェイズ時代

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2016年1月9日にベン・リビアとのトレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した[16]。新天地では守護神候補として期待されるも、3・4月の防御率が10.13と大乱調。その後も一向に状態が上がらず、7月24日にDFAとなった[17]

マリナーズ時代

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2016年7月26日にホアキン・ベノワとのトレードで、金銭と共にマリナーズへ移籍した[18]。 11月3日にFAとなった[19]

レッズ時代

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2017年1月3日にシンシナティ・レッズと1年300万ドルで契約を結んだ[20]。オフの11月2日にフリーエージェント(FA)となった[21]

フィリーズ傘下時代

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2020年1月22日にフィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結び、春季キャンプに招待された[22]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2010 WSH 54 0 0 0 0 4 4 5 10 .500 232 55.1 48 3 22 3 3 52 3 0 24 22 3.58 1.27
2011 73 0 0 0 0 6 3 43 3 .667 303 75.1 57 8 20 4 2 74 2 0 24 23 2.75 1.02
2012 37 0 0 0 0 3 1 4 10 .750 116 30.1 22 0 8 0 1 24 1 0 8 8 2.37 0.99
2013 68 0 0 0 0 4 2 3 24 .667 267 61.2 65 7 19 2 1 58 2 0 34 31 4.52 1.36
2014 65 0 0 0 0 2 1 11 20 .667 224 56.1 44 2 11 3 3 46 4 0 8 7 1.12 0.98
2015 58 0 0 0 0 2 2 29 5 .500 228 55.0 45 4 16 2 5 67 2 0 23 21 3.44 1.11
2016 TOR 38 0 0 0 0 1 3 3 8 .250 156 33.1 43 6 10 1 6 32 0 1 23 23 6.21 1.59
SEA 19 0 0 0 0 3 0 0 2 1.000 72 18.1 13 1 3 0 1 16 0 0 7 7 3.44 0.87
'16計 57 0 0 0 0 4 3 3 10 .571 228 51.2 56 7 13 1 7 48 0 1 30 30 5.23 1.34
2017 CIN 58 0 0 0 0 4 2 1 6 .667 246 54.2 57 7 23 5 10 48 1 0 32 27 4.45 1.46
通算:8年 470 0 0 0 0 29 18 99 88 .617 1844 440.1 394 38 132 20 32 417 15 1 183 169 3.45 1.20
  • 2022年度シーズン終了時

背番号

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  • 58(2010年)
  • 22(2011年 - 2015年)
  • 45(2016年)
  • 40(2017年)

脚注

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  1. ^ Drew Storen Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2017年1月4日閲覧。
  2. ^ Explaining Reds Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月25日) 2017年9月25日閲覧
  3. ^ Drew Storen (2010年2月24日). “Prospect Chat: Drew Storen / The Nationals righthanders answered readers' questions” (英語). Baseball America. 2017年1月4日閲覧。
  4. ^ a b c Adam Kilgore (2010年3月5日). “For Drew Storen, the Washington Nationals' future closer, the future can't get here quick enough” (英語). Washington Post. 2017年1月4日閲覧。
  5. ^ Player Bio: Drew Storen” (英語). Stanford University's Official Athletic Site. 2013年1月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月4日閲覧。
  6. ^ 34th Round of the 2007 MLB June Amateur Draft” (英語). Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2016年1月4日閲覧。
  7. ^ Eric Olson (2008年6月14日). “Stanford's 11-run inning pushes Cardinal past Seminoles” (英語). AP Sports Writer. USA TODAY. https://usatoday30.usatoday.com/sports/baseball/2008-06-14-670770851_x.htm 2016年1月4日閲覧。 
  8. ^ Thomas Boswell (2009年8月20日). “Ask Boswell: Stephen Strasburg, GM Mike Rizzo, Nats, Redskins and More” (英語). Washington Post. 2016年1月4日閲覧。
  9. ^ Lisa Winston (2009年6月19日). “Storen first of 2009 class to taste pros / Nats' second pick of Draft debuts with Hagerstown Suns” (英語). MLB.com. 2016年7月25日閲覧。
  10. ^ Adam Kilgore (2010年5月16日). “Nationals promote Drew Storen” (英語). Washington Post. 2016年1月4日閲覧。
  11. ^ May 17, 2010, Nationals at Cardinals Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2016年1月4日閲覧。
  12. ^ Aug 6, 2010, Nationals at Dodgers Box Score and Play by Play” (英語). Baseball-Reference.com. Sports Reference LLC. 2016年1月4日閲覧。
  13. ^ Bill Ladson (2014年1月17日). “Zimmermann, Desmond sign two-year deals”. MLB.com. 2016年7月25日閲覧。
  14. ^ a b c 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、259頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  15. ^ Steve Wilaj (2015年9月12日). “Storen breaks thumb, likely out for season” (英語). MLB.com. http://m.mlb.com/news/article/148930890/drew-storen-breaks-thumb-out-for-season 2016年7月25日閲覧。 
  16. ^ Bill Ladson (2016年1月8日). “Nats land Revere, send Storen to Blue Jays” (英語). MLB.com. 2016年7月25日閲覧。
  17. ^ Alykhan Ravjiani (2016年7月24日). “Storen designated for assignment by Toronto” (英語). MLB.com. 2016年7月25日閲覧。
  18. ^ Shi Davidi (2016年7月26日). “Blue Jays trade Drew Storen to Mariners for RHP Joaquin Benoit”. Sportsnet. 2016年8月7日閲覧。
  19. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年1月4日閲覧。
  20. ^ Mark Sheldon (2017年1月3日). “Reds sign reliever Storen to 1-year contract” (英語). MLB.com. 2017年1月3日閲覧。
  21. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月28日閲覧
  22. ^ フィリーズ、リリアーノらベテランとマイナー契約”. nikkansports.com (2020年1月23日). 2020年1月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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