トンプソン島
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現地名: Thompson Island | |
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地理 | |
場所 | 南大西洋 |
座標 | 南緯54度33分0秒 東経5度50分0秒 / 南緯54.55000度 東経5.83333度 |
行政 |
トンプソン島(トンプソンとう、英語: Thompson Island)は、南大西洋に存在したとされた、いわゆる疑存島。実在しない。Global Volcanism Programによると、ブーベ島(ノルウェー領)の北北東約70キロメートルの位置にあったとされる[1]。ブーベ島は南部アフリカと南極大陸の間の亜南極に存在する島であり、最も近い陸地(南極大陸)まで約1,600キロメートルもの距離がある絶海の孤島である。
歴史
[編集]トンプソン島が最初に報告されたのは1825年のことで、捕鯨船船長のジョージ・ノリス(George Norris)によるものである。その後、1893年まで目撃報告がなされている。しかし、1898年にドイツ帝国の測量船「Valdivia」がブーベ島の位置を確定させた際に、併せてトンプソン島の位置を確定させるべくトンプソン島が存在されるとされた海域を調査したものの、結局発見できなかった。これは、1890年代に起こった火山活動によって島自体が海底に沈んでしまったものであると推測されていた[2]。もっとも、1997年に行われた水深調査の結果によれば、トンプソン島があったとされる海域の水深は2,400メートル以上もの深さがあるとされており、火山活動の存在も不確かなものとなっている[1]。
1898年時点で発見されなかったトンプソン島であるが、結局一部の地図では1943年の版まで記載され続けた[3]。
フィクションにおける扱い
[編集]- ジェフリー・ジェンキンスの小説「A Grue of Ice」のクライマックスは、トンプソン島が対象となっている。登場人物がブーベ島にて、南極海の海水による錯視(蜃気楼)による位置の誤認を説明している[4]。
脚注
[編集]- ^ a b "Thompson Island". Global Volcanism Program. Smithsonian Institution.
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引数が必須です。 (説明) - ^ P.E. Baker (1967). “Historical & Geological Notes on Bouvetoya”. British Antarctic Survey Bulletin (13): 71–84. オリジナルの2012年5月8日時点におけるアーカイブ。 .
- ^ A. R. H. and N. A. M. (1943). “Review: A New Chart of the Antarctic”. The Geographical Journal 102 (1): 29–34. doi:10.2307/1789367. JSTOR 1789367.
- ^ Geoffrey Jenkins. A Grue of Ice. Fontana. ISBN 0-00-613269-3
参考文献
[編集]- Gaddis, Vincent (1965). Invisible Horizons. Philadelphia: Chilton.
- Stommel, Henry (1984). Lost Islands: The Story of Islands That Have Vanished from Nautical Charts. Vancouver: University of British Columbia Press, pp 98–99. ISBN 0-7748-0210-3.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Thompson Island entry in the "Legends and Sea Stories" layer at BlooSee.