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トマス・ウィリアムズ (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トマス・ウィリアムズ
誕生 1926年11月15日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ミネソタ州ダルース
死没 1990年10月23日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューハンプシャー州ドーバー
職業 小説家短編小説作家
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル フィクション
代表作The Hair of Harold Roux』、『Leah, New Hampshire
主な受賞歴 1975年全米図書賞(小説部門)
ウィキポータル 文学
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トマス・ウィリアムズ(Thomas Williams、1926年11月15日 - 1990年10月23日)は、アメリカ合衆国小説家[1]。小説『The Hair of Harold Roux』は、ロバート・ストーン (Robert Stone) の『Dog Soldiers』とともに、1975年全米図書賞(小説部門)を受賞し[2][3]、最後に発表された小説『Moon Pinnace 』(1986年)は、全米批評家協会賞の最終候補作に残った[4]

生涯

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ウィリアムズは、1926年ミネソタ州ダルースに生まれた[5]。ウィリアムズは、子どもの頃にニューハンプシャー州へ移り、その後の人生のほとんどを同州で働き、また、執筆しながら過ごしたが、教育はアイオワ作家ワークショップ (Iowa Writers' Workshop)、シカゴ大学に学び、短期間ながらパリにも留学した。長くニューハンプシャー大学 (University of New Hampshire) で教鞭を執り続け、生涯に小説を8作品発表した[4]。小説家ジョン・アーヴィングは、ニューハンプシャーで長くテニュアであったウィリアムズの教え子のひとりであり[6]、ウィリアムズの没後に刊行された作品集『Leah, New Hampshire』(1992年)に序文を寄せている[7]

ウィリアムズのプロフィールは、1985年の『Gun People』という書籍にも収められている[8]。そこで、ウィリアムズは、自らの狩猟への関心や、自作との関係などについて述べている。

ウィリアムズは、ニューハンプシャー州ダーラムに住んでいたが、肺癌のため同州ドーバー (Dover) の病院において、63歳で亡くなった[1]

影響

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2011年、『The Hair of Harold Roux』が再刊され、ウィリアムズ作品への新たな関心を呼び起こした[9]。ウィリアムズの娘アン・ジョスリン・ウィリアムズ (Ann Joslin Williams) は、作家、小説家であり、『The Woman in the Woods』の連作により2005年のスポケーン賞 (Spokane Prize) を受賞した[10]。彼女は最初の長編小説『Down From Cascom Mountain』を2011年に発表した。父と同じように、彼女もアイオワ作家ワークショップに学び、ニューハンプシャー大学の教授となっている[10]

ウィリアムズの影響を受けた人々としては、ジョン・アーヴィング[6][11]アリス・マクダーモット (Alice McDermott)[7]ビル・モリッシー (Bill Morrissey)[12]アンドレ・デュバス3世 (Andre Dubus III)[13]や、娘のアン・ジョスリン・ウィリアムズ (Ann Joslin Williams) らが挙げられる。

おもな作品

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昔はよく、ニューハンプシャー大学で教えていた、師匠のような人と出かけたものだ。その人の名はトマス・ウィリアムズといった [...] 一緒に釣りや狩りに行ったものだ。彼の友人も多くが作家たちで、一緒になると話題はニジマスからユードラ・ウェルティ (Eudora Welty)へ、ライチョウ狩りへと流れるようなことが常だった。なので、僕はずっと口を閉ざしていた。この集団の中では、学ぶことの方が、教えることより遥かに多かったからだ。トムはいつも「意図することだけ、極力無駄なく言って、出て行け」と言っていたが、僕が自分の作詞で心がけているのはまさしくこれだ。 "I used to hang out with this guy who taught at the University of New Hampshire who was a mentor of sorts. His name was Thomas Williams [...] We often went fishing and hunting together. A good many of his friends were also writers and so when they'd get together the talk would go from rainbow trout to Eudora Welty to rough grouse. So I just kept my mouth shut. There was a lot more I was going to learn than teach in that group. Tom always said, "just say what you mean as economically as possible and get out," and that's really what I try to do with my lyrics."
--- ビル・モリッシー (Bill Morrissey)、シンガーソングライター[12]
小説
  • Ceremony of Love. Indianapolis: Bobbs-Merrill (1955)
  • Town Burning. New York: Macmillan (1959)
  • The Night of Trees. New York: Macmillan (1961)
    • (reissue: paperback). Ampersand Press & Small Press Distribution (1989). Introduction by John Irving. ISBN 978-0-935331-09-7
  • A High New House. New York: Dial Press (1963) –ウィリアムズはこの短編集で「Dial Press Fellowship Award for Fiction」を受けた
  • Whipple's Castle: An American Novel. New York: Random House (1969)
  • The Hair of Harold Roux. New York: Random House (1974)[14]
  • Tsuga's Children. New York: Random House (1977) ISBN 0-394-49731-7
  • The Followed Man. New York, NY: Richard Marek (1978) ISBN 978-0-399-90025-9
  • Moon Pinnace. Garden City, NY: Doubleday & Company (1986)
没後の出版

出典・脚注

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  1. ^ a b “Thomas Williams Is Dead at 63; A Novelist and English Professor - New York Times”. Nytimes.com. (1990年10月25日). http://www.nytimes.com/1990/10/25/obituaries/thomas-williams-is-dead-at-63-a-novelist-and-english-professor.html 2011年7月30日閲覧。 
  2. ^ National Book Awards - 1975”. National Book Foundation. 2012年3月28日閲覧。:ウィリアムの受賞スピーチへのリンクもある。
  3. ^ Allard, Sam. “Thomas Williams' 'The Hair of Harold Roux' deserves a rousing readership”. cleveland.com. 2011年7月30日閲覧。
  4. ^ a b Thomas Williams; Award-Winning Novelist - Los Angeles Times”. Articles.latimes.com (1990年11月6日). 2011年7月30日閲覧。
  5. ^ The Hair of Harold Roux by Thomas Williams”. Ann Joslin Williams (2011年6月15日). 2011年7月30日閲覧。
  6. ^ a b Harrigan, Jane. “Becoming John Irving”. Unhmagazine.unh.edu. 2011年7月30日閲覧。
  7. ^ a b McIntyre, John. “Reconsidering Thomas Williams | Pif Magazine”. Pifmagazine.com. 2011年7月30日閲覧。
  8. ^ Gun People (Doubleday Books, 1st Edition, 1985. ISBN 978-0-385-19193-7
  9. ^ SEEING THE WORLD THROUGH BOOKS » Blog Archive » Thomas Williams–THE HAIR OF HAROLD ROUX”. Marywhipplereviews.com (2011年6月26日). 2011年7月30日閲覧。
  10. ^ a b Ann Joslin Williams Homepage”. Ann Joslin Williams (2011年6月15日). 2011年7月30日閲覧。
  11. ^ ウィリアムズによるアーヴィングへのインタビューは、村上春樹によって日本語に翻訳されている。:ジョン・アーヴィング、トマス・ウィリアムズ「インタビュー:「面白い小説とは何か」 (ジョン・アービング--いまアメリカで最も読まれている作家(今日の海外文学-19-))」『海』第14巻第7号、中央公論社、1982年、419-424頁。 
  12. ^ a b Bill Morrissey, Biography: Contemporary Musicians”. Enotes.com. 2011年7月30日閲覧。
  13. ^ a b Ulin, David L. (2011年6月19日). “'The Hair of Harold Roux' by Thomas Williams: book review - Los Angeles Times”. Articles.latimes.com. 2011年7月30日閲覧。
  14. ^ Lehmann-Haupt, Christoper (1974年6月3日). “Fictions Within Fictions:'The Hair of Harold Roux' by Thomas Williams: book review”. New York Times. http://www.nytimes.com/packages/html/books/nba-Williams75.pdf 2011年8月3日閲覧。 

外部リンク

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