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デフ・レパード (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『デフ・レパード』
デフ・レパードスタジオ・アルバム
リリース
録音 アイルランド ダブリン ジョーズ・ガレージ[1]
ジャンル ハードロックヘヴィメタルグラム・メタル
時間
レーベル Bludgeon Riffola
プロデュース ローナン・マクヒュー&デフ・レパード
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(スイス[2]
  • 4位(オーストラリア[3]
  • 8位(日本[4]
  • 10位(アメリカ[5]、ドイツ[6]
  • 11位(イギリス[7]、カナダ[8]、スウェーデン[9]
  • 15位(ノルウェー[10]
  • 17位(ニュージーランド[11]
  • 18位(オーストリア[12]
  • 32位(フィンランド[13]
  • 36位(イタリア[14]
  • 39位(ベルギー・ワロン地域[15]
  • 49位(フランス[16]
  • 79位(オランダ[17]
  • 85位(ベルギー・フランデレン地域[18]
  • デフ・レパード アルバム 年表
    ビバ! ヒステリア
    (2013年)
    デフ・レパード
    (2015年)
    アンド・ゼア・ウィル・ビー・ア・ネクスト・タイム…ライヴ・フロム・デトロイト
    (2017年)
    ミュージックビデオ
    「Let's Go」 - YouTube
    「Dangerous」 - YouTube
    「Man Enough」 - YouTube
    「We Belong」 - YouTube
    テンプレートを表示

    デフ・レパード』(Def Leppard)は、イギリスハードロックバンドデフ・レパード2015年に発表した、カバー・アルバムも含めれば通算11作目のスタジオ・アルバム。『ソングス・フロム・ザ・スパークル・ラウンジ』以来7年ぶりの新作に当たる[19]

    背景

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    本作のレコーディングは、ジョー・エリオットの自宅のスタジオ「ジョーズ・ガレージ」で秘密裏に進められ、当初はEPとしてのリリースも考えられていたが、最終的には14曲入りのフルレングス・アルバムとなった[20]ヴィヴィアン・キャンベルによれば、エリオットが「俺たちのファン層の大きな割合を占めるのは、アルバム単位で音楽を聴いていた世代だ」と主張したことからアルバムの制作に発展したとのことで、キャンベルは当時の音楽業界の流れから、アルバムを作ることに対し乗り気ではなかったが、本作のリリース直前のインタビューでは「結果的に『デフ・レパード』はすごく良いアルバムになったから、俺は喜んで自分が間違っていたことを認めるよ」と語っている[21]。なお、キャンベルは2013年にホジキンリンパ腫を発症しており[22]、一部の曲に関しては、キャンベルの治療を優先し残りの4人でレコーディング・セッションを行った後、ツアー中の空き時間にキャンベルのパートをラップトップで録音する方法が取られた[23]

    エリオットは、本作がセルフ・タイトルとなった理由に関して「デフ・レパードの特定の時期を思わせるサウンドじゃない。すべてを含んでいる」「アコースティック、ヘヴィ、ソフト、スロー、ファストといった、俺達が取り入れたいと思ってきたいずれの側面も、ここにある。だからこそ、このアルバムを『デフ・レパード』と名付けたのさ、クイーンがそうだったように、俺達は大幅に違うタイプの曲を考え出せるからね」とコメントしている[24]

    ソングライティング

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    「マン・イナフ」はディスコを取り入れた曲で、作曲を担当したフィル・コリンは「マイケル・ジャクソンの"Billie Jean"に近い雰囲気にしたかった」「人々からはクイーンの"Another One Bites the Dust"に似ていると言われてきた」と語っている[25]。「ウィ・ビロング」はエリオットが単独で作詞・作曲した曲だが、メンバー全員でリード・ボーカルを分け合う形となった[26]。なお、エリオット自身はこの曲を書いた際、他のメンバーに「"All the Young Dudes"をU2が弾いているみたいなのがあるんだけど」と説明したという[27]

    「シー・オブ・ラヴ」には、フィル・コリンのサイド・プロジェクト「デルタ・ディープ」のボーカリストであるデビー・ブラックウェル=クックがゲスト参加しており、コリンは同作に関して「レニー・クラヴィッツ的な雰囲気のある曲」「他のメンバーには嫌われるかもしれないと思ったけど、とりあえず聴かせてみた。そして、彼らは本当に気に入ってくれた」と語っている[28]。「ブロークン・ブロークンハーテッド」は、トム・ロビンソン・バンド英語版の曲「2-4-6-8モーターウェイ」に影響を受けて作られた曲である[23]

    反響

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    全英アルバムチャートでは5週トップ100入りし、最高11位を記録した[7]。アメリカでは発売初週に3万枚以上を売り上げ[29]Billboard 200では10位に達し、バンドにとって7作目(コンピレーション・アルバムも含む)の全米トップ10アルバムとなった[5]

    スイスのアルバム・チャートでは2位に達し、同国において『X』(2002年)以来13年ぶりのトップ10ヒットとなった[2]。日本のオリコンチャートでは総合8位を記録し[4]、洋楽チャートでは1位を獲得した[30]

    評価

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    Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「本作はバンドの現在の立ち位置を要約しており、彼らは過去の彼ら自身及びインスピレーションを愛しているが、それは懐古ではなく、自身の人生を愛しているのだ」と評している[19]。Jeremy UlreyはPopMattersにおいて10点満点中8点を付け「14曲のうちのほぼ全部が名曲と呼ばれるだけの可能性を持っており、時間をかけたことで、バンドにとって良い結果がもたらされた。とりわけ、外部ソングライターが不在のままで、この業績を達成したことは特筆すべきだ」と評している[31]。Jon Dolanは2015年11月2日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中2.5点を付け「LEPSは過去の栄光に立ち戻ることに興味がないようで、彼らのソングライティングは、性別不明のディスコ・ジャム"Man Enough"、ダンス・ポップ的な味の"Energized"、レッド・ツェッペリン風のサイケデリックなフォーク・ブルース"Battle of My Own"、ナッシュビルを思わせるアコースティック・バラード"Last Dance"等、徹底的に創意に富み、幅広い方向性となっている」と評している[32]。また、坂東健太は『YOUNG GUITAR』2015年11月号のレビューにおいて「自身のルーツをさらけ出した曲が多いのも、ある意味開き直り的で興味深い」「フィル・コリンとヴィヴィアン・キャンベルのギター・サウンドに関しては、もはやこれ以上は望めないほどの現代的なハイファイさが肝であり、空間を埋め尽くす広大なレンジ感が実に強烈」と評している[33]

    2016年のクラシック・ロック・ロール・オブ・オナーズ賞では年間最優秀アルバム賞を受賞し、両国国技館で開催された授賞式には、メンバーのうちジョー・エリオットとフィル・コリンが出演した[34]

    ツアー

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    バンドは本作のリリース前の2015年6月23日から10月4日まで、スティクス及びテスラと共に北米ツアーを行うが[35]、このツアーの前半では、本作からの新曲は演奏されず、最後の2週間ほどの間に「レッツ・ゴー」のみ演奏された[21]。そして、リリース後の2015年11月には日本武道館オリックス劇場Zepp Nagoya仙台サンプラザの4会場で日本ツアーが行われた[21]

    2016年には再びスティクス、テスラと共にアメリカ・ツアーを行う予定だったが、ジョー・エリオットの喉に問題が生じて、初日に当たる1月29日のフロリダ公演だけで終了せざるを得なくなり[36]、同年5月より再開されたアメリカ・ツアーでは、5月初旬の2公演のみスティクス及びテスラとの共演で、大部分の公演はテスラ及びREOスピードワゴンと共に行われた[37]

    収録曲

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    #タイトル作詞・作曲時間
    1.「レッツ・ゴー - Let's Go」リック・サヴェージジョー・エリオット
    2.「デンジャラス - Dangerous」フィル・コリン、ジョー・エリオット
    3.「マン・イナフ - Man Enough」フィル・コリン、ジョー・エリオット
    4.「ウィ・ビロング - We Belong」ジョー・エリオット
    5.「インヴィンシブル - Invincible」リック・アレン、ジョー・エリオット
    6.「シー・オブ・ラヴ - Sea of Love」フィル・コリン
    7.「エネジャイズド - Energized」フィル・コリン
    8.「オール・タイム・ハイ - All Time High」ジョー・エリオット
    9.「バトル・オブ・マイ・オウン - Battle of My Own」リック・サヴェージ、ジョー・エリオット
    10.「ブロークン・ブロークンハーテッド - Broke 'N' Brokenhearted」フィル・コリン、ジョー・エリオット
    11.「フォーエヴァー・ヤング - Forever Young」フィル・コリン、ジョー・エリオット
    12.「ラスト・ダンス - Last Dance」リック・サヴェージ
    13.「ウィングス・オブ・アン・エンジェル - Wings of an Angel」フィル・コリン、ヴィヴィアン・キャンベル、リック・サヴェージ、ジョー・エリオット
    14.「ブラインド・フェイス - Blind Faith」フィル・コリン、ヴィヴィアン・キャンベル、リック・サヴェージ、ジョー・エリオット
    日本盤ボーナス・トラック
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    15.「ラスト・ダンス - Last Dance」(Demo)  

    ギター・ソロの内訳は下記の通り[1]

    • フィル・コリン&ヴィヴィアン・キャンベル - 1. 4. 11. 14.
    • ヴィヴィアン・キャンベル - 2. 12. 13.
    • フィル・コリン - 3. 5. 6. 8. 10.

    参加ミュージシャン

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    アディショナル・ミュージシャン

    脚注・出典

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    1. ^ a b c d CD英文ブックレット内クレジット
    2. ^ a b Def Leppard - Def Leppard - hitparade.ch
    3. ^ australian-charts.com - Def Leppard - Def Leppard
    4. ^ a b デフ・レパード|デフ・レパード|ORICON NEWS
    5. ^ a b Def Leppard Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年10月26日閲覧。
    6. ^ Offizielle Deutsche Charts
    7. ^ a b DEF LEPPARD | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    8. ^ Def Leppard Def Leppard Chart History - Billboard Canadian Albums”. Billboard. 2018年10月26日閲覧。
    9. ^ swedishcharts.com - Def Leppard - Def Leppard
    10. ^ norwegiancharts.com - Discography Def Leppard
    11. ^ charts.org.nz - Def Leppard - Def Leppard
    12. ^ Def Leppard - Def Leppard - austriancharts.at
    13. ^ finnishcharts.com - Def Leppard - Def Leppard
    14. ^ italiancharts.com - Def Leppard - Def Leppard
    15. ^ ultratop.be - Def Leppard - Def Leppard
    16. ^ lescharts.com - Def Leppard - Def Leppard
    17. ^ Def Leppard - Def Leppard - dutchcharts.nl
    18. ^ ultratop.be - Def Leppard - Def Leppard
    19. ^ a b Erlewine, Stephen Thomas. “Def Leppard - Def Leppard”. AllMusic. 2018年10月26日閲覧。
    20. ^ McFee, Edwin (2015年11月11日). “Def Leppard on the prowl once again as they return for Belfast concert”. Belfast Telegraph. 2018年10月26日閲覧。
    21. ^ a b c 山崎智之 (2015年10月29日). “【インタビュー】ヴィヴィアン・キャンベル「最高の状態で日本公演に臨む」”. BARKS. Japan Music Network. 2018年10月26日閲覧。
    22. ^ デフ・レパードのヴィヴィアン・キャンベル、癌と闘病中であることを明かす”. rockin'on inc (2013年6月12日). 2018年10月26日閲覧。
    23. ^ a b 中村美夏 (2015年10月28日). “【インタビュー】デフ・レパード、『デフ・レパード』は『ヒステリア』を凌ぐ興奮度”. BARKS. Japan Music Network. 2018年10月26日閲覧。
    24. ^ Def Leppard's Joe Elliott Explains Decision To Make New Album Self-Titled Affair”. Blabbermouth.net (2015年8月27日). 2018年10月26日閲覧。
    25. ^ Man Enough by Def Leppard”. Songfacts. 2018年10月26日閲覧。
    26. ^ Giles, Jeff (2016年12月2日). “Watch Def Leppard's New Video for 'We Belong': Exclusive Premiere”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2018年10月26日閲覧。
    27. ^ 中村美夏 (2015年10月30日). “【インタビュー】ジョー・エリオット「デフ・レパードは一生アルバムを作り続けるよ」”. BARKS. Japan Music Network. 2018年10月26日閲覧。
    28. ^ Def Leppard's New Song 'Sea Of Love' Features Guest Appearance By Delta Deep Singer”. Blabbermouth.net (2015年9月30日). 2018年10月26日閲覧。
    29. ^ Def Leppard's New Album Cracks U.S. Top 10”. Blabbermouth.net (2015年11月9日). 2018年10月26日閲覧。
    30. ^ デフ・レパード、わずか3日でオリコン1位”. BARKS. Japan Music Network (2015年11月4日). 2018年10月26日閲覧。
    31. ^ Urley, Jeremy (2015年11月10日). “Def Leppard: Def Leppard”. PopMatters. 2018年10月26日閲覧。
    32. ^ Dolan, Jon (2015年11月2日). “Def Leppard”. Rolling Stone. 2018年10月26日閲覧。
    33. ^ 坂東健太 (2015年11月10日). “DEF LEPPARD/DEF LEPPARDアルバム・レビュー”. YOUNG GUITAR. シンコーミュージック・エンタテイメント. 2018年10月26日閲覧。
    34. ^ Steve Smith: New Pop Music Hall and R&B Hall nominees selected, Gabriel wins first Grammys, and more”. Los Angeles Daily News (2016年11月22日). 2018年10月26日閲覧。
    35. ^ Giles, Jeff (2015年2月12日). “Def Leppard Announce 2015 North American Tour with Styx”. Ultimate Classic Rock. Loudwire Network. 2018年10月26日閲覧。
    36. ^ Def Leppard Announces Rescheduled Tour Dates”. Blabbermouth.net (2016年2月24日). 2018年10月26日閲覧。
    37. ^ Payne, Chris (2016年2月29日). “Def Leppard Announces 2016 North American Tour Dates”. Billboard. 2018年10月26日閲覧。

    関連項目

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