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デカヒドロナフタレン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デカヒドロナフタレン
識別情報
CAS登録番号 91-17-8 チェック
PubChem 7044
ChemSpider 6777 チェック
UNII 88451Q4XYF
EC番号 202-046-9, 207-770-9, 207-771-4
国連/北米番号 1147
ChEBI
ChEMBL CHEMBL1491920
RTECS番号 QJ3150000
バイルシュタイン 878165
Gmelin参照 185147
特性
化学式 C10H18
モル質量 138.25 g mol−1
外観 無色の液体
密度 0.896 g/cm3
融点

trans: −30.4 °C (−22.7 °F, 242.7 K)
cis: −42.9 °C (−45.2 °F, 230.3 K)[2]

沸点

trans: 187 °C (369 °F)
cis: 196 °C (384 °F)

への溶解度 溶けない
磁化率
  • −107.7·10−6 cm3/mol (trans)
  • −107.0·10−6 cm3/mol (cis)
屈折率 (nD) 1.481
危険性
安全データシート(外部リンク) Decalin MSDS
GHSピクトグラム 可燃性腐食性物質急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性水生環境への有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H226, H302, H305, H314, H331, H332, H410, H411
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P271, P273, P280, P301+310, P301+330+331
引火点 57 °C (135 °F; 330 K)
発火点 250 °C (482 °F; 523 K)
関連する物質
関連物質 ナフタレンテトラリン
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

デカヒドロナフタレン (decahydronaphthalene) とは、分子式 C10H18 で表されるビシクロアルカンの一種である。デカリンとも呼ばれる。

性質

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1位と6位の水素立体配置によってシス体とトランス体の2種の異性体が存在し、物理的性質に違いがある。

トランス体(左)とシス体(右)。トランス体はすべてのメチレン基がエクアトリアルの位置にあるのに対し、シス体ではひとつがアキシアルに位置しているため立体障害が大きい。

合成

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ナフタレン水素化することによって合成される。常温で液体であり、溶剤として用いられる他、燃料電池の水素貯蔵材料としての研究が行われている[3]

法的規制

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消防法による第4類危険物 第2石油類に該当する[4]

参考文献

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  1. ^ a b Nomenclature of Organic Chemistry : IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013 (Blue Book). Cambridge: The Royal Society of Chemistry. (2014). pp. 33, 394, 601. doi:10.1039/9781849733069-FP001. ISBN 978-0-85404-182-4 
  2. ^ Haynes, William M. (2010). Handbook of Chemistry and Physics (91 ed.). Boca Raton, Florida: CRC Press. p. 3-134. ISBN 978-1439820773 
  3. ^ 産業技術総合研究所のプレスリリース「燃料電池用有機系水素貯蔵材料の新規合成法を開発」
  4. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)