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デアリングハート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
デアリングハート
第25回フェブラリーSパドック(2008年2月24日)
欧字表記 Daring Heart[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栃栗毛[1]
生誕 2002年3月9日(22歳)[1]
抹消日 2008年2月28日
サンデーサイレンス[1]
デアリングダンジグ[1]
母の父 Danzig[1]
生国 日本の旗 日本北海道千歳市[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 藤原英昭栗東[1]
厩務員 倉ケ崎四男[2]
競走成績
生涯成績 26戦4勝[1]
中央競馬:24戦4勝
地方競馬:2戦0勝
獲得賞金 2億7486万2000円[1]
中央競馬:2億5836万2000円
地方競馬:1650万円
勝ち鞍
GIII クイーンS 2006年
GIII 府中牝馬S 2006年・2007年
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デアリングハート(欧字名:Daring Heart2002年3月9日 - )は、日本競走馬繁殖牝馬[1]。主な勝ち鞍に2006年クイーンステークス府中牝馬ステークス2007年の府中牝馬ステークス。

馬名の意味は、「勇敢な心()」。

経歴

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競走馬時代

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2002年北海道千歳市社台ファームで生まれた。同年に社台ファームで生まれた馬には、秋華賞を制したエアメサイア中山大障害を制したマルカラスカルシンガポール航空インターナショナルカップを制したシャドウゲイト東京盃を制したアグネスジェダイ、0歳時に当時の世界レコード価格となる3億5000万円で落札されたトーセンダンスなどがいる。

2004年京都の2歳新馬戦で武幸四郎を鞍上にデビューし[3]、デビュー2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げたが[4]、3歳春までは平凡な成績だった。2005年春に出走したフィリーズレビューで、7番人気ながら2着となり桜花賞への優先出走権を獲得すると[5]、迎えた桜花賞では10番人気の評価だったが、ミルコ・デムーロを背に2着のシーザリオクビ差で3着となった[6]。続くNHKマイルカップも前走がフロック視され10番人気だったが、前走からひとつ着順を上げラインクラフトの2着と健闘した[7][8]

その後しばらくは精彩を欠いたが、4歳夏に出走したクイーンステークスで一歳上のGI馬ヤマニンシュクルを抑え、2歳以来の勝利を重賞初優勝で飾った[9]。続く府中牝馬ステークスも制し重賞2連勝[10]。以後牝馬路線・中距離重賞路線には欠かせない馬として堅実に入着を続け、2007年のヴィクトリアマイルで3着[11][12]、秋には府中牝馬ステークス連覇など活躍を続けた[13]。2008年まで走り、地方競馬の重賞TCK女王盃2着[14][15]を経て出走したダートGI・フェブラリーステークスの7着[16][17]を最後に競走馬を引退。繁殖入りとなった[18]

引退後

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引退後は故郷の社台ファームにて繁殖牝馬となった[18]。自身の産駒からは重賞勝ち馬などは出ていないが、初仔デアリングバードの産駒から2020年の中央牝馬三冠デアリングタクトが出ている。

2022年11月11日付で用途変更となり繁殖を引退[19]

競走成績

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以下の内容は、JBISサーチ[20]およびnetkeiba.com[21]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2004.10.09 京都 2歳新馬 芝1400m(稍) 10 7 7 003.40(2人) 02着 R1:24.8(35.7) -0.2 0武幸四郎 54 マヤノスターダム 432
0000.10.30 京都 2歳未勝利 芝1600m(良) 14 1 1 002.50(1人) 01着 R1:35.3(35.7) -0.4 0武幸四郎 54 (トーホウレビン) 426
0000.12.05 阪神 阪神JF GI 芝1600m(良) 18 7 14 036.6(11人) 05着 R1:35.5(35.2) -0.3 0武幸四郎 54 ショウナンパントル 418
2005.01.16 京都 紅梅S OP 芝1400m(良) 13 1 1 004.00(2人) 03着 R1:24.4(34.6) -0.1 0武幸四郎 54 エリモファイナル 418
0000.02.05 京都 エルフィンS OP 芝1600m(良) 12 8 12 006.00(3人) 06着 R1:36.5(34.6) -0.5 0武幸四郎 54 エアメサイア 412
0000.03.13 阪神 フィリーズレビュー GII 芝1400m(良) 15 4 6 028.40(7人) 02着 R1:21.2(34.9) -0.0 0武幸四郎 54 ラインクラフト 416
0000.04.10 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 5 9 020.0(10人) 03着 R1:33.6(35.0) -0.1 0M.デムーロ 55 ラインクラフト 418
0000.05.08 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 7 13 036.6(10人) 02着 R1:33.9(33.8) -0.3 0後藤浩輝 55 ラインクラフト 422
0000.08.14 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 14 5 7 002.90(1人) 04着 R1:47.2(35.6) -0.5 0後藤浩輝 52 レクレドール 424
0000.10.16 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 4 8 020.60(3人) 12着 R2:01.1(36.4) -1.9 0後藤浩輝 55 エアメサイア 416
0000.10.29 京都 スワンS GII 芝1400m(重) 18 2 4 007.30(3人) 15着 R1:22.8(36.8) -1.3 0松永幹夫 53 コスモサンビーム 408
2006.04.08 阪神 阪神牝馬S GII 芝1400m(良) 12 3 3 028.40(7人) 12着 R1:23.3(38.3) -2.1 0M.デムーロ 55 ラインクラフト 424
0000.05.14 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(稍) 18 7 15 082.9(11人) 06着 R1:34.6(34.5) -0.6 0藤田伸二 55 ダンスインザムード 422
0000.06.11 東京 エプソムC GIII 芝1800m(重) 18 2 3 027.2(10人) 04着 R1:49.5(36.9) -0.3 0藤田伸二 55 トップガンジョー 422
0000.08.13 札幌 クイーンS GIII 芝1800m(良) 14 6 9 005.10(3人) 01着 R1:46.7(35.9) -0.3 0藤田伸二 55 ヤマニンシュクル 424
0000.10.15 東京 府中牝馬S GIII 芝1800m(良) 16 2 3 004.80(2人) 01着 R1:47.5(33.9) -0.0 0後藤浩輝 55 サンレイジャスパー 424
0000.11.19 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 8 18 027.40(7人) 13着 R1:33.9(35.7) -1.2 0藤田伸二 55 ダイワメジャー 428
2007.04.01 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(良) 15 4 7 011.60(6人) 06着 R1:33.7(35.8) -0.6 0藤田伸二 55 ピカレスクコート 434
0000.05.13 東京 ヴィクトリアマイル JpnI 芝1600m(良) 18 8 16 032.60(8人) 03着 R1:32.6(33.4) -0.1 0藤田伸二 55 コイウタ 432
0000.06.10 東京 エプソムC GIII 芝1800m(稍) 18 6 12 006.50(3人) 09着 R1:49.2(36.4) -0.9 0藤田伸二 55 エイシンデピュティ 428
0000.08.12 札幌 クイーンS JpnIII 芝1800m(良) 12 7 10 007.10(4人) 07着 R1:47.2(34.9) -0.5 0藤田伸二 56 アサヒライジング 436
0000.10.14 東京 府中牝馬S GIII 芝1800m(良) 16 4 8 007.80(4人) 01着 R1:45.4(33.9) -0.3 0藤田伸二 55 (アサヒライジング) 428
0000.11.11 京都 エリザベス女王杯 GI 芝2200m(良) 13 1 1 022.00(8人) 12着 R2:13.0(34.9) -1.1 0藤田伸二 56 ダイワスカーレット 424
0000.12.05 船橋 クイーン賞 JpnIII ダ1800m(稍) 14 8 14 006.50(4人) 03着 R1:52.5(39.2) -0.9 0藤田伸二 56 ホワイトメロディー 422
2008.01.16 大井 TCK女王盃 JpnIII ダ1800m(良) 14 6 10 002.40(1人) 02着 R1:54.3(37.0) -0.2 0藤田伸二 57 ラピッドオレンジ 417
0000.02.24 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(良) 16 7 14 036.9(10人) 07着 R1:36.5(37.3) -1.2 0藤田伸二 55 ヴァーミリアン 424

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績・備考 出典
初仔 デアリングバード 2011年 黒鹿毛 キングカメハメハ 栗東藤原英昭 (有)社台レースホース 1戦0勝(引退・繁殖)
仔に牝馬三冠馬デアリングタクト
[22]
2番仔 デアリングエッジ 2013年 栗毛 栗東・河内洋 18戦1勝(引退・繁殖) [23]
3番仔 ハートリッチ 2014年 黒鹿毛 ハービンジャー 美浦加藤征弘
金沢・鈴木長次
園田・小村正也
宇田豊
→(株)ファーストビジョン
70戦5勝(引退) [24]
4番仔 ラヴァンシフル 2015年 鹿毛 美浦・奥村武 (有)社台レースホース 10戦1勝(引退・繁殖) [25]
5番仔 エターナルハート 2017年 黒鹿毛 キングカメハメハ 栗東・友道康夫
→栗東・今野貞一
DMMドリームクラブ(株) 16戦1勝(引退・繁殖) [26]
6番仔 デアリングウーマン 2018年 鹿毛 ロードカナロア 栗東・角田晃一 岡浩二 25戦2勝(引退) [27]
7番仔 オーサムデアラー 2020年 栗毛 マインドユアビスケッツ 美浦・上原博之 吉田照哉 16戦1勝(現役) [28]
8番仔 ブレイヴリー 2021年 栗毛 美浦・黒岩陽一 吉田ひとみ 4戦0勝(引退) [29]

2024年10月8日現在

血統表

[編集]
デアリングハート血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence 1986
青鹿毛 アメリカ
父の父
Halo
1969
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*デアリングダンジグ
Daring Danzig
1990
鹿毛 アメリカ
Danzig
1977
Northern Dancer Nearctic 
Natalma
Pas de Nom Admiral's Voyage
Petitioner
母の母
Impetuous Gal
1975
Briartic Nearctic
Sweet Lady Briar
Impetuous Lady Hasty Rord
Escocesa
母系(F-No.) (FN:1-l) [§ 3]
5代内の近親交配 Almahmoud 4×5、Nearctic 4・4(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [30]
  2. ^ [31]
  3. ^ [30]
  4. ^ [30]

半兄にGIスーパーダービーなど重賞2勝のEction Park(父フォーティナイナー)、武蔵野ステークスなどを勝ったピットファイター(父プルピット)がいる。母の半姉にも米でGI競走3勝を挙げているBanker Ladyがおり、他の近親にも活躍馬が多数いる。

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o デアリングハート|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月4日閲覧。
  2. ^ クラシック取りへアドマイヤジャスタ発進”. 日刊スポーツ. 2023年1月15日閲覧。
  3. ^ 【新馬】(京都4R)〜マヤノスターダム初戦突破ラジオNIKKEI(2004.10.9)、2021年1月23日閲覧。
  4. ^ 【未勝利戦】(京都3R)〜良血馬デアリングハート順当勝ちラジオNIKKEI(2004.10.30)、2021年1月23日閲覧。
  5. ^ 【フィリーズR(GII)】(阪神)〜G前一気にラインクラフト 桜花賞へ王手ラジオNIKKEI(2005.3.13)、2021年1月23日閲覧。
  6. ^ 【桜花賞(GI)】(阪神)〜ラインクラフトが制すラジオNIKKEI(2005.4.10)、2021年1月23日閲覧。
  7. ^ 【NHKマイルC】(東京)〜桜の女王が府中に君臨!ラインクラフトGI2連勝ラジオNIKKEI(2005.5.8)、2021年1月23日閲覧。
  8. ^ 【NHKマイルC】(東京)〜レース後のコメントラジオNIKKEI(2005.5.8)、2021年1月23日閲覧。
  9. ^ 【クイーンS(GIII)】(札幌)〜デアリングハート 重賞初VラジオNIKKEI(2006.8.13)、2021年1月23日閲覧。
  10. ^ 【府中牝馬S】(東京)〜いよいよ本格化!デアリングハート重賞2連勝ラジオNIKKEI(2006.10.15)、2021年1月22日閲覧。
  11. ^ 【ヴィクトリアマイル(GI)】(東京)〜伏兵コイウタが制し、またまた大波乱ラジオNIKKEI(2007.5.13)、2021年1月23日閲覧。
  12. ^ 【ヴィクトリアマイル】〜レース後のコメントラジオNIKKEI(2007.5.13)、2021年1月23日閲覧。
  13. ^ 【府中牝馬S(GIII)】(東京)〜デアリングハート 連覇達成ラジオNIKKEI(2007.10.14)、2021年1月22日閲覧。
  14. ^ 【TCK女王杯】(大井)〜ラピッドオレンジ、重賞初制覇ラジオNIKKEI(2008.1.16)、2021年1月22日閲覧。
  15. ^ 【TCK女王杯】(大井)〜関係者のコメントラジオNIKKEI(2008.1.16)、2021年1月22日閲覧。
  16. ^ 【フェブラリーS(GI)】(東京)〜王者ヴァーミリアン 貫録勝ちラジオNIKKEI(2008.2.24)、2021年1月22日閲覧。
  17. ^ 【フェブラリーS】〜レース後のコメントラジオNIKKEI(2008.2.24)、2021年1月22日閲覧。
  18. ^ a b デアリングハート引退、繁殖入りラジオNIKKEI(2008.2.27)、2021年1月22日閲覧。
  19. ^ デアリングハート”. 血統書サービス. 公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2024年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月4日閲覧。
  20. ^ デアリングハート 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年10月31日閲覧。
  21. ^ デアリングハートの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年10月31日閲覧。
  22. ^ デアリングバード”. JBISサーチ. 2021年6月23日閲覧。
  23. ^ デアリングエッジ | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年4月15日閲覧。
  24. ^ ハートリッチ”. JBISサーチ. 2022年10月21日閲覧。
  25. ^ ラヴファンシフル”. JBISサーチ. 2021年6月23日閲覧。
  26. ^ エターナルハート”. JBISサーチ. 2021年6月23日閲覧。
  27. ^ デアリングウーマン”. netkeiba.com. 2020年4月15日閲覧。
  28. ^ オーサムデアラー”. JBISサーチ. 2022年9月15日閲覧。
  29. ^ ブレイヴリー|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2024年2月25日閲覧。
  30. ^ a b c 血統情報:5代血統表|デアリングハート”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年6月23日閲覧。
  31. ^ デアリングハートの繁殖牝馬情報”. 競馬ラボ. 2021年6月23日閲覧。

外部リンク

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