コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ツバメインダストリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ツバメインダストリ株式会社
Tsubame Industries Co., Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
134-0088
東京都江戸川区西葛西6-15-15 9F
設立 2021年8月27日
業種 製造業
事業内容 搭乗型ロボットの設計、開発、製造
代表者 代表取締役社長 吉田龍央
資本金 9500万円(2024年9月時点)
外部リンク https://tsubame-hi.com/
テンプレートを表示

ツバメインダストリ株式会社(英:Tsubame Industries Co., Ltd.)は東京都江戸川区西葛西に本社を置く、搭乗型ロボットの企画、設計、製造を行う企業である。代表の吉田龍央は、株式会社ALTsの代表も兼任している。 CTOには、日立建機の双腕作業機アスタコの開発者の一人であり、実物大「動くガンダム」プロジェクト(GGC:Gundam Global Challenge)のテクニカルディレクターである石井啓範が就任している。

概要

[編集]

「サイエンスフィクションの世界を、サイエンスリアリティへ」という企業理念の下、「SFに出てくるような大型ロボットを実際に乗り込んで操縦する」という多くの人が憧れた体験を世界に提供すべく、2021年8月に設立された。

社会的意義

[編集]

子どもたちがモノづくりの世界に触れるきっかけを提供し、将来の技術者たちにその技術を伝えることを目指している。日本の製造業が長年培ってきた「モノ作り」の豊かな知識と経験から育まれた確固たる技術を駆使して子どもたちの夢を実現し、製品としての搭乗型ロボットを追求し続けることを社会的意義としている。 [1]

社名の由来

[編集]

社名の由来には、大きく2つの意味がある。1つは、渡り鳥である「ツバメ」に「日本から世界へ羽ばたいていく」という思いを込めて付けたもの。また、ツバメの異名、玄鳥(げんちょう)の玄の字は、玄人のように奥深く優れているという意味があるため、プロフェッショナリズムを持つことを表す。会社ロゴは「玄」の字を基にして作られた。[1]

アーカックス開発の目的

[編集]

会社設立のきっかけにもなっているアーカックスを制作した目的は「搭乗型の動くロボットで人々をワクワクさせたい。」というもの。実用性ではなく感動やロマンを追い求めて造られたアーカックスは、日本国内で活発な産業である「ロボティクス」「アニメーション/ゲーム」「自動車」の分野の要素を詰め込んだ「日本の搭乗型ロボット」として、SFに出てくるような大型ロボットに実際に乗り込んで操縦するという多くの人が憧れた夢の体験を現実にすることを目標として開発された。[1]

沿革

[編集]

製品

[編集]

アーカックス

[編集]
JAPAN MOBILITY SHOW 2023にて展示されたArchax

(英:Archax). 全高4.5m、質量3.5tの搭乗型ロボットロボットモードビークルモードの2つのモードに変形できる[17]。内部フレームに外装が取り付けられているという構造になっており、外装の着脱や換装が可能となっている。また、全てのアクチュエータは電動で、EV用バッテリーを搭載している。コンセプトは「人が操縦できて、ちゃんと動いて、カッコいい」であり、「機械設計のためにデザインを妥協しない」こと、反対に「デザインのために機械の性能を落とさない」ことを追求した開発が行われている。[18]

ロボットモード

[編集]

肩、肘、手首、手指、腰といった全ての可動部が操作可能になる形態。上半身の操作には操作席左右に設けたジョイスティックを用いる。足元のペダルを用いることで車輪の駆動も可能。[19]

全高:4.5m、最高時速:2km/h、関節自由度:26[18]

ビークルモード

[編集]

腕を折りたたみ前足を約60°前に伸ばすことで走行に特化した形態。この状態では上半身の関節駆動は行えないが、最高速度が10km/hに上がる他、ジョイスティックでの移動が可能になる(ロボットモード時はペダル操作)。なお、モード間の変形中にはコックピット内が約17°傾くため、シートが水平を保つように自動的にリクライニングする。[19]

全高:3.9m[19]、最高時速:10km/h[18]

パイロットの視界

[編集]

コックピット内部には4面のディスプレイがあり、アーカックスの前面、背面、左右側方映像が映し出される。アーカックスには全部で9台のカメラが搭載されており、ディスプレイに表示される映像が機体姿勢やモードに応じた最適な視界となるように自動的に切り替わる。[20]

外装

[編集]

外装は青・紺・黒を基調としたカラーリングでFRP(強化繊維プラスチック)製。ハンドなど一部の外装は3Dプリンタによる印刷品。[21]

安全面

[編集]

アーカックスの安全対策としては国際規格(ISO/IEC Guide51・ISO 12100)に沿ったリスクアセスメントを実施している。リスクアセスメントの妥当性を担保するため、既存機械(建設機械と産業用ロボット)の安全規格を参照している。[22]

移動方式

[編集]

後輪駆動自動車同様、後輪を駆動輪、前輪を操舵用の非駆動輪とする四輪走行を行う。[18]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c ABOUT US - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧
  2. ^ 搭乗する「人型巨大ロボ」登場、開発者支えた想い”.東洋経済オンライン(2023年9月3日).2024年8月1日閲覧
  3. ^ ツバメインダストリの搭乗型ロボット“アーカックス” プロトタイプが2023年6月に完成”.ツバメインダストリ株式会社(2023年6月9日).2024年8月1日閲覧
  4. ^ 河森正治監督デザイン特装型アーカックスの世界販売開始”.ツバメインダストリ株式会社(2023年12月21日).2024年8月1日閲覧
  5. ^ 夢とロマンが詰まった4億円の搭乗ロボット「アーカックス」が見られるチャンス!JMS 2023で一般公開”.株式会社インプレス(2023年10月25日).PC Watch. 2024年8月1日閲覧
  6. ^ ツバメインダストリの搭乗型ロボット『アーカックス』初の一般公開”.ツバメインダストリ株式会社(2023年10月23日).2024年8月1日閲覧
  7. ^ 株式会社アンテックスとテクニカルサポート契約締結”.ツバメインダストリ株式会社(2023年11月1日).2024年8月1日閲覧
  8. ^ 搭乗操作型ロボット『アーカックス』開発への技術協力を行いました”.株式会社アンテックス(2023年10月27日).2024年8月1日閲覧
  9. ^ オリエンタルモーター株式会社とテクニカルサポート契約締結”.ツバメインダストリ株式会社(2023年11月2日).2024年8月1日閲覧
  10. ^ 搭乗操作型ロボット「アーカックス」にテクニカルサポーターとして協賛しました”.オリエンタルモーター株式会社(2023年11月1日).2024年8月1日閲覧
  11. ^ ナブテスコ株式会社とテクニカルサポート契約締結”.ツバメインダストリ株式会社(2023年11月2日).2024年8月1日閲覧
  12. ^ ツバメインダストリ株式会社とテクニカルサポート契約締結”.ナブテスコ株式会社(2023年10月25日).2024年8月1日閲覧
  13. ^ 株式会社ミスミとテクニカルサポート契約締結”.ツバメインダストリ株式会社(2023年12月25日).2024年8月1日閲覧
  14. ^ 成長産業であるロボット開発において導入が加速〜時間との闘いとなる開発現場において開発スピードの向上に貢献〜”.株式会社ミスミ(2023年5月10日).2024年8月1日閲覧
  15. ^ GUNDAM FACTORY YOKOHAMAで12月16日から期間限定で展示”.ツバメインダストリ株式会社(2023年12月12日).2024年8月1日閲覧
  16. ^ 「アーカックス」、「SR-02」展示のお知らせ”.GUNDAM FACTORY YOKOHAMA(2023年12月12日).2024年8月1日閲覧
  17. ^ 【ミライ大図解】巨大ロボ「アーカックス」の内覧会をレポート‼【子供の科学10月号】”.誠文堂新光社(2023年9月8日).2024年8月1日閲覧
  18. ^ a b c d THE ARCHAX - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧
  19. ^ a b c PRODUCT - ARCHAX MODE CHANGE - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧
  20. ^ PRODUCT - ARCHAX COCKPIT - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧
  21. ^ PRODUCT - ARCHAX EXTERIOR - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧
  22. ^ SAFETY - ツバメインダストリ株式会社”.ツバメインダストリ株式会社(2023年7月8日).2024年8月1日閲覧