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ツガ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ツガ
ツガ
ツガ
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類新エングラー体系
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Gymnospermae
: マツ綱 Coniferopsida
: マツ目 Coniferae
: マツ科 Pinaceae
: ツガ属 Tsuga
: ツガ T. sieboldii
学名
Tsuga sieboldii Carrière (1855)[1][2]
和名
ツガ(栂)、トガ[2]
英名
Southern Japanese Hemlock[1]

ツガ(栂[3]学名Tsuga sieboldii)は、マツ科ツガ属に分類される常緑性の針葉樹。山地に生える。別名をトガ[2]、ツガマツ[3]という。細かな葉が次々に展開していくことから「継ぐ」が展化してツガと命名された。またトガは咎が語源[要出典]。一般家庭での植栽は稀であり、古来から罪人を磔にする木や公園、神社の御神木などに使われてきた。

分布と生育環境

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日本本州中部(福島県以西)、四国九州屋久島にかけてと[3]韓国鬱陵島に分布する。暖帯林(照葉樹林)から温帯林(落葉広葉樹林)にかけて主に分布する[3]。その範囲では比較的普通に見られる樹木であり、時に優占種となる。モミと混成することがあるが[3]、モミが山腹に生育するのに対して、ツガは標高約1500メートル(m)以上の尾根筋によく生える[3]。なお、一部の地域ではトガサワラも混成する。

形態・生態

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常緑針葉樹高木で、直立する大木になり、高さ20 - 30メートル(m)[3]、胸高直径1 mに達する。樹形は枝を横に広げて、広い円錐形になる[4]樹皮は赤褐色から灰褐色で、縦に深く裂けて亀甲状にはがれ落ちる[3][4]。枝は混んでいて、も密につく[3]。若い枝は無毛である[4]冬芽は小さな卵形から楕円形の鱗芽で、枝の先や葉の基部につき、芽鱗も楕円形をしている[4]

は扁平な状で、長さ7 - 25ミリメートル(mm)で長短があり、表面は深緑でつやがあり主軸に沿って窪みがある[3][4]。先端が少しくぼんでおり、葉先が二つに分かれたようになっている。その点でモミにも似ているが、モミは二つの先端が鋭く尖っているのに対して、ツガは丸まっている。また、枝からの葉の付き方がモミとは若干異なっていることで識別できる。

花期は2月[3]雌雄同株[3]。雄花は枝に先につき、紫色の長卵形[3]。果期は10月[3]球果は小柄で長さ2 - 3センチメートル(cm)の楕円形で、枝先にやや下を向いてぶら下がり、秋に淡褐色に熟す[3]

保全状況評価

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IUCNレッドリスト2013年版で準絶滅危惧と評価されている[1]

人間との関わり

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材は硬く強度があり、良材は建材として敷居に用いられるほか[3]、樹皮からタンニンを取り、漁網を染めるのに使われた。別名はトガであるが咎が語源で[要出典]、古来から咎人を磔にするために使用されてきた。 秋篠宮文仁親王お印である。

脚注

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  1. ^ a b c d e Katsuki, T. & Luscombe, D (2010). "Tsuga sieboldii Carrière". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. (英語)
  2. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tsuga sieboldii Carrière ツガ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 32.
  4. ^ a b c d e 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 251

参考文献

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  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、251頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂 フィールドベスト図鑑5〉、2009年8月4日、32頁。ISBN 978-4-05-403844-8 

関連項目

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外部リンク

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