コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

チャールズ・ヘイワード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チャールズ・ヘイワード
チャールズ・ヘイワード(2007年)
基本情報
原語名 Charles Hayward
生誕 1951年(72 - 73歳)
出身地 イングランドの旗 イングランド
ジャンル エクスペリメンタル・ロック
職業
担当楽器
活動期間 1970年 -

チャールズ・ヘイワードCharles Hayward1951年 - )は、イングランドのドラマーで、エクスペリメンタル・ロック・グループのディス・ヒートキャンバーウェル・ナウの創設メンバー[1]。また、マル・ディーンのアメージング・バンド、ドルフィン・ロジックと共演し、グループのクワイエット・サン・プロジェクトでフィル・マンザネラとギグとレコーディングを行ったほか、ゴングとの短期間の仕事も行っている[2]レインコーツのセカンド・アルバム『オディシェイプ』ではセッション・ミュージシャンを務め[3]、アナキスト・パンク・バンドのクラスでドラムを演奏したこともある[4]。1980年代後半から、ヘイワードはいくつかのソロ・プロジェクトでリリースを行い、さまざまなコラボレーションに参加したが、最も注目すべきはフレッド・フリスビル・ラズウェルと共にマサカーへ参加したことであろう[1]

略歴

[編集]

1976年、ヘイワードと仲間のミュージシャンであるチャールズ・バレンは、ディス・ヒートという名義でベーシストのガレス・ウィリアムズと練習を始めた。彼らはテープループを試し始め、いくつかのセッションでサウンドとキーボードを見つけた(1976年から1978年に録音されたが、1979年までリリースされなかった)。最後に、1979年に、ディス・ヒートはセルフタイトルのデビュー・アルバムをリリースした。1981年の『偽り (Deceit)』はディス・ヒートからの最後のニュー・アルバムとなり、ウィリアムズはそのリリース直後に脱退した。バレンがスタジオ・エンジニアとして働き始めたとき、ヘイワードはベーシストのトレファー・ゴロンウィとテープ・マニピュレーターのステファン・リッカードと共にキャンバーウェル・ナウを結成。それ以前には、ローラ・ロジック、レインコーツエヴリシング・バット・ザ・ガールとのセッションを行った[1]。このトリオ、キャンバーウェル・ナウは、2枚のEP『Meridian』『Greenfingers』、および1枚のアルバム『The Ghost Trade』をRecRecミュージック・レーベルからリリースした[2]

キャンバーウェル・ナウが1987年に解散したとき、ヘイワードは現在まで続くソロ・キャリアに乗り出した。彼は、1987年に『サーヴァイヴ・ザ・ジェスチュア』(1987年)でデビューし、『スキュー・ウィフ - ア・トリビュート・トゥ・マーク・ロスコ』(1989年)、『Switch on War』(1991年)、1993年に『マイ・シークレット・アルファベット』(ニック・ドイン・ディトマスとの連名)と発表してきた。3枚のライブ・アルバムは、1990年代後半に日本で録音された (日本のレーベル、ロクス・ソルスより発売)。2003年に『アブラカダブラ・インフォメイション』がリリースされ、2011年には『ワン・ビッグ・アトム』がリリースされた。1998年、フレッド・フリスビル・ラズウェルと共にマサカーへ参加した[2]

1990年代から現在に至るまで、彼は以下の音楽プロジェクトを含む、多数のイベントやパフォーマンスを開始した。デプトフォードのアルバニー・シアターでの『Accidents + Emergencies』のシリーズ[5]。新設されたラバン・ダンス・センター (現在のトリニティ・ラバン・コンセルヴァトワール・オブ・ミュージック・アンド・ダンス)建設時の音を使用して作られた音楽で、この施設の正式なオープニングのために振り付けられた『Out of Body Orchestra』。サーカスのための音楽 (「National Theatre's 'Art of Regeneration'」主導の一部)。複数のストロボ、多様なテクスチャーの迷路構造、2人のドラマー、シンセサイザー、神経系のための本格的なインスタレーション/パフォーマンス『Anti-Clockwise』 (アシュリー・マーシュとデヴィッド・アイルウォードによる)。最近開発された作品には、キャンバーウェル・アーツの一環としての「CONTINUITY」イブニングがある。過去10年間、ヘイワードはこれらの姿勢と閃きを、共同作業とソロ・アーティスト/パフォーマーの両方により幅広いサウンドワークに発展させてきた。

これらには以下が含まれる。『30 MINUTE SNARE DRUM ROLL』[6][7]。制御されたチャンス・エレクトロニクスのシステムを使用したドラムによるソロ・ソング・セットの『Zigzag+Swirl』。ピアノを中心とした曲のセットである『beginanywhere (どこからでも始まるという意味)』[8]。ローラ・カネル[9]、サーストン・ムーア、灰野敬二などとのコラボレーション。「Anonymous Bash」プロジェクトにおけるイズリントン・ミル(イギリス・マンチェスターにあるビクトリア時代の繊維工場を改築したアーティストの卵が集まるスペース)のクルーとの最近の仕事は、Harmergeddon、DATA QUACK (ベン・ヴィンス、マーリン・ノヴァ、コビー・セイ)、そしてSamarbeta、Care in the Community、Unknown Godsなど一連の新しいレコード・レーベルのプロジェクトといった多くの若いプレイヤーとの新しい仕事へとつながっている。彼は自身のレーベル「CONTINUITY...」からも作品をリリースしている。アルバニーとの長期的な関係は、彼がルイシャム・アートハウスに代わってキュレーションした、年2回の一連のパフォーマンス、ワークショップ、インスタレーションによる「sound is sound is sound」で継続している。

2019年、ホイッスリング・アローという、エックス・イースター・アイランド・ヘッドの3人のメンバー、ローラ・カネル、アンドレ・ボスマン、そしてチャールズ・ヘイワードからなるセクステットが、11月22日にゴッド・アンノウン・レコードからアルバムをリリースした[10]

ヘイワードのソロ・パフォーマンスと同様に、彼の最近のプロジェクトには以下が含まれる:

  • アルバート・ニュートン、ハリー・ベケット、ジョン・エドワーズ、パット・トーマスとは、1990年代半ばのアクシデンツ・アンド・エマージェンシーでの初演以来、演奏を続けている。
  • 1998年、フレッド・フリスとビル・ラズウェルと共にマサカーに参加。
  • ロル・コックスヒルヒュー・ホッパー、オーフィー・ロビンソンとのクリア・フレイム[11]
  • ハン・アール・パーク、イアン・スミスとのマチルド253[12][13]
  • Viv Corringham (ボーカル/エレクトロニクス)、ニック・ドイン・ディトマス (コントラバス)とのMonkey Puzzle Trio。2010年9月にアルバム『White World』がスローフット・レーベルからリリースされる予定だった[14][15]
  • ジョン・コクソン、パット・トーマス、アレクシス・テイラーとのAbout Group。
  • ローラ・カネル、Ralph Cumbers (aka Bass Clef)とのOscilanz[9]
  • DJ BPM、ニック・ドイン・ディトマス、Vern EdwardsとのV4V。
  • ローラ・カネル、エックス・イースター・アイランド・ヘッド、アンドレ・ボスマンとのホイッスリング・アロー。

私生活

[編集]

ヘイワードは現在、妻と3人の子供、ルイス (1987年生まれ)、マーリン (1992年生まれ)、ライリー (1996年生まれ)と暮らしている。

ディスコグラフィ

[編集]

リーダー・アルバム

[編集]
  • 『サーヴァイヴ・ザ・ジェスチュア』 - Survive the Gesture (1987年、Sub Rosa)
  • 『レ・ヌーヴェル・ミュージック・ドゥ・シャンブル・ヴォリューム2』 - Les Nouvelles Musiques De Chambre Volume 2 (1989年、Sub Rosa) ※with ジジ・マシン
  • 『スキュー・ウィフ - ア・トリビュート・トゥ・マーク・ロスコ』 - Skew Whiff – A Tribute to Mark Rothko (1990年、Sub Rosa)
  • Switch on War (1991年、Sub Rosa)
  • 『マイ・シークレット・アルファベット』 - My Secret Alphabet (1993年、Sub Rosa) ※with ニック・ドイン・ディトマス[16]
  • 『エスケイプ・フロム・ユーロップ〜ライヴ・イン・ジャパンVol.1』 - Escape From Europe – Live in Japan vol 1 (1996年、Locus Solus) ※ライブ
  • 『ダブル・エージェント〜ライヴ・イン・ジャパンVol.2』 - Double Agent(s) – Live in Japan vol 2 (1999年、Locus Solus) ※ライブ
  • 『ニア+(アンド)ファー〜ライヴ・イン・ジャパンVol.3』 - Near + Far – Live in Japan vol 3 (1999年、Locus Solus) ※ライブ
  • 『アブラカダブラ・インフォメイション』 - Abracadabra Information (2004年、Locus Solus)
  • Numero d'Vol (2007年、Moonjune) ※with ヒュー・ホッパー、サイモン・ピカード、スティーヴ・フランクリン[17]
  • About (2009年、Treader) ※with ジョン・コクソンパット・トーマス、アレクシス・テイラー
  • GOL & Charles Hayward (2010年、Planam) ※with GOL
  • Live At Tone Deaf 10-27-11 (2012年、Otoacoustic) ※ライブ
  • 『ワン・ビッグ・アトム』 - One Big Atom (2011年、Continuity...)
  • Trademark Ground (2012年、Otoacoustic) ※300枚限定片面LP[18]
  • Disarm (2013年、Lisson Gallery) ※限定版LP with ジョン・コクソン、アシュレイ・ウェールズ、ルパート・クレルヴォー、イベン・ブル、ビートライス・ディロン
  • Anonymous Bash (2014年、Samarbeta Residency) ※LP + DVD
  • Begin Anywhere (2019年、God Unknown) ※LP[8]
  • Hayward Versus Harmergeddon (2020年、God Unknown) ※with Harmergeddon (Fae Harmer and Nathan Greywater)[19]
  • Crossfade Estate (2020年、Klanggallerie) ※with ショーン・オヘイガン、オーフィー・ロビンソン、シャロン・ガル、ニック・ドイン・ディトマスほか[19]

シングル

[編集]
  • "Out Of Order" c/w "Beside" (2000年、Dot Dot Dot Music) ※限定7インチ盤
  • "Wash Rinse Spin" c/w Michael Prime: "Osculation" (2000年、These) ※12インチ盤
  • Smell Of Metal (2014年、ΚΕΜΑΛ) ※2x12インチ盤

DVD

[編集]
  • Charles Hayward Recorded (2007年、1968 Film Group) ※with Peter Bromley。DVD-V PAL

クワイエット・サン

[編集]
  • 『メインストリーム』 - Mainstream (1975年、Island)

ディス・ヒート

[編集]
  • 『ディス・ヒート』 - This Heat (1978年)
  • Health And Efficiency (1980年) ※EP
  • 『偽り』 - Deceit (1981年) ※「ディシート」のルビ
  • The Peel Sessions (1988年) ※EP
  • Made Available (1996年) ※『The Peel Sessions』のボーナストラック追加再発盤
  • Out of Cold Storage (2006年) ※6枚組ボックス・セット

キャンバーウェル・ナウ

[編集]
  • Meridian (1983年) ※EP
  • The Ghost Trade (1986年)
  • Greenfingers (1987年) ※EP
  • 『オールズ・ウェル』 - All's Well (1992年) ※コンピレーション

マサカー

[編集]
  • Funny Valentine (1998年、Tzadik)
  • Meltdown (2001年、Tzadik) ※ライブ
  • Lonely Heart (2007年、Tzadik) ※ライブ
  • Love Me Tender (2013年、Tzadik) ※ライブ

参加アルバム

[編集]
  • レギュラー・ミュージック : Regular Music (1985年、Rough Trade)
  • キープ・ザ・ドッグ : 『キープ・ザ・ドッグ』 - That House We Lived In (2003年、Fred) ※1991年録音
  • La 1919 : Jouer. Spielen. To Play (1994年、Materiali Sonori) ※with クリス・カトラー、ロベルト・ゾルジ
  • Meridiem : Meridiem (1998年、Materiali Sonori) ※with パーシー・ハワード、フレッド・フリスビル・ラズウェル
  • クリア・フレイム : 『透明な枠組み』 - Clear Frame (2007年、Continuity...) ※with ロル・コックスヒル、ヒュー・ホッパー、オーフィー・ロビンソン & ロバート・ワイアット
  • フィル・マンザネラ : 『ファイアーバード V11』 - Firebird V11 (2008年、Expression)
  • ホット・チップ : 『ワン・ライフ・スタンド』 - One Life Stand (2010年、Parlophone) ※「Hand Me Down Your Love」「One Life Stand」(ドラム)、「Slush」(ドラム、コーラス)に参加[20]
  • Monkey Puzzle Trio : White World (2010年、Slowfoot) ※with ニック・ドイン・ディトマス、ヴィヴ・コリンガム
  • Mathilde 253 : Mathilde 253 (2011年、Slam Productions) ※with ハン=アール・パーク、イアン・スミス
  • Monkey Puzzle Trio : The Pattern Familiar (2014年、Slowfoot)
  • アンイーヴン・イレヴン : 『ライヴ・アット・カフェ・オト』 - Live at Cafe Oto (2015年、Sub Rosa) ※with ギ・セジュール河端一
  • V4V : in/out (2014年) ※限定300枚の8枚組CD-R with ニック・ドイン・ディトマスほか
  • ホイッスリング・アロー : Whistling Arrow (2019年、God Unknown)

脚注

[編集]
  1. ^ a b c Spicer, Daniel (June 2019). “Song & Chance Man [interview with Charles Hayward]”. The Wire (424). 
  2. ^ a b c Kitching, Sean (2018年6月19日). “The Strange World Of... Charles Hayward”. The Quietus. 2019年8月12日閲覧。
  3. ^ Women of the underground : music : cultural innovators speak for themselves. Burden, Zora von, 1968-. San Francisco: Manic D Press. (2010). ISBN 9781933149509. OCLC 701110652 
  4. ^ Steve Ignorant interviewed by Punk 77 website, 2007 http://www.punk77.co.uk/anarcho_punk/steve_ignorant_interview_2007.htm
  5. ^ “Obituary: Gareth Williams”. The Guardian (London). (7 February 2002). https://www.theguardian.com/news/2002/feb/07/guardianobituaries 8 January 2010閲覧。 
  6. ^ Clark, Philip (24 March 2017). “Modern Ritual at Café Oto”. Financial Times (London). オリジナルの24 December 2022時点におけるアーカイブ。. https://ghostarchive.org/archive/CATaP 
  7. ^ Tomson, Spenser (May 2018). “Modern Ritual live review”. The Wire (411). 
  8. ^ a b Chambers, Jamie (2019年6月24日). “Reviews | Charles Hayward – Begin Anywhere”. The Quietus. 2019年8月12日閲覧。
  9. ^ a b Riley, Danny (2015年1月20日). “Fragments Of Fragments: An Interview With Laura Cannell”. The Quietus. 2019年8月13日閲覧。
  10. ^ Cory, Lara C (2019年11月21日). “The Quietus | Features | The Lead Review | Ritual Union: Whistling Arrow Feat. Laura Cannell & Charles Hayward” (英語). The Quietus. 2019年11月25日閲覧。
  11. ^ Gill, Andy (2008年3月7日). “Album: Clear Frame, Clear Frame (Continuity)”. The Independent (London). https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/music-magazine/album-previews/album-clear-frame-clear-frame-continuity-794144.html 2019年12月26日閲覧。 
  12. ^ Mathilde 253 biography”. 2019年12月26日閲覧。
  13. ^ Kelly, Seán (2010年). “Mathilde 253 – Han-earl Park”. 2019年12月26日閲覧。
  14. ^ Monkey Puzzle Trio + Snorkel + Red Square”. Time Out. 16 October 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。20 July 2010閲覧。
  15. ^ Monkey Puzzle Trio | Listen and Stream Free Music, Albums, New Releases, Photos, Videos”. Myspace. 2023年3月15日閲覧。
  16. ^ Nick Doyne-Ditmas interview for the Charles Hayward Recorded film (video clip 9m 28s)”. 21 September 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。26 April 2016閲覧。
  17. ^ Astarita, Glenn (9 September 2007). “Hugh Hopper: Numero D'Vol (2007)”. All About Jazz. 26 August 2014閲覧。
  18. ^ Moment's Notice: Reviews of Recent Recordings”. Point of Departure (June 2014). 26 August 2014閲覧。
  19. ^ a b Gardner, Noel (2020年7月15日). “The Quietus | Features | New Weird Britain In Review For July By Noel Gardner” (英語). The Quietus. 2020年8月1日閲覧。
  20. ^ Music interview: Hot Chip” (2010年). 23 August 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。16 May 2016閲覧。

外部リンク

[編集]