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チケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
『チケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』
マシン・ガン・ケリー の スタジオ・アルバム
リリース
録音 2019年 - 2020年
ジャンル ポップ・パンク.[1][2]
時間
レーベル バッド・ボーイ、インタースコープ
マシン・ガン・ケリー アルバム 年表
『Hotel Diablo』
(2019年)		『チケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』
(2020年)
『チケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』収録のシングル
  1. 「Bloody Valentine」
    リリース: 2020年5月1日 (2020-05-01)
  2. 「Concert for Aliens」
    リリース: 2020年8月5日 (2020-08-05)
  3. 「My Ex's Best Friend」
    リリース: 2020年8月7日 (2020-08-07)
テンプレートを表示

『チケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』（英: Tickets to My Downfall）は、アメリカ合衆国のミュージシャン、マシン・ガン・ケリーの5作目のスタジオ・アルバム。2020年9月25日にバッド・ボーイ・レコード、インタースコープ・レコードからリリースされた。これまでのヒップホップ・サウンドとは打って変わり、ポップ・パンク・アルバムとなっている。

背景

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マシン・ガン・ケリー (本名コールソン・ベイカー) は、2020年までに4枚のスタジオ・アルバムをリリースしていた。その4枚のスタジオ・アルバムはヒップホップスタイルであったが、2010年代の終わり頃、ベイカーは方向性をロックスタイルに変え始めた[3]。2019年、ベイカーはアメリカのバンド、モトリー・クルーの伝記映画『ザ・ダート』に出演し、ドラマーのトミー・リーを演じた[4]。同年、ベイカーは4枚目のスタジオ・アルバム『Hotel Diablo』をリリースし、ヤングブラッドとブリンク 182のドラマー、トラヴィス・バーカーとのコラボ曲「I Think I'm Okay」をアルバムの最後に選択した[3][5]。この曲はシングルカットされて人気を博し[5]、年末のBillboard US Hot Rock Songsで最高位8位を記録し[6]、アメリカではプラチナに認定された[7]。

自身のロックスタイルをさらに探求したいと考えていたベイカーは、レコーディング・スタジオでバーカーと一緒にセッションする日を決め、「Bloody Valentine」を作成、レコーディングを行った[5]。このセッションに手ごたえを感じたベイカーは、2ヶ月間、2人でスタジオ・アルバム全体の共同制作をバーカーに依頼し、バーカーはそれを了承した[5]。ベイカーはこのアルバム制作のことを非公式に「無題のポップ・パンク・プロジェクト (the untitled pop punk project)」と呼んでいた[2]。アルバムはベイカーがヴォーカルとギターを担当し、バーカーがドラムとアルバム全体のプロデューサーとして参加している[2]。

他にもザ・ユーズドのバート・マクラッケン[8]、「Forget Me Too」ではホールジー[9]、「My Ex's Best Friend」ではブラックベア[10]、グッディ・グレース[11]、モッド・サン[11]、トリッピー・レッド[12]、ヤング・サグ[12]、ヤングブラッドが参加している。マクラッケンやヤングブラッドとのコラボレーションはオリジナル版には収録されず、4日後に発売されたデラックス・エディション『Sold Out』に収録された。[13]

マクラッケンとヤングブラッドのコラボ曲「Body Bag」は、フォール・アウト・ボーイが2005年にリリースしたシングル「Dance, Dance」に酷似しているとの声が上がり、同曲の使用にはフォール・アウト・ボーイからの許可が必要であった。メンバーのピート・ウェンツとパトリック・スタンプはリリースのわずか1日前に使用を許可した[14]。また、同作は当初「Times of My Life」というタイトルの曲で締めくくられる予定だったが、フックがトム・ペティの曲に酷似していると感じたペティの遺族から同曲の使用許可を得ることができなかったと言及している[13]。

プロモーション

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ベイカーは2019年後半と2020年初頭に本作の予告編を公開した後、2020年初頭に本作をリリースする予定だった[5]。しかし、新型コロナウイルスの世界的流行により、アルバムのリリース計画が遅れた[5] 。ベイカーはロックダウン中の時間を利用して「LockdownSessions」と題したライヴストリーミングを配信し、パラモアの「Misery Business」のカヴァーを披露した[15][16]。また、マリリン・マンソンのリクエストにより、同ライヴストリーミングでリアーナの「Love on the Brain」のカヴァーを披露した[17]。この2曲は共に本作のターゲット・エディションのボーナストラックとして収録された[18]。

2020年5月1日、リリースに先駆け先行シングル「Bloody Valentine」をリリース[1]。8月上旬の時点で、同曲のYouTube再生回数は3,000万回を超えた[1]。しかし、ベイカーは本作のリリースを2020年夏に延期することを発表した[5]。2枚目のシングル「Concert for Aliens」を全米放送のグッド・モーニング・アメリカで披露し、その後8月5日にリリース[19]。 その1週間後に同曲のミュージック・ビデオが公開された[20]。8月7日にはブラックベアを客演に迎えた3枚目のシングル「My Ex's Best Friend」がリリースされ[21]、Billboard Hot 100で最高位28位を記録している[22]。

9月7日、アルバムのアートワークと収録曲が発表された[23]。しかし、その日のうちにアルバムのアートワーク (男が倒れている画像) はベイカーが知らないうちに、法的に使用する権利のない写真を忠実に再現にしたものであることが判明した。ベイカーは謝罪し、新しいアルバムアートワークを作成すると発表した[24]。

9月25日、本作をリリースし[1]、10月1日にはアルバム全曲のライブストリームが配信された[25]。 9月29日には、新曲4曲とパラモアの「Misery Business」のカヴァー、「Bloody Valentine」のアコースティック版を収録したデラックス・エディション ("ソールド・アウト"・エディション) がリリースされた[26][27]。同時に、「Drunk Face」のミュージック・ビデオも公開された[28]。

11月22日、ベイカーは本作をミュージカル映画にすることを発表した。公開予定は2021年1月15日[29]。

売上

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本作は、リリース初週に12.6万枚を売り上げ、本国アメリカのBillboard 200で初登場1位を獲得した[30]。これはマシン・ガン・ケリーにとって初の全米1位を獲得した作品となった[30]。これは前作、『Hotel Diablo』 (2019年) の約3倍の初週売り上げである[30][31]。

収録曲

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スタンダード・エディション[32]
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
1.「Title Track」
2.「Kiss Kiss」
  • Baker
  • Long
  • Barker
  • Fedi
3.「Drunk Face」
  • Baker
  • Long
  • Nick Mira
  • Barker
  • Fedi
  • Barker
  • Mira
  • Machine Gun Kelly
  • Fedi
4.「Bloody Valentine」
  • Baker
  • Derek Ryan Smith
  • Long
  • Barker
Barker
5.「Forget Me Too」(featuring Halsey)
6.「All I Know」(featuring Trippie Redd)
7.「Lonely」
  • Baker
  • Long
  • Barker
  • Barker
  • Machine Gun Kelly[a]
8.「WWIII」
  • Baker
  • Long
  • Barker
Barker
9.「Kevin and Barracuda」(Interlude)
 
10.「Concert for Aliens」
  • Baker
  • Long
  • Barker
Barker
11.「My Ex's Best Friend」(featuring Blackbear)
12.「Jawbreaker」
  • Baker
  • Long
  • Barker
Barker
13.「Nothing Inside」(featuring Iann Dior)
14.「Banyan Tree」(Interlude)
  • Barker
  • Keith Varon
15.「Play This When I'm Gone」
  • Baker
  • Long
  • Barker
  • Jackson Morgan
  • Jared Scharff
  • Barker
  • Scharff[b]
合計時間:
"ソールド・アウト"・デラックス・エディション・ボーナス・トラックス[32]
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
16.「Body Bag」(featuring Yungblud and Bert McCracken of The Used)
  • Barker
17.「Hangover Cure」
  • Baker
  • Jae Green
  • Long
  • Barker
  • Barker
18.「Split a Pill」
  • Baker
  • Matt Malpass
  • Long
  • Barker
  • Barker
19.「Can't Look Back」
  • Baker
  • Long
  • Barker
  • Fedi
20.「Misery Business」(Paramoreのカヴァー)
  • Barker
  • Machine Gun Kelly
  • Fedi
  • BazeXX
21.「Bloody Valentine」(アコースティック)
  • Baker
  • Smith
  • Long
  • Barker
  • Barker
合計時間:
ターゲット・エディション・ボーナス・トラックス[32]
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
16.「Misery Business」(Paramoreのカヴァー)
  • Williams
  • Farro
  • Barker
  • Machine Gun Kelly
  • Fedi
  • BazeXX
17.「Roll the Windows Up」
  • BazeXX
  • SlimXX
18.「In These Walls (My House)」(with Pvris)
  • Baker
  • Lyndsey Gunnulfsen
  • Alex Babinski
  • Brian Macdonald
  • Kyle Anthony
  • Basil
  • Allen
  • Tim Norton
  • Machine Gun Kelly
  • BazeXX
  • SlimXX
  • Wavy Duber
19.「Love on the Brain」(Rihannaのカヴァー)
  • Fedi
  • BazeXX
  • SlimXX
合計時間:
ジャパニーズ・エディション・ボーナス・トラックス[33]
#タイトル作詞・作曲プロデューサー時間
16.「Bloody Valentine」(アコースティック)
  • Baker
  • Smith
  • Long
  • Barker
  • Barker
17.「Misery Business」(Paramoreのカヴァー)
  • Williams
  • Farro
  • Barker
  • Machine Gun Kelly
  • Fedi
  • BazeXX
18.「Love on the Brain」(Rihannaのカヴァー)
  • Ball
  • Angel
  • Fenty
  • Fedi
  • BazeXX
  • SlimXX
合計時間:

補足

  • 収録曲は「WWIII」を除いて、全て小文字で記載されている[32]。
  • ^[a] 共同プロデューサーを指す。
  • ^[b] 追加されたプロデューサーを指す。
  • 「All I Know」では、オペレーション・アイヴィーが1989年にリリースした「Knowledge」を一部収録している[34]。

チャート

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アルバム『Tickets to My Downfall』のチャート
国/地域 アルバムチャート (2020年) 最高位
オーストラリア ARIAチャート 2
オーストリア エードライ・オーストリア 5
ベルギー ウルトラトップ (Flanders) 16
ベルギー ウルトラトップ (Wallonia) 75
カナダ ビルボード 1
オランダ Album Top 100 19
フィンランド スオメン・ヴィラリネン・リスタ 12
ドイツ Offizielle Top 100 11
アイルランド OCC 7
イタリア FIMI 2
ニュージーランド ニュージーランド・レコード産業協会 5
ノルウェー ヴェーゲー・リスタ 10
スペイン プロムシカエ 42
スウェーデン スヴァリイェトプリストン 11
スイス シュヴァイツァー・ヒットパラーデ 24
イギリス OCC 3
アメリカ Billboard 200 1

脚注

[編集]
[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d “Machine Gun Kelly Reveals "Tickets To My Downfall" Release Date”. HotNewHipHop. 2020年9月25日閲覧。
  2. ^ a b c “Machine Gun Kelly Unveils New Details of Collaborative Pop-Punk Album With Travis Barker”. Billboard. January 16, 2020閲覧。
  3. ^ a b “Machine Gun Kelly | Biography, Albums, Streaming Links”. AllMusic. January 16, 2020閲覧。
  4. ^ “Rapper Machine Gun Kelly Says He's Releasing a Rock Album in 2020”. Loudwire. January 16, 2020閲覧。
  5. ^ a b c d e f g Greenwood, Koltan. “Machine Gun Kelly wants his new album to be about more than just music”. May 1, 2020閲覧。
  6. ^ “Hot Rock Songs - Year-End”. Billboard. January 16, 2021閲覧。
  7. ^ “Gold & Platinum”. RIAA. January 16, 2020閲覧。
  8. ^ “Machine Gun Kelly Snags The Used Singer for Pop Punk Album”. Loudwir. January 16, 2020e閲覧。
  9. ^ “Machine Gun Kelly Packs on PDA With Megan Fox in 'Drunk Face' Video: Watch”. Billboard. January 16, 2020閲覧。
  10. ^ “Machine Gun Kelly shares another new 'Tickets to My Downfall' song, "My Ex's Best Friend" - Music News - ABC News Radio”. abcnewsradioonline.com. January 16, 2020閲覧。
  11. ^ a b Dowd, Rachael. “See MGK tease a new ‘Tickets To My Downfall’ song on ‘GMA’ - UPDATED”. July 20, 2020閲覧。
  12. ^ a b Greenwood, Koltan. “Machine Gun Kelly updates pop-punk LP ‘Tickets To My Downfall’ release”. February 25, 2020閲覧。
  13. ^ a b “Here’s why MGK swapped this ‘Tickets To My Downfall’ track last minute”. September 7, 2020閲覧。
  14. ^ “Machine Gun Kelly Drops Deluxe Edition Of Tickets To My Downfall”. Kerrang!. December 24, 2020閲覧。
  15. ^ “Watch Machine Gun Kelly And Travis Barker Cover Paramore's Misery Business”. Kerrang!. May 1, 2020閲覧。
  16. ^ Soloski, Alexis. “Don’t Call Him Machine Gun Kelly”. July 3, 2020閲覧。
  17. ^ “Machine Gun Kelly covers Rihanna at request of Marilyn Manson”. April 22, 2020閲覧。
  18. ^ “Machine Gun Kelly Reveals Artwork, Track List for Pop-Punk Album”. Loudwire. May 1, 2020閲覧。
  19. ^ “Machine Gun Kelly Teases Forthcoming New Song "Concert For Aliens"”. Music Mayhem Magazine. July 20, 2020閲覧。
  20. ^ “Machine Gun Kelly Brings the World of Entertainment to Outer Space in 'Concert for Aliens' Music Video”. Billboard. August 14, 2020閲覧。
  21. ^ “Machine Gun Kelly Drops New Single Featuring blackbear”. Kerrang!. Aug 7, 2020閲覧。
  22. ^ “Machine Gun Kelly”. Billboard. Aug 7, 2020閲覧。
  23. ^ “Machine Gun Kelly Unveils Tickets To My Downfall Tracklist And Album Cover”. Kerrang!. 2020年9月7日閲覧。
  24. ^ “Machine Gun Kelly forced to change ‘Tickets To My Downfall’ artwork”. September 8, 2020閲覧。
  25. ^ “Machine Gun Kelly Announces Livestream Performances From The Roxy”. Kerrang!. 2020年10月1日閲覧。
  26. ^ “Machine Gun Kelly To Release ‘Tickets To My Downfall’ Deluxe Edition”. Music Mayhem Magazine. September 29, 2020閲覧。
  27. ^ “Machine Gun Kelly’s Deluxe Edition of Tickets to My Downfall is Here!”. Wall Of Sound. September 30, 2020閲覧。
  28. ^ “Megan Fox and Machine Gun Kelly Share a Kiss in New 'Drunk Face' Music Video”. PEOPLE.com. September 30, 2020閲覧。
  29. ^ citylightstam (2020年11月23日). “MGK’s Tickets To My Downfall is Set to Become a Movie!” (英語). Wall Of Sound. 2020年11月23日閲覧。
  30. ^ a b c Caulfield, Keith (October 4, 2020). “Machine Gun Kelly earns first No. 1 album on Billboard 200 Chart with 'Tickets to My Downfall'”. Billboard. October 26, 2020閲覧。
  31. ^ Caulfield, Keith (July 14, 2019). “'Revenge of the Dreamers III' debuts at No. 1 on Billboard 200 Albums Chart”. Billboard. October 26, 2020閲覧。
  32. ^ a b c d Interscope Records (4 September 2020). "Machine Gun Kelly Unveils Tracklist And Artwork For Upcoming Album Tickets To My Downfall" (Press release). Los Angeles. PR Newswire. 2020年9月5日閲覧。
  33. ^ “ティ ケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール [CD]”. Universal Music Japan. December 1, 2020閲覧。
  34. ^ “Machine Gun Kelly Is A Punk Now, Apparently”. Stereogum. (September 30, 2020). https://www.stereogum.com/2100483/machine-gun-kelly-is-a-punk-now-apparently/franchises/columns/status-aint-hood/ October 20, 2020閲覧。 
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