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チオアセトアミド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チオアセトアミド
Structural formula of thioacetamide
Ball-and-stick model of the thioacetamide molecule{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 62-55-5 チェック
PubChem 2723949
ChemSpider 2006126 チェック
UNII 075T165X8M チェック
EC番号 200-541-4
国連/北米番号 3077
KEGG C19302 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL38737 チェック
RTECS番号 AC8925000
バイルシュタイン 506006
特性
化学式 C2H5NS
モル質量 75.13 g/mol
外観 無色の結晶
匂い ややメルカプタンのような匂い
密度 1.319 g/cm3[2]
融点

115 °C, 388 K, 239 °F

沸点

分解

への溶解度 よく溶ける
磁化率 -42.45·10−6 cm3/mol
構造
結晶構造 単斜晶系
危険性
安全データシート(外部リンク) MSDS
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)経口・吸飲による有害性
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H302, H315, H319, H350, H412
Pフレーズ P201, P202, P264, P270, P273, P280, P281, P301+312, P302+352, P305+351+338, P308+313, P321, P330, P332+313
主な危険性 悪臭、発癌性
関連する物質
関連物質 アセトアミドチオ酢酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チオアセトアミド(Thioacetamide)は有機化合物である。この白色結晶性固体は、水溶液にして基質と反応させた後加水分解させるとその硫化物を生じるため、有機無機合成において猛毒の硫化水素に代わってよく使われる。また、チオアミドの一つでもある。

配位化学

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チオアセトアミドは、古典的定性分析で使われる硫化水素の供給源である。よって、チオアセトアミド水溶液と多くの金属カチオンはそれぞれ対応する硫化物を作る。

M2+ + CH3C(S)NH2 + H2O → MS + CH3C(O)NH2 + 2 H+ (M = Ni, Pb, Cd, Hg)

関連した沈殿は軟らかい3価のカチオン(As3+, Sb3+, Bi3+)と1価カチオン(Ag+, Cu+)で起こる。

合成

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チオアセトアミドは次の式のようにアセトアミド五硫化二リンから作られる[3]

CH3C(O)NH2 + 1/4 P4S10 → CH3C(S)NH2 + 1/4 P4S6O4

構造

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分子のC2NH2Sの部分は平面構造で、C-SとC-N間の距離は1.713 と 1.324 Åである。これは両方が多重結合(π共役系)であることを示している[2]

安全性

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チオアセトアミドの発癌性はグループ2Bである。

出典

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  1. ^ International Union of Pure and Applied Chemistry (2014). Nomenclature of Organic Chemistry: IUPAC Recommendations and Preferred Names 2013. The Royal Society of Chemistry. p. 856. doi:10.1039/9781849733069. ISBN 978-0-85404-182-4 
  2. ^ a b Trevor W. Hambley; David E. Hibbs; Peter Turner; Siân. T. Howard; Michael B. Hursthouse (2002). “Insights into Bonding and Hydrogen Bond Directionality in Thioacetamide from the Experimental Charge Distribution”. J. Chem. Soc., Perkin Trans. (2): 235–239. doi:10.1039/B109353C. 
  3. ^ Schwarz, G. (1945). "2,4-Dimethylthiazole". Organic Syntheses (英語). 25: 35.; Collective Volume, vol. 3, p. 332