ダンドボロギク
ダンドボロギク | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Erechtites hieraciifolius (L.) Raf. ex DC. (1837)[1] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ダンドボロギク | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
fireweed |
ダンドボロギク(段戸襤褸菊[2]、学名: Erechtites hieracifolia)は、キク科タケダグサ属の一年草の一種。北米原産で、日本では帰化植物の一つとされる。和名の由来は、1933年に愛知県段戸山で初めて記録され、注目されたことから北村四郎によって名付けられている[3][2][4]。山火事の後に大群落を形成するため、英名で fire weed (ファイア・ウィード)とよばれる[4]。中国名は、梁子菜[1]。
分布
[編集]北アメリカ原産[4]。日本にも帰化植物として移入分布しており[4]、北海道・本州・四国・九州に分布する[2]。
林縁などの日当たりのよい場所に生える[2]。いわゆるパイオニア植物(先駆植物)で、山火事や土砂崩れの跡地のような、新しくできた日当たりのよい場所に、他の植物に先駆けて侵入する[2]。もともと山林中に多かった植物であるが、耕作地や都市公園などにも見られる[3]。
形態・生態
[編集]一年生の草本[3]。草丈は50 - 150センチメートル (cm) [4]、茎は無毛で直立する[2]。葉は長楕円形で、大きいものは長さ20 cmほどになる[2]。葉の縁は深く切れ込んで羽状に見えるものもあり、大小不揃いの鋸歯がつく[2][3]。葉の色は緑色、無柄で上方のものは基部が左右に広がって、やや茎を抱くようにつく[3]。
花期は8 - 10月[2]。茎の頂部に円錐花序を作り、薄黄色の細長い頭花が上向きにつく[2][4]。頭花は淡黄色の筒状花だけからなる[2]。総苞は円筒形で無毛、外総苞片は短く、内総苞片は長く等長で規則正しく1列に並ぶ[3]。筒状花は、細い管状で、花冠は白色で先が淡黄色から黄緑色をしており、白色の長い冠毛がある[3]。花柱の先端は2裂する[3]。果実は黒色で淡色の10脈があり[3]、その一端に冠毛がつき、飛び立つ時期になると、群落の周辺が銀色に輝いているように見える[2]。
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ダンドボロギクの果実
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茎は直立する
変種のウシノタケダグサ(学名: Erechtites hieraciifolius var. cacalioides)は、毛が多く、葉が深く裂け、総苞が小さく、花後は10 mm以下になる[3]。日本には、八丈島と南西諸島、小笠原諸島に帰化している[3]。
よく似た植物にベニバナボロギクがあるが、こちらは蕾の時期から朱赤色で、下向きについているので見分けがつく[2]。
食用
[編集]若い葉と茎を食用とする[5]。採取時期は7 - 8月ごろが適期とされる[5]。キク科特有の芳香があり[2]、天ぷら、油炒め、おひたし、白和えなどの和え物、汁の実などにして食べる[5]。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Erechtites hieraciifolius (L.) Raf. ex DC. ダンドボロギク(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年7月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 川原勝征 2015, p. 34.
- ^ a b c d e f g h i j k 長田武正 1976, p. 74.
- ^ a b c d e f 岩槻秀明『街でよく見かける雑草や野草がよーくわかる本』秀和システム、2006年11月5日。ISBN 4-7980-1485-0。p.252
- ^ a b c 川原勝征 2015, p. 130.
参考文献
[編集]- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
- 川原勝征『食べる野草と薬草』南方新社、2015年11月10日、34頁。ISBN 978-4-86124-327-1。