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ダンツプリウス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダンツプリウス
2017年京都金杯
欧字表記 Dantsu Prius
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2013年3月1日(11歳)
登録日 2015年5月21日[1]
抹消日 2018年8月24日
ブライアンズタイム
ストロングレダ
母の父 マンハッタンカフェ
生国 日本の旗 日本北海道新ひだか町
生産者 千代田牧場
馬主 山元哲二
調教師 山内研二栗東
厩務員 榊原丈展[2]
競走成績
生涯成績 24戦4勝
獲得賞金 1億3748万0000円
勝ち鞍
GII ニュージーランドトロフィー 2016年
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ダンツプリウス:Dantsu Prius、2013年3月1日 - )は、日本競走馬[3]

3歳の2016年、年明けのジュニアカップでオープン競走を勝利すると、アーリントンカップ2着を挟んで臨んだニュージーランドトロフィーGII)でハナ差先着し、重賞勝利。優先出走権を得て臨んだNHKマイルカップでは4着となるなど、3歳のマイル路線で活躍した。また5歳で障害に転向し、障害馬としてもオープン競走で3着に入った。

ブライアンズタイムが27歳の時に交配された産駒で最高齢の種牡馬産駒によるJRA重賞制覇を達成した。

馬名の由来は、冠名と、ラテン語で「~に先立って」[4]

経歴

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デビュー前

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生産した千代田牧場の飯田正剛社長は、「牧場時代からとにかくタフで、元気の良い馬。」と評価、セレクションセールに期待を込めて上場した馬であると振り返っている[5]。その2014年のセレクションセールで山元哲二により690万円(税別)で落札された[6]

2015年(2歳)

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6月21日、阪神競馬場の新馬戦(芝1600m)に松若風馬を鞍上にデビューし4着[7]。以降同じ距離、1600mの未勝利戦に2回出走するが、2着[8]、3着と初勝利には至らなかった[9]

10月18日、距離を400m延長し、新潟競馬場芝2000mの未勝利戦に出走。単勝オッズ3.5倍の2番人気で発走した[10]
4回目の出走にして、初勝利を挙げた。

11月1日、福島競馬場のきんもくせい特別(500万下)に出走して2着[11]。11月28日、京都2歳ステークスGIII)で和田竜二に乗り替わり重賞初出走となったが、9着となった[12]

12月13日、中京競馬場のこうやまき賞(500万下)には丸山元気とのコンビで出走し、3着に敗退[13]

2016年(3歳)

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1月5日、ジュニアカップで始動、単勝オッズ10.4倍の4番人気となった[14]。先行して抜け出し、直線で7番手から追い込んだアーバンキッドをハナ差で封じて勝利[14]オープン競走初勝利を挙げた。

2月27日、アーリントンカップGIII)に、単勝オッズ20.4倍の9番人気という評価で出走した[15]。スタートから中団に位置したが追い上げ、5番手で最後の直線に進入[15]。外に持ち出してゴール寸前で逃げ馬を捉えて先頭に立ったが、さらに外から追い上げたレインボーラインにハナの差差し切られて2着となった[15]

4月9日、NHKマイルカップ優先出走権が得られるトライアル競走ニュージーランドトロフィーGII)に単勝オッズ5.5倍の2番人気の支持を受けて出走[16]。良いスタートから4.5番手の内側に位置[17]、最後の直線で先頭に立って押し切り、直線で最後方から追い込んできたストーミーシーをハナ差かわして勝利、重賞初勝利となった[18]。騎乗した丸山は「ポジションを取ろうと出して行った分、少し掛かりましたが、いいポジションで競馬が出来ました。直線もきれいに前が空いて、あとは追い出すタイミングを間違わないようにしました。」と振り返った[19]

この勝利は、父ブライアンズタイムが27歳の時に種付けをして生まれた産駒である[18]。種牡馬であったノーザンテーストが26歳の時に種付けられた産駒で、2003年中山グランドジャンプ(J・GI)を勝ったビッグテーストを抜く最高齢の種牡馬産駒によるJRAの重賞勝利となった[18]。また生産した千代田牧場にとって2009年から続いていた8年連続のJRA重賞制覇となった[18]

5月8日、優先出走権を獲得したNHKマイルカップGI)に、単勝7番人気で出走[20]。中団6番手で進み、最後の直線で追い上げを見せた。しかし逃げて直線でも後続を離したメジャーエンブレム、最後方から大外を回ったロードクエストらに及ばず、4着となった[21]

秋に入り、10月30日のカシオペアステークス(OP)や11月26日のキャピタルステークス(OP)とどちらも単勝オッズ1桁台の上位人気に推されたが、共に6着と人気を裏切る成績となった[22][23]

2017年 - 2018年(4歳 - 5歳)

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2017年は、1月5日京都金杯GIII)で始動したが6着[24]。平地競走の重賞やオープン競走は2年間で7回出走したが、同年7月2日の巴賞で4着になる[25]以外は、凡走が続いた。

障害転向

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2017年11月19日の福島民友カップで14着となったのを最後に障害競走に転向[26]。初戦は2018年2月4日、京都競馬場の未勝利戦に小坂忠士とともに出走、0.2秒差の2着に敗れた[27]

続いて2月25日、阪神競馬場の未勝利戦に出走、単勝オッズ1.8倍の1番人気通り[28]、後続に0.4秒離して勝利[28]、障害転向後初勝利を挙げた[28]

7月14日、中京競馬場のオープン競走に出走、単勝2番人気で1.0秒離された3着[29]。続いて8月18日、小倉競馬場のオープン競走に単勝オッズ1.9倍の1番人気で出走したが8着に敗れた[30]

8月24日付で競走馬登録を抹消、引退することとなった。その後は乗馬となった[31][32]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.comの情報[33]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 枠番 馬番 オッズ(人気) 着順 タイム(上がり3F) 着差 騎手 斤量[kg] 1着馬(2着馬)
2015.06.21 阪神 2歳新馬 芝1600m(良) 9 5 5 7.2(3人) 4着 1:38.8(34.6) 0.3 松若風馬 53 ウインクルサルーテ
0000.06.27 阪神 2歳未勝利 芝1600m(重) 9 8 9 5.2(3人) 2着 1:37.9(36.2) 0.2 和田竜二 54 マイネルサグラ
0000.07.12 中京 2歳未勝利 芝1600m(良) 15 3 5 12.0(5人) 3着 1:37.8(35.6) 0.3 松山弘平 54 デアリングエッジ
0000.10.18 新潟 2歳未勝利 芝2000m(良) 12 2 2 3.6(2人) 1着 2:03.6(35.6) -0.2 松若風馬 54 (マイネルツィール)
0000.11.01 福島 きんもくせい特別 500万下 芝1800m(良) 8 4 4 10.1(5人) 2着 1:49.7(34.7) 0.2 丸山元気 55 ケルフロイデ
0000.11.28 京都 京都2歳S GIII 芝2000m(良) 12 6 7 41.7(9人) 9着 2:02.0(34.6) 0.7 和田竜二 55 ドレッドノータス
0000.12.13 中京 こうやまき賞 500万下 芝1600m(稍) 12 3 3 4.9(2人) 3着 1:35.5(36.0) 0.0 丸山元気 55 マディディ
2016.01.05 中山 ジュニアC OP 芝1600m(良) 10 4 4 10.4(4人) 1着 1:34.2(34.0) 0.0 丸山元気 56 (アーバンキッド)
0000.02.27 阪神 アーリントンC GIII 芝1600m(良) 14 7 12 20.4(9人) 2着 1:34.1(34.6) 0.0 丸山元気 56 レインボーライン
0000.04.09 中山 NZT GII 芝1600m(良) 16 3 5 5.5(2人) 1着 1:33.9(34.8) 0.0 丸山元気 56 (ストーミーシー)
0000.05.08 東京 NHKマイルC GI 芝1600m(良) 18 5 10 21.2(7人) 4着 1:33.1(34.9)  0.3 丸山元気 57 メジャーエンブレム
0000.10.30 京都 カシオペアS OP 芝1800m(良) 12 2 2 4.2(2人) 6着 1:46.5(34.8) 0.4 浜中俊 56 ヒルノマテーラ
0000.11.26 東京 キャピタルS OP 芝1600m(良) 15 2 2 7.5(4人) 6着 1:34.5(35.8) 1.0 丸山元気 57 ブラックムーン
2017.01.05 京都 京都金杯 GIII 芝1600m(良) 18 6 11 42.0(9人) 6着 1:33.3(35.5) 0.5 丸山元気 55 エアスピネル
0000.03.05 阪神 大阪城S OP 芝1800m(良) 16 7 13 13.2(6人) 16着 1:48.0(34.4) 0.9 丸山元気 56 アストラエンブレム
0000.04.01 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(稍) 16 8 15 15.2(7人) 6着 1:35.1(34.1) 0.4 丸山元気 56 ロジチャリス
0000.05.13 東京 京王杯SC GII 芝1400m(重) 13 5 6 53.7(12人) 13着 1:24.3(35.2) 1.1 丸山元気 56 レッドファルクス
0000.07.02 函館 巴賞 OP 芝1800m(良) 8 2 2 7.3(3人) 4着 1:46.8(34.7) 0.3 丸山元気 56 サトノアレス
0000.07.16 函館 函館記念 GIII 芝2000m(重) 16 1 2 26.2(10人) 14着 2:02.6(36.6) 1.4 丸山元気 56 ルミナスウォリアー
0000.11.19 福島 福島民友C OP ダ1700m(良) 14 4 6 9.5(7人) 14着 1:48.3(39.8) 3.2 鮫島良太 56 ディアデルレイ
2018.02.04 京都 障害4歳上未勝利 障2910m(良) 13 6 9 15.1(5人) 2着 3:20.7(13.8) 0.2 小坂忠士 60 タガノアーバニティ
0000.02.25 阪神 障害4歳上未勝利 障2970m(良) 14 5 7 1.8(1人) 1着 3:21.8(13.6) -0.4 小坂忠士 60 (スズカグランデ)
0000.07.14 中京 障害3歳上OP 障3330m(良) 7 7 7 3.1(2人) 3着 3:40.0(13.2) 1.0 小坂忠士 60 メイショウヤエヤマ
0000.08.18 小倉 障害3歳上OP 障2860m(良) 6 6 6 1.9(1人) 8着 3:18.9(13.9) 7.7 小坂忠士 60 スズカチャンプ

血統表

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ダンツプリウス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ロベルト系
[§ 2]

*ブライアンズタイム
Brian's Time
1985 黒鹿毛
父の父
Roberto
1969 鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Bramalea Nashua
Rarelea
父の母
Kelley's Day
1977 鹿毛
Graustark Ribot
Flower Bowl
Golden Trail Hasty Road
Sunny Vale

ストロングレダ
2006 鹿毛
マンハッタンカフェ
1998 青鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*サトルチェンジ Law Society
Santa Luciana
母の母
*ハートオンウェーブ
2000 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Fairy Heights Fairy King
Commanche Belle
母系(F-No.) (FN:14-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Hail to Reason 3×5、Northern Dancer 5・5(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [34]
  2. ^ [35]
  3. ^ [34]
  4. ^ [34]


脚注

[編集]

注釈

[編集]


出典

[編集]
  1. ^ 競走馬情報: ダンツプリウス
  2. ^ “【NHKマイルC】プリウス 冠名ダンツ+BT産駒に懐かしい香り”. スポーツニッポン. https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2016/05/06/kiji/K20160506012531180.html 2022年5月28日閲覧。 
  3. ^ ダンツプリウス | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年1月11日閲覧。
  4. ^ 競走馬情報ダンツプリウス”. 日本中央競馬会. 2023年3月18日閲覧。
  5. ^ NzT G2 | 重賞ウイナーレポート”. 競走馬のふるさと案内所. 2020年1月19日閲覧。
  6. ^ JRA競走に勝ったセール出身馬紹介(2016/4/9、ダンツプリウスがニュージーランドT制覇!)”. 馬市.com (2016年4月9日). 2023年3月18日閲覧。
  7. ^ 2歳新馬|2015年06月21日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  8. ^ 2歳未勝利|2015年06月27日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  9. ^ 2歳未勝利|2015年07月12日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  10. ^ 2歳未勝利|2015年10月18日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  11. ^ きんもくせい特別|2015年11月01日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  12. ^ ラジオN杯京都2歳S|2015年11月28日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  13. ^ こうやまき賞|2015年12月13日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  14. ^ a b ジュニアカップ|2016年01月05日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  15. ^ a b c アーリントンカップ|2016年02月27日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  16. ^ ニュージーランドT|2016年04月09日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  17. ^ “丸山ダンツプリウス会心V 正攻法で初重賞/NZT|極ウマ・プレミアム”. 日刊スポーツ. https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=1629421&year=2016&month=04&day=10 2020年1月19日閲覧。 
  18. ^ a b c d “【NZT】2番人気ダンツプリウスが混戦を制す”. サンケイスポーツ. (2016年4月9日). http://race.sanspo.com/keiba/news/20160409/pog16040916110009-n1.html 2020年1月19日閲覧。 
  19. ^ “【ニュージーランドT】(中山)~ダンツプリウスが激戦制して重賞初V | 競馬実況web”. ラジオNIKKEI. http://www.radionikkei.jp/keiba/post_8535.html 2020年1月19日閲覧。 
  20. ^ NHKマイルカップ|2016年05月08日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  21. ^ 第21回 NHKマイルカップ”. 日本中央競馬会. 2020年1月19日閲覧。
  22. ^ カシオペアステークス|2016年10月30日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  23. ^ キャピタルステークス|2016年11月26日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  24. ^ スポニチ賞京都金杯|2017年01月05日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  25. ^ 巴賞|2017年07月02日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月16日閲覧。
  26. ^ 福島民友カップ|2017年11月19日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  27. ^ 障害4歳以上未勝利|2018年02月04日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  28. ^ a b c 障害4歳以上未勝利|2018年02月25日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  29. ^ 障害3歳以上オープン|2018年07月14日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  30. ^ 障害3歳以上オープン|2018年08月18日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 2020年1月19日閲覧。
  31. ^ “ダンツプリウスが引退、乗馬となる予定|極ウマ・プレミアム”. 日刊スポーツ. https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201808240000598&year=2018&month=08&day=24 2020年1月19日閲覧。 
  32. ^ “【JRA】ダンツプリウス引退、乗馬に 現在ブライアンズタイム最後の産駒重賞勝利 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. https://news.netkeiba.com/?pid=news_view&no=141653 2020年1月19日閲覧。 
  33. ^ ダンツプリウス | 競走馬データ”. netkeiba.com. 2020年1月12日閲覧。
  34. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ダンツプリウス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月31日閲覧。
  35. ^ ダンツプリウスの血統表”. netkeiba.com. 2023年3月18日閲覧。

外部リンク

[編集]