ナツグミ
表示
(ダイオウグミから転送)
ナツグミ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ナツグミの変種トウグミ
| ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
狭義: Elaeagnus multiflora Thunb. f. orbiculata (Makino) Araki (1955)[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ナツグミ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
cherry silverberry |
ナツグミ(夏茱萸[4]、学名: Elaeagnus multiflora)はグミ科グミ属の落葉小高木。山野に生える。別名は、ホソバナツグミ[1]。夏に実が熟すのでこの名がある[5][4]。
分布と生育環境
[編集]日本の本州関東・中部地方(福島県から静岡県の太平洋側)[6]、四国に分布し、山野に自生する[5]。庭などにも植えられる[4]。
形態・生態
[編集]落葉広葉樹の小高木[5]。枝はよく分枝する[4]。樹皮は暗灰褐色で皮目があり、若木のうちはなめらかで皮目が多いが、太くなると縦に裂ける[6]。若い枝には褐色を帯びた鱗状毛が密生し、赤褐色に見える[6]。果実や葉の表面には、うろこ状の毛がある。葉は互生し、長さ3 - 10センチメートル (cm) の長楕円形から倒卵状長楕円形で、表面にある灰白色の鱗片はやがて脱落するが、裏面には灰白色と褐色の鱗片が残る[5][4]。
花期は4 - 5月ごろ[5]。葉のつけ根に1 - 2個の淡黄色の花が垂れ下がって咲く[5]。花弁に見えるのは萼(萼筒)で、長さは7 - 8ミリメートル (mm) あって先端が4裂する[4]。
果期は5 - 7月[6]。果実は偽果で、長さ12 - 17 mmの広楕円形をしており、長さ2 - 5 cmほどの果柄がついてアキグミよりも長い[4]。果実は赤く熟すと、少し渋いが食べられる[5]。
冬芽は裸芽で幼い葉が複数集まり、褐色の鱗状毛が密生する[6]。枝先の頂芽は側芽よりもやや大きく、側芽は枝に互生する[6]。葉痕は半円形か三角形で、維管束痕が1個つく[6]。
品種
[編集]変種
[編集]- トウグミ(学名: E. multiflora var. hortensis)
- これがよく植栽されている。ナツグミ、トウグミはよく似ているが、葉の表をルーペで拡大し鱗状毛があればナツグミ、星状毛があればトウグミである。
- ダイオウグミ(学名: E. multiflora var. gigantea)
- 特に果実が大きい。ビックリグミともいう。鑑賞用兼食用(果実)として栽培されることが多い。
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Elaeagnus multiflora Thunb. f. orbiculata (Makino) Araki ナツグミ(狭義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Elaeagnus multiflora Thunb. var. multiflora ナツグミ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Elaeagnus multiflora Thunb. var. crispa (Maxim.) Servett. ナツグミ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 42.
- ^ a b c d e f g 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 87.
- ^ a b c d e f g 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 151
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Elaeagnus multiflora Thunb. var. multiflora f. multiflora ホソバナツグミ(狭義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
参考文献
[編集]- 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、151頁。ISBN 978-4-416-61438-9。
- 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』 5巻、学習研究社〈増補改訂 ベストフィールド図鑑〉、2009年8月4日、42頁。ISBN 978-4-05-403844-8。
- 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、79頁。ISBN 4-522-21557-6。