タトラK5
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タトラK5 タトラK5AR | |
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基本情報 | |
製造所 | ČKDタトラ |
製造年 |
1968年(試作車) 1970年 - 1973年(量産車) |
製造数 |
1両(試作車) 200両(量産車) |
運用終了 | 1980年代 |
投入先 | カイロ市電 |
主要諸元 | |
編成 | 2車体連接車 |
軌間 | 1,000 mm |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 65 km/h |
車両定員 |
着席56人 立席92人 |
車両重量 | 18.7 t |
全長 | 21,600 mm |
車体長 | 20,400 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,050 mm |
固定軸距 | 1,900 mm |
台車中心間距離 | 6,400 mm |
主電動機 | TE 022A |
主電動機出力 | 44.5 kw |
出力 | 178 kw |
制御方式 | 抵抗制御(間接自動制御) |
備考 | 主要数値は[1][2][3]に基づく。 |
タトラK5(チェコ語: Tatra K5)は、かつてチェコスロバキア(現:チェコ)のプラハに存在したČKDタトラが製造した路面電車車両(タトラカー)。エジプト[注釈 1]の首都・カイロの路面電車であるカイロ市電に向けてK5ARが導入された[1][4][5][6][7]。
概要・運用
[編集]タトラ国営会社スミーホフ工場で生産されていたタトラK2を基に開発された2車体連接車。コルゲート加工が施された流線形の車体や両端に動力台車、連接部分に付随台車が配置されている構造はK2と同様であったが、同形式が投入されたヨーロッパの東側諸国と条件が異なるエジプトへの導入に向け、以下の設計が変更された[4][5]。
- 車内・車体構造 - K2はループ線が存在する路線での運用を前提としており運転台は集電装置がある車体にのみ設置されていたが、K5はループ線がない路線へ導入されるため両方の車体に運転台が設置された他、集電装置も双方の車体に搭載された。また、車内には女性専用フロアが存在した[1][5]。
- 通風・暖房 - 亜熱帯気候に属するカイロでの運用に備え、K2に設置されていた暖房装置が撤去された一方、2段窓は双方とも上下にスライドさせる事が出来た[5]。
- 電気機器 - K5の電気機器として、K2に搭載されたUA12を基に亜熱帯気候に適した改良が施された「UA14」が開発され、主電動機の出力も44.5 kwに増大した[2][5]。
試作車は1968年に完成し、1970年から1973年にかけて量産車200両がチェコからユーゴスラビアを経由しエジプト・カイロへと輸出された。最初の150両は下半分が緑色、上半分がクリーム色と言う塗装だった一方、残りの50両は車体下半分が赤色に変更された。だが、メンテナンス不足に加え軌道条件や気象条件の悪さが重なった結果、老朽化や故障が早期に進行した。1975年から1978年にはスミーホフ工場の従業員がカイロに赴き電気機器の修繕や不要な機器の撤去などの修理を実施したものの、最終的に近畿車輛(日本)とセマフ(エジプト)製の新造車両に置き換えられる事となり、1980年代までに全車廃車となった[4][6][7]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c Ryszard Piech (2008年3月18日). “Tramwaje Tatry na przestrzeni dziejów (2) od KT8 do T6” (ポーランド語). InfoTram. 2020年2月21日閲覧。
- ^ a b “K5AR”. Straßenbahnen der Bauart Tatra. 2010年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月21日閲覧。
- ^ 金谷光男、山本昭夫、川平吉郎、佐藤勝夫「エジプト カイロ市交通局市内線向電車」『車両技術』第139巻、日本鉄道車輌工業会、1980年3月、63-70頁、doi:10.11501/3293432、ISSN 0559-7471。
- ^ a b c Jiří, Vobecký (2001). Poslední jízdy tramvají K5 v Káhiře. Městská doprava. pp. 13.
- ^ a b c d e Vladislav, Borek (2004). Technický popis tramvaje K5 AR. Svět železnic.
- ^ a b Tramvaje K5 v Brně a Káhiře. Městská doprava. (2002). pp. 21.
- ^ a b 櫻井賢一「温故知新 エジプトのプロジェクトを振り返って【前編】」『近畿車輛技報』第14号、近畿車輛、2007年10月、58頁、2020年2月21日閲覧。