セファゾリン
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
発音 | [sɪˈfæzələn][1] |
販売名 | セファメジンα, Ancef, Cefacidal, other |
Drugs.com | monograph |
胎児危険度分類 | |
法的規制 |
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薬物動態データ | |
生物学的利用能 | NA |
代謝 | ? |
半減期 | 1.8時間 ( 静脈注射) 2時間 ( 筋肉内注射) |
排泄 | 主として尿中へ排泄される |
データベースID | |
CAS番号 | 25953-19-9 |
ATCコード | J01DB04 (WHO) QJ51DB04 (WHO) |
PubChem | CID: 33255 |
DrugBank | DB01327 |
ChemSpider | 30723 |
UNII | IHS69L0Y4T |
KEGG | D02299 |
ChEBI | CHEBI:474053 |
ChEMBL | CHEMBL1435 |
化学的データ | |
化学式 | C14H14N8O4S3 |
分子量 | 454.51 g/mol |
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物理的データ | |
融点 | 198 - 200 °C (388 - 392 °F) (dec.) |
セファゾリン(Cefazolin, またはCefazolilne, またはCephazolin)は、多くの細菌感染症の治療に使用される抗生物質である[2]。具体的には、蜂巣炎、尿路感染症、肺炎、心内膜炎、関節感染症、胆道感染症の治療に用いられる[2]。分娩前後や手術前のB群レンサ球菌感染症等の予防にも用いられる[2]。投与法は筋肉注射または静脈注射が一般的である[2]。商品名は、セファメジンα[3]。手術部位感染予防目的で頻用されている[4]。
一般的な副作用は、下痢、嘔吐、イースト菌感染症、アレルギー反応などがあげられる[2]。ペニシリンの服用によるアナフィラキシーの既往歴がある人への投与は勧められない[5]。妊娠中や授乳中の人への投与は比較的安全である[2][6]。
セファゾリンは、第一世代のセファロスポリン系の薬であり、細菌の細胞壁を阻害することにより効果がある[2]。
セファゾリンは、1967年に特許認可され、1971年に商品化された[7]。世界保健機関の必須医薬品モデル・リストに掲載されており、医療制度に必要とされる最も効果的で安全な医薬品である[8]。後発医薬品として入手できる[2]。開発途上国の卸売価格は1日分当たり約1.20から1.41米ドルである[9]。米国での一貫の治療にかかる費用は$25~$50米ドルである[6]。
効能・効果
[編集]- 適応菌種
- 適応症
2019年の供給問題
[編集]セファゾリンの日本での市場占有率6割を占める後発医薬品メーカーの日医工は、イタリアのメーカー2社から原薬の供給を受けていた。そのうち1社(A社とする)は2018年末より異物混入ロットが急増し、製造継続が困難な状況に陥った。原薬の原料となるテトラゾール酢酸(TAA)は世界で唯一中国のメーカーのみで製造していたが、排水処理の環境上の問題が生じ、中国当局の指導により製造が停止された。TAAの入手困難から、もう1社の原薬メーカー(B社)も生産停止を余儀なくされた。セファゾリン以外にTAAを原料とする抗生物質はなく、引火性が高く航空便で輸送できない要因も重なった[10]。このため、日本では2019年3月より供給困難な事態に追い込まれた[11]。多くの医療機関がセファゾリンを確保できない状況に陥り、厚生労働省や日本感染症教育研究会は代替薬として第2世代セファロスポリン系やクリンダマイシンなどを提示した。しかし、これらの薬剤は市場規模が小さく、需要の急増に対応することは困難であった。厚生労働省が2019年6月に実施した実態調査によると、調査に参加した周術期の抗菌薬予防投与を行う機会がある医療機関のうち49.7%がセファゾリン使用の中止または制限を行っていた。この件が患者の受け入れに影響を及ぼしたと回答した医療機関は1~2%にとどまったが、回答した1000あまりの医療機関のうち75%で供給が滞っている品目があるとしており、通常より少ない抗菌薬をやりくりして医療を継続している現場の様子をうかがうことができる[12]。
出典
[編集]- ^ "Cefazolin". Merriam-Webster Dictionary. 2016年1月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “Cefazolin Sodium”. The American Society of Health-System Pharmacists. 8 December 2016閲覧。
- ^ “医療用医薬品 : セファメジン (セファメジンα注射用0.25g 他)”. www.kegg.jp. 2022年12月18日閲覧。
- ^ “セファゾリン不足で病院勤務医の4割「困った」”. 日経メディカル. 2023年12月14日閲覧。
- ^ WHO Model Formulary 2008. World Health Organization. (2009). p. 106. ISBN 9789241547659. オリジナルの13 December 2016時点におけるアーカイブ。 8 December 2016閲覧。
- ^ a b Hamilton, Richart (2015). Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2015 Deluxe Lab-Coat Edition. Jones & Bartlett Learning. p. 84. ISBN 9781284057560
- ^ Fischer, Janos; Ganellin, C. Robin (2006) (英語). Analogue-based Drug Discovery. John Wiley & Sons. p. 493. ISBN 9783527607495. オリジナルの2017-09-10時点におけるアーカイブ。
- ^ “WHO Model List of Essential Medicines (19th List)”. World Health Organization (April 2015). 13 December 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。8 December 2016閲覧。
- ^ “Single Drug Information | International Medical Products Price Guide”. 8 January 2020閲覧。
- ^ “セファゾリン製造企業の担当者、今後の供給見通し示す”. m3.com 臨床ダイジェスト (2019年5月15日). 2024年8月9日閲覧。
- ^ “原薬の海外依存リスク-リスク軽減のために何をすべきか?”. ニッセイ基礎研究所 (2021年6月15日). 2024年8月9日閲覧。
- ^ 具 芳明「抗菌薬供給の現状と課題」『KANSEN Journal』第84巻、シーニュ、2020年10月20日、2024年8月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- セファメジン - 当抗生物質が商品化された1971年にヨネ・プロダクションの手により制作された短編映画。タイトルの『セファメジン』は、当抗生物質の商品化当初に藤沢薬品工業(当該映画を企画。現在のアステラス製薬)によって付与された商品名。