コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

スーパー・セッション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『スーパー・セッション』
マイク・ブルームフィールド/アル・クーパー/スティーヴ・スティルススタジオ・アルバム
リリース
録音 1968年5月 カリフォルニア州ロサンゼルス
ジャンル ロックブルースロック
時間
レーベル コロムビア・レコード
プロデュース アル・クーパー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 12位(アメリカ[1]
  • テンプレートを表示

    スーパー・セッション』(Super Session)は、マイク・ブルームフィールドアル・クーパースティーヴン・スティルス(本作ではスティーヴ・スティルス名義)が1968年に連名で発表したスタジオ・アルバム。ただし、実際に3人が共演したわけではなく、LPの片面にクーパーとブルームフィールドの共演、もう片面にクーパーとスティルスの共演が収録された[2]

    背景

    [編集]

    アル・クーパーとマイク・ブルームフィールドは、1968年に行われたモビー・グレープジャム・セッションでキーボードを弾き、この時の演奏はモビー・グレープ名義のアルバム『Grape Jam』に収録された[3]。クーパーは、その経験を元にして本作の着想を得たといわれている[4]。クーパーから連絡を受けたブルームフィールドは、カリフォルニア州でのレコーディングを望んだため、ロサンゼルスでセッションが行われることになった[4]

    本作のためのセッションには、以前ブルームフィールドと共にエレクトリック・フラッグ英語版で活動していたハーヴェイ・ブルックスと、セッション・ドラマーのエディ・ホーが参加。また、やはりエレクトリック・フラッグで活動していたバリー・ゴールドバーグがセッションを見学し、演奏にも参加している[4]。そして、ブルームフィールドの参加したセッションでは、本作のサイド1に収録された5曲に加えて、当時はアウトテイクとなった「ブルース・フォー・ナッシング」も録音された[5]。しかし、当時不眠症に悩まされていたブルームフィールドは、翌日には置き手紙を残して姿をくらました[4]

    急遽クーパーは代役のギタリストを探し、ジェリー・ガルシアランディ・カリフォルニア英語版といったカリフォルニア州在住のギタリストに電話をかけて、唯一スティーヴン・スティルスから返事を得られた[6]。そして、その日の午後7時から翌日の朝3時まで、スティルスを迎えたセッションが行われる[4]

    セッション終了後、クーパーは音の強弱に不都合を感じたため、ホーン・セクションをオーバー・ダビングした[7]。レコーディング・エンジニアはフレッド・カテロとロイ・ハリー[8]

    本作リリース後、クーパーとブルームフィールドは度々ライヴで共演した。1968年9月のライヴ音源は1969年発売のライヴ・アルバム『フィルモアの奇蹟』に収録され、同年12月13日のフィルモア・イースト公演におけるライヴ録音は、2003年にアルバム『フィルモア・イーストの奇蹟』として発表された。

    反響・評価

    [編集]

    アメリカのBillboard 200では12位を記録し[1]、1970年12月にはRIAAによってゴールドディスクに認定された[9]

    Lindsay Planerはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「ビートルズが前年に発表した『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と同様、『スーパー・セッション』は、ロックン・ロールの同時発生的な変化が、幾つかの新しい段階に来ていることを早くから示した」「本当の意味でのスーパー・セッション」と評している[2]

    CDボーナス・トラック

    [編集]

    1995年に発売されたリマスターCDには、「ブルース・フォー・ナッシング」がボーナス・トラックとして追加収録された[10]。また、2003年のリマスターCDには「アルバートのシャッフル」と「魔女の季節」からホーン・セクションを取り除いたリミックス・ヴァージョン、「ファット・グレイ・クラウド」の未発表ライヴ音源も追加され、計4曲のボーナス・トラックが収録された。

    収録曲

    [編集]
    Side 1
    1. アルバートのシャッフル - Albert's Shuffle (Al Kooper, Mike Bloomfield) - 6:53
    2. ストップ - Stop (Jerry Ragovoy, Mort Shuman) - 4:18
    3. マンズ・テンプテーション - Man's Temptation (Curtis Mayfield) - 3:24
    4. 神の様式化された神聖なる威厳 - His Holy Modal Majesty (A. Kooper, M. Bloomfield) - 9:12
    5. リアリー - Really (A. Kooper, M. Bloomfield) - 5:26
    Side 2
    1. 悲しみは果しなく - It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry (Bob Dylan) - 3:29
    2. 魔女の季節 - Season of the Witch (Donovan Leitch) - 11:07
    3. ユー・ドント・ラヴ・ミー(夜明けに恋はない) - You Don't Love Me (Willie Cobbs) - 4:09
    4. ハーヴェイの作った曲 - Harvey's Tune (Harvey Brooks) - 2:10

    2003年リマスターCDボーナス・トラック

    [編集]
    1. アルバートのシャッフル(2002ノー・ホーンズ・リミックス) - Albert's Shuffle (2002 Remix w/o Horns) (A. Kooper, M. Bloomfield) - 6:58
    2. 魔女の季節(2002ノー・ホーンズ・リミックス) - Season of the Witch (2002 Remix w/o Horns) (D. Leitch) - 11:07
    3. ブルース・フォー・ナッシング - Blues for Nothing (A. Kooper) - 4:15
    4. ファット・グレイ・クラウド(ライヴ) - Fat Grey Cloud (in concert at the Fillmore West) (A. Kooper, M. Bloomfield) - 4:37

    他メディアでの使用例

    [編集]

    「リアリー」は、1992年公開のアメリカ映画『スニーカーズ』のサウンドトラックで使用された[7][11]

    参加ミュージシャン

    [編集]

    脚注・出典

    [編集]
    1. ^ a b Al Kooper - Awards”. AllMusic. 2016年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月25日閲覧。
    2. ^ a b Super Session - Michael Bloomfield, Mike Bloomfield, Al Kooper, Stephen Stills | AllMusic - Review by Lindsay Planer
    3. ^ Grape Jam - Moby Grape | AllMusic - Review by Mark Deming
    4. ^ a b c d e リマスターCD(SICP 20093)ライナーノーツ(天辰保文、2003年3月)
    5. ^ Mike Bloomfield, Al Kooper, Steven Stills: Supersession (extra tracks) | PopMatters - article by Barbara Flaska - 2014年11月3日閲覧
    6. ^ JamBands.com - Need We Say More? > Features > 'The Doctor of Rock and Roll' an interview with Al Kooper - 2014年11月3日閲覧
    7. ^ a b リマスターCD(SICP 20093)プロデューサー・ノーツ(アル・クーパー)
    8. ^ Mike Bloomfield / Al Kooper / Steve Stills* - Super Session (Vinyl, LP, Album) at Discogs
    9. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"SUPER SESSION"と入力して検索すれば確認できる
    10. ^ Bloomfield* / Kooper* / Stills* - Super Session (CD, Album) at Discogs - 1995年リマスターCDの情報
    11. ^ Sneakers (1992) - Soundtracks - IMDb