スーパーレール
スーパーレールは、玩具メーカー大手のトミー(現在のタカラトミー、該当部門はトミーテック)が昭和後期から平成初期にかけて製造・販売していた鉄道玩具。発売当時のキャッチコピーは「プラレールを卒業したらスーパーレール」。
概要
[編集]1972年(昭和47年)、プラレールよりも高い年齢層をターゲットとして企画され、HOゲージに近いスケールサイズを採用したり、線路も枕木タイプを用いたり[注 1]するなど、プラレールと一線を画したリアルな鉄道玩具として発売された。
本格的な鉄道模型並みの自動カプラーを採用[注 2]し、前後逆転機構[注 3]により、走行しながらの前進/後進切り替えなども可能にしていた。自動ターンテーブルや警報機付踏切などの高度な製品も存在した。
車両は、デフォルメ2軸化[注 4]したタイプと、より実車を忠実に再現したボギー台車形式のタイプとが存在した。アメリカ合衆国やスペイン向けの輸出モデルも存在した。
メインターゲットが小学生以上であったため、精密な部品を用いた製品が多く、小さな子供は取り扱いが困難で破損しがちであった。また電動製品が多く、車両以外にも多くの乾電池を必要とした。トミーとしても、リアルな製品構成や前後逆転機構など、工程数がプラレールに比して多くなる割に、ターゲット層の関係からそれほど高い販売価格を設定できなかった[要出典]。さらに、1976年(昭和51年)にはスーパーレールよりも上の層を対象とする[注 5]形でNゲージ鉄道模型TOMIXの販売が始まり[注 6]、これを契機にNゲージが比較的低年齢層にも普及することとなった。スーパーレールは、プラレールとNゲージの間で板挟みになる形となり[1]、製品構成もどっちつかずになってしまい、昭和50年代後半以降は売れ行きは鈍っていった。平成に入った後は補修部品中心の販売となり、1991年(平成3年)にはブランド廃止となった。
ラインアップ
[編集]車両リスト
[編集]機関車
[編集]電車
[編集]※印の付いた車両はデフォルメ2軸化されたもの。
- 特急つばめ※(181系)
- 111系電車※
- 0系新幹線[注 9]
- 200系新幹線
- 485系(L特急)(先頭車は200番台)
- 583系(寝台特急)[注 11]
- 東海道・山陽ニュー新幹線※(100系新幹線)[注 12]
客車/貨車
[編集]- 客車スハ43
- 寝台車オハネフ25
- 客車オハ50
- コンテナ車 コキ5500
- 車運車 ク5000(トミカを4台積載可能)
- 有蓋車 ワム80000(茶・白・緑)
- タンク車 タキ45000(青・黄・白)
- 無蓋車 トム50000
- ホッパー車 ホキ2200
- 長物車 トキ21100
- 車掌車 ヨ6000
- 貨車セットA(有蓋車ワム70000(黒)・無蓋車トム50000(黒)・タンク車タキ45000(青)・車掌車ヨ6000・コンテナ車コキ5000(青))
レール・情景パーツ
[編集]- 直線レール
- 1/2直線レール
- 曲線レールC
- 曲線レールB[注 13]
- 2/3曲線レールB
- ふみきりレール
- 転車台
- リターンコントロールレール
- 切り離しレール
- コントロールレール
- ポイントレールC
- ポイントレールB
- 片渡りポイントレール(右・左分岐各1本入)
- クロスレール
- 坂レール
- 車止め
- こせん橋
- 駅ホーム
- アーチ型鉄橋
- 橋脚
- トンネル
- 架線柱
- 3灯式信号機
- スーパー踏切(エレクトロサウンド付)
- この節の加筆が望まれています。
発売終了後
[編集]情景部品
[編集]スーパーレールの情景部品の一部は、プラレールのセット付属の情景部品として流用されている[注 14]。
- トンネル - 1996年(平成8年)発売「きかんしゃトーマス&貨車セット」[2]や1999年(平成11年)発売「さらにたのしくなったビッグトーマス」[2]など。
- 腕木式信号機 - 2002年(平成14年)5月発売「きかんしゃトーマスはじめてのトーマスセット」[3]。
- アーチ型鉄橋 - 2002年(平成14年)9月26日発売「新幹線こだまセット」[4]、2003年(平成15年)4月17日発売「サウンドC62重連セット」[5]、同年9月25日発売「トーマス&エリザベス ふみきりステーションセット」[6]。
- ホーム - 2004年(平成16年)10月発売「サウンド・ドア開閉 山手線セット」[7]、2009年(平成21年)10月発売「つなげてたのしい! 情景いっぱいセット」[8]。
商標権
[編集]2019年(令和元年)現在、「スーパーレール」という名称は、株式会社スーパーレールが移動棚の名称として商標権を取得している[9]。同社はスリーライン→インターナショナルシステムを経て、商品名と同じ現社名に変更している。
- この節の加筆が望まれています。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ プラレールは凹レールでタイヤ車輪なのに対して、スーパーレールは凸レールでフランジ付きの車輪。
- ^ 電車などの固定編成前提の製品を除く
- ^ 専用レールと車両を用いる。前後逆転機構は直流モーターの極性転換ではなく、ギアによって行っていた。ギアを中間点で切り離した状態にすることで一時停止状態も可能であったがモーターを無負荷回転させるため、モーターに負荷が掛かり寿命を縮めることになった。
- ^ リアルショーティーデザイン。晩年は実車を忠実に再現(車体のみ)した製品もボギー車ではなく、2軸に車軸が簡略化された。
- ^ トミーテックではTOMIXの対象年齢を15歳以上としている。なおプラレールアドバンスは6歳以上、プラレールは3歳以上となっている。
- ^ トミーはTOMIXを立ち上げる2年前(1974年)から、バックマンの製造によるNゲージ鉄道模型「トミーナインスケール」を販売していた。
- ^ 1981年(昭和56年)に生産中止。
- ^ ED75形電気機関車の成形色を青に変更しEF65形電気機関車に見立てた製品。
- ^ 「200系新幹線」の塗色変更品。961形新幹線のカラーリングと似ている。
- ^ 「新幹線ひかり号」の塗色変更品。幻の緑色0系新幹線カラーと似ている。
- ^ 「485系」の屋根と塗色の変更品。
- ^ 1986年発売の最終商品。
- ^ カーブを複線にする際の外側用レールで、1997年から発売されたプラレールの「複線外側曲線レール」にあたる。
- ^ 位置付けは“セット限定の特製品”であって、単品発売はされていない。
出典
[編集]- ^ “60周年のプラレール、“変わらないまま進化する”玩具のこだわり”. Walkerplus (2019年2月15日). 2020年2月29日閲覧。
- ^ a b プラレールトーマス セット商品 - ウェイバックマシン(2006年7月18日アーカイブ分)
- ^ 。プラレール 新製品情報 2002年5月 - ウェイバックマシン(2002年7月5日アーカイブ分)
- ^ プラレール 新製品情報 2002年9月 - ウェイバックマシン(2002年8月3日アーカイブ分)
- ^ 徹底解剖「サウンドC62重連セット」 - ウェイバックマシン(2016年10月23日アーカイブ分)
- ^ プラレール 新製品情報 2003年9月 - ウェイバックマシン(2008年6月24日アーカイブ分)
- ^ 徹底解剖「サウンド・ドア開閉 山手線セット」 - ウェイバックマシン(2015年5月16日アーカイブ分)
- ^ “プラレール 新製品情報 2009年10月”. タカラトミー (2009年10月9日). 2020年2月29日閲覧。
- ^ “会社案内”. 株式会社スーパーレール. 2020年2月29日閲覧。
参考文献
[編集]- こんの『スーパーレール大百科Neo』スタジオPALM、2019年8月12日。
関連項目
[編集]- タカラトミー
- プラレール
- プラレールアドバンス - スーパーレール時代の技術が一部採用されている
- TOMIX
- トミカ - カー輸送車(貨車)は自家用車モデル(セダンなど)のトミカを搭載可能。製品サイズが近い関係でスーパーレールとの連携が行われた。
- ミニミニレール - 1970年代から80年代には、バンダイでもNゲージサイズで同様のコンセプトの商品が試みられた。リアルショーティーデザインで2軸車両。