スーパースポーツ300世界選手権
表示
カテゴリ | オートバイレース |
---|---|
国・地域 | ヨーロッパ |
開始年 | 2017 |
チーム |
4 マニファクチャラー (カワサキ, ヤマハ, KTM, KOVE MOTO) |
ライダーズ チャンピオン | イェフライ・バウス |
チーム チャンピオン | MTMカワサキ |
マニュファクチャラーズ チャンピオン | カワサキ |
公式サイト | The Official SBK Website |
現在のシーズン |
スーパースポーツ300世界選手権(スーパースポーツ300せかいせんしゅけん、Supersport 300 World Championship、略称:WSSP300)は、モーターサイクルによるモータースポーツ[1]。国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催する、4ストロークの1・2気筒エンジン搭載の市販車を改造したオートバイで競うロードレースの世界選手権大会。ヨーロッパラウンドのみの開催で、スーパーバイク世界選手権に併催されている。
概要
[編集]2016年までスーパーバイクの将来のスターライダーを育成する目的で行われていたヨーロピアン・ジュニア・カップ(EJC)に代わるカテゴリーとして、「全ライダーが同じ条件の下勝利を目指し、スーパーバイクへの階段を登ること」を目的に、2017年に誕生した。「世界選手権」という名称ではあるが、前身のEJCと同様にヨーロッパのみでの開催で、スーパーバイク世界選手権やスーパースポーツ世界選手権と併催される[2]。
2024年の参戦メーカーはカワサキとヤマハ、KTM、KOVE MOTOである。2019年まではホンダも参戦していた。しかし、重大な事故が相次いだ事から2025年で開催を終了し、新たなエントリーレースへ移行されることが決まっている[3]。
歴史
[編集]- 2017年
- 4月2日、シリーズ開幕戦がモーターランド・アラゴンで開催され、37人のライダーが参戦、スコット・デルーがシリーズ最初の優勝ライダーとなった。
- 9月17日には、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで開催された第7戦ポルトガルでFIMが主催する世界選手権で、アナ・カラスコが女性初優勝を果たした。
- レギュラーライダー35人が参戦した選手権は、全戦ワイルドカード参戦のマルク・ガルシア・フェランディスがアルフォンソ・コッポラを1ポイント差で下し、初代世界チャンピオンとなった。
- 2018年
- アナ・カラスコが唯一1位を2回獲得(表彰台もこの2回のみ)、8戦中4戦で表彰台に上った(2位3回、3位1回)ミカ・ペレス・アルミニャーナを1ポイント差で下し、バイクレース史上初の女性の世界チャンピオンとなった[4]。
- 2019年
- レギュラーライダーが前年の36人から50人に増加した[5]ことを受け、FIMは練習走行とスーパーポール(予選)を2つのグループに分割した。これに伴い、スーパーポールの2グループを総合してタイムの速い順に上位30人が日曜日に行われる決勝にストレートインし、残るライダーは、この年から設けられた土曜日午後に行われる「ラストチャンスレース」に参加、6位までに入れば決勝に進出、7位以下は予選落ちというレギュレーションに変更された[6]。
- 選手権は、マヌエル・ゴンサレス・シモンが9戦中6戦で表彰台に上がり(1位3回、2位3回)、世界チャンピオンとなった。
- また、この年から唯一の日本人ライダーとして岡谷雄太が参戦している。日本人がこのカテゴリーに参戦するのはこれが初となる。
- 2020年
- 新型コロナウイルスの流行により、カレンダーは当初予定されていたものから大幅に変更、ラウンドは10から7に減少した。また土曜日に決勝を1つ加えたことで全ラウンドが2レース制となったため、イベントのタイムテーブルも改訂された。
- 9月20日、カタロニア・サーキットで開催された第5戦スペインで、岡谷雄太が日本人初の優勝を果たした。
- レギュラーライダーが55人と前年から更に増加した選手権は、オランダ人ライダーのジェフリー・ブイスが14レース中8レースで表彰台に上がり(1位4回、2位3回、3位1回)、初めてスペイン人以外のライダーが世界チャンピオンとなった。
- 2021年
- この年から、練習走行とスーパーポールの2グループ制を取り止め、3年振りに1つに統合、ラストチャンスレースは廃止となる。決勝は2レース制を維持する[7]。
- 42人のレギュラーライダーによって争われた選手権は、エイドリアン・ウエルタス・デル・オルモが16レース中8レースで表彰台に上がり(1位6回、2位1回、3位1回)、世界チャンピオンとなった。
- マーベリック・ビニャーレスとイサック・ビニャーレスのいとこであるディーン・ベルタ・ビニャーレスが、ヘレス・サーキットで行われた第7戦スペインの決勝レース1で発生した多重クラッシュにより死亡した[8]。
- 2022年
- アルバロ・ディアス・セブリアンが16レース中11レースで表彰台に上がり(1位2回、2位7回、3位2回)、世界チャンピオンとなった。
- この年ランキング2位となったフィクトル・ステーマンが、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで行われた最終戦アルガルヴェの決勝レース1で発生した多重クラッシュにより死亡した[9] 。
レギュレーション
[編集]「スーパースポーツ300」という名称であるが、300ccのマシンしか走れないというわけではなく、FIMがバイクのモデルごとに最低重量や最大回転数(rpm)を規定している。また、参戦するライダーは15歳以上の者でなければならない。
2018年からFIMが課した規定は以下の通り[10]。
メーカー | 車種 | 気筒数 | 最低重量(kg) | 最大回転数(rpm) |
---|---|---|---|---|
KTM | RC 390 R | 単気筒 | 136 | 10,450 |
ヤマハ | YZF-R3 | 2気筒 | 140 | 13,000 |
カワサキ | ニンジャ400 | 150 | 10,850 | |
ホンダ | CBR500R | 143 | 11,200 |
歴代チャンピオン
[編集]年 | ライダーズ・チャンピオン | マニファクチャラーズ・チャンピオン | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ライダー | ポイント | マシン | 所属チーム | マニュファクチャラー | ポイント | |
2017 | マルク・ガルシア・フェランディス | 139 | YZF-R3 | Halcourier Racing | ヤマハ | 196 |
2018 | アナ・カラスコ | 93 | ニンジャ400 | DSジュニアチーム | カワサキ | 176 |
2019 | マヌエル・ゴンサレス・シモン | 161 | ニンジャ400 | Kawasaki ParkinGO Team | カワサキ | 216 |
2020 | ジェフリー・ブイス | 220 | ニンジャ400 | MTMカワサキ・モトポート | カワサキ | 335 |
2021 | エイドリアン・ウエルタス・デル・オルモ | 255 | ニンジャ400 | MTMカワサキ | カワサキ | 381 |
2022 | アルバロ・ディアス・セブリアン | 259 | YZF-R3 | ARCO MotoR University Team | ヤマハ | 344 |
2023 | ジェフリー・ブイス | 207 | ニンジャ400 | MTMカワサキ・モトポート | カワサキ | 316 |
2024 | アルディ・サティア・マヘンドラ | 221 | YZF-R3 | チームBrCorse | カワサキ | 332 |
出典
[編集]- ^ “What is WorldSSP300?”. yamaha-racing.com (Yamaha Racing) 2021年3月6日閲覧。
- ^ Lieback, Ron (2017年2月8日). “2017 World Superbike Calendar”. ultimatemotorcycling.com (Ultimate Motorcycling) 2021年3月6日閲覧。
- ^ “New entry class to debut in 2026”. www.worldsbk.com. 2024年9月8日閲覧。
- ^ Miles, Matthew (2018年10月1日). “Ana Carrasco Crowned 2018 FIM Supersport 300 World Champion In France”. cycleworld.com (Cycle World) 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Supersport 300: 50-rider provisional entry list for 2019 season”. bikeandrace.com (BikeAndRace). (2019年1月11日) 2021年3月6日閲覧。
- ^ “WorldSSP300 to see new format in 2019”. mcnews.com.au (MCNews.com.au). (2018年10月30日) 2021年3月6日閲覧。
- ^ “2021 EU STANDARD TIME SCHEDULE”. resources.worldsbk.com (Dorna WSBK). (2020年12月21日) 2021年3月6日閲覧。
- ^ “Dean Berta Viñales passes away”. WorldSBK.com (Dorna Sports). (25 September 2021) 25 September 2021閲覧。
- ^ “Victor Steeman passes away”. worldsbk.com. Dorna WorldSBK (October 11, 2022). October 11, 2022閲覧。
- ^ “Supersport 300 Assen: Rivisto il regolamento del Mondiale”. corsedimoto.com (Corsedimoto). (2018年4月19日) 2021年3月6日閲覧。