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スーザン・バック=モース

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

スーザン・バック=モース(Susan Buck-Morss)は、アメリカ合衆国の政治哲学者。専門は、ドイツ哲学、とくにフランクフルト学派の批判理論。

ヴァッサー・カレッジで学士号取得、イェール大学で修士号取得後、ジョージタウン大学で博士号取得。博士論文は批判理論の出現に関する『テオドール・W・アドルノと批判理論の創成』(1975年)であり、のちに単行本化している(The Origin of Negative Dialectics, 1977)。1978年からコーネル大学の助教授・准教授・教授を経て、現在は2012年からニューヨーク市立大学大学院センター (CUNY Graduate Center)の政治科学部教授。

バック=モースの学際的な研究は、美術史、建築、比較文学、文化研究、ドイツ研究、歴史、哲学、視覚研究などの分野に跨っている。

2009年にエッセイとして発表された「ヘーゲル、ハイチ、そして普遍的歴史」は、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポーランド語などの言語に翻訳されている。この著作により、2011年にはカリビアン哲学協会よりフランツ・ファノン賞を受賞した。

著書

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  • The Origin of Negative Dialectics: Theodor W. Adorno, Walter Benjamin and the Frankfurt Institute, (Free Press, 1977).
  • The Dialectics of Seeing: Walter Benjamin and the Arcades Project, (MIT Press, 1989).
高井宏子訳『ベンヤミンとパサージュ論――見ることの弁証法』(勁草書房、2014年)
  • Dreamworld and Catastrophe: the Passing of Mass Utopia in East and West, (MIT Press, 2000).
堀江則雄訳『夢の世界とカタストロフィ――東西における大衆ユートピアの消滅』(岩波書店, 2008年)
  • Ground Control: Technology and Utopia, (With Julian Stallabrass and Leonidas Donskis, Trolley, 2002)
  • Thinking Past Terror: Islamism and Critical Theory on the Left, (Verso, 2003).
村山敏勝訳『テロルを考える――イスラム主義と批判理論』(みすず書房, 2005年)
  • Hegel, Haiti, and Universal History, (University of Pittsburgh Press, 2009)
岩崎稔高橋明史訳『ヘーゲルとハイチ――普遍史の可能性にむけて』(法政大学出版局、2017年)
  • Revolution Today, (Haymarket Books, 2019)
  • Year 1: A Philosophical Recounting, (MIT Press, 2021)
森夏樹訳 『西暦一年――「理性」と「信仰」の分断を問い直す』(青土社、2021年)

外部リンク

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