スティーヴ・フィッツモーリス
スティーヴ・フィッツモーリス Steve Fitzmaurice | |
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出身地 |
アイルランド ダブリン |
ジャンル |
ロック ポップ R&B |
職業 |
ミキシング・エンジニア 音楽プロデューサー レコーディング・エンジニア |
活動期間 | 1990年代前半 - 現在 |
共同作業者 |
ジミー・ネイプス サイモン・ヘイル シール ジェリ・ハリウェル クレイグ・デイヴィッド デペッシュ・モード イアン・ブラウン サム・スミス オリー・マーズ 宇多田ヒカル |
『スティーヴ・フィッツモーリス』(Steve Fitzmaurice)は、イギリスのミキシング・エンジニアおよび音楽プロデューサーである。アイルランド出身。これまでに、U2、デペッシュ・モード、イアン・ブラウン、カイリー・ミノーグ、メアリー・J・ブライジ、アリシア・キーズ、サム・スミス、デヴィッド・グレイ、宇多田ヒカル、Mr.Childrenなど、数多くのアーティストの作品に関わってきた。また、U2やシール、サム・スミスの作品でグラミー賞に10回ノミネートされ、5度の受賞を果たしている。
来歴
[編集]アイルランドに生まれる。1987年に10代でダブリンからロンドンへ渡り、サーム・スタジオにて、トレヴァー・ホーンやジュリアン・メンデルゾーンに師事[1][2][3]。徐々にエンジニアとして出世し、ペットショップボーイズやティナ・ターナー、タスミン・アーチャーらの作品に関わるようになった[1]。
1992年、機は熟したと考えたスティーヴは、ニューヨークのザ・ヒット・ファクトリーに移り、そこではエリック・クラプトンや若かりし頃のティンバランドらと関わった[1][2]。それから2年ほど経ってフリーランスになり、1994年のシールの2ndアルバム『Seal II』でエンジニアを担当。同作は第37回グラミー賞で「最優秀アルバム技術賞」にノミネートされた[4]。また、ミキシングで参加したシールの楽曲「Kiss From A Rose」は第38回グラミー賞で「最優秀レコード賞」を受賞した。2000年には、U2の『All That You Can't Leave Behind』に参加し、第44回グラミー賞で「最優秀アルバム賞」にノミネートされた[4]。
2014年、サム・スミスのデビューアルバム『In the Lonely Hour』にプロデューサー、ミックスエンジニアとして全面的に参加。収録曲「Stay With Me」で第57回グラミー賞の「最優秀レコード賞」と「最優秀楽曲賞」の2部門受賞を果たし、アルバムは「最優秀ポップボーカルアルバム」を受賞した[5][4]。また、2015年の映画「007 スペクター」に起用された同じくサム・スミスの楽曲「Writing's on the Wall」でもプロデューサー、ミックスエンジニアを務めており、同作で第73回ゴールデングローブ賞「主題歌賞」及び第88回アカデミー賞「歌曲賞」を受賞した[3]。
2016年以降は宇多田ヒカルの作品にも参加。アルバム『Fantome』、『初恋』、『BADモード』でミックス・エンジニアを務めた[6]。『Fantome』は第58回日本レコード大賞で「最優秀アルバム賞」を受賞した[7]。2020年にはMr.Childrenのアルバム『SOUNDTRACKS』[8]、2022年にはベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』収録曲「生きろ」[9]で共同プロデューサーとしてクレジットされた。
受賞歴
[編集]- 第38回グラミー賞(1995年)
- シール「Kiss From A Rose」 - 最優秀レコード賞
- 第44回グラミー賞(2001年)
- U2『All That You Can't Leave Behind』 - 最優秀ロックアルバム
- 第57回グラミー賞(2014年)
- サム・スミス「Stay With Me」 - 最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞
- サム・スミス『In The Lonely Hour』 - 最優秀ポップボーカルアルバム
- 第88回アカデミー賞(2016年)
- サム・スミス「Writing's on the Wall」 - 歌曲賞
- 第73回ゴールデングローブ賞(2016年)
- サム・スミス「Writing's on the Wall」 - 主題歌賞
- 第58回日本レコード大賞(2016年)
- 宇多田ヒカル『Fantome』 - 最優秀アルバム賞
主な参加作品
[編集]アーティスト | リリース年 | 作品 | クレジット |
---|---|---|---|
ペットショップボーイズ | 1988年 | アルバム『Introspective』 | アシスタント・エンジニア |
1990年 | アルバム『Behavior』 | ||
1991年 | シングル「Where the Streets Have No Name」 | ||
シール | 1991年 | アルバム『Seal [1991]』 | アシスタント |
1994年 | アルバム『Seal [1994]』 | エンジニア、ミックス | |
1995年 | シングル「Kiss from a Rose」 | ミックス | |
1998年 | アルバム『Human Being』 | エンジニア、ミックス | |
タスミン・アーチャー | 1993年 | アルバム『Great Expectations』 | プロデューサー、エンジニア |
1994年 | シングル「Shipbuilding」 | エンジニア | |
シングル「Sleeping Satellite」 | |||
ティナ・ターナー | 1996年 | アルバム『Wildest Dream』 | ミックス |
1999年 | アルバム『Twenty Four Seven』 | ||
ジェリ・ハリウェル | アルバム『Schizophonic』 | ||
2001年 | アルバム『Scream If You Wanna Go Faster』 | ミックス、プロデューサー | |
2005年 | アルバム『Passion』 | ミックス | |
イアン・ブラウン | 1999年 | アルバム『Golden Greats』 | |
2001年 | アルバム『Music of the Spheres』 | ||
2004年 | アルバム『Solarized』 | ||
2019年 | アルバム『Ripples』 | ||
U2 | 2000年 | アルバム『All That You Can't Leave Behind』 | ミックス、アシスタント |
クレイグ・デイヴィッド | 2001年 | アルバム『Born to Do It』 | ミックス |
2002年 | アルバム『Slicker Than Your Average』 | ||
2007年 | アルバム『Trust Me』 | ||
デペッシュ・モード | 2001年 | アルバム『Exciter』 | プロデューサー、ミックス |
2005年 | アルバム『Playing the Angel』 | ミックス | |
2006年 | シングル「John the Revelator」 | ||
シングル「Suffer Well」 | |||
オリー・マーズ | 2010年 | アルバム『Olly Murs』 | ミックス、プロデューサー |
2011年 | アルバム『In Case You Didn't Know』 | プロデューサー、ミックス パーカッション、プログラミング | |
2012年 | アルバム『Right Place Right Time』 | プロデューサー、ミックス、プログラミング | |
2016年 | アルバム『24 Hrs』 | ミックス、ドラム・プログラミング | |
2018年 | アルバム『You Know I Know』 | ミックス、プログラミング | |
サム・スミス | 2014年 | アルバム『In the Lonely Hour』 | プロデューサー、エンジニア ミックス、プログラミング |
2017年 | アルバム『The Thrill of It All』 | ||
2020年 | アルバム『Love Goes』 | エンジニア、ミックス | |
メアリー・J・ブライジ | 2014年 | アルバム『The London Sessions』 | エンジニア、プロデューサー |
宇多田ヒカル | 2016年 | アルバム『Fantome』 | エンジニア、ミックス |
2018年 | アルバム『初恋』 | ||
2022年 | アルバム『BADモード』 | ||
Mr.Children | 2020年 | アルバム『SOUNDTRACKS』 | プロデューサー、エンジニア、ミックス |
2022年 | ベスト・アルバム『Mr.Children 2015-2021 & NOW』 | エンジニア、ミックス | |
2023年 | アルバム『miss you』 | エンジニア |
脚注
[編集]- ^ a b c “Steve Fitzmaurice”. Music Producer, Mixer & Songwriter Management. 2020年10月17日閲覧。
- ^ a b “Steve Fitzmaurice”. Unity Audio Blog. 2020年10月17日閲覧。
- ^ a b “Steve Fitzmaurice”. GENIUS. 2020年10月17日閲覧。
- ^ a b c “GRAMMY Award Results for Steve Fitzmaurice”. GRAMMY AWARDS. 2020年10月17日閲覧。
- ^ “Inside Track: Sam Smith's In The Lonely Hour”. SOUN ON SOUND (2014年9月1日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ “宇多田ヒカルのニューアルバム『初恋』を手掛けたグラミー受賞エンジニア、スティーヴ・フィッツモーリスが語る『初恋』の音作り”. mora (2018年6月27日). 2018年7月5日閲覧。
- ^ “『第58回レコード大賞』候補10作品決定 宇多田、AKB48、桐谷健太ら”. オリコン ニュース (2016年11月18日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ “Mr.Children|ニューアルバム『SOUNDTRACKS』12月2日発売|タワレコ先着特典クリアファイル|初回限定盤オンライン期間限定10%オフ”. タワレコ オンライン (2020年10月1日). 2020年10月17日閲覧。
- ^ “Mr.Children、森本千絵制作の「生きろ」MVで音楽を通して生きる意志に触れる”. 音楽ナタリー (2022年5月10日). 2022年5月10日閲覧。