スクランブル (ゲーム)
ジャンル | 横スクロールシューティングゲーム |
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対応機種 |
アーケードゲームその他 (「移植」節参照) |
開発元 | コナミ(→コナミデジタルエンタテインメント→コナミアミューズメント) |
発売元 | レジャック/セガ |
人数 | 1-2人(交互) |
発売日 | 1981年3月 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
『スクランブル』(英:Scramble)は、1981年に業務用として当時のコナミ(2006年3月31日の持株会社化に伴い、版権はコナミデジタルエンタテインメント[注釈 1] へ移行したのち、アーケードゲーム事業はコナミアミューズメントへ移行)から発表された縦画面横スクロールシューティングゲーム。同社初の横スクロールシューティングでもある。
同年の少し後には、同社から類似した内容の『スーパーコブラ』も発表されている。
概要
[編集]ジェット機型の宇宙船(スペースファイター)を地形や敵に衝突するのを避けながら操縦し、最終的には敵基地を破壊することがプレイヤーの目的となる。自機は前方向ショットと投下式ミサイルを装備しており、これで空中の敵や地上物を破壊できる。地上物の一つに「FUEL」と書かれたものは燃料貯蔵タンクであり、これを破壊することで自機に燃料が補給される。燃料を補給しないままでいると、画面下部にある燃料ゲージが減り続け、空になるとやがて墜落し、自機を失う。
各ステージは6つの区画に分かれており、それぞれ地形や攻撃方法が異なる。敵指令基地までたどり着き破壊に成功すると、燃料の減りがより早くなるなど難易度が上がった状態で最初からのスタートとなる。その際、画面右下に周回数を示す旗が表示される。
得点
[編集]- 自機の飛行
- 自機が1秒飛行する毎に10点。
- ミサイル
- 地上に配備された状態で破壊すると50点。発射されたミサイルを破壊すると80点。
- UFO
- 常に空中を移動する。破壊すると100点。波状に移動するうえ、横方向はスクロールの移動量を無視した動きをしていた。
- 燃料貯蔵タンク
- 地上に設置。攻撃はしてこない。破壊すると150点獲得し、同時に自機に燃料が補給される。
- ミステリーベース
- 地上に設置。攻撃はしてこない。破壊すると100から300点を獲得。
- 敵指令基地
- 破壊すると800点。壁に囲まれた地上に存在する。やり過ごした場合、燃料を使い切るまで何度でも前方から現われる。素早く破壊して即座に離脱しないと奥側の壁に激突してしまうが、こうなったとしてもミスとはならず、周回クリアとして扱われる。
グラディウスへの布石
[編集]強制スクロールの導入により、それまでの固定画面、あるいは任意スクロールの作品よりも展開の停滞が改善されており、こういったシステムの洗練が、やがてコナミの大ヒット作『グラディウス』(1985年)へとつながっていく。後に発売された資料において、本作はグラディウスシリーズの1作目として扱われている[1]。ただしコナミのシューティング史の中の1本としてグラディウスシリーズとは別個に扱われている場合もある[2]。そのため長らく直接的に関連はなされていなかったが、『オトメディウス エクセレント!』にて2011年12月13日に追加されたEX1ステージにプレイヤー機がボスとして登場した。
他ゲームとの関係
[編集]本作はウィリアムスの『ディフェンダー』(1980年)にゲームデザインやレイアウト、内容ともに酷似している部分があるが、日米それぞれで独自に開発されたもので、類似性は偶然の一致である。このため、自国から相手国へのライセンスもすれ違うかのように行われた。
ナムコの『ゼビウス』の製作に関わった遠藤雅伸は、テレビ番組『糸井重里の電視遊戯大展覧会』(フジテレビ、1986年11月6日放送)で「『ゼビウス』を製作するにあたり、『スクランブル』を縦にしたゲームを作ろう、というところから始まった」と語っている。
他機種版
[編集]No. | 発売日 | 対応機種 | タイトル | 開発元 | 発売元 | メディア | 売上本数・備考 |
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1 | 1981年 | MZ-80K | スクランブル | 個人開発(相川正輝) | アスキー出版 | 『月刊アスキー』1981年9月号にプログラムリスト掲載[3] | - |
1 | 1981年 | PC-8001 | スクランブル | 個人開発(読者投稿) | 工学社、コムパック | 『I/O』1982年1月号へのプログラムリスト掲載、カセットテープ | - |
2 | 1982年 | ぴゅう太 | スクランブル | トミー | トミー | ロムカセット | - |
3 | 1983年 | コモドール64 | SCRAMBLE | - | - | - | 日本未発売 |
4 | 1998年 | アーケード | コナミ80'sアーケードギャラリー | コナミ | コナミ | - | アーケード版の移植 |
5 | 1999年5月13日 | PlayStation | コナミ80'sアーケードギャラリー | KCE札幌 | コナミ | CD-ROM | アーケード版の移植 |
6 | 2002年5月2日 | ゲームボーイアドバンス | コナミアーケードゲームコレクション | コナミ | コナミ | ロムカセット | アーケード版の移植 |
6 | 2005年7月21日 | PlayStation 2 | オレたちゲーセン族 スクランブル | ゴッチテクノロジー | ハムスター | CD-ROM | アーケード版の移植 |
7 | 2006年9月13日 | Xbox 360 | スクランブル | Digital Eclipse | コナミデジタルエンタテインメント | ダウンロード | アーケード版の移植 |
8 | 2007年3月15日 | ニンテンドーDS | コナミ アーケード コレクション | エムツー | コナミデジタルエンタテインメント | ニンテンドーDSカード | アーケード版の移植 |
9 | 2014年12月25日 | PlayStation 4(アーケードアーカイブス) | スクランブル | ゴッチテクノロジー | ハムスター | ダウンロード | アーケード版の移植 |
10 | 2019年4月18日 2019年4月18日 2019年4月18日 |
Nintendo Switch PlayStation 4 Xbox One Steam |
アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション | ハムスター ゴッチテクノロジー |
KDE | ダウンロード | 本作も含むアーケードゲーム8作品を収録した オムニバスソフトの1作として収録。 |
11 | 2019年9月26日 | Nintendo Switch(アーケードアーカイブス) | スクランブル | ゴッチテクノロジー | ハムスター | ダウンロード | アーケード版の移植 |
- PC-8001版
- →詳細は「中村光一」を参照
- LSIゲーム版(トミー、1982年)
- 小売価格は7980円。2段階のスクロール速度からレベル選択ができる。本体前面にキャラの得点表を記載[4]。上下にしか移動できないが、雰囲気は味わえる。隕石ステージとUFOステージが入れ変わっている、要塞ステージがスクロールしない固定面に変わったなどの違いがある。
- Vectrex版
- 日本版の光速船向けには「スクランブルウォーズ」のタイトルで発売。
- PC-6001版
- ぴゅう太版
- コナミ80'sアーケードギャラリー
- コナミのレトロアーケードを8作収録したアーケードゲームで、同じアーケード復刻である『スペースインベーダーDX』『ナムコクラシックコレクション』と並び、ゲームセンターのレトロコーナーの2in1筐体でよく見られる。PlayStation用が1999年5月13日発売。
- ゲームボーイアドバンス用『コナミアーケードゲームコレクション』(2002年5月2日発売)
- タイトル画面でコナミコマンドを入れると音が出るので、そこからスタートするとアレンジ版がプレイできる。
- ニンテンドーDS用『コナミ アーケード コレクション』(2007年3月15日発売)
- PlayStation 2版
- 2005年7月21日に「オレたちゲーセン族」(ハムスター)のラインナップとして単品発売。
- Xbox 360版
- 2006年9月13日よりXbox Live アーケードで配信。
- PlayStation 4、Nintendo Switch版
- PlayStation 4版は2014年12月25日より、Nintendo Switch版は2019年9月26日より、それぞれアーケードアーカイブスで配信。
- 『アーケードクラシックス アニバーサリーコレクション』版
- 2019年4月18日、コナミグループ50周年事業の一環として、往年のコナミゲームを幾つかのカテゴリに集めたオムニバスシリーズ第1弾として、ダウンロード専売でNintendo Switch、PlayStation 4、Xbox One、Steamの4機種用としてリリース(マルチプラットホームソフトのため、PS4版・Xbox 360版は先行した個別版とは別にリリースされたことになる)。
- 収録作は本作のほか7作品(『グラディウス』、『グラディウスII GOFERの野望』、『沙羅曼蛇』、『ツインビー』、『A-JAX』、『悪魔城ドラキュラ』、『サンダークロス』。全てAC版)。
コピー基板問題
[編集]イタリアにおいてはザッカリアのみが正式許諾を受けている[5]。一方、イタリアは以前からコピー基板の製造が盛んにおこなわれており、本作のコピー基板も製造された[5]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 以下、英略称「KDE」を使う場合あり
出典
[編集]- ^ ゲームボーイアドバンス用ソフト『グラディウスジェネレーション』のイントロ、PlayStation 2用ソフト『グラディウスV』付属のDVDなど。
- ^ 『グラディウスポータブル 公式ガイド』ISBN 4861551110
- ^ 『月刊アスキー』1981年9月号、pp.134-138
- ^ コアムックシリーズNO.682『電子ゲーム なつかしブック』p.22.
- ^ a b 「あふれるコピー機 イタリア「ミラノフェア」では状況は混とん」『ゲームマシン』第167号、アミューズメント通信社、1981年6月15日。2024年9月20日閲覧。