スカーレッツ・ウォーク
『スカーレッツ・ウォーク』 | ||||
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トーリ・エイモス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | イングランド コーンウォール マーシャン・エンジニアリング | |||
ジャンル | オルタナティヴ・ロック、バロック・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | エピック・レコード | |||
プロデュース | トーリ・エイモス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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トーリ・エイモス アルバム 年表 | ||||
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『スカーレッツ・ウォーク』(Scarlet's Walk)は、アメリカ合衆国の女性シンガーソングライター、トーリ・エイモスが2002年に発表したスタジオ・アルバム。エピック・レコード移籍第1弾アルバムで[16]、通算7作目、オリジナル曲によるアルバムとしては6作目に当たる。
背景
[編集]スカーレットというキャラクターの旅を描いたコンセプト・アルバムとなっており[17]、エイモス自身はスカーレットを「わたし自身である時もあり、一滴の血である時もあり、大地や国である時もある」と説明している[18]。2001年のアメリカ同時多発テロ事件や、エイモスの祖父がチェロキー族であることが内容に大きな影響を与えており[19]、エイモスは本作の制作に当たり、ネイティブ・アメリカンの国家について調査を重ねたという[17]。CDのブックレットに掲載されたアメリカ合衆国の地図には、曲ごとのスカーレットの旅路が色別に明記されている。
収録曲「アンバー・ウェイブス」は、ジュリアン・ムーアが映画『ブギーナイツ』で演じたキャラクターに基づいている[20]。
本作は単体のCDに加えて、ボーナスDVDが付属した限定ボックス・セットも発売され[21]、アート・ディレクターを務めたデイヴ・ベットとシェリ・リーは、第46回グラミー賞で最優秀パッケージ賞(ボックス・セットまたはスペシャル・リミテッド・エディション部門)にノミネートされた[22]。
反響・評価
[編集]母国アメリカのBillboard 200では7位に達し、自身4度目のトップ10入りを果たして[1]、2002年12月にはRIAAによってゴールドディスクの認定を受けた[23]。ドイツでは11週チャート圏内に入り、最高9位を記録[2]。
Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「『アンダー・ザ・ピンク』のサウンドや感触に回帰しており、彼女のアルバムとしては同作以来の傑作」「ストーリーを追うよりも、まずは温かくメロディックで心のこもった、彼女の過去4作のようなぎこちなさが感じられない音楽に触れるべき」と評している[16]。また、『メトロ・ウィークリー』の音楽ライターであるクリス・ジェラルドは2013年、トーリ・エイモスのアルバムをランク付けした際に本作を3位に挙げ「幾分風変わりなソングライティングによるシリアスな作品で、長大かつ複雑なアルバム」「『スカーレット・ウォーク』のサウンドはトーリの新境地で、なおもピアノが突出しているとはいえ、豊かなアレンジ、ジョン・エヴァンスによる見事に流れていくベース・パート、いつでも素晴らしいマット・チェンバレンのドラムス、それにマック・アラディンやロビー・マッキントッシュのギターを伴ったバンド・アルバムである」と評している[24]。
収録曲
[編集]全曲ともトーリ・エイモス作。
- アンバー・ウェイブス - Amber Waves (3:39)
- ア・ソルタ・フェアリーテイル - A Sorta Fairytale (5:29)
- ウェンズデイ - Wednesday (2:29)
- ストレンジ - Strange (3:07)
- カーボン - Carbon (4:35)
- クレイジー - Crazy (4:27)
- ワムパム・プレイヤー - Wampum Prayer (0:44)
- ドント・メイク・ミー・カム・トゥ・ヴェガス - Don't Make Me Come to Vegas (4:52)
- スウィート・サングリア - Sweet Sangria (4:02)
- ユア・クラウド - Your Cloud (4:30)
- パンケーキ - Pancake (3:55)
- アイ・キャント・シー・ニューヨーク - I Can't See New York (7:16)
- ミセス・ジーザス - Mrs. Jesus (3:06)
- タクシー・ライド - Taxi Ride (4:01)
- アナザー・ガールズ・パラダイス - Another Girl's Paradise (3:36)
- スカーレッツ・ウォーク - Scarlet's Walk (4:18)
- ヴァージニア - Virginia (3:56)
- ゴールド・ダスト - Gold Dust (5:56)
参加ミュージシャン
[編集]- トーリ・エイモス - ボーカル、ピアノ、エレクトリックピアノ、アープ・シンセサイザー
- ロビー・マッキントッシュ - エレクトリック・ギター(on #1, #3, #6, #14)、アコースティック・ギター(on #2, #3, #14)、ドブロ・ギター(on #17)
- マック・アラディン - エレクトリック・ギター(on #2, #3, #11, #12, #15, #16)、アコースティック・ギター(on #5)
- デヴィッド・トーン - エレクトリック・ギター(on #6, #16)、アコースティック・ギター(on #6)
- ジョン・エヴァンス - ベース
- マット・チェンバレン - ドラムス、パーカッション
- ジョン・フィリップ・シェネイル - ストリングス・アレンジ、チェンバレン・フルート
- シンフォニア・オブ・ロンドン - ストリングス
- デヴィッド・ファーマン - 指揮
脚注
[編集]- ^ a b Tori Amos | Awards | AllMusic
- ^ a b Tori Amos | Longplay-Chartverfolgung - musicline.de
- ^ ultratop.be - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ Tori Amos - Scarlet's Walk - dutchcharts.nl
- ^ australian-charts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ finnishcharts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ Tori Amos - Scarlet's Walk - hitparade.ch
- ^ TORI AMOS | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される - 2015年5月10日閲覧
- ^ italiancharts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ Tori Amos - Scarlet's Walk - austriancharts.at
- ^ norwegiancharts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ danishcharts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ lescharts.com - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ ultratop.be - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ charts.org.nz - Tori Amos - Scarlet's Walk
- ^ a b Scarlet's Walk - Tori Amos | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
- ^ a b Scarlet's Walk by Tori Amos Songfacts
- ^ 日本盤CD(EICP 147)ライナーノーツ(中川五郎、2002年10月21日)
- ^ Schabe, Patrick (2002年12月26日). “Tori Amos: Scarlet's Walk”. PopMatters.com. 2015年5月10日閲覧。
- ^ Gardner, Elysa (2002年10月31日). “Amos' 'Walk' goes in search of America's soul”. USA Today. 2015年5月10日閲覧。
- ^ Tori Amos - Scarlet's Walk (CD, Album) at Discogs - 限定ボックス・セットの情報
- ^ Grammy Award Winners - New York Times - 2015年5月10日閲覧
- ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"SCARLET'S WALK"と入力して検索すれば表示される
- ^ Gerard, Chris (2013年8月22日). “Tori Amos turns 50 - her albums ranked from worst to first”. Metro Weekly. Jansi LLC. 2015年5月10日閲覧。