ジョークRFC
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ジョークRFCは、主に4月1日に発行されたユーモラスなRFC群のことである。
一般的にRFC(英: Request for Comments)は、IETF(英: Internet Engineering Task Force)が発行する、インターネットで使われる通信プロトコル標準やファイルフォーマット仕様などの技術仕様や、実験的な実装、情報提供などを行うことを目的として公開する技術文書である[1] [2]。
その中で1989年以来は、ほぼ毎年のエイプリルフールにユーモラスなRFCを発行している。 また、特に初期のころは、エイプリルフール以外の日付にも同様にユーモラスなRFCを発行している事例がある[3]。
ジョークRFC一覧
[編集]1973年
[編集]1978年
[編集]1985年
[編集]- 新しいネットワークを運用する際に発生する問題と、使用されるデバッグ手法について論じた詩。
- クリスマスのまえのばんのパロディ。
1989年
[編集]- ARPANETの20周年記念シンポジウムにおける詩。
1990年
[編集]1991年
[編集]- RFC 1216 Gigabit Network Economics and Paradigm Shifts (1991-04-01)
- RFC 1217 Memo from the Consortium for Slow Commotion Research (CSCR) (1991-04-01)
1992年
[編集]- RFC 1300 Remembrances of Things Past (1992-02)
- RFC 1313 Today's Programming for KRFC AM 1313 Internet Talk Radio (1992-04-01)
1993年
[編集]- RFC 1437 The Extension of MIME Content-Types to a New Medium (1993-04-01)
- RFC 1438 Internet Engineering Task Force Statements Of Boredom (SOBs) (1993-04-01)
1994年
[編集]- この RFC は ウィリアム・シェイクスピア 作とされる。
- RFC 1606 A Historical Perspective On The Usage Of IP Version 9 (1994-04-01)
- RFC 1607 A VIEW FROM THE 21ST CENTURY (1994-04-01)
- 2023年から逆タイムカプセルで送られてきたメール群。
1995年
[編集]- RFC 1776 The Address is the Message (1995-04-01)
- RFC 1882 The 12-Days of Technology Before Christmas (1995-12)
- クリスマスの12日間のパロディ。
1996年
[編集]- RFC 1924 A Compact Representation of IPv6 Addresses (1996-04-01)
- RFC 1925 The Twelve Networking Truths (1996-04-01)
- RFC 1926 An Experimental Encapsulation of IP Datagrams on Top of ATM (1996-04-01)
- モールス符号を使ってIP通信を行うプロトコル。
1997年
[編集]- The Naming of Cats(英語)のパロディ。
1998年
[編集]- RITA というインターネット・トラブルシュート・エージェントの紹介。
- この RFC はただのジョークではなく、説明されているプロトコルは、ヨーロッパのハッカーイベントで定期的に実装されてきた。
- 洗濯ばさみ-DHCPによるIPアドレス管理を参照。
- RFC 2323 IETF Identification and Security Guidelines (1998-04-01)
- RFC 2324 Hyper Text Coffee Pot Control Protocol (HTCPCP/1.0) (1998-04-01)
- HTTPを拡張してコーヒーポットを制御するプロトコル。
- 2014年に、RFC 7168で更新された。
- 詳細はHyper Text Coffee Pot Control Protocolを参照。
- RFC 2325 Definitions of Managed Objects for Drip-Type Heated Beverage Hardware Devices using SMIv2 (1998-04-01)
- RFC 2410 The NULL Encryption Algorithm and Its Use With IPsec (1998-11)
- この RFC はジョーク RFC ではなく標準化過程の文書だが、NULL暗号についてユーモラスな説明がされている。
1999年
[編集]- RFC 1149 の更新。QoSの定義を追加。
- 詳細は鳥類キャリアによるIPを参照。
- 2000年問題(Y2K問題)の類似の問題である 西暦10000年問題 の解決策の提案。
2000年
[編集]- 無限の猿定理の実用のためのプロトコル。
2001年
[編集]- メタ構文変数の
Foo
の語源について。
- メタ構文変数の
2002年
[編集]- 2000~2001年のカリフォルニア電力危機とRFC 5218 Everything over IP and IP over Everything のパロディ。
2003年
[編集]2004年
[編集]2005年
[編集]- RFC 4041 Requirements for Morality Sections in Routing Area Drafts (2005-04-01)
- RFC 4042 UTF-9 and UTF-18 Efficient Transformation Formats of Unicode (2005-04-01)
- M. Schulze (2005年4月1日). “IP over Burrito Carriers”. IETF. 2024年11月21日閲覧。
- ブリートを使ってIP通信を行うプロトコルのインターネットドラフト。
2006年
[編集]- ジョークRFCは発行されなかった。
2007年
[編集]- RFC 4824 The Transmission of IP Datagrams over the Semaphore Flag Signaling System (SFSS) (2007-04-01)
- 手旗信号でIP通信を行うプロトコル。
2008年
[編集]- RFC 5241 Naming Rights in IETF Protocols (2008-04-01)
- RFC 5242 A Generalized Unified Character Code: Western European and CJK Sections (2008-04-01)
2009年
[編集]- RFC 5513 IANA Considerations for Three Letter Acronyms (2009-04-01)
- RFC 5514 IPv6 over Social Networks (2009-04-01)
2010年
[編集]2011年
[編集]- RFC 1149 の IPv6 対応。
- 詳細は鳥類キャリアによるIPを参照。
2012年
[編集]- RFC 6592 The Null Packet (2012-04-01)
- RFC 6593 Service Undiscovery Using Hide-and-Go-Seek for the Domain Pseudonym System (DPS) (2012-04-01)
2013年
[編集]- RFC 6919 Further Key Words for Use in RFCs to Indicate Requirement Levels (2013-04-01)
- RFC 6921 Design Considerations for Faster-Than-Light (FTL) Communication (2013-04-01)
- 超光速通信についての考慮事項。
2014年
[編集]- RFC 7168 The Hyper Text Coffee Pot Control Protocol for Tea Efflux Appliances (HTCPCP-TEA) (2014-04-01)
- RFC 2324 の HTCPCP を更新して、お茶も淹れることも可能なように拡張したプロトコル。
- 詳細は Hyper Text Coffee Pot Control Protocol for Tea Efflux Appliances 参照。
2015年
[編集]- RFC 7511 Scenic Routing for IPv6 (2015-04-01)
- RFC 7514 Really Explicit Congestion Notification (RECN) (2015-04-01)
2016年
[編集]- ジョークRFCは発行されなかった。
2017年
[編集]- RFC 8135 Complex Addressing in IPv6 (2017-04-01)
- RFC 8136 Additional Transition Functionality for IPv6 (2017-04-01)
- RFC 8140 The Arte of ASCII: Or, An True and Accurate Representation of an Menagerie of Thynges Fabulous and Wonderful in Ye Forme of Character (2017-04-01)
2018年
[編集]- RFC 8367 Wrongful Termination of Internet Protocol (IP) Packets (2018-04-01)
- RFC 8369 Internationalizing IPv6 Using 128-Bit Unicode (2018-04-01)
2019年
[編集]- RFC 8565 Hypertext Jeopardy Protocol (HTJP/1.0) (2019-04-01)
- RFC 8567 Customer Management DNS Resource Records (2019-04-01)
2020年
[編集]- RFC 8771 The Internationalized Deliberately Unreadable Network NOtation (I-DUNNO) (2020-04-01)
- RFC 8774 The Quantum Bug (2020-04-01)
2021年
[編集]2022年
[編集]- RFC 9225 Software Defects Considered Harmful (2022-04-01)
- RFC 9226 Bioctal: Hexadecimal 2.0 (2022-04-01)
- 十六進法の新しい表記方法の提案。二進数や八進数との変換の際に、認知心理学的負荷を軽減できるとしている。
2023年
[編集]- ライトノベルなどでは慣例となっている死亡フラグをTCPのオプションに追加する提案。
- 著者の一人はChatGPTとなっている。
2024年
[編集]ジョーク RFC の提出
[編集]RFC 編集者は、一般の人々から適切にフォーマットされたジョークRFC(April 1 RFC)の提出を受け付け、4月1日の2週間前までに受け取った場合、その年の公開を検討するとしている[4]。
ジョークRFCを公開するこの習慣は、RFC作成者向けの指示メモで具体的に認識されており、冗談めいた注意書きとして「過去数年間、RFC 編集者は4月1日の日付で真面目な文書を公開することもあった。テキストを読んで風刺と見分けられない読者は、マーケティングの分野で活躍できるかもしれない。」と書かれている[5]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ 野坂昌己『インターネット標準クイックリファレンス』オライリー・ジャパン、1999年6月9日、1頁。ISBN 4900900885。
- ^ 塩田紳二『知りたい人のためのRFCの歩き方』エーアイ出版、1999年10月22日、10頁。ISBN 487193716X。
- ^ 城戸正博『ジョークなしでインターネット技術は語れない!ジョークRFCの本』ラトルズ、2002年4月20日、10頁。ISBN 4899770251。
- ^ “Frequently Asked Questions”. RFC Editor. 2024年11月21日閲覧。
- ^ Instructions to Request for Comments (RFC) Authors at the Wayback Machine (archived 2012年03月27日)