ジョフロワ (ナント伯)
ジョフロワ6世 Geoffroy VI d'Anjou | |
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ナント伯 メーヌ伯 | |
在位 | 1156年 - 1158年 |
出生 |
1134年6月1日 ノルマンディー公国、ルーアンまたはアルジャンタン |
死去 |
1158年7月27日(24歳没) ナント伯領、ナント |
家名 | ガティネ家 |
父親 | アンジュー伯ジョフロワ4世 |
母親 | マティルダ・オブ・イングランド |
ジョフロワ6世・ダンジュー(フランス語:Geoffroy VI d'Anjou, 1134年6月1日[1] - 1158年7月27日)[2][3]は、ナント伯及びメーヌ伯(在位:1156年 - 1158年)。ジェフリー・フィッツエンプレス(英語:Geoffrey FitzEmpress)ともよばれる。アンジュー伯ジョフロワ4世とマティルダ・オブ・イングランドの息子で、兄弟にイングランド王ヘンリー2世やポワチエ伯ギヨームがいる。
生涯
[編集]ジョフロワ6世は、マティルダ・オブ・イングランドとアンジュー伯ジョフロワ4世の次男である。マティルダは無政府時代にイングランド王位を主張した。難産で生まれ、母マティルダは一時期瀕死となった。
父ジョフロワ4世は遺言で、長男ヘンリーがイングランド王となった場合には次男のジョフロワをアンジュー伯およびメーヌ伯とすると定めた。同時に、父はジョフロワにシノン、ルダン、ミルボーおよびモンソローの城を与えた[4]。父ジョフロワの遺体は、長男ヘンリーがこの遺言の内容を承諾するまで埋葬されなかった。この話は同年代のトゥールの短い年代記にのみ記されている。W. L. Warrenは、この話はジョフロワによるでっち上げであるとしている[2]。しかしThomas K. Keefeはジョフロワ4世の遺言が真実でないとする信頼できる根拠がなく、ヘンリーがアンジュー伯領を奪ったと考えられる、とした[5]。
1152年3月、ジョフロワはアリエノール・ダキテーヌを誘拐しようと画策した。アリエノールはフランス王ルイ7世との結婚が解消し、ボージャンシーからポワチエに向かっていた。あらかじめ警告を受け、アリエノールはこの罠から逃れた。ジョフロワはポール=ド=ピルのクルーズ川のそばで待ち伏せし、誘拐が成功したらアリエノールと結婚するつもりであった[6][7]。6月に、ジョフロワの兄ヘンリーとアリエノールがルイが知らないうちに結婚したことに対して、ルイ7世がノルマンディーを攻めた時、ジョフロワはルイ7世とその弟ドルー伯ロベール1世、そしてシャンパーニュ伯アンリ1世およびブロワ伯ティボー5世の兄弟と同盟を結んだ。もし成功すれば、ルイ7世らは5人でヘンリーとアリエノールの領地を分けるつもりであった[8][9]。
1153年もしくは1154年にブロワ伯ティボー5世はトゥーレーヌを占領したが、兄ヘンリーはトゥーレーヌを自身の領土と認識していた。ジョフロワらは捕らえられ、ティボー5世はヘンリー2世に、自分たちの自由を保証するためショーモン=シュル=ロワールの城の破壊を要求した[10]。1154年10月にスティーブン王が死去し、同年12月にジョフロワは兄ヘンリーとアリエノールに同行してイングランドに渡り[11][12]、ヘンリーはイングランド王として戴冠した。
1156年夏、ジョフロワは兄ヘンリー2世と再びもめ事を起こした。ヘンリーはシノン、ミルボー、ルダンおよびモンソローの城を包囲した[4]。ジェフリーはそれらを譲ることを余儀なくされたが、いくつかの史料によると、彼はルダンを維持することができたという。ヘンリー2世はジョフロワに他の2つの城のために年1,500ポンドの年金を与えた[13][14]。その包囲が終わった直後、ナントの人々はコルヌアイユ家のオエル3世をナント伯位から退位させ、次のナント伯として誰を招くべきかヘンリー王に尋ねた。そこで彼はジョフロワを提案し、受け入れられた[15]。ジョフロワの死後、ナント伯領はブルターニュ公コナン4世に占領され、その後ヘンリー2世に譲り渡された[16]。
脚注
[編集]- ^ Henry Project, Geoffrey V "le Bel" or "Plantagenet"
- ^ a b Warren 1973, pp. 45–47.
- ^ Weir 2000, p. 78.
- ^ a b Hosler 2007.
- ^ Keefe 1974, pp. 266–274.
- ^ Kelly 1950, p. 80.
- ^ Weir 2000, p. 89.
- ^ Kelly 1950, p. 83.
- ^ Weir 2000, p. 96.
- ^ Chibnall 1991, pp. 157–158, 163.
- ^ Kelly 1950, p. 91.
- ^ Weir 2000, p. 102.
- ^ Warren 1973, p. 65.
- ^ Weir 2000, p. 145.
- ^ Warren 1973, pp. 65, 76.
- ^ Warren 1973, pp. 76–77.
参考文献
[編集]- Warren, W.L. (1973). Henry II. Univ. of California Press. ISBN 978-0413255808
- Weir, Alison (2000). Eleanor of Aquitaine: A Life. Ballantine Books. ISBN 978-0345405401
- Hosler, John D. (2007). Henry II: A Medieval Soldier at War, 1147-1189. BRILL.. ISBN 978-9004157248
- Keefe, T.K. (Autumn 1974). Geoffrey Plantagenet's Will and the Angevin Succession, Albion: A Quarterly Journal Concerned with British Studies. vol.6 No.3. Ballantine Books
- Kelly, Amy (1950). Eleanor of Aquitaine and the Four Kings. Harvard Univ. Press
- Chibnall, Marjorie (1991). The Empress Matilda: Queen Consort, Queen Mother and Lady of the English. Basil Blackwell Ltd. Press. ISBN 978-0631157373
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