紅玉 (リンゴ)
紅玉 | |
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品種 | 'Jonathan' |
開発 | 1826年、ニューヨーク州ウッドストック |
紅玉(こうぎょく、英語: Jonathan)は、強い酸味と滑らかな舌触りを特徴とする中型のリンゴで、エソパス・スピッツェンバーグ (en:Esopus Spitzenburg)と強い繋がりがある。
日本においては明治時代初めに導入された。第二次世界大戦後は甘みの強いリンゴに押されて生産量を大きく減らしたが、アップルパイなどの製菓用に根強い需要があるため再び生産量が増えている。
甘みと共に香り・酸味が強く、果肉は煮崩れしにくいため加工用に向いている。
歴史
[編集]紅玉の起源には三つの異なる説がある。
ひとつはレイチェル・ネグス・ヒグレイが育てたという説である。この説によれば、一族が1796年にオハイオ州の荒野へ入植する際に、ヒグレイはコチカネット州の地元のリンゴ圧搾所で種を集めて、その種を植えた[1]。彼女は慎重に自身の果樹園を運営し、そこから育ったリンゴに夫の名「ジョナサン・ヒグレイ」から名付けた。[要出典]
第二の説は1826年にニューヨーク州アルスター郡ウッドストックのフィリップ・リックの農場のエソパス・スピッツェンバーグの苗から生じたというものである。元々は「リック」と呼ばれていた可能性もあるが、オールバニ園芸協会会長ジャッジ・ビュエルによって、そのリンゴを発見しビュエルの注目を引きつけたジョナサン・ハズブルックの名から取って改名された[2]。アメリカでは「ジョナサン」という名で呼ばれるという。[3]
紅玉は、1871年(明治4年)に北海道開拓使によって日本に初めてもたらされた。[3]伝来したばかりの頃は、地域ごとに「満紅」、「千成」、「チ印」などというように様々な呼称があったものの、呼称が多様であると不都合が生じるとされたため、1900年(明治33年)に紅玉という名前に統一された。[3]
派生種
[編集]- アイダレッド
- あかぎ - ゴールデンデリシャスと紅玉の自然交雑実生から選抜育成した品種[4]
- 茜 - 紅玉にウースター・ペアメインを交配、その実生を選抜育成した品種[4]
- ウンディーネ
- ジョナゴールド - 紅玉とゴールデンデリシャスを交配した品種
- つがる - 紅玉とゴールデンデリシャスを交配、その実生を育成した品種。日本ではふじに次ぐ生産量[5]
- フロリナ - 腐敗病に対する耐性を持つ
- メルローズ
- ルビンスター
罹病性
[編集]- 腐敗病: 高い[6]
- うどんこ病: 高い
- ビャクシン-リンゴ赤星病: 高い
- 火傷病: 高い
脚注
[編集]- ^ Mary Coffin Johnson, The Higleys and their ancestry, D. Appleton and Company, New York, 1896
- ^ Southwest Regis-Tree- Tree of Heirloom Perennial Species and Varieties
- ^ a b c 果物ナビ. “紅玉 こうぎょく | りんご(林檎/リンゴ) 品種の特徴 食べ方 選び方”. 果物ナビ. 2021年7月29日閲覧。
- ^ a b [1] 旬の食材百科:リンゴ(林檎/りんご)の主な品種とそれらの特徴 FoodsLink (フーズリンク)
- ^ [2] りんご情報局:品種紹介「つがる」JA全農
- ^ Dr. Stephen Miller of the USDA Fruit Research Lab in Kearneysville, West Virginia.
外部リンク
[編集]- 紅玉 - 旬の果物百科