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ジケテン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジケテン
識別情報
CAS登録番号 674-82-8 チェック
PubChem 12661
ChemSpider 12140 チェック
UNII 0DZ97C3Z7D
EC番号 211-617-1
国連/北米番号 2521
RTECS番号 RQ8225000
特性
化学式 C4H4O2
モル質量 84.07 g mol−1
密度 1.09 g cm−3(液体) [1]
融点

−7.5℃ [1]

沸点

127℃

粘度 0.88 mPa.s
危険性
GHSピクトグラム 可燃性腐食性物質急性毒性(高毒性)急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 危険(DANGER)
Hフレーズ H226, H301, H302, H315, H318, H330, H331, H332, H335
Pフレーズ P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P261, P264, P270, P271, P280, P284, P301+310
引火点 33 °C (91 °F; 306 K)
発火点 275℃
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ジケテン (diketene) とは、ケテンが二量化して生じる有機化合物である。オキセタン環(酸素を1個含む四員環構造)を持つ。無色の液体で、500 ℃ 以上に加熱すると熱分解により単量体のケテンが再生する。有機合成試薬として用いられる[1]。生体にとって有害である上に、空気と混合した状態で33℃以上になると爆発の恐れがあるなど反応性にも富むので、扱いには注意を要する[2]

生成、反応

[編集]

ケテンやそのアルキル誘導体は、容易に二量化を起こしてジケテン化合物を与える。ジケテンやその誘導体はアルコールアミンと反応してアセト酢酸エステルまたはアミドに変える(アセトアセチル化)。

ジケテンとエタノールの反応


ジケテンとアミンの反応

アニリン誘導体と縮合した生成物は Knorrキノリン合成の基質となる[3]

ほか、尿素と反応して 6-メチルウラシルを与えるなど、さまざまな複素環合成で試薬として用いられる。

参考文献

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  1. ^ a b c Clemens, R. J. "Diketene" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis; Paquette, L. Ed.; Vol. 3, pp. 1938-1941, John Wiley & Sons: New York, 2004.
  2. ^ ジケテン (国際化学物質安全性カード)
  3. ^ Sai, K. K. S.; Gilbert, T. M.; Klumpp, D. A. J. Org. Chem. 2007, 72, 9761-9764, 2007. DOI: 10.1021/jo7013092