コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ジェシー・バルガス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジェシー·バルガス
基本情報
通称 Ruthless(無慈悲)
La Nueva Generacion(新世代)
The Pride of Las Vegas
階級 ウェルター級
身長 178cm
リーチ 180cm
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
誕生日 (1989-05-10) 1989年5月10日(35歳)
出身地 カリフォルニア州ロサンゼルス
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 35
勝ち 29
KO勝ち 11
敗け 4
引き分け 2
テンプレートを表示

ジェシー・バルガスJessie Vargas1989年5月10日 - )は、アメリカ合衆国男性プロボクサーカリフォルニア州ロサンゼルス出身。元WBA世界スーパーライト級レギュラー王者。元WBO世界ウェルター級王者。世界2階級制覇王者。

アマチュア時代

[編集]

8歳の時にフロイド・メイウェザー・ジュニアの叔父ロジャー・メイウェザーに指導を受けた。その後、元WBC世界スーパーフェザー級王者コーネリアス・ボサ・エドワーズの指導を受けるようになった。

バルガスの主な実績ではメキシコ王者と全米ジュニア王者に輝いた実績がある。

アマチュア時代の戦績は140戦120勝20敗。

プロ時代

[編集]

2008年9月5日、初回59秒KO勝ちを収め白星でデビューを飾った。

2011年9月17日、ネバダ州ラスベガスMGMグランド・ガーデン・アリーナでホセシート・ロペスと対戦し、8回にローブロで減点されるが、12回2-1 (95-94、94-95、96-93) の判定勝ちを収めた。

2013年3月16日、スタブハブ・センター・テニスコートWBCアメリカ大陸ウェルター級王座決定戦をウェール・オモトショと行い、2回にオモトショのボディブローでプロ初のダウンを喫しKO負けしそうになったが、そこから巻き返し、10回3-0 (97-92、2者が96-93) の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

2014年4月12日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでマニー・パッキャオVSティモシー・ブラッドリー第2戦の前座でWBAレギュラー・IBO世界スーパーライト級王者カビブ・アーラフベルディエフと対戦し、12回3-0(117-111、2者が115-113)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[1]

2014年8月2日、ザ・コスモポリタン内チェルシー・ボール・ルームでブランドン・リオスVSディエゴ・ガブリエル・チャベスの前座でWBA7位のアントン・ノヴィコフと対戦し、12回3-0(117-111、2者が118-111)の判定勝ちを収め初防衛に成功した[2]。9月7日、WBAはバルガスを8月度の月間優秀選手に選出した[3]

2014年11月22日、マカオにあるザ・ベネチアン・マカオコタイ・アリーナマニー・パッキャオVSクリス・アルギエリの前座で元WBC世界ライト級王者でWBA世界スーパーライト級12位のアントニオ・デマルコと対戦し、12回3-0(3者とも116-112)の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した[4]。12月5日、WBAはバルガスを11月度の月間優秀選手に選出した[5][6][7]

2015年6月27日、カリフォルニア州カーソンのスタブハブ・センター・テニスコートで1階級上の元WBO世界ウェルター級王者でWBO世界ウェルター級1位のティモシー・ブラッドリーとWBO世界ウェルター級王座決定戦を行う予定だったが[8]フロイド・メイウェザー・ジュニアがWBO世界ウェルター級王座を返上していなかった為[9][10]、WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦として行われた。試合はブラッドリーのペースで進むも、12回の試合終了間際にバルガスは渾身の右を当てブラッドリーをフラフラにさせKO寸前まで追い詰めるが、そこでレフェリーのパット・ラッセルがラウンド終了10秒前に鳴らされる拍子木をラウンド終了のゴングと勘違いをする失態を犯し、10秒近く早く試合をストップしてしまったため、バルガスの大逆転勝ちは成らず、プロ初黒星となる12回0-3(112-115、112-116、111-117)の判定負けを喫し2階級制覇に失敗した[11]。この試合からトレーナーにエリック・モラレスがついた。試合後、バルガス陣営はレフェリーの失態を理由に即再戦を要求したが、WBOはこの要求を退けた[12]

なお、バルガスは試合の勝敗にかかわらず、再びWBA世界スーパーライト級レギュラー王座を防衛することを考慮していたが、WBOの世界タイトルマッチだったにもかかわらず無関係のWBAがWBOの承認料18,000ドルを上回る40,000ドルを要求してきたことにバルガス陣営は憤慨し、WBA世界スーパーライト級レギュラー王座を返上した[13]

2016年3月5日、ワシントンD.C.DCアーモリールイス・オルティスvsトニー・トンプソンの前座で、WBO世界ウェルター級王座決定戦でWBO世界ウェルター級1位サダム・アリと対戦し8回に右ストレートでダウンを奪い、9回には右ストレートでダウンを追加。最後は右ストレートでダウン寸前にし、ボディフックで崩して右フックでレフェリーがストップ、9回2分9秒TKO勝ちを収め2階級制覇を達成した[14]

2016年7月8日、同年9月3日にシェフィールドブラモール・レーンIBF世界ウェルター級王者ケル・ブルックと王座統一戦を行う予定だったが[15][16]、ブルックが同年9月10日にロンドンゲンナジー・ゴロフキンとの対戦することが決定した為中止になった[17][18]

2016年11月5日、トーマス&マック・センターで元世界6階級制覇王者でWBO世界ウェルター級1位のマニー・パッキャオと対戦し、12回0-3(2者が109-118、113-114)判定負けを喫し初防衛に失敗、王座から陥落した[19][20]。当初はHBOペイ・パー・ビューで放送する予定だったが、同年11月19日にセルゲイ・コバレフVSアンドレ・ウォードのペイ・パー・ビュー放送が先に決まっており、トップランク社が独自にペイ・パー・ビュー放送することになった[21]

2017年10月、トップランク社との契約が満期終了となり、有力ボクシングマネージャーのアル・ヘイモンと契約し、TGBプロモーションズに移籍した[22]

2018年4月21日、バークレイズ・センターで、肩の負傷で欠場したオマール・フィゲロアの代役として、元WBO世界ウェルター級王者エイドリアン・ブローナーと144ポンドのキャッチウェイトで対戦し、12回0-1 (113-115、114-114、114-114) の判定で引き分けた[23][24]

2018年7月18日、マッチルーム・スポーツ・USAと契約しアル・ヘイモンとTGBプロモーションズから離脱した[25]

2019年4月26日、カリフォルニア州イングルウッドザ・フォーラムウンベルト・ソトと対戦し、6回1分48秒KO勝ちを収めた[26]

2020年2月29日、テキサス州フリスコのフォード・センターにてWBC世界ウェルター級ダイヤモンド王座決定戦でミゲル・アンヘル・ガルシアと対戦し、12回0-3(2者が111-116、113-114)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[27]

2022年1月12日、リアム・スミスとの対戦が2月5日に決まっていたがバルガスが新型コロナウイルスに感染したため延期された[28]

2022年4月30日、空位のWBOスーパーウェルター級インターコンチネンタル王座決定戦でリアム・スミスと対戦し、10回TKO負けで王座獲得に失敗した。

2022年6月 埼玉スーパーアリーナにて行われたシリーズ決勝井上尚弥とノニト・ドネアによるWBA/WBC/IBF統一バンタム級タイトルマッチに、ドネア陣営のサポートとして来日。 試合後の食事会にもドネアとに参加し、将来活動ついて、横浜光ジムのA サインボクシングチャンネルのインタビューに答えている。

戦績

[編集]
  • プロボクシング:35戦 29勝 (11KO) 4敗 2分
日付 勝敗 時間 内容 対戦相手 国籍 備考
1 2008年9月5日 1R 0:59 KO ジョエル・ゴンザレス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 プロデビュー戦
2 2008年10月4日 4R 判定3-0 トレントン・ティツワース アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
3 2008年11月1日 2R 終了 TKO ミケランジェロ・ランクス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
4 2008年12月5日 4R 判定3-0 アントニオ・ソリア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
5 2009年4月17日 6R 判定3-0 アンソニー・レンク アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
6 2009年9月19日 6R 判定3-0 ラウル・トバー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
7 2009年12月2日 2R 2:31 TKO トラビス・ハートマン アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
8 2010年1月29日 4R 判定3-0 リッキー・キニー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
9 2010年2月25日 1R 1:56 TKO ロバート・ルナ・ジュニア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
10 2010年5月1日 6R 1:20 TKO アルツーロ・モルア メキシコの旗 メキシコ
11 2010年6月24日 6R 0:33 KO エルネスト・ザバラ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
12 2010年9月30日 1R 1:31 KO パブロ・ダニエル・サルミエント アルゼンチンの旗 アルゼンチン
13 2010年12月11日 8R 判定3-0 ラモン・モンタノ メキシコの旗 メキシコ
14 2011年2月24日 8R 判定3-0 クリスティアン・ファベーラ メキシコの旗 メキシコ
15 2011年4月8日 1R 終了 TKO ビビアン・ハリス ガイアナの旗 ガイアナ
16 2011年7月8日 2R 0:33 KO ウォルター・エストラーダ  コロンビア
17 2011年9月17日 10R 判定2-1 ホセシート・ロペス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
18 2012年2月24日 10R 判定3-0 ラナード・タイナー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
19 2012年5月5日 10R 判定3-0 スティーブ・フォーブス アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
20 2012年9月13日 10R 判定3-0 アーロン・マルティネス メキシコの旗 メキシコ
21 2012年12月7日 10R 判定3-0 ビート・ガスパリアン アルメニアの旗 アルメニア
22 2013年3月16日 10R 判定3-0 ウェール・オモトソ ナイジェリアの旗 ナイジェリア WBC米大陸ウェルター級王座決定戦
23 2013年10月11日 10R 判定3-0 レイ・ナーフ ガーナの旗 ガーナ
24 2014年4月12日 12R 判定3-0 カビブ・アーラフベルディエフ ロシアの旗 ロシア WBA世界スーパーライト級タイトルマッチ
WBA・IBO獲得
25 2014年8月2日 12R 判定3-0 アントン・ノビコフ ロシアの旗 ロシア WBA防衛1
26 2014年11月23日 12R 判定3-0 アントニオ・デマルコ メキシコの旗 メキシコ WBA防衛2
27 2015年6月27日 12R 判定0-3 ティモシー・ブラッドリー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBO世界ウェルター級暫定王座決定戦
28 2016年3月5日 9R 2:09 TKO サダム・アリ アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBO世界ウェルター級王座決定戦
29 2016年11月5日 12R 判定0-3 マニー・パッキャオ フィリピンの旗 フィリピン WBO陥落
30 2017年12月15日 10R 判定3-0 アーロン・エレーラ メキシコの旗 メキシコ
31 2018年4月21日 12R 判定0-1 エイドリアン・ブローナー アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
32 2018年10月6日 12R 判定1-0 トーマス・デュロルメ プエルトリコの旗 プエルトリコ WBC世界ウェルター級シルバー王座決定戦
33 2019年4月26日 6R 1:48 KO ウンベルト・ソト メキシコの旗 メキシコ
34 2020年2月29日 12R 判定0-3 ミゲル・アンヘル・ガルシア アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 WBC世界ウェルター級ダイヤモンド王座決定戦
35 2022年4月30日 10R 0:41 TKO リアム・スミス イギリスの旗 イギリス WBOインターコンチネンタルスーパーウェルター級王座決定戦
テンプレート

獲得タイトル

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ ジェシー・バルガスが新王者に、WBA・S・ライト級 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年4月13日
  2. ^ リオス不満残る反則勝ち、バルガス初防衛 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年8月3日
  3. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2014年9月7日
  4. ^ ゾウが世界前哨戦に勝利、ロマチェンコ初防衛 Boxing News(ボクシングニュース) 2014年11月23日
  5. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2014年12月5日
  6. ^ Wladimir Klitschko is the fighter of the month of November for the WBA WBA公式サイト 2014年12月6日
  7. ^ ラウンドアップ 大沢宏晋がWBAランク入り Boxing News(ボクシングニュース) 2014年12月9日
  8. ^ ブラッドリーvsバルガス、WBOウェルター級決定戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年5月19日
  9. ^ メイウェザー、WBOウェルター級タイトルの保留をWBOへ要請 in44y.com 2015年6月9日
  10. ^ メイウェザー、WBOタイトルはそのまま保持? Boxing News(ボクシングニュース) 2015年6月18日
  11. ^ ブラッドリー最後にヒヤリ、バルガス下し暫定王者に Boxing News(ボクシングニュース) 2015年6月28日
  12. ^ Bradley-Vargas Decision To Stand, No Rematch Order”. Boxing Scene.com (2015年7月5日). 2015年7月2日閲覧。
  13. ^ Vargas saved $40K by vacating title before Bradley fight”. ESPN.com (2015年7月9日). 2015年7月16日閲覧。
  14. ^ オルティス圧勝、J・バルガスは2階級制覇 Boxing News(ボクシングニュース)2016年3月6日
  15. ^ Jessie Vargas, Kell Brook will fight in welterweight unification bout ESPN.com 2016年6月1日
  16. ^ ブルックとJ・バルガス、W級王座統一戦に合意 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年6月1日
  17. ^ Gennady Golovkin vs. Kell Brook is on, that’s right GGG vs. Kell Brook! Fightnews.com 2016年7月8日
  18. ^ ゴロフキンはブルックと対戦! 9.10ロンドン Boxing News(ボクシングニュース) 2016年7月9日
  19. ^ Pacquiao confirms Jessie Vargas as opponent Fightnews.com 2016年8月9日
  20. ^ パッキャオが復帰を明言、11.5バルガスと対戦へ Boxing News(ボクシングニュース) 2016年8月10日
  21. ^ パッキャオvsバルガス、トップランク独自にPPV放送 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年9月9日
  22. ^ Mikey Garcia had chance to fight Miguel Cotto but balked at multifight deal with Golden Boy”. ESPN.com (2017年10月18日). 2017年10月27日閲覧。
  23. ^ Tale of two bouts: Adrien Broner, Jessie Vargas fight to majority draw ESPN.com 2018年4月22日
  24. ^ ブローナーvsバルガスはドロー 打ち合いに沸く Boxing News(ボクシングニュース) 2018年4月22日
  25. ^ Anthony Joshua-Alexander Povetkin fight to appear on DAZN service”. ESPN.com (2018年7月18日). 2018年8月1日閲覧。
  26. ^ Jessie Vargas KOs Humberto Soto in six Fightnews.com 2019年4月26日
  27. ^ Mikey Garcia vs. Jessie Vargas fight results: Garcia proves power in decision win, wants Manny Pacquiao”. CBS Sports (2020年3月1日). 2020年3月18日閲覧。
  28. ^ Jessie Vargas Tests Positive For Covid, Postponing Planned February 5 Clash With Liam Smith”. Boxing Scene.com (2022年1月12日). 2022年6月13日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
空位
前タイトル保持者
カビブ・アーラフベルディエフ
WBA世界スーパーライト級王者

2014年4月12日 - 2015年6月27日(返上)

空位
次タイトル獲得者
エイドリアン・ブローナー
空位
前タイトル保持者
ティモシー・ブラッドリー
WBO世界ウェルター級王者

2016年3月6日 - 2016年11月5日

次王者
マニー・パッキャオ