ジアミノマレオニトリル
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ジアミノマレオニトリル Diaminomaleonitrile[1] | |
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別称 1,2-ジアミノ-1,2-ジシアノエチレン DAMN | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 1187-42-4 |
特性 | |
化学式 | C4H4N4 |
モル質量 | 108.1 g mol−1 |
外観 | 黄色ないし黄赤色の結晶または粉末 |
融点 |
180 °C, 453 K, 356 °F |
溶解度 | ジメチルホルムアミド、アセトニトリルに易溶 ベンゼン、ジイソプロピルエーテルに難溶 |
関連する物質 | |
関連するニトリル | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ジアミノマレオニトリル(英: Diaminomaleonitrile)は、化学式C4H4N4で表される、シアン化水素の四量体である。DAMNとも略記される。ニトリルの一種であり、日本の毒物及び劇物取締法では劇物に該当する。
用途
[編集]医薬品・農薬・染料等の原料や中間体となる[2]。従来、農薬の製造中間体として知られていた本物質をアゾ染料のジアゾ成分として研究したところ、鮮明で堅牢な赤色のアゾ染料が得られた[3]。 エポキシ樹脂の硬化剤としての研究も行われた[4]。
生成
[編集]シアン化水素と、粘土鉱物の一種のモンモリロナイトを含む懸濁液を放置したところ、モンモリロナイトを触媒として、本物質をはじめとするシアン化水素の重合体が生じた。これに酸を加え加水分解すると、グリシン、アラニン、アスパラギン酸などのアミノ酸と、核酸塩基のアデニンが生じた。この反応は、地球上における生命の起源の初期段階に役割を果たしたと推測される[5]。
脚注
[編集]- ^ ジアミノマレオニトリル(東京化成工業)
- ^ 医薬品事業(日本曹達)
- ^ 瀧本浩「染料技術発展の系統化調査」(PDF)『国立科学博物館技術の系統化調査報告』第16巻、2011年3月、238頁、2015年8月8日閲覧。
- ^ ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体によるエポキシ樹脂の硬化と硬化物の物性
- ^ 『あなたと私の触媒学』p.17-18。
参考文献
[編集]- 田中一範『あなたと私の触媒学』裳華房、2000年5月25日、17-18頁。ISBN 4-7853-8710-6。