シャルロット (馬)
シャルロット(1979年5月14日[1] - 2019年8月3日[2])は、長野県佐久市のスエトシ牧場で繋養されていたサラブレッド。2014年にシンザンが持っていたサラブレッド長寿記録を更新[3]、2016年にマリージョイが持っていた軽種馬の長寿記録を更新し、日本国内最高齢馬となった。
鹿毛の牡馬で、父はアローエクスプレス、母はサローングII[1]。競走馬のときの名前はアローハマキヨである[1]。
来歴
[編集]1979年に北海道静内町の岡田猛によって生産された[4]。その後、アローハマキヨと名付けられ[4]、1981年から1985年にかけて大井競馬場などで走り、全61戦2勝の成績を残した[5]。
競走馬を引退後はオーナーのいる自馬として乗馬クラブに預けられていたが、オーナーが変わるなどして2、3度転籍。そのたびに乗馬名が変わり、1995年頃には関東の乗馬クラブで「ローリーロック」という名前の練習馬となっていた[6]。
2003年に、以前から気にかけていたオーナーが引き取り、以後「シャルロット」と名を改めスエトシ牧場で飼育される[6]。
2014年8月26日にそれまでシンザンが保有していた35年3か月11日(35歳102日)の長寿記録を更新したことで、競走馬としての成績も血統も平凡だった本馬が注目されるようになった[7]。2014年の報道段階では健康そのもので、まだ人を乗せることもあったという。
2016年10月14日にはアングロアラブのマリージョイ(競走馬名:スインファニー)が保有していた37歳5か月の軽種馬の長寿記録も更新[6]、日本国内最高齢馬として広く知られるようになった[8]。
2019年8月3日、老衰による起立不能のためスエトシ牧場で死亡[9]。40歳2ヶ月20日(40歳81日)であった[4]。
なお、牝馬としての長寿記録はルーキー(競走馬名:ラツキーシラギク)が保持している。
備考
[編集]ギネス世界記録に登録されているウマの最長寿記録はイギリスの輓馬であるオールドビリーの62歳[10]。サラブレッドではオーストラリアのセン馬タンゴデュークが記録した42歳が知られている[11][12]。
アメリカ合衆国では最長寿ははっきりしていないが、牡馬デッドソリッドパーフェクトの39歳188日が確認されている[13]。次いで、セン馬のプロスペクトポイントの38歳203日が長寿記録として知られており[11]、牡馬のメリックの38歳52日がそれに続くとされている[12]。
日本国内では、ポニーではダブルトラブルの41歳が[14]、馬術競技馬としてはダッチブレッドのユニックの36歳、日本在来馬では木曽馬の寿号の40歳41日(1982年5月10日生、2022年6月20日没)[15]などが確認されている。存命中のサラブレッドとしてはモクモク(競走馬名:ダイナセキト)が確認されていたが[16][17][18]、2023年5月31日に死亡。[19]歴代2位の長寿記録であった。モクモクの死去に伴い存命が確認されている最高齢の軽種馬牡馬はアングロアラブ種のジョージ(競走馬名 カラスカミカゼ)(1988年4月29日-2024年2月27日[20])、JRA重賞勝ち馬の最長寿馬はサクラエイコウオー(1994年・弥生賞および1996年・七夕賞優勝、1991年6月1日-2023年12月30日[21])となった。 [22] [23][24][25]
脚注
[編集]- ^ a b c “アローハマキヨ|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. Net Dreamers. 2021年11月17日閲覧。
- ^ 長寿記録の40歳元競走馬、死ぬ 長野・佐久 - 産業経済新聞社(2019年8月4日) - ウェイバックマシン(2019年8月4日アーカイブ分)
- ^ “シンザン超えた長寿記録アローハマキヨ”. nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2014年8月29日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c “「馬は使い捨て?」長寿馬シャルロットのオーナーがみてきた引退馬の実情(1)”. netkeiba.com. Net Dreamers (2020年3月24日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ 高橋華代子 (2014年). “web Furlong 2014【高橋華代子の(続)気になるあの馬は…】第74回 アローハマキヨ”. ウェブハロン. NAR. 2021年11月17日閲覧。
- ^ a b c “今日からあなたの名前はシャルロットです――長寿馬シャルロットのオーナーがみてきた引退馬の実情(5)”. netkeiba.com. Net Dreamers (2020年4月22日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ “長野県の元競走馬がシンザンの長寿記録破る”. netkeiba.com. 信毎web (2014年8月29日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ “人間なら156歳!!“殺処分”の危機乗り越え…国内最高齢のサラブレッドの壮絶“馬生””. FNNプライムオンライン. 長野放送 (2018年10月8日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ “国内最長寿サラブレッド 40歳シャルロット死す、老衰”. スポニチ Sponichi Annex. SPORTS NIPPON NEWSPAPERS (2019年8月5日). 2021年11月17日閲覧。
- ^ “日本最高齢の元競走馬シャルロットが死亡、40歳の大往生”. 競馬ニュース.tv (2019年8月7日). 2022年2月3日閲覧。
- ^ a b “39-Year-Old Thoroughbred in 'Rarefied Stratosphere'” (英語). Blood Horse (2021年12月31日). 2022年2月3日閲覧。
- ^ a b “Oldest Living Thoroughbred Tells All” (英語). Raceday 360 (2012年3月13日). 2022年2月3日閲覧。
- ^ “米国の最高齢サラブレッド、デッドソリッドパーフェクトが39歳で死亡”. JRA-VAN Ver. World. 日本中央競馬会 (2022年11月12日). 2023年1月23日閲覧。
- ^ “御前崎の長寿ポニー天国へ 「トラさん」41歳 33年世話の飼育員、最期みとる”. あなたの静岡新聞 (2022年1月14日). 2022年2月3日閲覧。
- ^ “木曽馬・寿号安らかに 40歳人間なら110歳相当”. 読売新聞 (2022年6月25日). 2023年1月23日閲覧。
- ^ 0774238884の2021年12月12日のツイート、2022年3月25日閲覧。
- ^ “ダイナセキト”. netkeiba.com. 2022年3月25日閲覧。
- ^ “ダイナセキト|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 2022年3月25日閲覧。
- ^ 0774238884の2023年7月6日のツイート、2023年9月22日閲覧。
- ^ 3gViH7AsyJ60pEAの2024年2月27日のツイート、2024年3月16日閲覧。
- ^ “報知杯弥生賞を勝ったサクラエイコウオーが32歳で死す 小島太さん「ものすごく能力の高い馬だった」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2024年2月5日閲覧。
- ^ “【長寿記録】日本における存命中の長寿の重賞馬&競走馬の長寿記録まとめ 40歳まで生きた長寿馬も”. netkeiba.com (2023年5月31日). 2023年6月5日閲覧。
- ^ 3gViH7AsyJ60pEAの2023年4月29日のツイート、2023年9月22日閲覧。
- ^ “カラスカミカゼ”. netkeiba.com. 2023年9月22日閲覧。
- ^ “カラスカミカゼ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 2023年9月22日閲覧。
関連項目
[編集]- ルーキー(軽種馬・サラブレッド牝馬最長寿)
- マリージョイ(サラブレッドを除く軽種馬最長寿)
- アレックス(JRA出走馬最長寿)
- マイネルダビテ(JRA重賞優勝馬最長寿)
- リファール(フランスで長寿を記録した競走馬・種牡馬)
- シンザン(JRAにおける現在のGI競走に相当する重賞優勝馬最長寿、軽種馬・サラブレッド種牡馬最長寿)
- タマツバキ(サラブレッドを除く軽種馬牡馬最長寿、JRA重賞優勝アラブ最長寿)
- メインキャスター(JRA重賞優勝牝馬最長寿)
- カネケヤキ(JRAにおける現在のGI競走に相当する重賞牝馬最長寿)
- ウインドインハーヘア(2023年5月現在存命中の海外GI競走優勝馬最長寿)
- サクラエイコウオー(2023年5月現在存命中のJRA重賞優勝馬最長寿)
- エイシンサンサン(2023年5月現在存命中のJRA重賞優勝牝馬最長寿)
- フラワーパーク(2023年5月現在存命中の国内GI競走優勝馬最長寿)
- タイキフォーチュン(2023年5月現在存命中の国内GI競走優勝牡馬最長寿)