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シャポン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中国海南省で飼育されるシャポン
シャポン胸肉のロースト(オーストリアザルツブルク

シャポンフランス語: chapon)は、去勢された雄鶏、またはその鶏肉のこと[1][2]。飼育が困難であり、希少性から「鶏肉の宝石」とも呼ばれる[1]

概要

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去勢した雄鶏を飼育したものであり、高級食材として知られる。

日本大分県において地鶏である冠地どり(かんちどり)のシャポンは去勢していない冠地どりやブロイラーの鶏肉と比べて以下のような特徴が確認されている[3]

  • 肉質が有意に柔らかくなる。
  • 肉色が有意に淡くなる。
  • 鶏肉から検出される匂い成分の種類が少ない。

フランス

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フランスブレス地方AOCを名乗れるブレス鶏英語版は通常は若鶏(体重1.2キログラム以上)として出荷されるが、時間をかけて大きく育てる肥育鳥(体重1.8キログラム以上)や、去勢してさらに大きく体重3キログラム以上に育てて出荷するシャポンもある[4]。シャポンは特にクリスマスのご馳走として好まれている[4]

飼育期間は、肥育鶏で11週間以上、シャポンでは23週間以上になる[4]

日本

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日本においては、去勢牛去勢豚の技術はあったが、去勢鶏には雛鳥の肋骨の間から米粒サイズの精巣を取り除くという高度な技術が必要であったため普及しておらず[5]、シャポンの生産は僅かである[3]

鶏肉における地域ブランド確立のためにシャポンの生産技術確立に向けての研究が進んでいる[3]

龍治農場鹿児島県鹿屋市)が日本で初めて去勢鶏の生産に成功したとされ、シャポーン鹿児島鶏のブランド名で2005年から出荷を行っている[5]

岩手県の地鶏・南部かしわは雌の鶏肉のほうが柔らかくて、コクのあり、郷土料理の鍋物ひっつみなどにも合うという理由から、生産者は雌を好んで飼養する傾向がある[6]。南部かしわのヒナの供給は岩手県農業研究センター畜産研究所が行っているが、余った雄ヒナを有効活用するためヒナの去勢技術の習得と雄ヒナをシャポンとして飼育することで有効利用が図られている[6]

秋田県では比内地鶏が銘柄鶏としても知られるが、一般的に流通するのは雌鶏の肉のみで雄鶏は雛のうちに処分されていた。2014年頃から秋田県内の養鶏農家で雄の雛を有効活用するため比内地鶏の去勢鶏をあきたシャポンのブランドで生産、出荷を行っている[7][8]

出典

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  1. ^ a b 「鶏肉の宝石」シャポンも自家養鶏 新潟の鬼嶋シェフ」『日経新聞』2023年4月19日。2024年2月15日閲覧。
  2. ^ アンドレ・パッション「家禽」『フランス郷土料理』河出書房新社、2020年、226頁。ISBN 978-4309287805 
  3. ^ a b c 「おおいた冠地どり」を去勢することで特色有る鶏肉が生産できる” (PDF). 農業・食品産業技術総合研究機構. 2024年2月15日閲覧。
  4. ^ a b c 山本尚広 (2004年8月12日). “最高の鶏を求めて”. .tsuji. とっておきのヨーロッパ便り. 2024年2月15日閲覧。
  5. ^ a b シャポーン鹿児島鶏” (PDF). 鹿屋市. 2024年2月16日閲覧。
  6. ^ a b 雄鶏も「チキンとおいしく」召し上がれ ~ 南部かしわの去勢技術”. 岩手県 (2022年11月25日). 2024年2月15日閲覧。
  7. ^ 去勢の比内地鶏「あきたシャポン」 本格生産へ」『日本経済新聞』2014年4月3日。2024年2月16日閲覧。
  8. ^ 去勢比内地鶏「あきたシャポン」、特産品化の可能性探る」『秋田魁新報』2023年2月6日。オリジナルの2023年2月7日時点におけるアーカイブ。2024年2月16日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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