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シャドウハーツII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シャドウハーツII
ジャンル RPG
対応機種 PlayStation 2
開発元 ノーチラス
発売元 アルゼ
プロデューサー 及川麻子
ディレクター 町田松三
シナリオ 町田松三
音楽 弘田佳孝
光田康典
伊藤賢治
美術 加藤美也子
人数 1人
メディア DVD-ROM 2枚
発売日 2004年2月19日
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
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シャドウハーツII』(SHADOW HEARTS II)は、2004年2月19日アルゼから発売されたPlayStation 2ゲームソフト

概要

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北米・北欧では『Shadow Hearts: Covenant』のタイトルで発売された。

シャドウハーツ』の続編。前作終了から1年後の1915年のヨーロッパ各地及び大日本帝国が舞台となっている。パーティーメンバーは主人公のみ続投で他は全て入れ替わっているが、前作キャラも複数登場する。前作同様、アナスタシアラスプーチン川島浪速など、実在の人物がモデルとなっているキャラクターも登場するが、あくまでモデルとして使われているだけで、史実通りではない。

グラフィックモーションキャプチャを使う事で大幅に向上し、ロード時間やエンカウント率といったゲームバランスも調整されている。また、ムービーシーンも大幅に増えており、ストーリーの多くは6時間を超えるフルボイスのムービーで描かれる。

テーマは「幸せ」[1]。前作のバッドエンディングの続きであり、愛する人を失った主人公の新たな戦いを通じて「自身にとっての幸せ」を追求していく物語となる。物語の根幹はシリアスであるが前作同様に独特のお笑い要素が随所に存在し、グロテスクな部分を減らしつつコメディやパロディ要素が増えている。特にギャグはベタなものからマニアックなものまで盛り込まれている[1]

通常版と同日に、楽曲映像クリップ・出演声優インタビュー・CM集などを収録した特典DVDおよび「アンヌのクロス」「ジャッジメント柄コースター」を同梱した「限定DXパック」も発売。廉価版であるディレクターズカット版では、ダンジョン・モンスター・アイテム・イベント・BGMの追加やジャッジメントリングのサイズ調整に加えて、続編『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』の予告映像が追加されている。

パチスロ化されているほか、アイディアファクトリーアルゼアトラスレッド・エンタテインメント4社のコラボレーション作品として発売されたゲーム『カオスウォーズ』にて、この作品のキャラクターが何名かゲスト出演している。

前作のバッドエンディングの続きという点は、「プレイした人の心になにかを残すドラマチックな物語にしたい」という意図から決定されたが、発表後にはファンから怒りの手紙が多数届いた。町田自身もウルとアリスのカップリングが想像以上に人気が高く驚いたというが、これに関しては「遊んでもらうしかない」と答えている[1]。後年、『ワイルドアームズ』の金子彰史はこの点に関して称賛している[2]

ストーリー

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第一次世界大戦勃発から半年。フランス北部ロレーヌ地方にある村・ドンレミ。ジャンヌ・ダルク生誕の地とされるこの村を「悪魔」が守っていた。ドイツ帝国がフランス侵攻を開始した折、ドイツの陸軍少尉カレンの率いる部隊が悪魔の正体を確かめ、退治するべくドンレミを訪れる。教会に現れた悪魔は一方的にドイツ軍をねじ伏せ、しかし何故か手投げ弾の暴発からカレンを救ったのだった。カレンは薄れゆく意識の中、悪魔が人間の青年に姿を変える様を目にする。

事態が呑み込めないまま国に戻ったカレンは、バチカンの枢機卿ニコルと共に悪魔への対抗手段「聖なるヤドリギ」を手に入れ、再びドンレミへ向かう。悪魔の正体は、1年前に世界を救った「神殺しの男」ウルであった。同時にニコルは自身が秘密結社サピエンテス・グラディオの一員である事と、組織の障害となり得る「神殺しの男」の討伐にカレンの部隊を利用していた事を明かす。騙されていたと知ったカレンに抵抗され、ウル討伐に失敗したニコルは逆上してカレンに襲い掛かるが、ウルはそれを庇ってヤドリギの呪いを受けてしまった。

ヤドリギの呪いによって心身を蝕まれ、力の大半を失ったウルは呪いの解除とドンレミの人々の仇討ちのため、二度目の旅に出る。部隊を失い、この事態を招いた責任を感じたカレンもその旅に同行するのだった。

ゲームシステム

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移動
移動はワールドマップ上に点在する町やダンジョンを選び、内部に入るというマップ移動形式。前作では後半の舞台に移動後は前半の舞台に戻れなかったが、今作ではある地点以後は飛行船により自由に行き来が可能になっている。
戦闘
戦闘は敵・味方の区別なく、個別のAGI(敏捷性)を基に行動順の回ってくるターン制・コマンド式戦闘である。バトルメンバーにはパーティーの8人中最大4人を選ぶ。今作では「ターンプライオリティ」としてキャラの行動順が表示されるようになった。また「連携」の導入により、前作にあった隊列の概念はなくなった。
属性
全ての敵・味方キャラクターと一部のサブキャラクター、および全ての攻撃手段には、地・水・火・風・光・闇・無の7つの属性が設定されている。キャラクターに設定されているものは特に「先天属性」とも呼ばれる。火と水、風と地、光と闇はそれぞれ相反し、反対属性の攻撃を受けるとより多くのダメージを受ける。但し通常攻撃は無属性であるため、反対の属性を持つ敵に通常攻撃を行っても、ダメージの値は他の属性のキャラクターが行った場合と変わらない。
SP(サニティポイント)
正気度。戦闘開始時はキャラクターごとの最大値だが、行動するたびや「耐える」防御をしている状態で攻撃を受けると減少し、0になると「暴走」し操作不可能となる。戦闘終了時に暴走状態のキャラクターは経験値を取得できないが、暴走中にしか見られないキャラクターの行動などもある。アイテムで回復できる。一部の敵はSPの現在値を減らす「SPダウン」効果のある特技を使用するが、SPダウンを防ぐアクセサリーも存在する。
ジャッジメントリング
戦闘におけるほとんどの行動の成否は、「ジャッジメントリング」で判定される。ジャッジメントリングとは、リングと呼ばれる円盤上に「ヒットエリア」「ストライクエリア」「ステップエリア」「モジュレートエリア」と呼ばれる色付きの扇形のエリアが一定数存在するもので、リングの中心から円周へ伸びる「バー」と呼ばれる線が時計回りに一周する間に○ボタンをエリア内で押せれば行動は成功となり、エリア外でバーを止めたり、エリアを過ぎるまでにバーを止められなかったりした場合には失敗となる。ジャッジメントリングは、福引やショップでの値引き、一部のイベントなどの成否判定にも使用される。
フュージョン
パーティーメンバー中ではウル及び蔵人が使える能力。“フュージョンモンスター”と呼ばれる魔物の魂と融合してその姿に変身することで、能力値と属性が変化し、その魔物の持つ特技が使えるようになる。フュージョン中は1ターンあたりのSP減少量が増える。シャドウハーツの世界には、その手段や融合対象が違う融合能力者も存在し、それらは総称して“ハーモニクサー(融合者)”と呼ばれており、蔵人の「降魔化身術」も同様の能力である。
グレイヴヤード
主人公であるウルの心の中に存在する世界。ヤドリギの呪いを受けてから、内部は大幅に様変わりした。「ソウルエナジー」を溜めることで、新たなフュージョンモンスターを手に入れる事ができる。ウルと深く関わりのある人物の魂もイベントにおいて登場する。今作ではマリスの蓄積や死神のシステムが無くなっており、浄化のために訪れる必要は無い。
スコア
それまでのプレイ内容の各種データと評価を閲覧できる。戦闘回数、気絶回数、逃走回数、ジャッジメントリングの成功率やパーフェクト(1回のリング内の全てのストライクエリアでバーを止めることが条件)率、今までの移動距離などの細かいデータが本編開始直後から累積され、各々のデータに対する一言コメントや、それらを総合したランキング(モンスターでいうとどの程度かというもの)や周回ごとの差などを閲覧できる。ジャッジメントリングの成功率とパーフェクト率が一定以上でなければ手に入らないアイテムもある。
ピットファイト
ソロモン王の従者を名乗る女性、サラより課される試練。今作では様々なクリア条件が付与されている。召喚されたモンスターと戦い、与えられた条件を満たしてクリアすると賞品が貰える。
福引
ジャッジメントリングを利用したサブイベント。世界福引協会の会員に話しかけると、アイテムの「福引券」と引き換えに挑戦できる。バーは止めない限り永遠にリング上を回転する。エリア内でバーを止めれば対応する賞品が貰えるが、失敗しても参加賞としてティッシュが貰える。
歩数計
フィレンツェの世界歩行運動協会会長から貰える「歩数計」を装備することにより、ダンジョン内での歩数がカウントされ、歩数と交換という形で景品が貰える。一定歩数以上歩くとご褒美として歩数の消費なく景品が貰えるイベントもある。
リングカスタム
今作からの新要素。戦闘時のジャッジメントリングを大幅にカスタマイズできるようになった。リングの種類を変更することによって難易度や攻撃威力の調整が出来るほか、リングアイテムを使用することで通常攻撃の回数やエリアの幅を増やしたり、追加効果を加えることも可能。
コンボ
今作からの新要素。連携状態を組んだキャラクターの内の1人が「ジャッジメントリング」に成功して敵を攻撃すると、直後に○・×・△・□のいずれかが描かれた「コンボリング」が現れる。その間に対応するボタンを押せればコンボが成立し、連携状態だった別のキャラクターが、行動順に関わらず続けて行動できる。リング入力に失敗するとその時点でコンボは終了(コンボブレイク)となる。攻撃手段にはヒット数とヒット属性が設定されており、コンボ時にはヒット数に応じてダメージ量が増加する。攻撃が繋がるかどうかはヒット属性や対象の重量に左右され、攻撃の種類が合わず、敵に攻撃が繋がらなかった場合もそこでコンボブレイクとなる。チェーン属性の攻撃によって硬化している敵に味方が攻撃した場合や、行動後の立ち位置によっては参加人数分の回数を上回るコンボも行える。
連携
今作からの新要素。戦闘時、味方同士の距離が一定以下であると連携状態となり、コンボを試みることが出来る。行動ターンが回ってきた際に別のキャラクターの近くへ移動し待機するだけでなく、何らかの行動や敵の攻撃を受けた結果偶然キャラクター間の立ち位置が近付いたり、ウルが体の大きなフュージョンモンスターにフュージョンすることでも連携状態となることがある。連携時に「耐える」防御をしていると、敵に攻撃されてもSPの減少と引き換えに立ち位置を維持できる。
連携魔法
今作からの新要素。コンボが4人(一部のイベント時ではパーティー人数の違いにより3人)まで繋がると、最後の4人目が使用できる強力な魔法。使用できる種類はコンボに参加したキャラクターの属性に左右される。紋章を装備できないウルと蔵人の魔法使用時の掛け声が聞けるのは、連携魔法使用時のみ。未使用の連携魔法は「????」という表記がされているが、一度でも使った連携魔法は名前が表示される。ちなみに、連携魔法の名称は前作のハリーが使用していた超能力(および『クーデルカ』で使用されていた魔法)の名称をいくつか引き継いでいる。
連携の項目にある立ち位置の変化や、ウルが体の大きなフュージョンモンスターにフュージョンすることで人数以上の連携が可能となる。その際に定数以降は続けて連携魔法を使用できる(例:4人の場合は4人目が連携魔法を使った後、5人目以降も連続して連携魔法を使うことが可能)。
アフィニティ
今作からの新要素。キャラクター同士の相性を表すもので、0〜100までの数値をとる。数値の高低がストーリーに影響を及ぼすことはないが、上昇すると戦闘時にそのキャラクター間でのコンボによるダメージが上昇し、コンボリングの入力受付時間が延びる。同時に戦闘に参加し勝利することや連携魔法を使うことで少し上昇し、連携を行ってさらにコンボ時の行動をショートカットボタンで指定すると大幅に上がる。減少することはない。初期値は0だが、ストーリー上特別な関係である一部のキャラクター間では最初から一定の数値が設定されている。
バトルボーナス
今作からの新要素。特定の条件を満たして戦闘に勝利すると、アイテム、お金等様々なボーナスが得られる。ボーナスの内容と取得の条件は、敵パーティーの構成により固定されている。
紋章魔法
今作からの新要素。ソロモン王が封じた72柱の悪魔に対応する紋章を装備することで、狼のブランカを含めて誰でも悪魔の力を使役し、魔法を使用できるようになる。ハーモニクサーであるウルと蔵人は紋章を装備できない。「ソロモン王の鍵」と呼ばれる魔術書に描かれた古地図の正しい場所に紋章を配置することによって、使用できる紋章魔法を増やすことが出来る。

登場キャラクター

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メインキャラクター

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ウルムナフ・ボルテ・ヒュウガ(Urmnaf Bort Hyuga)
- 高橋広樹
本作の主人公。通称「ウル」。特技は「世界を救うこと」。年齢は25歳。血液型はO型。属性は「闇」(ただし、フュージョン時はそのモンスターの属性に変化する)。
本編より半年前、世界を滅ぼそうとしたアルバート・サイモン枢機卿と彼が呼び寄せた超神を倒したことで、秘密結社から「神殺しの男」と呼ばれ、警戒されている。前作のバッドエンディング(アリスの死亡)の後、彼女の母の墓所があるスイスチューリッヒに彼女を埋葬する。前作で着ていたコートはアリスの亡骸に包んで埋葬したためライダースーツを着ている。その後はアリスの親類であるゼペットと2人で旅をしており、その際にドンレミ村に立ち寄り、以来ずっと村をドイツ軍から守り続けてきた。ドイツ軍からは「ドンレミの黒い悪魔」と恐れられている。
モンスターの姿に変身できる「フュージョン」の能力を持つハーモニクサーであるが、サピエンテス・グラディオがドンレミ村を襲撃した際、ニコルからカレンを庇い聖なるヤドリギの呪詛をかけられ、フュージョン能力の大半を封印されてしまう。ゼペットとカレンによってその場を脱したウルだったが、村は焼き払われジャンヌたち村人は皆殺しにされてしまった。以後、サピエンテス・グラディオとニコルに復讐を誓う。ストーリーを進める内に力を解放していき、終盤ではついに全盛期の力を取り戻すことになる。
アリスの死亡以来、生きる気力をなくしていたが自分を守って死んだアリスから貰った命を生きねばならない思いとの葛藤に苦しんでいた。様々な人物との出会い、かつての友やアリスとの再会を経て、最終決戦前に「自分の望む幸せ」を選択することとなり、今作ではこの選択によってエンディングが変化する。
カレン・ケーニッヒ(Kallen Koenig)
声 - 長沢美樹
ドイツ帝国の陸軍少尉。年齢は25歳。血液型はA型。属性は「火」。
ドンレミ村での事件をきっかけに、軍属を離れウルたちと旅をすることになった。気が強く仲間思いで、そして数少ない常識人。それ故にやりたい放題なウルたちのツッコミ役。軍服から着替えた後の服はウルが見立てたコーネリアのお下がり。「剣技」を得意とし、「ニーベルング草稿」を読むことによって新しい剣技を習得していく。
ミュンヘンの気高き薔薇侯爵と称される名門貴族の出身だが、没落の一途を辿る一族を立て直さんがため、ドイツ軍に入隊した。普段は真面目でしっかりとした性格だが、酒が入ると性格が豹変する。物語が進むにつれウルに惹かれていくが、最終的に選んだ彼女の願いが、全ての物語の始まりに繋がることとなる。
ゼペット(Gepetto)
声 - 糸博
フランス出身の人形使い。アリスの母方の義理の伯父(義理なので血の繋がりはない)。年齢は60歳以上。血液型はAB型。属性は「無」(コーネリアの衣装によって属性が変化する)。
かつてはパリの大劇場を沸かせた一流芸人だったが、今では劇場に立つことも無く、隠居生活を楽しんでいる。人形の名前「コーネリア」は死んだ娘の名前である。戦闘では「マリオネット」であるコーネリアを操ることによって魔法を使用する。コーネリアの服装を変えることによって自身の属性を変化させることが可能。隠し衣装として「アリスの服」が存在しており、着替えると彼女の技をコーネリアが使用する。
終盤、かつての弟子が住んでいた廃屋で、娘のコーネリアを装った悪魔に魂を奪われかけるが、常に共にいた本物のコーネリアの呼びかけによって正気に戻るというサブイベントがある。
ブランカ(Blanc)
声 - 池田秀一
フランスドンレミ村出身の白狼。モデルはハイイロオオカミ[3]。サブイベントのウルフバウトでは「ドンレミの白い悪魔」と呼ばれることもある。年齢は2歳。属性は「風」。
ドンレミ村でジャンヌと共に暮らしてきた狼で、人間並みに賢く、カレン曰く「ウルよりも利口」。ウルからは「相棒」と呼ばれている。不思議な自然現象を発生させる「超常現象」を使うことが可能で、ウルフバウトをクリアすることによって強化されていく。
名前の英字表記のBlancはフランス語で白の意味。ただし、発音は「ブラン(/blɑ̃/)」となる。
ヨアヒム・ヴァレンティーナ(Joachim Valentine)
声 - 西村朋紘
前作に登場したキース・ヴァレンティーナの兄である吸血鬼。語尾に「だっち」や「だら」など特徴的な喋り方をする。年齢は400歳以上。血液型はB型。属性は「地」。
ギャグキャラクターとしてコメディリリーフを担い、特にアナスタシアとの絡みが多い。
プロレスの開祖と言われるグラン・ガマの弟子であり、自慢のプロレス技「マッスルアーツ」と、その辺から拾ってくる武器(角材、ロッカー、冷凍マグロなど)を駆使して戦う。本人いわく「使えるものは何でも使う」「エコロジスト」。また吸血鬼としての体質ゆえ、「ヨアヒズム」の変動によって「金色のコウモリ」になったり、「インビシブル(透明人間)」になったり、正義の味方「グラン・パピヨン」に変身したりする。
前作でもサブイベントにおいて「黄金のコウモリ」として登場しているため、初登場シーンではウルが「どっかで会ったような…」と面識があるような台詞を残している。明確に思い出した描写は無いが、キースのイベントではウルもヨアヒムがキースの兄だと認識している。
ルチア(Lucia)
声 - 小山裕香
イタリア王国フィレンツェ出身の美人占い師。年齢は28歳。血液型はB型。属性は「闇」。
伝説の踊り子カルラのもとで幼い頃からダンスと占術をみっちり仕込まれて育ち、その妖艶な肢体から繰り広げられるセクシーな踊りとおっとりとした喋り方で多くの富豪たちを虜にしてきた。戦闘では引いたカードによって様々な効果をもたらす「タロットカード」と、アロマオイルのブレンドにより支援効果を発する戦闘補助を行う「アロマセラピー」を使用する。
ベロニカ・ベラの妹弟子にあたり、彼女の罪を償いたいというカルラの願いを託されてウルたちの旅に同行することとなる。ベロニカの拷問イベントで彼女を選ぶとベロニカとのやり取りが見られる(拷問イベントの中では唯一ベロニカから「情けを掛けてやろうと思ったのに」と吐き捨てられる)。またディレクターズカット版ではベロニカとの会話イベントが追加されている。
アナスタシア(Anastasia)
声 - 今井由香
ロシア帝国の第四皇女。モデルは実在のロシア帝国皇女、アナスタシア・ニコラエヴナ。年齢は14歳。属性は「水」。
怪僧ラスプーチンの言いなりで民心を失いつつある家族と、戦争に疲弊し政治の腐敗を止められない祖国の行く末に心を痛めており、ラスプーチンの陰謀を暴こうと孤軍奮闘し、暗殺者と密会していたところを写真に収めるが逆に彼に命を狙われてしまい、ウル一行に救われる。特技は「盗撮」。戦闘中に敵モンスターを「スナップ」することによって、モンスターの詳細なデータを入手出来たり、「アルバム」で撮影した敵モンスターの特技を使えるようになったりする。
可愛い容姿に似合わず魔性あふれる性格だが、弟のアレクセイ皇太子のことを心配する姉らしい一面も持っている。蔵人に一目惚れしており、彼の前では態度を豹変させ「蔵人さま」と呼んでいる。母親公認の蔵人の許婚になるサブイベントもある。ニコルとは腹違いの妹に当たり、事実を知った時は驚愕する描写がある。
犬神 蔵人(いぬがみ くらんど / Kurando Inugami)
声 - 下野紘
無外流の剣を修め、穏やかな心に炭火のごとき不滅の闘志を宿す「若き剣客」。年齢は17歳。属性は「光」(降魔化身術時はその降魔の属性に変化する)。特技は書道
川島浪速とその娘・芳子の護衛を務めていたが、芳子の誘拐事件をきっかけにウルたちの仲間に加わることとなる。母親がウルの父親の妹であるため、ウルとは従兄弟同士の関係にある。
日向の一族の血を引いているため、「降魔化身術(ごうまけしんじゅつ)」を用いることができる。従える降魔(フュージョンモンスター)は「月黄泉(つくよみ)」と「狩天童子(しゅてんどうじ)」。

サブキャラクター

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サピエンテス・グラディオ

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ロシアを中心に暗躍する秘密組織。本作の序盤から登場する敵対組織。剣と梟が描かれた「剣を取る賢者」の紋章を掲げている。元々は東方正教会の修道士であるヨウィスが興した、人類平等の理念のもとにお互いを尊重した考えを実践する美しい結社であったが、魔王の力を手にしたラスプーチンに乗っ取られたことにより、権力を基盤とした選民主義を掲げる過激なテロ結社と化した。各国の高官の猟奇的殺人事件がヨーロッパの各地で多発し、その殺害方法が中世の処刑に準じていたことからその神秘性と異常性が世に噂されるようになる。カレンの故郷もこの組織によって焼き払われた。

首領はラスプーチンで、構成員には「マスター」と呼ばれており、魔王アスモデウスの力により、絶対的な暴威を誇っている。戦闘員には「鉄の爪」と呼ばれる暗殺部隊がいる。その目的はロシア皇帝(ツァーリ)ニコライ2世を暗殺し、ロシアを支配することであったが、計画はウル達によって阻まれ、暗殺計画も露見したため撤退を余儀なくされた。その後、ウルとラスプーチンの戦いの余波で飛行船が大破。また首領ラスプーチンもアモンの力を得たウルに斃されたことにより、組織は崩壊することとなった。

グレゴリー・ラスプーチン大司教 / グレゴリオ大司祭
声 - 大友龍三郎
サピエンテス・グラディオを統括する怪僧。モデルは帝政ロシア末期の皇室で暗躍した怪僧、グリゴリー・ラスプーチン。年齢は43歳[4]。ロシア皇室に付け入り国を乗っ取り、そこを拠点に世界を手中に収めようと企む。シベリアからやって来た宣教師として病弱なアレクセイ皇太子の病気を魔術で癒し、皇后アレクサンドラの絶大な信用を得て、政治にも口出しをするようになる。元々はヨウィスとアルバートの弟子であったが、その目的は魂の契約の呪法を学ぶために過ぎず、魔神アスモデウスと魂の契約を結んでその野心を実現するための力を身に着けると、師である二人を追放し秘密結社を乗っ取って今の形に作り変えた。
アスモデウスの力とヤドリギの呪いで一度はウルを圧倒し、皇太子を狙った暗殺者の濡れ衣を着せて追い詰めるも、凱旋祝賀会において計画していた皇帝の暗殺はウルの妨害によって失敗し、更にはアナスタシアに暗殺者との密会現場を撮影した写真を提示されたことで裏切りが露見してしまう。その後、組織の人間とともに飛空艇でペトログラード上空へと逃れるが、アモンの力を取り戻して追ってきたウルと甲板で交戦し、その果てに飛空艇は大破。攻撃を防ぐバリアも破られてしまう。
追い詰められたラスプーチンはこのままでは勝てないと悟り、アスモデウスの力を完全に解き放つことでペトロパヴロフスク要塞上空に浮遊要塞イーダルフラームを出現させる。魂の大半を悪魔に食われることを代償に絶大な契約の力を得るが、最早「世界を統べる」という目的は失われ「永遠に命を奪い続ける死の世界」の実現を志すようになる。要塞内でのウル達と死闘の末敗北する。「人の思想・意思・記憶を奪い心を殺す道具」であるヤドリギの呪いの真の恐ろしさと、いずれアスタロトによって世界が滅ぼされることを示唆しながらを最期を迎えた。また敗北した直後にウルから「アルバートはアンタより強かった」と言い捨てられ、ラスプーチン自身もアルバートに対する切り札として聖なるヤドリギを使うつもりだったと彼の強さを認めている。
ベロニカとは肉体関係にあったような描写があるが、彼が彼女をどう思っていたのかは不明。また孤児だったニコルを引き取っているが、実際は組織のための道具にするつもりでしかなく愛情などなかったと語っている。
アスモデウス
力と権力を司る魔王。明確な意思を持たず、力の行使のみを悦びとし、慰みに一国を消滅させることもあるという。アモンやアスタロトと同列視される高位の悪魔。
ラスプーチンが契約した悪魔であり、アモンの力を手にしたウルに追い詰められたことにより、ラスプーチンがアスモデウスの力をさらに解放した結果、彼の精神はアスモデウスの影響を強く受けて、全世界を死の版図とし暇つぶしに人間を消滅させることを望むようになってしまった。ニコルからは「アスモデウスに食われたか」と吐き捨てられている。
ニコラス・コンラド枢機卿
声 - 子安武人
通称「ニコル」。「白魔法」の使い手。年齢は27歳。バチカンから派遣された異端審問会のエクソシストとしてカレンの悪魔討伐に協力する。しかしそれは表向きの顔で、正体は秘密結社サピエンテス・グラディオの修道騎士。ゲーム開始当初は彼を操作する形となる。
以前はアルバート・サイモンの討伐を命じられていたが何者かによって倒されたため事情を探っていた。本編開始直前にドイツ帝国陸軍に接触し、カレン率いる中隊を利用してウルの討伐を目論むが計画は失敗。逆上してカレンに襲い掛かるが、その際にウルが庇ったことで「聖なるヤドリギ」の呪詛を与える形となった。ドンレミ村で村人の抹殺を指示したほか、ロジャーの身柄と引き換えと称してウルからエミグレ文書を奪い、日本がロシアの新皇帝の後見として協力するという契約で加藤にエミグレ文書を引き渡した張本人でもある。そのためウルに怨まれている。
過去にアルバート・サイモン抹殺の任務を与えられており、その任務達成を阻んだウルには初対面時から「神殺しの男」として強く対抗意識を抱いていた。ヤドリギの呪いにもラスプーチンにも屈さぬウルにさらにその思いを募らせ、最終的には「私は君を倒さねば、自分の存在を許すことが出来ないのだっ!!」と告げるまでになった。カレンにも次第に執着を抱くようになり[5]、彼女の夢に干渉し、自分と来れば望むものが全て手に入ること、ウルは既に別の女を選んでいることを告げ、彼女に自分の元へ来るように誘うサブイベントもある。
アナスタシアとは異母兄妹にあたり、母親は昔宮殿に出入りしていた貴族の一人[6]である。母親が他界して孤児となっていた所を、ラスプーチンによってバチカンの宿舎へ入れられ、サピエンテス・グラディオの騎士として育てられた。それは愛情からではなく、ただ利用するためだけのものだったが、それはニコルも同じで、最終目的は母親の復讐のためラスプーチンも抹殺してロシア皇帝の座に座ることであった。
レニ、ベロニカと共にナハシュ神殿に偵察に向かった際、そこに眠っていた悪魔アスタロトと魂の契約を結び、ディレクターズカット版ではその経緯も描かれている。サピエンテス・グラディオが壊滅した後は、アポイナの塔にて「嘆きの柩」に封印されていたマリスを解放し、人々の心の闇を増幅させることにより、人間同士が欲望のままにぶつかり合い殺し合う世界を招こうとした。その直後ウル達に倒されるも、ロシア皇帝の血を引くニコルの利用を目論んだ日本軍の思惑により、加藤によって拉致され日本軍の人体実験に掛けられてしまう。
その結果としてニコルの精神は崩壊して、アスタロトに肉体を乗っ取られることになる。そのアスタロトがウル達に倒されると、死の間際に肉体の支配権を取り戻し、ウルに恨み言を告げながらヤドリギの呪いを促進させた。それを妨害した加藤を殺害しようとするが桜花によって阻まれ、自分を庇った桜花の死に激怒した加藤に頭を握りつぶされて、カレンの名前を叫びながら死亡するという最期を迎えた。
異母妹であるアナスタシアは、彼が異母兄であることを知って驚いた様子を見せている。
アスタロト
あらゆるものの死と再生を司る堕天使。世界を創り変え混沌を呼ぶといわれる。アモンやアスモデウスと並ぶ高位の悪魔。地中海南部にある海底遺跡・ナハシュ神殿にて邪教を崇拝していた民族に祭られており、その魂は最深部に安置されている指輪に封じられていた。神殿を訪れ指輪を手に入れたニコルと契約することとなる。人間を見下しており、ニコルの精神を崩壊させ自分を引きずり出した人間たちを愚かだと蔑んでいる。
当初はニコルの自我により制御されていたが、彼が日本軍による人体実験に掛けられて精神が崩壊してしまったことで、契約者の肉体を乗っ取り、富士山(作中では不死山とも呼ばれる)の火口に姿を隠し、その地脈の莫大なエネルギーを集めることで、世界に滅びを与えようとする。
ウル達との戦いの際には、強化された新たな形態「ラストアスタロト」となった。しかしウルたちの意志の力の前に敗北し、アスモデウス同様肉体を失って紋章となった。
デザインはニコルの服装に合わせられており、また漆黒のアモンとは対照に白を基調とした体色となっている。初登場時は直立姿勢だったが、ラストアスタロトになった際は仏のように胡坐をかき、背中からは蜘蛛の足に酷似した角が伸びている。また、アスタロトの爪にはマリスの猛毒が塗られていることがイベントで語られている。
ベロニカ・ベラ
声 - 園崎未恵
サピエンテス・グラディオの女魔法戦士。性格と容姿はSM女王そのもので、セクシーなボンテージに鞭、そして鳥の羽を模した仮面というスタイルであり、見た目に違わず拷問が趣味。ヨアヒムからは「エロエロクイーン」という渾名を付けられている。「Sはねえ、サービスのSなのよお!?」がポリシー。特技は家事。年齢は30代。
ラスプーチンの愛人でもあり、肉体関係を持っていることを匂わせる描写もある。惚れた男には最後まで忠誠を尽くす一途さを持っており、逃げたラスプーチンを追うウル達を食い止めるためただひとり交戦。巨大な蛇に酷似したモンスター「ナイトクイーン」に変身し、最期までラスプーチンを守るために戦い死亡した。
レニが引っかかったウルの挑発も看破するなど頭もよく、レニが命をかけてウルたちと戦うつもりなのを知ると彼の意志を尊重して大人しく撤退するなど、本質的に仲間思いな人物である。ニコルがカレンに執心していることも見抜いていた。
実はルチアの姉弟子でもあり、アロマオイルの罠を仕掛けてウルたちを捕らえるなどルチアと酷似した手法を用いる。またディレクターズカット版では二人で会話を交わすイベントが追加されている。
パーティメンバーのうち一人が彼女に拘束されるシリーズ恒例の拷問イベントがある。
レニ・カーティス
声 - 中村大樹
サピエンテス・グラディオの暗殺部隊「鉄の爪」の隊長。筋肉質なスキンヘッドの大男。年齢は26歳。秘密結社の幹部でありながら、根は正直者のお人好しで、任務中以外は地下鉄で老婆に席を譲ったり、チンピラに絡まれている人を助けたりしている。暗算が得意だったり、若い頃に着ていた服をほつれひとつ無く取っておくなど、几帳面な部分もある。
サントマルグリット島の監獄にて、ロジャー奪還のため現れたウル達と交戦。部下は全員打ち倒され「鉄の爪」の最後の一人となるも、レニは最後までウル達に立ち塞がり、モンスター「ゴッドハンド」に変身して死闘の末敗北した。最後は自らの手で壁に開けた大穴から身を投げる。
しかし終盤の隠しイベントでは生存していることが判明し、決着をつけた場でウルと再会する。組織がなくなった以上戦う理由もなくなったことを明かし、これからどうするかはゆっくり考えてみると告げ、ウルにかつて使っていたジャケットを渡す(デザインはウルが本作で普段から着ているジャケットそのもので、これがウルの最強防具となる)。また、彼に恩を受けた「鉄の爪」の戦闘員の唯一の生き残りと出会うイベントもあり、その生き残りも組織崩壊後は真っ当な人生を歩んでいた。
続編である『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』では、主人公であるジョニーの執事として登場している。
ビクトル
声 - 熊岡正浩
司教の肩書きを持つ秘密結社の幹部。使い魔を操る他、剣術にも長ける男でラスプーチンから一目置かれている。ラスプーチンに皇帝暗殺の命を受け、宮殿に潜入したところウルたちに遭遇し対決。ウルたちに撃退され姿をくらまし、その後、あと一歩で皇帝を暗殺するというところで天井から現れたウルに倒されて気絶した。アナスタシアがビクトルとラスプーチンの密会現場を写真に収めたことにより、ラスプーチンによる皇帝暗殺の陰謀が皇帝に知られることとなる。

大日本帝国

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本作における最終的な敵対勢力。

加藤 政二(かとう まさじ)
声 - 金光宣明
大日本帝国海軍特務機関の特佐[7]。年齢は29歳[4]。土いじりが趣味。かつては地質分析官[8]として上海に派遣された軍曹で、川島よし子中佐の部下として動いていた。帰国後、川島の隠密に加担した容疑で軍法会議にかけられたが石村外務大臣に引き取られ、以後は外交で世界各国を転々としている。かつての上司の死を境に、臆病だが誠実で温和だった性格は寡黙な軍人へと変わった。以後は魔術的な知識と力を得て、石村の片腕として動くことになる。
ニコルとの密約によりエミグレ文書を手に入れ、そのエミグレの秘術を利用して、川島よし子の遺髪から彼女の遺伝子を組み込んだ桜花を造りだす。そして以前に造りだしていた人造人間、雷電と飛燕とともに三猿衆(みましらしゅう)を結成させる。
桜花には冷たく対応するものの、他の二人とは違って機械を埋め込まず生身の肉体にしたり、彼女が命令違反を犯した際は激情をあらわにするなど並ならぬ固執を見せていた。
アスタロト(ニコル)との戦いで桜花を失った後は、今の世に絶望し全てを消し去る決意をウル達に表明する。その際に「愛する者を二度失った」と述べている(そういう意味ではウルもまたアリスを二度失っている)。エミグレの秘術の時空を歪める力を応用し、飛鳥石舞台に秘された荒神の力をヨリワラにすることで巨大な銅鐸(どうたく)を出現させた。加藤は時間を巻き戻すことで現代を消滅させ、今の世を作った人々がまだ生まれ出ぬ時代から現在を違った未来にしようと目論む。
倭に眠る荒神達の力を借りて、古代史上最強の荒魂(あらみたま)「素戔鳴(すさのお)」に変身し、巨大な武神の姿となり、周囲に死した三猿衆の魂を八坂瓊勾玉・八咫鏡・草薙剣として従えて最後の決戦に臨んだ。敗北の際は心配するウルに対して「これでいい…、これでいいのだ」と言い残し、現代に帰る方法を告げ、光の粒子となって消え去った。
素戔鳴(すさのお)
飛鳥・石舞台に秘された荒神の力を得た加藤の戦闘形態。本作におけるラストボスである。最後の敵に恥じぬ強さを持っており、生半可な実力で挑めば返り討ちにされる。三猿衆の魂が具現化した三種の神器八咫の鏡草薙の剣八尺瓊勾玉)を従える。
雷電(らいでん)
声 - 島香裕
加藤が率いる三猿衆の1人、“聞かザル”の雷電。加藤特佐に造られた1番目の人造人間。怪力だけでなく、巨大な充電池による放電も武器とする。義理堅く、人情に厚い性格。
桜花は機械を埋め込まれていない普通の人間と同じ体であることや、加藤の想い人の生まれ変わりであることを見ぬき、加藤と共に家庭を作ることも出来ようと、飛燕に「なんとしても二人だけは死なせたくない」と告げており、飛燕も同じ気持ちだと同調した。ラストダンジョンの銅鐸では加藤を守るため、雷を司る神・雷神となって飛燕と共にウル達に最後の勝負を挑み、忠義の果てに敗れ去った。
雷神
雷電が宿した荒神の一柱。最終決戦にてこの形態へと変身し、名前の通り雷を駆使した戦法を見せる。
飛燕(ひえん)
声 - 河本邦弘
加藤が率いる三猿衆の1人、“言わザル”の飛燕。加藤特佐に造られた2番目の人造人間。右腕に仕込まれた鋼鉄すら簡単に切り裂く長刀と、風の如き敏捷性を武器とする。雷電や飛燕は元は上海で死に掛けていた身であり、医者にも見放されていたところを加藤に救われたという経緯があり、加藤を命の恩人として強く慕っている。ラストダンジョンの銅鐸では加藤を守るため、風を司る神・風神となって雷電と共にウル達に最後の勝負を挑み、忠義の果てに敗れ去った。
風神
飛燕が宿した荒神の一柱。最終決戦にてこの形態へと変身し、名前の通り風を駆使した戦法を見せる。
桜花(おうか)
声 - 中山さら
加藤が率いる三猿衆の1人、“見ザル”の桜花。エミグレ文書の技術を応用し、かつての加藤の上官である川島よし子の遺伝子を基として3番目に造られた人造人間。三猿衆の他の2人と違い機械的な改造は受けておらず、純粋に生身の体で、サイコキネシスやテレポート等の超能力や拳銃を武器とする。
川島よし子としての記憶はなく、加藤に忠実な別人格を持っている。加藤に、かつての想い人の代わりでも構わない、少しでも加藤の役に立つことと加藤の傍で同じ時を過ごすことだけが自分の望みであると告げている。不死山でのラストアスタロトとの死闘後、ニコルの攻撃から加藤を庇って死亡した。このことを加藤は「愛する者を二度失った」とウルに告げており、未来に対する絶望を抱かせてしまった。
ラストバトルでは雷電、飛燕と共に一つの魂として加藤に力を貸した。
石村 貫太郎(いしむら かんたろう)
声 - 西松和彦
大日本帝国外務大臣。日本の内閣を影で操る、本作における黒幕的存在。部下からは「閣下」と呼ばれている。大陸でのクニ創りに野望を燃やし、川島浪速の暗殺計画など様々な謀略を張り巡らす。その一環として加藤の才覚に目をつけ、彼を特佐に引き上げ己が片腕とし、彼に諜報活動を命じる。
労咳を患っており余命いくばくもない状態で、残り少ない時間に焦りを感じている。ウルの父親・日向甚八郎とは旧友であり、石村は独白で今でも日向を友と呼んでいる。彼もまた川島浪速に師事した人間で、日向甚八郎と共に彼の弟子として過ごしてきた。祖国のために命を懸けた日向と自分の志は同じだと思っており、それを日向の息子ウルが阻むことに戸惑いを隠せないことも作中で語っている。
アスタロトがニコルの肉体を支配して去り、藤堂技研も全焼したのちに屋敷へと乗り込んできたウルを前にしても死を恐れず、自分の理想と目的を明かす。日本を西洋の列強から護るため、大陸に根を張り国力を蓄える目的でロシア侵出を企み、ロシアの皇位継承権を持つニコルを拉致し、藤堂に異能を取り除かせたうえで、彼を自分が作る「新生ロシアの神輿」にしようと考えていた。そこへ石村の孫・小助が祖父を守るためにウルに掴み掛かると、石村は今までの泰然自若とした態度を崩し、ウルにすがりついて「どうか孫の命だけは助けてくれ!」と懇願する。それを聞いたウルは「お前だけじゃない、誰にだって愛する者はいる」と蹴りつけるが、孫を前にして非情になることはできず、追い続けてきた黒幕である石村を殺せずにそのまま去ることとなる。
雅藍(がらん)
声 - 梅津秀行
石村の命を受け、謀略の影で暗躍する陰陽師公家を思わせる化粧と服装をしており、常に宙に浮く不思議な座布団に座っている。ライブラリによれば、安倍晴明から数えて十八代目の正当な血筋で、現在は白寿を迎えた顔面に深い皺が所狭しと刻まれ、ウルやアナスタシアばかりかライブラリの項目にすら「キモい」と評されているが、若い頃は驚くほどの美男だったという。
「陣」を構成することで亜空間に大規模な結界を作り、そこにウル達を閉じ込めたり、蔵人を洗脳して操ったりと、その言動に恥じぬ強力な陰陽道の力を持つ。ウル達には威厳ある態度を取っているのだが、ウルからは「とっちゃん坊やの陰陽師」と呼ばれ、浮く座布団ばかり注目されてパーティーの誰からも真面目に相手にされず、逆上するなどギャグキャラとしての色合いが強い。
戦闘の際には閻魔大王を自らに憑依させ、「閻魔・雅藍」となって大幅に強化された形態となって登場する。ウル達とは二度戦い、激戦の末に死亡するが、終盤の隠しダンジョンでは霊体の「五道転輪・雅藍」として復活しており、展開によっては三度戦うこととなる(この時点で蔵人からは悪霊扱いされている)。
寺田 寿之(てらだ としゆき)
声 - 坂口候一
石村の腹心。大日本帝国陸軍の新式装甲師団、鉄奇兵隊隊長。階級は中佐。所属は金剛隊。
謀略の歯車を担う屈強な体格の男性。武人然とした男性で、部下達のことを思いやる一方で、石村のためにはどんなに手を汚すことも、自身の命を投げ出すことも厭わない。石村の屋敷に乗り込んできたウル達を止めるべく交戦するが、部下は全員討死し、彼自身も覚悟を決め、機動兵器・神無月を用いて最後の戦いを繰り広げ敗北。最後まで石村の身を案じながら死亡した。
藤堂(とうどう)
声 - 宮澤正
帝国陸軍の兵器開発部門、藤堂技術研究所の責任者。自分の好きな研究に没頭する毎日で、政治や世の中の動向にはまるで興味がない。石村からニコルの精神に宿るアスタロトの抽出を依頼され、また藤堂自身も怪物の魅力に取り付かれ実験を開始。ニコルの自我が崩壊するまでアスタロト分離実験を続けたため、アスタロトは契約者の肉体を乗っ取り現世に降臨。結果、藤堂技研は全焼し、彼自身も責任を負わせられることを恐れ、最終兵器・富岳(ふがく)に搭乗し、ウル達の抹殺を図るが敗北。富嶽の爆発に巻き込まれ爆死した。
金田 虎蔵(かなだ とらぞう)
声 - 星野充昭
ウル達が誘拐された川島芳子を助けるため乗り込んだ「戦艦・三笠」の艦長。大日本帝国海軍中将。東郷平八郎元帥より艦を任された知将。たまたま横浜に補給に立ち寄っていただけだったのだが、石村の命を受けて動いている寺田中佐の作戦に巻き込まれることとなる。そのため元々ウル達と敵対の意思はなかった。
川島 浪速(かわしま なにわ)
声 - 仲木隆司
大陸浪人。前作で、上海にて謀殺された川島よし子の父親。モデルは満蒙独立運動中国語版で知られる大陸浪人、川島浪速。ウルの父である日向甚八郎や石村外務大臣の師でもある。娘の死を機に権力闘争からは身を引いている。今では清王朝の息女を養子に取り、帝都で静かに祖国の行く末を見守っている。娘の墓参りのために横浜を訪れていた折に、石村の刺客に襲われ、ウル達と出会う。イベントなどでは実娘のよし子のことは「良子」と呼んでいる。
川島 芳子(かわしま よしこ)
声 - 清水こずえ
もう一人の川島よしこ。清王朝の第十四王女だが、現在は川島浪速に養女として引き取られ、帝都で暮らしている。モデルは前作の川島よし子と同様、東洋のマタ・ハリと呼ばれた川島芳子であるが、どちらも史実通りという訳ではない。危機を救ってくれたブランカをポチと呼んで可愛がっていた。現在の福引協会会長であるキースがスカウトした福引協会のイメージガールという顔も持つ。

協力者たち

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ロジャー・ベーコン
声 - 我修院達也
イギリスのウェールズ地方に住む、シリーズおなじみの「変な生き物」。700年以上を生きる伝説の大魔術師。モデルは哲学者のロジャー・ベーコン。自称「愛と平和を愛する、永遠のスターチルドレン」。ゲーム開始直後、サピエンテス・グラディオに誘拐され、サントマルグリット島の特別牢獄にて、鉄仮面を被せられて幽閉されていた。初登場時に無意味な名前入力画面を表示する演出は健在で、キャラの名前変更ができない本作ではこの為だけに名前入力画面が用意されている(ウル曰く「あんたのために作るの大変なんだから」)。
アリス・エリオット
声 - 沢口千恵
前作のヒロイン。前作におけるバッドエンドルートでウルに代わって呪いを受け死亡している。ウルの最愛の女性で、ゼペットの義理の姪。死亡した後もウルの心の奥に宿り、その深い愛情でウルを暖かく包み込んでいた。心を殺すヤドリギの呪いでもウルと彼女を繋ぐ愛を消すことはできなかった。なお、物語の終盤でウルとアリスが対話する場面が、ディレクターズカット版ではリアルタイムムービーからプリレンダリングムービーに変更されている。
終盤では生き返りかけるも失敗。一瞬だけ復活しウルに微笑みを見せて消滅した。その後、彼の精神世界にて再び再会。彼女との接触によりウルは迷いを晴らし、ヤドリギの呪いによるパワーダウンを完全に克服した。
グッドエンドではヤドリギの呪いに囚われたウルの前に現れ、彼を救い出し共に天へと旅立っていった。「幸せを見つける」ことこそが呪いを解く唯一の方法であった。そしてウルの魂は「アリスと出会った頃に戻りたい」という無意識の願いにより、「シャドウハーツ」の始まりまで導かれた。
アルバート・サイモン
声 - 郷里大輔
前作の黒幕。神降ろしの儀式を実践し、世界を破壊することで新たな世界の再生を試みるも、降臨した神と共にウル達に倒された魔術師。しかしその悪行は、弟子であるラスプーチンの野望を阻止することも目的であり、友であるヨウィスの反対を押し切って行った最終手段で、破壊神アモンとの契約もアスモデウスへの対抗のためであったことが明かされる。年齢は300歳以上[4]。本来、ヤドリギの呪いはアルバートを倒すための切り札であったこともラスプーチンの口から語られている。
現在ではアモンの魂と共に、ウルの心の中にある葛城の風の森で穏やかに隠居している。あるイベントでウルと再会した際には「友人」として彼の迷いを聞き、導いた。終盤の隠しイベントではアモンを凌駕する力、ネオ・アモンを解放したアルバートと戦うことも出来る。
ネオ・アモン
「鏡の向こうに隠された更なる力」を見せたアモンの強化形態。前述のように終盤の隠しバトルにて戦うことになる。見事打ち勝てば最強の悪魔の魂を得てネオ・アモンへのフュージョンが可能となる。
日向 甚八郎(ひゅうが じんぱちろう)
声 - 田中秀幸
大日本帝国海軍特務機関所属の少佐(1893年当時)[9]。ウルの父親。故人。息子と同様、フュージョン(降魔化身術)の使い手であり、前作に引き続き最強の敵である天凱凰としてウルに一騎討ちの勝負を仕掛けてくる。キャラクターデザインは前作と比べ若々しく、よりウルとそっくりになっている。
極秘任務を遂行するため、妻アンヌと息子ウルを連れ中国大陸へ渡った。仕事で大陸各地を転々としていたが、日本へ戻ってきた時にアンヌと出会い、その際にアンヌから一目惚れされ、ともに生きるうちに互いに愛し合うようになったという。
天凱凰(てんがいおう)
前作と同様に今作でも最強のフュージョンモンスターとして登場。宇宙の果てから飛来する「超神(前作のラスボス)」でさえも恐れる存在。前作ではウルの強制フュージョンにより彼に取り込まれたが、すぐに逆転して逆に彼を支配しようとしたが、日向甚八郎の魂により抑えつけられた。以後は大佐のフュージョンモンスターとして力を貸す。終盤の隠しイベントにてウルと一騎討ちの勝負となり、見事打ち勝てば再生を司る神の魂を得ることが可能。その強さはゲームバランスを崩壊させるほどに凄まじい。
日向 アンヌ(ひゅうが アンヌ)
ウルの母親。日向甚八郎の妻。ロシア人。ウルの話によると、日向とは海外から仕事で日本にやって来た時に出会い、その時に一目惚れしたらしく、息子には初恋の人の名前を付けたのだという。日向が上海で激闘を繰り広げていた間隙を突かれ、徳壊の配下から襲撃を受けた際にウルを庇ったことで死亡し、結果的にウルのフュージョン能力を引き出させることとなった。
リングの魂
会うたびに攻撃回数を増やすリングアイテムを渡してくれる精霊。最初は神秘的な雰囲気を漂わせ、口調も威厳あるものだったが、徐々に所帯じみた本来の性格を露わにする。実は45歳の妻子持ちで、妻の名前は「雅(みやび)」、娘は「亜弥(あや)」、出身地は千葉。娘には過保護で愛妻家。それでいて本人曰く、生まれた時からリングの魂だったとのこと。また、娘は続編『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』にて、新たなリングの魂として登場し、この父親もわずかながら出演する。
グラン・ガマ
声 - 千葉繁
プロレスの開祖である伝説のレスラーで、ヨアヒムの師匠。モデルはインド出身の伝説のレスラー、グレート・ガマ。年齢は36歳[4]。インド出身でカレー好き。世界各地に青空リングと名付けた特設リングを設置し、世にプロレスを広める活動をしている。サブイベントにおいて、彼に一対一で勝つ事でヨアヒムは新たな「マッスルアーツ」を習得できる。また、肉体と精神を極限まで試される究極の試練「漢祭り(おとこまつり)」の現チャンピオン「グラン・はてな?」としての顔も持つ。師弟ともども異常なテンションで、毎回熱いやりとりを披露しているが、あまりの熱さにヨアヒムすら「あーしんどいだっち…」と漏らすシーンもある。
ヨアヒムとは師弟ということもあり、戦闘時の攻撃モーションが酷似している。
ジャンヌ
声 - 清水こずえ
ドンレミ村に暮らす8歳の少女。父が拾ってきた狼の子にブランカと名づけ、家族のように可愛がっていた。父親とは死別しており、母親と二人で暮らしている。サピエンテス・グラディオが教会を襲撃した際、人質となってしまう。その後、サピエンテス・グラディオの夜襲によって命を落としたが、以後はウルの心の中で、彼の幸せを探しながら、ヤドリギの呪いに苦しみ葛藤する彼を見守り、時には導いていく。ライブラリによれば「物語の行く末を見守る乙女」。ドンレミ村は、同名の聖女ジャンヌ・ダルクの生誕地でもある。
ピエール・マジメル
マジメル兄弟の双子の兄。腕のいい仕立屋であり、ゼペットの昔の仕事仲間。兄弟そろってオネエ言葉で喋るオカマだが、感情が昂ぶって男言葉になることも。かなりの気分屋でもある。年齢は50歳[4]。マッチョな男性の裸体が描かれた“ビルダーカード”と引き換えに、コーネリアの衣装(衣装によってゼペットの属性が変化する)を仕立ててくれる。
ジェラール・マジメル
マジメル兄弟の双子の弟。兄と共に諸国を巡る道具屋。すさまじい商売人根性で、ダンジョンの奥底まで兄と一緒に愛車で乗りつけては、ウル達に道具を売りつける。続編の『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』にも登場する。
トーマス・エドワード・ロレンス
声 - 坂口候一
英国情報部の諜報員。モデルは「アラビアのロレンス」として知られるイギリス軍人、トーマス・エドワード・ロレンス。年齢は37歳[4]。極秘裏にサピエンテス・グラディオの内偵を進めており、ウル達に秘密結社の情報提供をした。ルチアの子供の頃からの知り合いで彼女に好意を抱いており、アラビアでの仕事が終わったら共に暮らそうとルチアにプロポーズし、彼女にドレスを贈るイベントもある。
ヨウィス・エイプラハム
声 - 有本欽隆
オスマントルコギョレメの谷に住まう盲目の隠者。元東方正教会大主教。サピエンテス・グラディオの創設者。年齢は70歳以上[4]
かつては友であるアルバート・サイモンと共に、サピエンテス・グラディオにて人類平等の理想を実現させようと活動しており、ラスプーチンを弟子に迎えたが、魔王の力を得たラスプーチンの裏切りに遭い結社を追放される。友に意気地の無さを失望され、弟子の野望も阻止できなかった自分に失望して隠者となった。ウルの心に眠るアモンの魂を蘇らせるため、ウルに試練を与え、その儀式で力を使い果たしたことより帰らぬ人となる。
カルラ
声 - 一城みゆ希
イタリアのフィレンツェで占いの館を経営する元占い師兼踊り子。年齢は70歳[4]。ルチアとベロニカの師匠でもある。現在は優れたマネージメントでルチアの占いを支えている。政府高官や大金持ちに対しても顔色ひとつ変えず物を言い、金をふんだくる肝っ玉の太い人物。若い頃はその美貌で男達を翻弄し、自分の実力で一花咲かせようと夢を追っていた。
かつてはサピエンテス・グラディオからの勧誘を受けて結社に加わり、後継者にと弟子ベロニカを育てていたが、あまりにも行き過ぎた結社の活動に嫌気がさして結社を抜ける。その後、結社の追っ手から逃げてフィレンツェに辿り着き、ルチアと共に暮らすこととなる。道を誤ったベロニカの罪を償うことが自分の願いであるとルチアに明かしている。
エドガー
声 - 八木光生
ロシア皇室御用達の時計職人。ロシア皇帝や皇后からの信頼も厚い。アナスタシアのカメラや武器は彼が製作したもの。実はかなりの「銀の天使」マニアでそのアイテムを持って彼を訪ねると、執拗に譲ってくれるようねだってくる。また、彼の製作と思われるカメラを続編である『シャドウハーツ・フロム・ザ・ニューワールド』の主人公が使用している。
犬神 咲(いぬがみ さき)
声 - 田中敦子
ウルの生まれ故郷である葛城の風の森を守護する犬神家の現頭首で、蔵人の母。ウルの父・日向甚八郎の実の妹でもある。日向の血を引くため、彼女も降魔化身術が使える。
強力な霊力を持ち、犬神の里にある宿禰の泉を使ってウル達を導く。ライブラリによれば、犬神家に嫁いで来たのは今から二十年も前のことだが、今も年齢不詳の美貌を保っているという。扱うフュージョンモンスターは「紅艶姫」。真紅の羽衣と炎を扱う、二対の腕を持った天女の姿となる。その力は強力だが、アスタロトの襲撃を受けた際には精神を乗っ取られ操られてしまった。
夢枕に現れた亡き夫の言に従い、蔵人に試練を課すサブイベントもあり、彼女との一騎討ちに勝利すれば蔵人の心に眠る鬼の力・狩天童子を扱えるようになる。また、ウルに似た性格の持ち主でもあり、アナスタシアの前でうっかりその一面を暴露してしまい、「妖艶で華麗な美しい未亡人」のイメージを守るために、娘が生まれた時にと用意していた羽織を贈り、息子の許嫁と認めることで口止めをするというサブイベントもある。
紅艶姫
咲が従えるフュージョンモンスター。真紅を基調とした天女のような姿になる。前述のようにアスタロトに洗脳された際に一度戦うが、終盤の隠しイベントでは息子との一騎討ちとなる。その際は洗脳された時とは比べ物にならない強さを見せる。蔵人は母を越えるため隠された更なるフュージョンモンスター「鬼の力・狩天童子」を解放。母に打ち勝てば以後は自由に使用が可能。

登場する地名

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フュージョンモンスター

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ウルの精神世界「グレイヴヤード」にて「ソウルエナジー」を注ぎ込む(ソウルチャージ)ことで手に入る各属性のモンスターの魂。復活後もモンスターにソウルチャージをすることで、さらに強化することが出来る。属性ごとにさまざまな特徴がある。第三形態のフュージョンモンスターを手に入れるには、ソウルエナジーを溜めるだけではなく、「ソウルドロップ」というアイテムを入手し、召喚された影のモンスターを倒す必要がある。

地属性
大地の力を持ったフュージョンモンスター。「ヴァスティタス」「ソルム」「ガウディオン」の三種類。第三形態のガウディオンは山そのもののような巨大な獣である。全体的に物理防御力が高く、物理防御力を高める固有技や、SPを回復する固有技を持つ。
水属性
水の力を持ったフュージョンモンスター。「アムニス」「マーレ」「ペネフィキウム」の三種類。第三形態のペネフィキウムは空中を浮遊する水龍の姿をしている。全体的に回避率が高く、回避率を高める固有技や、単体ながら大量のHP(体力)を回復する固有技を持つ。
火属性
火の力を持ったフュージョンモンスター。「キャロル」「バルバリア」「ファイデス」の三種類。第三形態のファイデスは燃えるような鎧をまとい巨大な剣を持った騎士の姿をしている。全体的に物理攻撃力が高く、物理攻撃力を高める固有技や、炎による広範囲の攻撃技などの固有技を持つ。
風属性
風の力を持ったフュージョンモンスター。「マラキア」「グラーノ」「リベルティス」の三種類。第三形態のリベルティスは六枚の翼を持った巨鳥の姿をしている。全体的に敏捷性が高く、敏捷性を高める固有技や、状態異常を回復させる固有技を持つ。
光属性
光の力を持ったフュージョンモンスター。「ラディウス」「ピュエラ」「ミセラティー」の三種類。第三形態のミセラティーは空中を浮遊する天使のような姿をしている。全体的に特殊防御力が高く、特殊防御力を高める固有技や、気絶を回復させる固有技を持つ。
闇属性
闇の力を持ったフュージョンモンスター。「ノクス」「オクレシス」「ソムニオン」の三種類。第三形態のソムニオンは空中を浮遊する黒い悪魔の姿をしている。全体的に特殊攻撃力が高く、特殊攻撃力を高める固有技や、敵のMP(魔力)を吸収する固有技を持つ。
無属性
アモン
アスタロトやアスモデウスと肩を並べる最強の破壊神と称され、破壊の魅力に惑わされない強い意志を持つ者にしか力を与えない。鋼鉄のような漆黒の肌と巨大な翼手目の翼が特徴。
ネオ・アモン
アルバートにより禁断の力を解放されたアモン。一度融合者が使い方を誤ればこの世の全てを消失させるだけの力を持つ最強の悪魔。アモンよりも一回り大きく、赤と黄色の模様がある。
天凱凰(てんがいおう)
前作よりウルの心の奥に眠っていた古神(いにしえがみ)。ウルの魂の共鳴によってこの世に再臨した。創造と破壊の力を共有し、全ての思いを可能にする最強の力。フュージョン時はウルの原型に刺青と四枚の黒い翼を生やしたような姿となる。

スタッフ

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  • 監督・演出・脚本:町田松三
  • 美術監督:大澤隆将
  • キャラクターデザイン:加藤美也子
  • プログラム監督:濱本泉
  • モーションディレクター:豊田剛
  • バトルシステムデザイン:石田健博
  • ギミックデザイン:佐藤孝至
  • サウンドディレクター:井元啓富
  • 楽曲:弘田佳孝
  • ゲストコンポーザー:光田康典伊藤賢治

主題歌

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「月恋花」
作曲:弘田佳孝、作詞:長谷川久美子、歌:諌山実生

関連商品

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書籍
パチスロ
  • シャドウハーツII(2009年、ミズホ
  • SLOTシャドウハーツII -運命の道標-(2015年、ユニバーサルブロス)
その他
  • SHADOW HEARTS II Original Soundtracks (オリジナルサウンドトラック)
  • シャドウ ハーツ2 オルゴール「月恋花」
  • シャドウ ハーツ2 プレミアムスコア「月恋花」
  • シャドウハーツ オリジナルブレンド アロマオイル「ウル」

脚注

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  1. ^ a b c 電撃オンライン『シャドウハーツII』インタビュー”. 電撃オンライン. 2004年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月1日閲覧。
  2. ^ 「ARMED FANTASIA」「PENNY BLOOD」,クラファン支援総額が2億円を突破。金子彰史氏と町田松三氏による特別対談が公開に”. 4gamer.net (2022年9月20日). 2024年11月1日閲覧。
  3. ^ シャドウハーツ公式サイト:シャドウハーツII>設定資料”. www.shadowhearts.net. 2019年2月12日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h 『シャドウハーツ2 公式ナビゲーションガイド』のキャラクターの項より。
  5. ^ 『シャドウハーツ2 ザ・コンプリートガイド 電撃プレイステーション』の「制作秘話」(町田松三監督へのインタビュー)では、「カレンを欲した理由は単にウルへの劣等感からです」と書かれている。
  6. ^ 『シャドウハーツ2 ザ・コンプリートガイド 電撃プレイステーション』の「制作秘話」の項より。
  7. ^ 実在しない架空の階級であるが、『シャドウハーツ2 ザ・コンプリートガイド 電撃プレイステーション』の「制作秘話」の項によれば「大佐と中佐の間に位置する階級」という設定であると書かれている。
  8. ^ 前作『シャドウハーツ』登場時のライブラリでは、地形分析官となっていた。
  9. ^ 前作『シャドウハーツ』登場時の1899年では、大日本帝国陸軍特務機関所属の大佐となっていた。

関連項目

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外部リンク

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