シティーズ・オブ・ザ・ハート〜ライヴ1993
『シティーズ・オブ・ザ・ハート〜ライヴ1993』 | ||||
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ジャック・ブルース の ライブ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1993年11月2日 - 3日 ドイツ ケルン E-Werk[1] | |||
ジャンル | ロック、ジャズ・ロック、ブルースロック、ハードロック | |||
時間 | ||||
レーベル | CMPレコード | |||
プロデュース | ジャック・ブルース、カート・レンカー、ウォルター・クィントゥス | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ジャック・ブルース アルバム 年表 | ||||
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『シティーズ・オブ・ザ・ハート〜ライヴ1993[注釈 1]』(原題:Cities of the Heart)は、スコットランドのミュージシャン、ジャック・ブルースが1994年に発表したライブ・アルバム。1993年11月2日と3日にブルースの50歳の誕生日を記念して開かれたケルン公演[2]の模様が収録された。
解説
[編集]同公演にはジンジャー・ベイカー、ゲイリー・ムーア、サイモン・フィリップス、クレム・クレムソンらがゲストに迎えられ、クリーム時代の曲ではムーアとベイカーが参加してスーパーグループ「BBM」の結成につながった[3][4]。またバーニー・ウォーレルやゲイリー・クーパーといったPファンク系のミュージシャンも参加しており、ウォーレルはブルースの次作『モンクジャック』(1995年)に全面参加した[5]。「シップス・イン・ザ・ナイト」は当時の最新作『サムシン・エルス』(1993年)の収録曲で、マギー・ライリーがスタジオ・ヴァージョンと同様にボーカリストとしてゲスト参加した[5]。
ブルース没後の2014年12月には、同公演の映像作品『ライヴ・イン・ジャーマニー1993』が発売され、同作のスペシャル・エディション盤には、ドキュメンタリーDVDおよび、本作で外された曲が収録されたボーナスCDも付属している[4]。
Glenn Astaritaはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ブルースの特に有名な所属バンドである、1960年代のロック・パワー・トリオ『クリーム』だけでなく、彼のキャリア全般における興味深い洞察力を示している」「彼はここで、何曲かのソウルフルなバラードを披露したかと思えば、サクソフォーン奏者のディック・ヘクストール=スミスやドラマーのジンジャー・ベイカーと共にフリー・ジャズの領域に乗り出し、"Born Under a Bad Sign"はブラス・セクションが効果的に使用され、活力に満ちたR&Bとなっている」と評している[6]。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はジャック・ブルースとピート・ブラウンの共作。ディスク1の#3と#4はインストゥルメンタル。
ディスク1
[編集]- キャン・ユー・フォロー "Can You Follow?" – 1:56
- ランニング・スルー・アワー・ハンズ "Running Through Our Hands" (Jack Bruce, Pete Brown, Janet Godfrey) – 4:13
- オーヴァー・ザ・クリフ "Over the Cliff" (J. Bruce, Jerry Goldsmith) – 3:46
- スタチューズ "Statues" (J. Bruce) – 7:36
- ファースト・タイム・アイ・メット・ザ・ブルース "First Time I Met the Blues" (Eurreal Montgomery) – 4:46
- スマイルス&グリンズ "Smiles & Grins" – 9:48
- バード・アローン "Bird Alone" – 9:55
- ネイバー・ネイバー "Neighbor, Neighbor" (Alton Joseph Valier) – 5:31
- ボーン・アンダー・ア・バッド・サイン "Born Under a Bad Sign" (William Bell, Booker T. Jones) – 6:17
ディスク2
[編集]- シップス・イン・ザ・ナイト "Ships in the Night" - 5:20
- ネヴァー・テル・ユア・マザー "Never Tell Your Mother She's Out of Tune" - 4:18
- 想像されたウェスタンのテーマ "Theme for an Imaginary Western" - 5:59
- ゴールデン・デイズ "Golden Days" (J. Bruce) - 5:38
- ライフ・オン・アース "Life on Earth" (J. Bruce) - 5:21
- NSU "N.S.U." (J. Bruce) - 6:28
- トップ・オブ・ザ・ワールド "Sitting on Top of the World" (Lonnie Chatmon, Walter Vinson) - 6:51
- 政治家 "Politician" - 5:39
- スプーンフル "Spoonful" (Willie Dixon)- 9:13
- サンシャイン・ラヴ "Sunshine of Your Love" (J. Bruce, P. Brown, Eric Clapton) - 8:07
参加ミュージシャン
[編集]- ジャック・ブルース - ボーカル、ベース、ピアノ
- マギー・ライリー - ボーカル(ディスク2 - #1)
- ゲイリー・クーパー - ボーカル(ディスク2 - #4、#10)
- ピート・ブラウン - ボーカル(ディスク2 - #8)、パーカッション(ディスク2 - #10)
- クレム・クレムソン - ギター(ディスク1 - #5、#6、#7、#8、#9 / ディスク2 - #1、#2、#3、#4、#10)
- ゲイリー・ムーア - ギター(ディスク2 - #5、#6、#7、#8、#9)
- バーニー・ウォーレル - ハモンドオルガン(ディスク1 - #6、#7、#8、#9 / ディスク2 - #1、#3、#4、#10)、ピアノ(ディスク1 - #7)
- マルコム・ブルース[注釈 2][7] - シンセサイザー(ディスク1 - #6)、アコースティック・ギター(ディスク2 - #1、#10)
- ジョナス・ブルース[注釈 3][8] - ピアノ(ディスク1 - #9)、シンセサイザー(ディスク2 - #10)
- フランソワ・ガルニエ - ベース(ディスク2 - #1、#2、#3、#4、#10)
- ゲイリー・ハズバンド - キーボード(ディスク1 - #2)、ドラムス(ディスク1 - #6、#7)、ピアノ(ディスク2 - #1、#10)
- ジンジャー・ベイカー - ドラムス(ディスク1 - #3、#4、#5 / ディスク2 - #6、#7、#8、#9、#10)
- サイモン・フィリップス - ドラムス(ディスク1 - #8、#9 / ディスク2 - #1、#2、#3、#4、#5、#10)
- ディック・ヘクストール=スミス - サクソフォーン(ディスク1 - #3、#4、#5、#6、#8、#9 / ディスク2 - #2、#10)
- Art Theman - サクソフォーン(ディスク1 - #6、#8、#9 / ディスク2 - #2、#10)
- ヘンリー・ロウサー - トランペット(ディスク1 - #8、#9 / ディスク2 - #2、#10)
- ジョン・マンフォード - トロンボーン(ディスク1 - #8、#9 / ディスク2 - #2、、#10)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2021年の日本流通盤CD (IACD10712)の帯に準拠。日本初回盤CD (JICK-89721/2)の邦題は『バースデー・ギグ〜ライヴ・ベスト』、1997年再発CD (CRCL-4019/20)の邦題は『バースデイ・ギグ〜ライヴ・ベスト〜』だった。
- ^ ブルースの次男。母親はブルースの最初の妻ジャネット・ゴドフレー。1970年生まれ。
- ^ ブルースの長男。1969年生まれ。1997年10月に重篤な喘息発作で急逝。
出典
[編集]- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ Shapiro (2010), p. 313.
- ^ Shapiro (2010), pp. 254–255.
- ^ a b “ジャック・ブルース、1993年ドイツでの50歳バースデイ記念スペシャル・ライヴがDVDで初登場!”. CDJournal. 音楽出版社. 2022年7月11日閲覧。
- ^ a b “JACK BRUCE – Cities Of The Heart”. DMME.net. 2022年7月11日閲覧。
- ^ Astarita, Glenn. “Jack Bruce - Cities of the Heart Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年7月11日閲覧。
- ^ “Discogs”. 2024年12月9日閲覧。
- ^ Shapiro (2010), p. 260.
引用文献
[編集]- Shapiro, Harry (2010). Jack Bruce: Composing Himself: The Authorised Biography by Harry Shapiro. London: A Genuine Jawbone Book. ISBN 978-1-906002-26-8