シグルド・ホフマン
シグルド・ホフマン Sigurd Hofmann | |
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生誕 |
1944年2月15日 チェスカー・カメニツェ(チェコ共和国) |
死没 | 2022年6月17日 (78歳没) |
居住 | フランクフルト・アム・マイン |
国籍 | ドイツ |
研究分野 | 物理学 |
研究機関 | ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン |
博士課程 指導教員 | エグバート・カンケライト |
主な業績 | 重イオン反応生成物の分離 |
プロジェクト:人物伝 |
シグルド・ホフマン (Sigurd Hofmann、1944年2月15日 - 2022年6月17日)[1] は、超重元素に関する研究で知られるドイツの物理学者である。専門は、核分光法と重イオン反応である。
伝記
[編集]ホフマンは、1963年に卒業したグロース=ウムシュタットのマックス・プランク高校在学中に自身の物理学への愛に気づいた。ダルムシュタット工科大学で物理学を学び、1969年にディプロマを得て、1974年にエグバート・カンケライト及びカール・ウィーンの下、核物理学研究所で博士号を取得した。1974年から1989年まで、重イオン研究所の速度分離機SHIPにより重イオンの反応で合成される原子核の検出と同定を担当した。彼は、ペーター・アルムブルスターが率いた核化学II学部で働いた。1989年からは、ゴットフリート・ミュンツェンベルクの後を継いで、新元素の合成実験を率いた。1998年からは、ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マインの名誉教授を務めている。
彼は、ダームスタチウム[2]、レントゲニウム[3]、コペルニシウム[4]を発見した実験を指揮した。また、ボーリウム[5]、ハッシウム[6]、マイトネリウム[7]を発見した実験においても、多大な貢献をしている。また、ロシアのドゥブナ合同原子核研究所のフリョロフ核反応研究所で行われたフレロビウムの発見にも関わり[8]、また、彼の研究グループは、同研究所でのフレロビウム及びリバモリウム[9]合成の際の測定データを確認した。彼は、陽子ドリップライン上に位置する多くの新しい同位体を同定し、その中には、原子核の基底状態からの陽子を放出する初めてのケースとなる151ルテチウムもあった[10]。
受賞等
[編集]- 1984年 - ドイツ物理学会物理学賞(ゴットフリート・ミュンツェンベルク、ウィリボード・ライスドルフ、カール=ハインツ・シュミットとともに)
- 1996年 - フランクフルト市オットー・ハーン賞(ゴットフリート・ミュンツェンベルクとともに)
- 1996年 - スロバキアのコメンスキー大学数学物理学部の名誉博士号
- 1997年 - ドゥブナ合同原子核研究所からゲオルギー・フリョロフ賞
- 1998年 - ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン名誉教授
- 1998年 - 国際純粋・応用物理学連合からSUN-AMCOメダル
- 2001年 - ドゥブナ合同原子核研究所の名誉博士号
- 2002年 - ドゥブナ合同原子核研究所から"First prize"
- 2004年 - ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ大学フランクフルト・アム・マイン物理学部ディスティングイッシュトプロフェッサー
- 2006年 - ヴィルヘルム・レントゲン生誕のレムシャイト=レンネップ市からレントゲンメダル
- 2009年 - ドイツ研究センターヘルムホルツ協会から"Helmholtz Professor"
- 2011年 - ポーランド科学アカデミーからニコラウス・コペルニクス賞
- 2011年 - ニコラウス・コペルニクス大学からトルン市メダル
所属組織
[編集]著書
[編集]- Sigurd Hofmann: On Beyond Uranium - Journey to the end of the Periodic Table. In: Science Spectra Book Series, Volume 2, V. Moses, Series Editor, ISBN 0-415-28495-3 (hardback), ISBN 0-415-28496-1 (paperback), Taylor and Francis, London and New York, 2002, 216 Seiten, online
- Sigurd Hofmann: Synthesis of superheavy elements by cold fusion. Radiochimica Acta Band 99, 2011, S. 405-428, online
- Sigurd Hofmann and Gottfried Munzenberg: The discovery of the heaviest elements. In: Reviews of Modern Physics, Band 72, 200, S. 733-767, online
- Sigurd Hofmann: Proton radioactivity. In: Nuclear decay modes, D.N. Poenaru, Editor, ISBN 0-7503-0338-7, IOP Publishing Ltd, 1996, S. 143-203
出典
[編集]- ^ “ZEIT ONLINE | Lesen Sie zeit.de mit Werbung oder im PUR-Abo. Sie haben die Wahl”. 2022年12月23日閲覧。
- ^ S. Hofmann et al.: Production and decay of 269110. In: Zeitschrift fur Physik A: Hadrons and Nuclei. volume 350, 1995, p. 277-280
- ^ S. Hofmann et al.: The new element 111. In: Zeitschrift fur Physik A: Hadrons and Nuclei. Volume 350, 1995, p. 281-282
- ^ S. Hofmann et al.: The new element 112. In: Zeitschrift fur Physik A: Hadrons and Nuclei. Volume 354, 1996, p. 229-230
- ^ G. Munzenberg et al.: Identification of element 107 by α correlation chains. In: Zeitschrift fur Physik A: Atoms and Nuclei. Volume 300, 1981, p. 107-108
- ^ G. Munzenberg et al.: The identification of element 108. In: Zeitschrift fur Physik A: Atoms and Nuclei. Volume 317, 1984, p. 235-236
- ^ G. Munzenberg et al.: Observation of one correlated α-decay in the reaction 58Fe on 209Bi → 267109. In: Zeitschrift fur Physik A: Atoms and Nuclei. Volume 309, 1982, p. 89-90
- ^ Yu.Ts. Oganessian et al.: Synthesis of nuclei of the superheavy element 114 in reactions induced by 48Ca. In: Nature Volume 400, 1999, p. 242-245
- ^ S. Hofmann et al.: The reaction 48Ca + 248Cm → 296116* studied at the GSI-SHIP In: The European Physical Journal A: Hadrons and Nuclei Volume 48, 2012, Article 62, p. 1-23
- ^ S. Hofmann et al.: Proton radioactivity of 151Lu. In: Zeitschrift fur Physik A: Atoms and Nuclei. Volume 305, 1982, p. 111-123
外部リンク
[編集]- Sigurd Hofmann: Physics experiments on superheavy elements at the GSI-SHIP. In: The 4th International Conference on the Chemistry and Physics of the Transactinide Elements. In: Sochi, Russia, 6.-10. September, 2011, online
- Martyn Poliakoff of the University of Nottingham, UK, at GSI: online