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ザ・フー・バイ・ナンバーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『ザ・フー・バイ・ナンバーズ』
ザ・フースタジオ・アルバム
リリース
録音 1975年4月 - 5月
ジャンル ロック
時間
レーベル ポリドール・レコード(UK)
MCAレコード(US)
プロデュース ザ・フー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 7位(イギリス)[2]、8位(アメリカ)[3]
  • ザ・フー アルバム 年表
    オッズ&ソッズ
    (1974年)
    ザ・フー・バイ・ナンバーズ
    (1975年)
    フー・アー・ユー
    (1978年)
    テンプレートを表示

    ザ・フー・バイ・ナンバーズ』 (The Who by Numbers) は、1975年に発表されたイギリスロックバンドザ・フースタジオアルバムプロデューサーグリン・ジョンズ。旧邦題は『ロックンロール・ゲーム』。

    解説

    [編集]

    四重人格』(1973年)以来約2年ぶりとなるオリジナルアルバム。プロデュースには『フーズ・ネクスト』(1971年)にも参加したグリン・ジョンズが、またピアノニッキー・ホプキンスが同じく『フーズ・ネクスト』以来久々に参加した。レコーディングは1975年4月30日から4週間にわたり、シェパートン・スタジオに移動式スタジオを持ちこんで行われた。「ブルー・レッド・アンド・グレイ」のみ、ピート・タウンゼント所有のイールパイ・スタジオで収録された。ロジャー・ダルトリー映画『リストマニア』の撮影の影響で遅れて参加している[4]

    本作は『フーズ・ネクスト』以来のノン・コンセプトアルバムとなる(ただし、『フーズ・ネクスト』は当初『ライフハウス』というロックオペラとして制作されていたため、最初からノン・コンセプトアルバムとして制作されたのは2枚目のアルバム『ア・クイック・ワン』(1966年)以来となる)。シンセサイザーを大々的に用い、効果音まで取り入れ、重厚かつ複雑なサウンド作りがなされた前作『四重人格』とは打って変わり、本作では必要最低限のコンボで、比較的シンプルな音造りがなされている。タウンゼントの詞作面でも大きな変化が現れており、仕事の重圧や堕落した音楽業界への皮肉、また家庭内の問題など、現実的かつ個人的な問題をテーマにしたものが多く、タウンゼントのソロ作品とみなすファンもいる[5]。パッケージもシングル・スリーブでシンプルなものとなっている。ジャケットのイラストはジョン・エントウィッスルによるもので、これは彼の息子が持っていた塗り絵から着想を得たものである[6]

    当時のザ・フーは、マネージャーのキット・ランバートを相手に金銭問題による訴訟合戦を抱えており、その上タウンゼントは音楽業界全体に幻滅していた頃で、非常にモチベーションが低下していたと見られる。さらにニュー・ミュージカル・エクスプレス紙のインタビューで自身の苦悩や不満を赤裸々に語り、そのインタビュー内でダルトリーに対する批判まで行った。その数週間後には同じ紙面で今度はダルトリーがタウンゼントへ辛辣な返答を行ったことにより、一気にザ・フー解散の噂が広まった[5]。この解散説を払拭するかのようにザ・フーはこの年の10月から翌1976年にかけ、これまでにない大規模な世界ツアーを敢行する。ツアーの途中キース・ムーン急性アルコール中毒で倒れるなどのアクシデントがあったものの、グループは1976年のローリング・ストーン誌が選ぶ最優秀グループに選ばれ、復活を印象付けて見せた。だが、これが結果的にムーンと行った最後のツアーとなる[7]

    本作からは「スクイーズ・ボックス/サクセス・ストーリー」がシングルカットされ、イギリスではトップ10入りした[2]

    リイシュー

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    1996年リマスターリミックス版がリリースされる。本作には未発表曲や未発表テイクはなく、1976年のスウォンジー公演からの3曲のライブ音源がボーナス・トラックとして収録されている。2011年には日本限定でオリジナルのマスターテープから起こした最新リマスター版がリリースされた。

    収録曲

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    特記なき限り、ピート・タウンゼント作詞・作曲。

    Side One
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    1.「スリップ・キッド(Slip Kid)」  
    2.「ハウエヴァー・マッチ・アイ・ブーズ(However Much I Booze)」  
    3.スクイーズ・ボックス(Squeeze Box)」  
    4.「ドリーミング・フロム・ザ・ウエイスト(Dreaming from the Waist)」  
    5.「イマジン・ア・マン(Imagine a Man)」  
    Side Two
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    6.「サクセス・ストーリー(Success Story)」(John Entwistle)  
    7.「ゼイ・アー・オール・イン・ラヴ(They Are All in Love)」  
    8.「ブルー・レッド・アンド・グレイ(Blue, Red and Grey)」  
    9.「ハウ・メニー・フレンズ(How Many Friends)」  
    10.「イン・ア・ハンド・オア・ア・フェイス(In a Hand or a Face)」  
    1996 reissue bonus tracks
    #タイトル作詞作曲・編曲時間
    11.「スクイーズ・ボックス(ライヴ)(Squeeze Box <Live at Swansea Football Ground on 12 June 1976>)」  
    12.ビハインド・ブルー・アイズ (ライヴ)(Behind Blue Eyes <Live at Swansea Football Ground on 12 June 1976>)」  
    13.「ドリーミング・フロム・ザ・ウエイスト (ライヴ) (Dreaming from the Waist <Live at Swansea Football Ground on 12 June 1976>)」  

    脚注

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    1. ^ a b 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』(アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年ISBN 978-4-401-63255-8)332頁。
    2. ^ a b The Who | full Official Chart History | Official Charts Company:
    3. ^ The Who - Chart history | Billboard:
    4. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』(アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年ISBN 978-4-401-63255-8)291頁。
    5. ^ a b 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』(アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年ISBN 978-4-401-63255-8)286頁。
    6. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』(アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年ISBN 978-4-401-63255-8)294頁。
    7. ^ 『エニウェイ・エニハウ・エニウェア』(アンディ・ニール、マット・ケント著、佐藤幸恵、白井裕美子訳、シンコーミュージック刊、2008年ISBN 978-4-401-63255-8)299頁。

    外部リンク

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