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サンルイスオビスポ郡 (カリフォルニア州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カリフォルニア州サンルイスオビスポ郡
サンルイスオビスポ郡の位置を示したカリフォルニア州の地図
郡のカリフォルニア州内の位置
カリフォルニア州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1850年
郡庁所在地 サンルイスオビスポ
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

9,365 km2 (3,616 mi2)
8,557 km2 (3,304 mi2)
857 km2 (331 mi2)
人口
 - (2020年)
 - 密度

282,424人
ウェブサイト www.slocounty.ca.gov

サンルイスオビスポ郡(サンルイスオビスポぐん、: San Luis Obispo County)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州セントラルコーストにある郡である。ロサンゼルス市とサンフランシスコ・ベイエリアの中間に位置する。人口は28万2424人(2020年)[1]郡庁所在地サンルイスオビスポ市である。

サンルイスオビスポ郡はサンフランシスコやロサンゼルスから離れていることもあって、田園的な性格を残し、古いカリフォルニアの名残を豊富に留めている。通常「セントラル・コースト」と呼ばれるこの地域は、州内の他の海岸地域よりも田園が残り、農業に依存している。1772年にフニペロ・セラ神父がサンルイスオビスポ・デ・トロサ伝道所を設立し、その伝道所は今日でもサンルイスオビスポ市中心街の活動中心となっている。郡内には小規模の地域社会が海浜、海岸丘陵部およびサンタルシア山脈の山岳部に散らばっており、農業漁業および観光業が盛んである。

歴史

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サンルイスオビスポ郡の前史時代は、数千年前のミリングストーン・ホライズンの時代からここに定着したチュマシュ族インディアンの影響を強く受けてきた。例えば、モロベイやロスオソスのような海岸地域には重要な集落が存在した[2][3]

サンルイスオビスポ・デ・トロサ伝道所の玄関と鐘楼、教会の外にはフニペロ・セラ神父の彫像が立っている

サンルイスオビスポ・デ・トロサ伝道所が現在のサンルイスオビスポ市となった所に1772年9月1日に設立された。

サンルイスオビスポ郡は、1850年にカリフォルニアがアメリカ合衆国の州になったときからの郡である。

地理

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アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は3,616平方マイル (9,364 km2)であり、このうち陸地は3,304平方マイル (8,558 km2)、水域は311平方マイル (806 km2)で水域率は8.61%である。

スタインベックの小説に何度も登場するサリナス川バレーがサンルイスオビスポ郡から北に延びている。ソーダ湖に近いカリフォルニア・バレーは近代でも最も未開発の地域である。この地域やアメリカ国道101号線東の丘陵部を野生の花が咲く季節に旅すると大変美しい景観に接し、また土地のワイン醸造所でワインの試飲を楽しむこともできる。

サンルイスオビスポ市
オセアノの砂丘
アビラ桟橋
モロベイの船泊まり

都市と町

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サンシメオンの町は、新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストが有名なハースト城を建設した丘陵の麓にある。その他海岸の町としては、サンルイスオビスポ市の北側にカンブリア、モロベイ、およびカユコスがあり、南側にはアビラビーチやアロヨグランデ、グロバービーチ、オセアノ、ピスモビーチおよびシェルビーチの5都市がある。この5都市の直ぐ南にあるニポモがサンタバーバラ郡との郡境である。内陸部のサリナス川沿いにパソロブレス、テンプルトンおよびアタスカデロの都市が有り、パソロブレスワイン生産地に近い。カンブリアの南には人口18人と州内で最も小さな町であるハーモニーがある。

都市 人口(人)
アロヨグランデ 15,851
アタスカデロ 26,242
グロバービーチ 13,067
モロベイ 10,350
パソロブレス 28,953
ピスモビーチ 8,551
サンルイスオビスポ 48,160

未編入国勢調査指定地域(CDP)

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CDP 人口(人)
ベイウッド=ロスオソス 14,351
カンブリア 6,232
カユコス 2,943
レイクナシミエント 2,176
ニポモ 12,626
オセアノ 7,260
サンミゲル 1,427
シャンドン 986
テンプルトン 4,687

未編入の町

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  • アビラビーチ
  • カリフォルニア・バレー
  • チョラーメ
  • ハルシオン
  • ハーモニー
  • ロスオソス
  • ポゾ
  • サンシメオン
  • サンタマルガリータ

隣接する郡

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国定自然保護地域

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  • カリゾ平原国立保護区(部分)
  • グアダルーペ=ニポモ砂丘国立野生生物保護区(部分)
  • ロスパドレス国立の森(部分)

交通

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主要高規格道路

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  • アメリカ国道101号線
  • カリフォルニア州道1号線
  • カリフォルニア州道41号線
  • カリフォルニア州道46号線
  • カリフォルニア州道58号線
  • カリフォルニア州道166号線
  • カリフォルニア州道227号線
  • カリフォルニア州道229号線

公共交通

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郡内および都市間交通はアムトラックの列車やグレイハウンドとオレンジベルト・ステージズのバスやが走っている。サンルイスオビスポ地域交通局が国道101号線沿いとモロ湾、ロスオソス、およびサンシメオンなど郡全体にバス便を運行している。

サンルイスオビスポ、アタスカデロおよびパソロブレスの各都市は独自のバス便を運行しており、それらは全てサンルイスオビスポ地域交通の経路に接続している。

空港

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  • サンルイスオビスポ郡地域空港が市の直ぐ南にある。ここから商業便が利用できる。
  • パソロブレス市民空港はパソロブレス市の北東にあり、ここにはカリフォルニア・ハイウェイパトロールとカリフォルニア州消防部の事務所、およびエストレラ・ウォーバーズ博物館がある。

政治

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大統領選挙の結果
共和党 民主党 その他
2008年 46.1% 61,055 51.4% 68,176 2.0% 3,924
2004年 52.7% 67,995 45.5% 58,742 1.8% 2,313
2000年 52.2% 56,859 40.9% 44,526 6.9% 7,501
1996年 46.5% 46,733 40.2% 40,395 13.3% 13,372
1992年 34.7% 36,384 38.4% 40,136 26.9% 28,099
1988年 55.9% 46,613 42.7% 35,667 1.4% 1,187
1984年 63.7% 49,035 35.0% 26,946 1.3% 969
1980年 55.6% 38,631 29.5% 20,508 14.9% 10,388
1976年 51.2% 27,785 45.9% 24,926 2.9% 1,587
1972年 56.0% 28,566 40.7% 20,779 3.3% 1,688
1968年 51.3% 19,420 41.8% 15,828 7.0% 2,633
1964年 40.1% 14,906 59.8% 22,252 0.1% 28
1960年 54.0% 17,862 45.3% 14,975 0.7% 218
1956年 58.5% 16,223 41.1% 11,407 0.4% 118
1952年 65.4% 17,716 33.9% 9,174 0.8% 213
1948年 53.5% 10,325 42.1% 8,135 4.4% 844
1944年 48.9% 7,793 50.6% 8,068 0.5% 75
1940年 45.3% 7,204 53.4% 8,499 1.4% 217
1936年 37.3% 4,812 61.1% 7,889 1.6% 205
1932年 28.6% 3,449 65.8% 7,933 5.6% 680
1928年 60.8% 5,425 37.4% 3,336 1.8% 159
1924年 49.0% 3,804 9.4% 731 41.6% 3,226
1920年 61.3% 4,123 23.9% 1,606 14.8% 996

サンルイスオビスポ郡は概してアメリカ合衆国大統領選挙や連邦議会選挙では共和党支持に傾く傾向にある。しかし、2008年の大統領選挙ではバラク・オバマが投票数の51,2%を得票した[4]。これより前に民主党が過半数を取ったのは1964年のリンドン・B・ジョンソンだった。

連邦議会下院では、郡の海岸部は第23選挙区に入り、2010年時点で民主党議員が、内陸部は第22選挙区に入り、2010年時点で共和党議員が務めている。カリフォルニア州議会では下院の第33、上院の第15選挙区に入り、いずれも共和党議員が務めている。

2008年4月、カリフォルニア州州務省の報告では郡内の登録有権者総数は147,326人だった。このうち 61,226人 (41.6%)は共和党を、52,586人 (35.7%)は民主党を、8,030人 (5.4%)は他の政党を支持し、25,484人 (17.3%)は支持政党を表明しなかった。グロバービーチ、モロベイおよびサンルイスオビスポ市は多数あるいは過半数が民主党を支持し、郡内の他の市町村は共和党を支持している。

経済

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郡経済の根幹はおよそ2万人の学生がいるカリフォルニア州立ポリテクニック大学であり、他に観光業と農業である。州内のワイン生産量ではソノマ郡ナパ郡に次いで第3位である。ワイン用ブドウは郡内最大の農産物であり、ワイン生産量が直接郡経済に影響し、さらにワインカントリーとして成長している観光産業にも影響を与えている

郡の経済は脱工業化経済と言うことができ、サービス産業経済と分類することもできる[5]

政府が「サービス職」と分類するところの就業者は全雇用者の38%であるが、実際のサービス業はさらに大きいはずである。政府関係職は20.7%であり、これもサービス業に分類できる。金融、保険および不動産業もサービス産業に分類できる。サービス業と小売業を合わせると郡内就業者の75%となる。製造業従事者は6%に満たない。

人口動態

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以下は2000年国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 246,681人
  • 世帯数: 92,739世帯
  • 家族数: 58,611家族
  • 人口密度: 29人/km2(75人/mi2
  • 住居数: 102,275軒
  • 住居密度: 12軒/km2(31/mi2

人種別人口構成

主たる言語による人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 21.7%
  • 18-24歳: 13.6%
  • 25-44歳: 27.0%
  • 45-64歳: 23.3%
  • 65歳以上: 14.5%
  • 年齢の中央値: 37歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 105.6
    • 18歳以上: 105.2

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 28.2%
  • 結婚・同居している夫婦: 50.4%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 9.1%
  • 非家族世帯: 36.8%
  • 単身世帯: 26.0%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 10.3%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.49人
    • 家族: 3.01人

収入

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収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 42,428米ドル
    • 家族: 52,447米ドル
    • 性別
      • 男性: 40,726米ドル
      • 女性: 27,450米ドル
  • 人口1人あたり収入: 21,864米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 12.8%
    • 対家族数: 6.8%
    • 18歳未満: 11.4%
    • 65歳以上: 5.9%

脚注

[編集]
  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 14 September 2023閲覧。
  2. ^ Terry L. Jones and Kathryn Klar (2007) California Prehistory: Colonization, Culture, and Complexity, Published by Rowman Altamira ISBN 0759108722, 408 pages
  3. ^ C.Michael Hogan (2008) Morro Creek, ed. by A. Burnham
  4. ^ Map of Election Results, County-by-County: The New York Times
  5. ^ ECONOMIC VITALITY CORPORATION

外部リンク

[編集]

座標: 北緯35度23分 西経120度27分 / 北緯35.38度 西経120.45度 / 35.38; -120.45