コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

サラ・パレツキー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サラ・パレツキー
Sara Paretsky
サラ・パレツキー(2009年)
誕生 (1947-06-08) 1947年6月8日(77歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国アイオワ州
職業 推理作家
言語 英語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
最終学歴 カンザス大学シカゴ大学
活動期間 1982年 -
ジャンル ハードボイルド
代表作 V・I・ウォーショースキー シリーズ
主な受賞歴 2004年:ゴールド・ダガー賞
(『ブラック・リスト』にて)
デビュー作 『サマータイム・ブルース』(1982年)
公式サイト サラ・パレツキー公式サイト
テンプレートを表示

サラ・パレツキーSara Paretsky1947年6月8日[1] - )は、アメリカ合衆国作家[1]推理小説探偵小説を得意とする。代表作にシカゴを舞台に女性私立探偵 V・I・ウォーショースキーの活躍を描くデビュー作『サマータイム・ブルース』("Indemnity Only"、1982年)、『センチメンタル・シカゴ』("Killing Orders"、1985年)などのヴィク・シリーズがある。

パレツキーはアイオワ州エームズ生まれ、カンザス州で育つ。カンザス大学で政治学を学んだのち、シカゴ大学で博士号を取得する。その後はイリノイ州シカゴに居住し活動を続けている[2]

V・I・ウォーショースキー

[編集]

サラ・パレツキーの創作したシカゴの探偵 V・I・ウォーショースキー (V. I. Warshawski) 。元弁護士。Vはヴィクトリアの略。ミドルネームのIは、聞かれても人に教えることはほとんどない。仕事の場では「V・I」で通す。愛称として、女性的でない「ヴィク」を本人は好み、父の古い同僚であるボビー・マロリー警部だけが「ヴィッキー」と呼んでいる[3]。デビューしてからシリーズとともに年齢を重ねている。

ウォーショースキーの人物像について、簡単に書くと次のようになる。

  • 身長5フィート8インチ。体重130ポンド[4]
  • 黒ラベル(スコッチウイスキー)とイタリア料理を好む。[5]
  • 料理は好きだが掃除は苦手[6]
  • 空手が得意。調査のいと口をつかむため住宅に侵入することもある[7]
  • 母親の希望で習っていたオペラ音楽を要所要所で口ずさむ。
  • 離婚経験者[8]で、独身。男性とのプライベートな交際も時に楽しむ。

ウォーショースキーは、持ち前の気性の激しさ、直情径行、自立心の強さから幾たびとなく危険な目にあうが、 自分を曲げずに犯人と戦うところが読者に支持されている[9]

パレツキーの描く探偵小説の筋書きは、次のように典型的なスリラーの形式を踏襲している。

  1. 小説の冒頭部では、ある犯罪(しばしば、大企業に関係する。)を隠匿するために殺人事件が起きる。
  2. その後も、殺人事件が連続して起きる。
  3. ウォーショースキーは、殺人者とクライマックスで対峙し辛くもその魔の手から逃れる。

舞台であるシカゴのスティーブンソン高速道路英語: Stevenson Expresswayシカゴ・カブスのシーズン中の苦戦など、シカゴの風物が詳細に描かれている。

1991年、ジェフ・カニュー監督、キャスリーン・ターナー主演で映画化(邦題「私がウォシャウスキー」)。1996年にはNHKで、松坂慶子主演、丸山昇一脚本により「女にも七人の敵」の題で翻案テレビドラマ化されている。

受賞歴

[編集]

著書

[編集]
V・I・ウォーショースキー シリーズ
# 邦題 原題 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
日本の旗
ISBN 日本の旗
1 サマータイム・ブルース Indemnity Only 1982年 1985年6月 山本やよい ハヤカワ・ミステリ文庫 4-15-075351-2
2 レイクサイド・ストーリー Deadlock 1984年 1986年3月 4-15-075352-0
3 センチメンタル・シカゴ Killing Orders 1985年 1986年9月 4-15-075353-9
4 レディ・ハートブレイク Bitter Medicine 1987年 1988年7月 4-15-075354-7
5 ダウンタウン・シスター Blood Shot 1988年 1989年9月 4-15-075355-5
6 バーニング・シーズン Burn Marks 1990年 1991年4月 4-15-075356-3
7 ガーディアン・エンジェル Guardian Angel 1992年 1992年9月 ハヤカワ・ノヴェルズ 4-15-207759-X
8 バースデイ・ブルー Tunnel Vision 1994年 1994年10月 4-15-207877-4
9 ヴィク・ストーリーズ(短編集) Windy City Blues 1995年 1994年9月 ハヤカワ・ミステリ文庫 4-15-075359-8
10 ハード・タイム Hard Time 1999年 2000年12月 ハヤカワ・ノヴェルズ 4-15-208308-5
11 ビター・メモリー Total Recall 2001年 2002年12月 4-15-208463-4
12 ブラック・リスト Blacklist 2003年 2004年9月 4-15-208595-9
13 ウィンディ・ストリート Fire Sale 2005年 2006年6月 4-15-208731-5
14 ミッドナイト・ララバイ Hardball 2009年 2010年9月 ハヤカワ・ミステリ文庫 978-4-15-075371-9
15 ウィンター・ビート Body Work 2010年 2011年9月 978-4-15-075372-6
16 ナイト・ストーム Breakdown 2012年 2012年9月 978-4-15-075374-0
17 セプテンバー・ラプソディ Critical Mass 2013年 2015年1月 978-4-15-075375-7
18 カウンター・ポイント Brush Back 2015年 2016年12月 978-4-15-075376-4
19 フォールアウト Fallout 2017年 2017年12月 978-4-15-075377-1
20 クロス・ボーダー Shell Game 2018年 2021年9月 978-4-15-075378-8
21 ペインフル・ピアノ Dead Land 2020年 2022年11月 978-4-15-075380-1
22 コールド・リバー Overboard 2022年 2024年2月 978-4-15-0753825
23 Pay Dirt 2024年
その他の作品
# 邦題 原題 刊行年
アメリカ合衆国の旗
刊行年月
日本の旗
訳者 出版社
日本の旗
ISBN 日本の旗
1 ゴースト・カントリー Ghost Country 1998年 1998年8月 山本やよい ハヤカワ・ノヴェルズ 4-15-208174-0
2 沈黙の時代に書くということ―ポスト9・11を生きる作家の選択 Writing in an Age of Silence 2007年 2010年9月 早川書房 978-4-15-209155-0
3 ブラッディ・カンザス Bleeding Kansas 2008年 2009年1月 ハヤカワ・ノヴェルズ 978-4-15-208993-9

脚注

[編集]
  1. ^ a b サラ パレツキーとは - コトバンク
  2. ^ 『カウンター・ポイント』カバーそで
  3. ^ 【サマータイム・ブルーズ」訳者あとがき
  4. ^ 『わたしのボスはわたし』廣済堂出版、2001年7月、29頁
  5. ^ 『わたしのボスはわたし』廣済堂出版、2001年7月、33頁
  6. ^ 『わたしのボスはわたし』廣済堂出版、2001年7月、33頁
  7. ^ 『わたしのボスはわたし』廣済堂出版、2001年7月、52頁
  8. ^ 「サマータイム・ブルース」
  9. ^ 『わたしのボスはわたし』廣済堂出版、2001年7月、15頁

外部リンク

[編集]