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サイプリア宗谷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
サイプリア宗谷
鴛泊港に接岸する「サイプリア宗谷」
基本情報
船種 フェリー
船籍 日本の旗 日本
所有者 ハートランドフェリー
運用者 ハートランドフェリー
建造所 内海造船瀬戸田工場[1]
航行区域 沿海[2]
船級 JG[2]
信号符字 JD2499
IMO番号 9425007
MMSI番号 431000521
経歴
起工 2007年6月21日[2]
進水 2008年1月20日[2]
竣工 2008年4月22日[1]
就航 2008年5月1日[1]
現況 就航中
要目
総トン数 3,555 トン[3][1]
載貨重量 623 重量トン[1]
全長 95.70 m[3][1]
垂線間長 86.01 m[3]
全幅 15.00 m[3][1]
深さ 5.40 m[3]
10.0 m(上甲板)[1]
満載喫水 4.0 m[1]
機関方式 ディーゼル
主機関 ダイハツディーゼル 8DKM-28 2基[1]
推進器 固定ピッチプロペラ 2軸[3]
出力 4,700kW[3]
最大速力 20.6ノット[2]
航海速力 19.6ノット[1][2]
航続距離 1,500海里[2]
旅客定員 475名(夏期550名)
乗組員 18名[3]
車両搭載数 8トントラック21台または乗用車55台[1][2]
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サイプリア宗谷(サイプリアそうや)は、ハートランドフェリーが運航しているフェリー。船名は、礼文島固有種であるレブンアツモリソウ(Cypripedium)の学名と、地名接尾辞(-ia)を合わせた造語である。

概要

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クイーン宗谷の代船として内海造船瀬戸田工場で建造され、2008年5月1日に稚内 - 利尻・礼文航路に就航した[1]。本船の就航により、クイーン宗谷は引退、インドネシアへ海外売船された。塗装は「H」をかたどった社章をベースとした日本海を表す濃藍と夕焼け・朝焼けをイメージした茜色のデザインを施す。

航路

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利尻・礼文航路

ボレアース宗谷アマポーラ宗谷と本船の3隻で運航する。

設計

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香深港に接岸する「サイプリア宗谷」

船体は3層構造で最上層が操舵室および旅客区画、その下が旅客区画、最下層が車両搭載区画となっている。礼文・利尻航路に就航する船舶としては初めてフィンスタビライザーを装備してる。

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー新法)に基づいて作成された鉄道・運輸機構の旅客船バリアフリーガイドラインに準拠したバリアフリー高度化船である。通常の船内設備に加えて、高齢者や身障者に対応した客室、多機能トイレ、車いす対応エレベーターなどのバリアフリー設備を備える。

船内

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船内のデザインコンセプトは「心の旅」と「大自然の優しさに目覚める旅」で[2]、内装は髙島屋グループの髙島屋スペースクリエイツが手がけた。

船室

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  • 特別室(1室)
  • 一等 - ラウンジ席、和室(1室)
  • 二等 - イス席、座敷席、優先席(バリアフリー対応)

設備

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  • 案内所
  • 売店

事故・インシデント

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岸壁への衝突

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2008年11月20日、10時38分ごろ、 礼文島香深港の新港中央岸壁へ着岸する際、風速20m/s以上の吹雪で岸壁が見えなくなり、船首が岸壁に衝突した。衝突により本船はバルバス・バウの氷割り板が曲損、付近の外板に亀裂を生じて、船首釣合タンクに浸水した。 事故発生当時、風雪波浪注意報海上強風警報が発令されていた。香深港の天候は曇りで西南西の風約12m/sだったが、岸壁付近では局所的に雪となり約20m/sの西南西の風が吹き、視程は約20mまで低下していた。事故原因は、強風下の入港中、船長が船位、気象状況などを目測のみで確認しており、吹雪により岸壁が見えなかったことで、通常より進入角度および速力が大きいことに気付かなかったため、とされた[3]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 世界の艦船(2008年7月号,p185)
  2. ^ a b c d e f g h i 新造船写真集(25)サイプリア 宗谷 3,600総トン型旅客船兼自動車航送船 - 「船と海のサイエンス」2008年Summer号 17ページ(海上技術安全研究所 Internet Archive)
  3. ^ a b c d e f g h i 運輸安全委員会(海事専門部会) (21 August 2009). 船舶事故等調査報告書 旅客船サイプリア宗谷衝突(岸壁) (PDF) (Report). 運輸安全委員会. 2016年3月3日閲覧

外部リンク

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