コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ケプラー4b

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ケプラー4b
Kepler-4b[1]
海王星(左)とケプラー4b(右)の大きさの比較
海王星(左)とケプラー4b(右)の大きさの比較
星座 りゅう座
分類 太陽系外惑星
ホット・ネプチューン
発見
発見日 2010年1月4日[2]
発見者 ケプラー宇宙望遠鏡
発見方法 トランジット法
軌道要素と性質
軌道の種類 周回軌道
軌道長半径 (a) 0.0456 ± 0.0009 au[3]
離心率 (e) 0.25 ± 0.12[4]
公転周期 (P) 3.21346 ± 0.00022 [3]
軌道傾斜角 (i) 89.76+0.24
−2.05
°[3]
通過時刻 2454956.6127 ± 0.0015 HJD[3]
準振幅 (K) 9.3+1.1
−1.9
km/s[3]
ケプラー4[5]の惑星
位置
元期:J2000.0[6]
赤経 (RA, α)  19h 02m 27.677s[6]
赤緯 (Dec, δ) +50° 08′ 08.71″[6]
距離 1,793 ± 260.8 光年
(550 ± 80 パーセク[3])
物理的性質
直径 51,045 km
半径 0.357 ± 0.019 RJ[3]
表面積 8.154×109 km2
体積 6.924×1013 km3
質量 0.077 ± 0.012 MJ[3]
平均密度 1.91+0.36
−0.47
g/cm3[3]
表面重力 3.16+0.06
−0.10
(log g)[3]
表面温度 1,650 ± 200 K[3]
年齢 45 ± 15 億年[3]
他のカタログでの名称
KOI-7.01[5]
Template (ノート 解説) ■Project

ケプラー4b英語: Kepler-4b)またはKOI-7.01は、海王星と同程度の質量半径を持つ、ケプラー宇宙望遠鏡が初めて発見した太陽系外惑星である。しかし、主星に非常に近く、太陽系のどの惑星よりも高温である[7]。最初にケプラー宇宙望遠鏡によって検出された 、ケプラー4bと他4つの惑星は、後にW・M・ケック天文台の観測によって確認された。そして、2010年1月4日ワシントンD.C.で発見が公表された。

名称と歴史

[編集]

ケプラー4bという名称は、ケプラー4という恒星の周回軌道上で初めて発見された惑星である事に因む。恒星名は、ケプラーが惑星のトランジット(恒星面通過)を観測した順番に名づけられる。ケプラーは、はくちょう座こと座の周辺を観測する。その観測視野内に位置する恒星が、惑星がトランジットを起こすと、恒星の視等級がわずかに減少する。ケプラーは、それを利用して観測を行い、地球に似た惑星を発見する事を目標としている[8]。存在が正式に確認される前の名称、Kepler object of interestにおけるケプラー4bの名称はKOI-7.01である[9]。ケプラー4bは、ケプラーが観測を始めて6週間以内に得られたデータより発見された[10]

その後、W・M・ケック天文台の干渉計によるドップラー分光法を使った観測が行われ、ケプラー4bの質量を求めることに成功した[3]。ケプラー4bの発見は、ケプラーが発見した別の惑星、ケプラー5b6b7b8b[7]と共に、ワシントンD.C.で行われたアメリカ天文学会 第215回会合英語版にて公表された[2]

主星

[編集]

主星ケプラー4は、りゅう座の方向に約550パーセク離れた位置にある。表面温度は5,857Kで、太陽の5,778K[11]よりも、わずかに高温である。質量は、太陽の1.092倍で、半径は1.533倍である[12]。年齢は、45億年と推定されており、これは太陽の約46億年[13]と非常に近い値である。水素によって核融合反応を起こす主系列星の段階を終えつつある[3]

特徴

[編集]
ケプラーが最初に発見した5つの惑星の大きさの比較。ケプラー4bはこの中で最も小さく、紫色で示されている。

ケプラー4bは、主星から0.046au離れた距離を3.213日で公転している[3]。これは、太陽-水星間よりも10倍短い距離である。表面温度は約1,700Kとされている[4]。半径は地球の約4倍で、質量は約25倍である。半径と質量に関しては海王星と似ているが、表面温度は、太陽系で最も高温な金星(735K)よりも、はるかに高温である。最初は、ケプラー4bの軌道離心率は0と仮定されていたが、後の研究で0.25 ± 0.12という値が得られている[4]

出典

[編集]
  1. ^ Planet Kepler-4 b”. The Extrasolar Planet Encyclopaedia. 2017年1月4日閲覧。
  2. ^ a b Rich Talcott (5 January 2010). “215th AAS meeting update: Kepler discoveries the talk of the town”. Astronomy.com. Astronomy magazine. 2017年1月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o William J. Borucki (4 January 2010). "Kepler-4b: Hot Neptune-Like Planet of a G0 Star Near Main-Sequence Turnoff". arXiv:1001.0604v1 [astro-ph.EP]。
  4. ^ a b c Kipping, David; Bakos, Gáspár (2011). “An Independent Analysis of Kepler-4b through Kepler-8b”. The Astrophysical Journal 730 (1): 50. arXiv:1004.3538. Bibcode2011ApJ...730...50K. doi:10.1088/0004-637X/730/1/50. https://iopscience.iop.org/0004-637X/730/1/50/fulltext/. 
  5. ^ a b Kepler Discoveries Table”. NASA. Kepler Mission. 2017年1月4日閲覧。
  6. ^ a b c KOI-7 -- Star”. SIMBAD. 2017年1月4日閲覧。
  7. ^ a b Ron Cowen (2010年1月4日). “Kepler space telescope finds its first extrasolar planets”. Science News. 2017年1月4日閲覧。
  8. ^ Kepler: About the Mission”. Kepler Mission. NASA (2011年). 2017年1月4日閲覧。
  9. ^ Borucki, William J (2011年2月1日). “Characteristics of planetary candidates observed by Kepler, II: Analysis of the first four months of data”. kepler.nasa.gov. 2011年3月7日閲覧。
  10. ^ ケプラーが系外惑星5個を発見”. AstroArts (2010年1月14日). 2017年1月4日閲覧。
  11. ^ Fraser Cain (September 15, 2008). “Temperature of the Sun”. Universe Today. 2017年1月4日閲覧。
  12. ^ Huber, Daniel; Chaplin, William J.; Christensen-Dalsgaard, Jørgen; Gilliland, Ronald L.; Kjeldsen, Hans; Buchhave, Lars A.; Fischer, Debra A.; Lissauer, Jack J. et al. (2013). “Fundamental Properties of Kepler Planet-candidate Host Stars using Asteroseismology”. The Astrophysical Journal 767 (2): 127. arXiv:1302.2624. Bibcode2013ApJ...767..127H. doi:10.1088/0004-637X/767/2/127. https://iopscience.iop.org/0004-637X/767/2/127/article. 
  13. ^ Fraser Cain (16 September 2008). “How Old is the Sun?”. Universe Today. 2017年1月4日閲覧。