コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

グレッグ・ホランド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
グレッグ・ホランド
Greg Holland
カンザスシティ・ロイヤルズ時代
(2015年5月25日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ノースカロライナ州バーク郡モーガントン
生年月日 (1985-11-20) 1985年11月20日(38歳)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2007年 MLBドラフト10巡目
初出場 2010年8月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

グレゴリー・スコット・ホランドGregory Scott Holland, 1985年11月20日 - )は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州バーク郡モーガントン出身のプロ野球選手投手)。右投右打。現在は、フリーエージェント(FA)。

経歴

[編集]

プロ入りとロイヤルズ時代

[編集]

2007年MLBドラフト10巡目(全体306位)でカンザスシティ・ロイヤルズから指名され、プロ入り[1]

2010年8月2日のオークランド・アスレチックス戦でメジャーデビュー。

2011年はAAA級オマハ・ストームチェイサーズからのスタートだったが、13試合で防御率2.08と好成績を収めて5月にメジャー昇格。メジャーでも好投を続け、最終的な成績は46試合で防御率1.80、WHIP0.93、奪三振率11.10だった。後半戦は主にセットアッパーを務め、終盤にはクローザーとして4セーブを記録した[2]。オフにはアーロン・クロウが先発に再転向することが決まり[3]、ホランドにはホアキム・ソリアの後継者として期待が寄せられるようになった[2]

2012年の序盤は絶不調で4月の防御率は11.37だったが、その後は復調。7月31日にジョナサン・ブロクストンシンシナティ・レッズに放出されてからはクローザーに昇格し[4]、16セーブを記録した。

2013年はシーズンを通してクローザーを任され、50回のセーブ機会でアメリカンリーグ2位の47セーブを記録した。なお、シーズン47セーブは球団新記録となった。それまでの球団記録はダン・クイゼンベリージェフ・モンゴメリーが記録した45セーブ。

2014年2月12日にロイヤルズと467万5000ドルの1年契約に合意した[5]。同年もクローザーを任され、2年連続でア・リーグ2位の46セーブを記録した。

2015年もクローザーを務め、32セーブを挙げていたが、過去2シーズン1.00台だった防御率は芳しくなく、3.83だった。不調の予兆は前年のオフからあり、投球フォームが定まらない状態になっていた[6]。結局、9月末に肘の靭帯を損傷している事が判明したため、トミー・ジョン手術を受けることになった[6]。これにより、2016年に投げられるかどうか、不透明な情勢となった。なお、離脱までに挙げていた32セーブはリーグ8位の数字である。オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[7]

ロッキーズ時代

[編集]
コロラド・ロッキーズ時代
(2017年2月20日)

2016年は未所属のまま1年間リハビリに励むと、2017年1月26日にコロラド・ロッキーズと1年契約を結んだ[8]。開幕から抑えを務めると、自身3年ぶり3度目のオールスターに選出された。最終的にはナショナルリーグ最多の41セーブを記録し、セーブ王カムバック賞に輝いた。オフの11月4日にFAとなった[9]

カージナルス時代

[編集]

2018年3月31日にセントルイス・カージナルスと1年1400万ドルで契約を結んだ[10]。傘下のAA級スプリングフィールド・カージナルスでの調整を経て4月9日にメジャー昇格したがカージナルスでは32試合に登板して0勝2敗、防御率7.92、セーブシチュエーションでの登板も僅か3度しか無く、しかも全て失敗と惨憺たる成績だった。7月27日にDFAとなり[11]、8月1日に自由契約となった[9]

ナショナルズ時代

[編集]

2018年8月7日にワシントン・ナショナルズと契約を結んだ[12]。 移籍後は24試合に登板して2勝0敗4ホールド、防御率0.84と復調した。シーズン通算の最終成績は2勝2敗6ホールド、防御率4.66であった。オフの10月29日にFAとなった。

ダイヤモンドバックス時代

[編集]
アリゾナ・ダイヤモンドバックス時代
(2019年6月11日)

2019年1月31日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと1年350万ドル+出来高350万ドルで契約を結んだ[13]。クローザーとして起用され、最初の20登板は防御率1.37と好調だったが、次の20登板は防御率8.44と打ち込まれてしまった。8月7日にDFAとなり[14]、9日に自由契約となった[9]。40登板で1勝2敗17セーブ、防御率4.54の成績だった。

ナショナルズ傘下時代

[編集]

2019年8月13日にナショナルズとマイナー契約を結んだ[15]。オフにFAとなった[16]

ロイヤルズ復帰

[編集]

2020年1月29日にプロ入り時の古巣であるロイヤルズとマイナー契約を結んでスプリングトレーニングに招待選手として参加することになったと報じられ[17]、2月2日に正式公示された。7月23日にメジャー契約を結んで40人枠入りした[18]。この年は28試合に登板して3勝0敗6セーブ、防御率1.91、31奪三振を記録した。オフの10月28日にFAとなった[19]が、12月14日にロイヤルズと1年275万ドルで再契約した[20]。オプションとして最大150万ドルの出来高が含まれる。

2021年は57試合に登板して3勝5敗8セーブ、防御率4.85、53奪三振を記録した。オフの11月3日にFAとなった[9]

レンジャーズ時代

[編集]

2022年3月16日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[9]。4月7日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りしたが[9]、5試合に登板して0勝1敗、防御率7.71と結果を残せず、4月19日にDFAとなり、4月21日にFAとなった[9]

選手としての特徴

[編集]

MLBの投手としては小柄だが、オーバースローから平均95.5mph(約153.7km/h)、最速100mph(約160.9km/h)のフォーシームと切れ味鋭いスライダーを主体とした三振狙いのスタイルが持ち味。この2球種で投球全体の約9割前後を占める。それ以外ではカーブチェンジアップ、2014年からはスプリッターも投げるようになった。

スライダーを投げる割合が非常に高いため、一部で故障の危険性を指摘する声もあった[2]が、その心配は的中し、2016年は手術によってシーズンを全休した。

2014年まで例年フォーシームの球速は平均95.5~96.0mph(約154km/h)を計測していたが、2015年は93.6mph(約150.6km/h)にまで低下した。

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2010 KC 15 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 87 18.2 23 3 8 0 0 23 2 0 15 14 6.75 1.66
2011 46 0 0 0 0 5 1 4 18 .833 233 60.0 37 3 19 3 1 74 7 0 13 12 1.80 0.93
2012 67 0 0 0 0 7 4 16 9 .636 289 67.0 58 2 34 7 0 91 3 1 22 22 2.96 1.37
2013 68 0 0 0 0 2 1 47 1 .667 255 67.0 40 3 18 1 0 103 2 0 11 9 1.21 0.87
2014 65 0 0 0 0 1 3 46 0 .250 240 62.1 37 3 20 0 0 90 9 0 13 10 1.44 0.91
2015 48 0 0 0 0 3 2 32 0 .600 193 44.2 39 2 26 1 0 49 7 0 20 19 3.83 1.46
2017 COL 61 0 0 0 0 3 6 41 1 .333 235 57.1 40 7 26 1 1 70 7 0 24 23 3.61 1.15
2018 STL 32 0 0 0 0 0 2 0 2 .000 132 25.0 34 1 22 2 0 22 0 0 28 22 7.92 2.24
WSH 24 0 0 0 0 2 0 3 4 1.000 80 21.1 9 1 10 0 1 25 0 0 2 2 0.84 0.89
'18計 56 0 0 0 0 2 2 3 6 .500 212 46.1 43 2 32 2 1 47 0 0 30 24 4.66 1.62
2019 ARI 40 0 0 0 0 1 2 17 0 .333 152 35.2 25 5 24 2 0 41 6 0 18 18 4.54 1.37
2020 KC 28 0 0 0 0 3 0 6 2 1.000 112 28.1 20 1 7 1 3 31 1 0 8 6 1.91 0.95
2021 57 0 0 0 0 3 5 8 8 .375 243 55.2 49 9 26 2 1 53 6 1 32 30 4.85 1.35
2022 TEX 5 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 20 4.2 6 3 1 0 0 5 0 0 5 4 7.71 1.50
MLB:12年 556 0 0 0 0 30 28 220 45 .517 2271 547.2 417 43 241 20 7 677 50 2 211 191 3.14 1.20
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル

[編集]

表彰

[編集]

記録

[編集]

背番号

[編集]
  • 56(2010年 - 2015年、2017年 - 2019年)
  • 35(2020年 - 2021年)
  • 40(2022年)

脚注

[編集]
  1. ^ Greg Holland Baseball Stats” (英語). The Baseball Cube. 2015年12月3日閲覧。
  2. ^ a b c David Lesky (2011年12月1日). “Soria v. Holland: The Rumble in the Left Field Bullpen” (英語). Pine Tar Press. 2015年12月3日閲覧。
  3. ^ Dick Kaegel (2011年12月12日). “Crow ready to take on next challenge” (英語). MLB.com. 2015年12月2日閲覧。
  4. ^ Matt Conner (2012年8月1日). “Royals Tag Greg Holland As New Closer After Jonathan Broxton Trade” (英語). SB Nation. Vox Media, Inc. 2015年12月2日閲覧。
  5. ^ “Royals agree to terms with Greg Holland on one-year contract for 2014” (英語). Royals Press Release. (2013年2月12日). http://m.royals.mlb.com/news/article/67685624 2015年12月3日閲覧。 
  6. ^ a b Andy McCullough (2015年10月2日). “Greg Holland undergoes Tommy John surgery, unlikely to pitch in 2016” (英語). THE KANSAS CITY STAR.. 2015年10月16日閲覧。
  7. ^ Jeffrey Flanagan (2015年12月2日). “Royals do not tender contract to Holland” (英語). MLB.com. 2015年12月3日閲覧。
  8. ^ Rox come to terms with former All-Star closer Holland”. MLB.com (2017年1月26日). 2017年2月5日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g MLB公式プロフィール参照。2022年5月4日閲覧。
  10. ^ Joe Trezza (2018年3月31日). “Closer Holland signs deal to join Cardinals” (英語). MLB.com. 2018年5月1日閲覧。
  11. ^ Jenifer Langosch (2018年7月27日). “Cardinals reshape bullpen, look toward future” (英語). MLB.com. 2018年7月31日閲覧。
  12. ^ Kyle Melnick (2018年8月7日). “Nats complete deal with reliever Holland” (英語). MLB.com. 2018年8月8日閲覧。
  13. ^ Steve Gilbert (2019年1月31日). “Holland joins D-backs on 1-year deal” (英語). MLB.com. 2019年2月7日閲覧。
  14. ^ Steve Gilbert (2019年8月7日). “D-backs designate Holland for assignment” (英語). MLB.com. 2019年8月8日閲覧。
  15. ^ ホランド、ナショナルズとマイナー契約で復帰へ”. nikkansports.com. 2019年8月16日閲覧。
  16. ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
  17. ^ Anthony Franco (2020年1月29日). “Greg Holland agrees to minor league deal with Royals” (英語). ESPN. 2020年3月7日閲覧。
  18. ^ Connor Byrne (2020年7月24日). “Royals’ Greg Holland Earns Roster Spot” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年7月24日閲覧。
  19. ^ Manny Randhawa and Paul Casella (2020年11月11日). “2020-21 free agents, position by position” (英語). MLB.com. 2020年11月16日閲覧。
  20. ^ Royals Re-Sign Greg Holland” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月14日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]