グルコノラクトン
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D-グルコン酸 δ-ラクトン[1][2] | |
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(3R,4S,5S,6R)-3,4,5-trihydroxy-6-(hydroxymethyl)tetrahydro-2H-pyran-2-one | |
別称 D-Glucono-1,5-lactone | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 90-80-2 |
PubChem | 736 |
ChemSpider | 6760 |
UNII | WQ29KQ9POT |
日化辞番号 | J1.174F |
EC番号 | 202-016-5 |
E番号 | E575 (pH調整剤、固化防止剤) |
KEGG | D04332 |
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特性 | |
化学式 | C6H10O6 |
モル質量 | 178.14 g mol−1 |
融点 |
151 - 155 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
グルコノラクトン (gluconolactone) は、グルコースの1位のヒドロキシ基がケトンに置き換わった、代表的なラクトンの一種である。別名をグルコノ-δ-ラクトンといい、GDL と略される。
生体内ではグルコース-1-デヒドロゲナーゼの作用によりグルコースから変換される。たとえば、ミツバチは体内でグルコースからグルコノラクトンを作り、蜂蜜に多く含まれる。そのため別名ハチミツ酸とも言われる。
用途
[編集]グルコノラクトンは、天然の食品添加物として使用される。水溶液中では加水分解によりグルコン酸と平衡状態にあり、豆腐やチーズの凝固剤として使用される。また、低温で反応せず均一に発泡するため、ビスケット、パン、ドーナツなどの膨張剤として使用される。甘味とともに酸味があり、酸味料、pH調整剤としてハム、ソーセージやジュースに利用される。天然キレート剤として、化粧品やパック素材として利用されている。
グルコン酸への加水分解率は熱と高pHによって上昇する[3]。
ミョウバン(アルミニウム)の代替
[編集]旧来、ミョウバン(アルミニウムの化合物)は重曹(炭酸水素ナトリウム)を中和、炭酸ガスを発生させるための膨張剤として、ベーキングパウダーに利用されてきた。
しかしながら、アルミニウムの毒性、とりわけアルツハイマーの発症リスクが指摘されている。
これを代替する中和剤としてグルコノラクトンは有用である[4]。
脚注
[編集]- ^ Budavari, Susan, ed. (2001), The Merck Index: An Encyclopedia of Chemicals, Drugs, and Biologicals (13th ed.), Merck, ISBN 0911910131, 4469.
- ^ Beil. 18, V, 5, 11
- ^ Pocker, Y; Green, Edmond (1973). “Hydrolysis of D-glucono-.delta.-lactone. I. General acid-base catalysis, solvent deuterium isotope effects, and transition state characterization”. Journal of the American Chemical Society 95 (1): 113-119. doi:10.1021/ja00782a019. PMID 4682891 .
- ^ 齊藤紅, 簑島良一, 椎葉究「ミョウバンとその代替化合物の添加がパンケーキの膨張と構成タンパク質に与える影響」『日本食品科学工学会誌』第63巻第4号、日本食品科学工学会、2016年、170-175頁、doi:10.3136/nskkk.63.170、ISSN 1341-027X、NAID 130005154272。