グラウンドワーク三島
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グラウンドワーク三島(グラウンドワークみしま)は、日本の特定非営利活動法人(NPO法人)の1つ。静岡県三島市の水辺自然環境の再生と復活を目的として、市内の市民団体により1992年9月に結成され、イギリス発祥の市民・NPO法人・企業・行政のパートナーシップによる環境改善活動である「グラウンドワーク活動」を日本で初めて導入した。
概要
[編集]環境悪化に問題意識を持った市内の8市民団体が、水辺自然環境の再生と復活を目指し、1992年9月に「グラウンドワーク三島実行委員会」を発足させた。1999年10月には特定非営利活動法人の認証を受け、現在では多くの市民団体が参加したネットワーク組織となっている。これまでに、ドブ川と化した源兵衛川の再生、市内から姿を消した水中花(水草)・ミシマバイカモの復活、ホタルの里づくり、学校ビオトープの建設、住民主体による手作り公園の維持管理等、60か所以上のプロジェクトを実践している。
水辺の環境再生から始まった活動は、地域再生、人材育成へと拡大している。現在は地域の人的資源・環境資源を生かし、間伐材を活用した木・竹製品作りや遊休農地を活用した三島そば栽培などの「環境コミュニティ・ビジネス」、中心市街地の空き店舗の活用によるにぎわい再生、実践地を活用した社会的起業やまちづくりの担い手育成、国際環境交流、被災地の子どもの心のケアを目的とした、東日本大震災・熊本地震復興支援「子どもを元気に富士山プロジェクト」などに取り組んでいる[1]。
理事長は小松幸子、副理事長は小野徹、専務理事・事務局長は渡辺豊博(都留文科大学特任教授)。
主な活動
[編集]- 水辺環境再生
- 源兵衛川・中郷温水池の水辺環境の再生
- 自然環境保全再生
- 松毛川(灰塚川)
- 境川・清住緑地
- 宮さんの川・ほたるの里
- 地域の宝再生
- 三島梅花藻の里
- 雷井戸
- 鏡池ミニ公園
- 腰切不動尊
- 窪の湧水
- 手作り公園
- みどり野ふれあいの園
- 鎧坂ミニ公園
- 沢地グローバルガーデン
- 環境教育・視察研修
- 学校ビオトープ(三島市立長伏小学校、静岡県立三島南高等学校、函南さくら保育園など)
- 自然観察会(「鎮守の森探検隊」など)
- 人材育成研修
- 環境コミュニティ・ビジネス
- せせらぎシニア元気工房
- そばつくり隊
- 三島街中カフェ(3店舗)
- 三島農村カフェ
- 海外事業
- 日英若者交流
- 日韓バイカモ交流
- ネパール若者交流
- 震災支援活動「子どもを元気に富士山プロジェクト」
- 「心を元気にするショートツアー」(東日本大震災復興支援活動、熊本地震復興支援活動)
- 「富士山に登って元気になろうツアー」(東日本大震災復興支援活動)
- 「大学生出前寺子屋教室」(東日本大震災復興支援活動)
評価
[編集]- 2005年、土木学会デザイン賞2004「最優秀賞」を受賞。
- 2005年、都市景観大賞「美しいまちなみ大賞」を受賞。
- 2005年、「三島市街中がせせらぎ事業」で、手づくり郷土賞平成17年度(地域整備部門)受賞。
- 2006年、第7回明日への環境賞を受賞[2]。
- 2006年、あしたのまち・くらしづくり活動賞「内閣総理大臣賞」を受賞。
- 2009年、第18回地球環境大賞「環境地域貢献賞」を受賞。
- 2010年、第16回「日韓国際環境賞」を受賞。
- 2011年、第1回地域再生大賞「大賞」を受賞[3]。
- 2011年、手づくり郷土賞平成23年度大賞受賞。
- 2014年、市民普請大賞「グランプリ」を受賞。
- 2015年、第4回生物多様性アワード「優秀賞」を受賞。
- 2015年、第26回緑の環境デザイン賞「国土交通大臣賞」を受賞。
- 2016年、第18回日本水大賞「環境大臣賞」を受賞。
脚注
[編集]- ^ グラウンドワーク三島・組織概要
- ^ “第7回 明日への環境賞 受賞の記録”. 朝日新聞 (2006年4月14日). 2014年7月18日閲覧。
- ^ “初の地域再生大賞は静岡の団体に 準大賞は兵庫と岡山”. 福井新聞 (2011年2月12日). 2014年7月18日閲覧。
参考文献
[編集]- 渡辺豊博『先生、NPOって儲かりますか?―若者たちが地元で賢く生きる方法ぶ』春風社、2016年。
- 渡辺豊博『失敗しないNPO グラウンドワーク三島の20年とイギリスに学ぶ』春風社、2013年。
- 渡辺豊博『共助社会の戦士たち―NPO・社会的企業 成功への処方箋』静岡新聞社、2012年。
- 渡辺豊博『英国発グラウンドワーク―「新しい公共」を実現するために』春風社、2010年。
- 渡辺豊博『清流の街がよみがえった 地域力を結集 グラウンドワーク三島の挑戦』中央法規出版、2005年。
関連項目
[編集]外部リンク
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