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クロロ酢酸メチル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロロ酢酸メチル
Methyl Chloroacetate[1]
識別情報
CAS登録番号 96-34-4
特性
化学式 C3H5ClO2
モル質量 108.52 g mol−1
示性式 ClCH2COOCH3
外観 無色の液体
匂い 刺激臭
融点

-32.1 ℃[2]

沸点

129.5 ℃[2]

への溶解度 5.2 g/100 ml(19.8℃)[2]
有機溶媒への溶解度 エーテルアルコールと混和
ベンゼンアセトンに可溶
危険性
引火点 57 °C (135 °F; 330 K)
発火点 465 °C (869 °F; 738 K)
爆発限界 7.5-18.5%
半数致死量 LD50 107 mg/kg(ラット、経口)
137 mg/kg(ラット、経皮)[3]
関連する物質
関連物質 クロロ酢酸
クロロ酢酸エチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

クロロ酢酸メチル(クロロさくさんメチル、: Methyl Chloroacetate)は、有機塩素化合物の1種である。クロロ酢酸のカルボキシ基と、メタノールの水酸基とがエステル結合を形成した化合物。このため、水の存在下で、エステル結合が加水分解される場合がある。

用途

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クロロ酢酸メチルは、ビタミンB1B6香料農薬界面活性剤等の溶媒として使用される[4]

危険性

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日本の法令では、消防法上の危険物第4類第二石油類に該当する[5]毒物及び劇物取締法では、2013年7月25日の改正施行により毒物に指定された[6]

水溶液中ではエステル結合が加水分解されて、クロロ酢酸とメタノールを遊離することから、クロロ酢酸と同様の毒性を示すと考えられる。ラットにクロロ酢酸を経口投与すると、主に肝臓腎臓に移行し、数時間後には中枢神経系での濃度が高くなる。24時間以内に投与量の約80~90%が、主にグルタチオン抱合体として尿中に排出される[3]

IUCLIDによると、半数致死量(LD50)はラットへの経口投与で107 mg/kg、経皮投与では137 mg/kgでいずれも劇物に相当するが、吸入経路での半数致死濃度(LC50)は250~400 ppm/4Hのデータがあり、GHS区分では毒物に相当する[3]

出典

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  1. ^ クロロ酢酸メチル”. 東京化成工業 (2018年7月16日). 2018年8月31日閲覧。
  2. ^ a b c 国際化学物質安全性カード クロロ酢酸メチル”. 国立医薬品食品衛生研究所. 2018年8月31日閲覧。
  3. ^ a b c 毒物劇物指定のための有害性情報の収集・評価” (PDF). 国立医薬品食品衛生研究所安全情報部 (2012年3月). 2018年8月31日閲覧。
  4. ^ 「毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令案」に対して寄せられた御意見・情報について”. 厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室 (2013年7月2日). 2018年8月31日閲覧。
  5. ^ クロロ酢酸メチル”. 厚生労働省職場のあんぜんサイト (2010年3月31日). 2018年8月31日閲覧。
  6. ^ 毒物及び劇物指定令の一部改正について(通知)』(PDF)(プレスリリース)厚生労働省医薬食品局長、2013年6月28日https://www.nihs.go.jp/mhlw/chemical/doku/tuuti/H250628/130628tuuchi.pdf2018年8月31日閲覧