クロフェンテジン
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クロフェンテジン Clofentezine[1] | |
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別称 3,6-ビス(2-クロロフェニル)-1,2,4,5-テトラジン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 74115-24-5 |
特性 | |
化学式 | C14H8Cl2N4 |
モル質量 | 303.15 g mol−1 |
外観 | 赤紫色の結晶性固体 |
匂い | 無臭 |
融点 |
183 °C, 456 K, 361 °F |
沸点 |
(190~250℃で分解のため測定不能) |
水への溶解度 | 2.52×10-3 mg/L(22℃、pH5) |
有機溶媒への溶解度 | キシレン 5g/L(25℃) ジクロロメタン 37.4g/L(25℃) アセトン 9.3g/L(25℃) エタノール 0.49g/L(25℃) 酢酸エチル 5.67g/L(20℃ ±0.5℃) n-ヘプタン 111.4g/L(20℃ ±0.5℃)[2] |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | >3200mg/kg(ラット、経口)[3] |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
クロフェンテジン(英: Clofentezine)は、テトラジン骨格を持つ殺ダニ剤の一種である。
歴史・用途
[編集]本物質はイギリスのフィソン社(現在のバイエル クロップサイエンス)により発見された。殺ダニ剤としての開発は1981年にFBC社に引き継がれ、1983年には合併によりシエーリング社に継承された。その後の業界再編によりシエーリング社はヘキスト・シエーリング・アグレボ社を経てアベンティス社となったが、本剤の権利は2000年にマクテシム・アガン社が買収している。
日本においては1982年より柑橘類、リンゴおよび茶のハダニに対する委託試験が開始され、1989年3月24日[4]にミカン・リンゴ・ナシ・モモ・茶に対する農薬登録を受けた。その後黄桃・アズキ・スイカ・テンサイも適用作物として登録されたが、2007年8月にミカン・アズキ・スイカ・テンサイの登録が削除された[2]。商品名には「カーラ」などがある[4]。
ミカンハダニ・リンゴハダニ・ナミハダニ・カンザワハダニなど広範囲のハダニの卵および幼虫に有効であるが、成虫に対しては効果は低い。作用機序は不詳であるが、胚の発育時にクチクラの形成を阻害するためと推測されている[2]。一日摂取許容量(ADI)は0.017mg/kg 体重/日と設定されている[1]。
脚注
[編集]- ^ a b “水産動植物の被害防止に係る農薬登録保留基準の設定に関する資料 クロフェンテジン” (pdf). 環境省. 2018年8月24日閲覧。
- ^ a b c “農薬抄録 クロフェンテジン”. 農林水産消費安全技術センター(アダマ・ジャパン). 2018年8月26日閲覧。
- ^ “クロフェンテジン標準品”. 富士フイルム和光純薬. 2018年8月26日閲覧。
- ^ a b (植村 2002, p. 45)
参考文献
[編集]- 植村振作・河村宏・辻万千子・冨田重行・前田静夫著『農薬毒性の事典 改訂版』三省堂、2002年。ISBN 978-4385356044。