クロウ・深瀬症候群
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クロウ・深瀬症候群(クロウ・ふかせしょうこうぐん、Crow‐Fukase症候群、POEMS症候群、高月病と同義[1])は形質細胞の異常増殖(plasma cell dyscrasia)に伴い多発ニューロパチー、臓器腫大、内分泌異常、M蛋白(monoclonal gammopathy)、色素沈着、剛毛[1]、浮腫などの特異な組合せの臨床症状を呈する疾患である。
多発性神経炎(polyneuropathy)、臓器腫大(organomegaly)、内分泌異常(endocrinopathy)、M蛋白(M‐protein)、皮膚症状(skin changes)といった各症状の頭文字をとり、POEMS症候群とも呼ばれる。現在、日本国内の患者数は推定300~400人とされている。希少疾病であるが、従来療法であるステロイド療法、MP療法、放射線療法に加え、末梢血幹細胞移植療法、サリドマイド療法などの新規治療の導入により、予後が改善しつつある。2009年より5年間の予定でサリドマイドの治験が日本国内で実施中である。
検査
[編集]- M蛋白(IgG-λ, IgA-λ、免疫固定法)
- 神経伝導検査(脱髄性ニューロパチー)
- 血清中の血管内皮増殖因子(VEGF: vascular endothelial growth factor)高値
- 胸・腹・骨盤CT検査(肝脾腫、胸水、腹水、心嚢水、リンパ節腫脹)
- 単純X線、骨シンチ、PET(骨硬化性病変)
- 内分泌異常(性腺機能異常、甲状腺機能異常、耐糖能異常、副腎機能異常)
- 皮膚異常(色素沈着、血管腫、剛毛、皮膚硬化)
- 乳頭浮腫
- キャッスルマン病
治療
[編集]- ステロイド療法
- MP療法
- 自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)を伴う大量化学療法
- サリドマイド療法(現在、日本ではサリドマイドの本症候群への投与は適応外である。本症候群への適応拡大のための治験が行われている)→2021年2月、効能の追加承認(サレドカプセル25・50・100)。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b 南山堂医学大辞典 第12版 ISBN 978-4525010294
外部リンク
[編集]- 難病情報センター - 特定疾患情報
- 日本神経免疫学会
- 千葉大学大学院医学研究院神経内科学 - サリドマイド治験
- Good Dr Net - サリドマイド治験
- がんナビ - サリドマイド治験