クラメル・カスティヨンの問題
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クラメル・カスティヨンの問題(クラメル・カスティヨンのもんだい、英: Cramer–Castillon problem)は、1742年にスイスの数学者ガブリエル・クラメールが提起し、1776年にイタリアの数学者ジャン・ド・カスティヨンが肯定的に解決した、幾何学の問題[1][2][3][4]。単に、カスティヨンの問題とも言われる[5][6][7]。
平面上に、円ZとZ上にない3点A,B,Cを作る。クラメル・カスティヨンの問題は、3辺(またはその延長)がそれぞれA,B,Cを通り、Zに内接する三角形をいつでも構築することは可能であるかという問題である。
何世紀も前に、アレキサンドリアのパップスは3点が共線である場合を証明していた。しかし、一般の位置にある3点における問題は非常に高難易度であると評価を得ていた[8]。カスティヨンが幾何学的な構築を証明した後、 ラグランジュがカスティヨンの解法よりも簡単な代数的解法を発見した[9]。また、マルファッティも独自に解法を発見している[5]。ペテルゼン(Petersen)やジョルダーノ(Giordano di oltaiano,1788年)、19世紀初期にラザール・カルノーなどがn点、n角形への一般化を示した[10][11]。ジェルゴンヌ(1811)やポンスレ(1817)は円を円錐曲線へ一般化した。他、Seydewitz(1844)などがこの問題を研究している。
出典
[編集]- ^ Stark (2002), p. 1.
- ^ 中川銓吉『近世綜合幾何学演習』共立出版、1948年、267頁。NDLJP:1063414。
- ^ 日本數學會『岩波數學辭典』岩波書店、1954年 。
- ^ ジョン・ケージー 著、山下安太郎, 高橋三蔵 訳『幾何学続編』有朋堂、1909年。doi:10.11501/828521。
- ^ a b Eugene Catalan 著、長沢亀之助 訳『仏国カタラン氏幾何学定理及問題』日本書籍、1906年、251,400頁。NDLJP:828526。
- ^ 根津千治『むつかしい幾何学問題の解義 下巻』先進堂、1928年、500頁。doi:10.11501/1036275。
- ^ Eugène Rouché,Charles de Comberousse 著、小倉金之助 訳『初等幾何学 第1巻 平面之部,Traité de géométrie. 7. éd』山海堂書店、1913年、365頁。doi:10.11501/930885 。
- ^ Wanner (2006), p. 59.
- ^ Adolphe Desboves 著、吉田好九郎 訳『平面幾何学研究法』富山房、1914年、166頁。NDLJP:952193。
- ^ Ostermann & Wanner (2012), p. 176.
- ^ 秋山武太郎『平面幾何学』共立出版、1947年、36頁。NDLJP:1063398。
参考文献
[編集]- Dieudonné, Jean (1992). “Some problems in Classical Mathematics”. Mathematics — The Music of Reason. Springer. pp. 77–101. doi:10.1007/978-3-662-35358-5_5. ISBN 978-3-642-08098-2
- Wanner, Gerhard (2006). “The Cramer–Castillon problem and Urquhart's 'most elementary´ theorem”. Elemente der Mathematik 61 (2): 58–64. doi:10.4171/EM/33. ISSN 0013-6018.
- Stark (2002年). “Castillon's problem”. 2011年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月11日閲覧。
- Ostermann, Alexander; Wanner, Gerhard (2012). “6.9 The Cramer–Castillon problem”. Geometry by Its History. Springer. pp. 175–178. ISBN 978-3-642-29162-3
外部リンク
[編集]- ウィキメディア・コモンズには、クラメル・カスティヨンの問題に関するカテゴリがあります。