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ギル・ロバーツ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギル・ロバーツ Portal:陸上競技
選手情報
ラテン文字 Gil Roberts
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
競技 陸上競技 (短距離走)
種目 400m
大学 アメリカ合衆国の旗 テキサス工科大学
生年月日 (1989-03-15) 1989年3月15日(35歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 オクラホマ州オクラホマシティ
身長 188cm[1]
体重 81kg
成績
オリンピック 400m 準決勝3組4着 (2016年)
4x400mR 優勝 (2016年)
世界選手権 400m 準決勝3組3着 (2017年)
4x400mR 2位 (2017年)
国内大会決勝 全米選手権
400m 優勝 (2014年)
全米室内選手権
400m 優勝 (2012年)
自己ベスト
100m 10秒12 (2014年)
9秒92w (2014年)
200m 20秒22 (2014年)
400m 44秒22 (2017年)
獲得メダル
陸上競技
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オリンピック
2016 リオデジャネイロ 4x400mR
世界選手権
2017 ロンドン 4x400mR
世界室内選手権
2012 イスタンブール 4x400mR
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ギル・ロバーツGil Roberts1989年3月15日 ‐ )は、アメリカ合衆国オクラホマシティ出身の陸上競技選手。専門は短距離走400mで44秒22の自己ベストを持つ。2016年リオデジャネイロオリンピック男子4×400mリレーの金メダリストである。競技生活の大半をハムストリングスの怪我に悩まされている[1]

経歴

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ミルウッド高校 (en時代には、2006-2007年シーズンにアメリカンフットボールと陸上競技でオクラホマ州選手権に出場。卒業するまでにナイキ選手権(Nike Outdoor Nationals)を含む5つの全国タイトルを獲得するなど活躍し、卒業後はテキサス工科大学に進学した[2]。しかし、1年時は怪我でほとんどレースに出場できずに終わった[3]

2009年

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3月のNCAA室内選手権男子400mでは優勝したマイケル・ビンガム英語版(45秒69)に0秒02及ばず、初のNCAAタイトルを惜しくも逃した[4]。5月のBig 12選手権では男子400mを今季世界ランク4位(当時)の記録となる44秒86で制し[5]、初のNCAAタイトルを目指して6月のNCAA選手権に出場したが、男子400m準決勝で負傷し途中棄権に終わった。同月の全米選手権男子400mは決勝まで進出し、ラショーン・メリット(44秒50)に次ぐ44秒93で2位に入りベルリン世界選手権アメリカ代表の座を掴んだ[6]。世界大会初出場となった8月のベルリン世界選手権男子400mは46秒41で予選敗退に終わった。

2011年

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3月のNCAA室内選手権は男子400mに出場するも不正スタートで予選失格に終わった。6月のNCAA選手権男子400m決勝はキラニ・ジェームスとの同タイム(45秒10)着差ありの優勝争いに0秒003差で敗れ、更にレーン侵害があったとして失格に終わった[7]

2012年

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2月に室内400mで今季世界最高記録(当時)および自己ベストとなる45秒39をマークすると、同月の全米室内選手権男子400m決勝でも45秒39をマークし、カルヴィン・スミス・ジュニア(45秒96)らを抑えて初優勝を成し遂げた[8]。3月のイスタンブール世界室内選手権には400m今季世界ランキング2位(当時)の記録(45秒39)を持って臨んだが、400mは準決勝敗退に終わった。しかし、決勝のみ出場した4×400mリレーではアメリカチームのアンカーを務めて優勝に貢献し、自身初となる世界大会のメダルを獲得した[注 1][9]。6月上旬のNCAA選手権は男子400m準決勝を44秒84の自己ベスト(当時)で突破したが、決勝では44秒99とタイムを落として3位に終わり、卒業するまでにNCAAタイトルを獲得することはできなかった。同月下旬の全米選手権男子400mは準決勝で敗退した[10]

2013年

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6月の全米選手権男子200mで準決勝まで進出したが、わずか0秒007差で決勝進出を逃した[11]

2014年

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6月の全米選手権男子400mは予選45秒16、準決勝44秒99と、両ラウンドで全体1位のタイムをマークすると、迎えた決勝は44秒53の自己ベスト(当時)をマークし、ジョシュア・マンス英語版(44秒89)やカイル・クレモンズ(45秒00)などを抑え、2年ぶり2度目となるシニアの全米タイトルを獲得した[12]

2015年

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6月の全米選手権男子400mは46秒02で予選敗退に終わった[13]

2016年

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初のオリンピックアメリカ代表を目指して7月の全米選手権男子400mに出場すると、準決勝では当初不正スタートの判定が下ったが、抗議の末に判定が覆り、準決勝を全体2位となる44秒67で突破。決勝はタイムは落としたものの2ラウンド連続の44秒台となる44秒73をマークし、ラショーン・メリット(43秒97)に次ぐ2位に入り初のオリンピック代表の座を掴んだ[14][15]。8月のリオデジャネイロオリンピックには男子400mと4×400mリレーに出場すると、400mは準決勝で自己ベスト(44秒53)に迫る44秒65をマークするも全体9位に終わり、決勝に進出するには0秒16及ばなかった[16]。しかし、決勝のみ出場した4×400mリレーはアメリカチームの3走を務めて金メダル獲得に貢献した[注 2][17]

2017年

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6月23日の全米選手権男子400m準決勝で自己ベスト(44秒53)を3年ぶりに更新する44秒33をマークすると、翌日の決勝でも44秒22の自己ベストをマークして2位に入り、ロンドン世界選手権アメリカ代表の座を掴んだ[18]。2009年ベルリン大会以来8年ぶりの出場となった8月のロンドン世界選手権男子400mには今季世界ランク5位(44秒22)として臨むと[19]、予選を44秒92で突破し、8年前には進めなかった準決勝に進出した。準決勝では予選よりタイムを縮める44秒84をマークしたが、着順で決勝に進出できる組2着には0秒29、タイムで拾われるには0秒20届かず、組3着(全体10位)で敗退した[20]。決勝のみ出場した男子4×400mリレーはアメリカチームの2走を務めて銀メダル獲得に貢献し、自身初の世界選手権メダルは獲得したが、アメリカチームは大会7連覇を逃した[注 3][21]

人物・エピソード

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2017年3月24日のドーピング検査で陽性反応を示したが、恋人とのキスが原因だったため潔白となった。恋人が禁止薬物(プロベネシド)の含まれている鼻炎薬を摂取しており、熱いキスを頻繁に繰り返すうちにロバーツが禁止薬物を取り込んでしまったという[22]

自己ベスト

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記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。

種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 10秒12 (+1.0) 2014年5月3日 アメリカ合衆国の旗 ラボック
9秒92w (+5.0)[23] 2014年5月31日 アメリカ合衆国の旗 クレアモント 追い風参考記録
200m 20秒22 (+0.6) 2014年6月14日 アメリカ合衆国の旗 チュラビスタ
300m 31秒81 2016年6月11日 ジャマイカの旗 キングストン
400m 44秒22 2017年6月24日 アメリカ合衆国の旗 サクラメント
室内
200m 20秒58 2012年2月10日 アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ
400m 45秒39 2012年2月10日
2012年2月26日
アメリカ合衆国の旗 アルバカーキ

主要大会成績

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備考欄の記録は当時のもの

大会 場所 種目 結果 記録 備考
2009 世界選手権 ドイツの旗 ベルリン 400m 予選5組5着 46秒41 全体32位
2012 世界室内選手権 トルコの旗 イスタンブール 400m 準決勝1組4着 47秒01 全体11位
4x400mR 優勝 3分03秒94 (4走) 今季アメリカ最高記録
2016 オリンピック ブラジルの旗 リオデジャネイロ 400m 準決勝3組4着 44秒65 全体9位
4x400mR 優勝 2分57秒30 (3走) 今季アメリカ最高記録
2017 世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 400m 準決勝3組3着 44秒84
4x400mR 2位 2分58秒61 (2走) 今季アメリカ最高記録

全米選手権

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優勝した全米選手権・全米室内選手権 (enを記載

大会 場所 種目 記録 備考
2012 全米室内選手権 アルバカーキ 400m 45秒39
2014 全米選手権 サクラメント 400m 44秒53 自己ベスト

脚注

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注釈

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  1. ^ 決勝のメンバーは1走がフランキー・ライト英語版、2走がカルヴィン・スミス・ジュニア、3走がマンテオ・ミッチェル英語版
  2. ^ 決勝のメンバーは1走がアーマン・ホール、2走がトニー・マッケイ、4走がラショーン・メリット。
  3. ^ 決勝のメンバーは1走がウィルバート・ロンドン英語版、3走がマイケル・チェリー、4走がフレッド・カーリー英語版

出典

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  1. ^ a b プロフィール”. NBC Olympics. 2016年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月27日閲覧。
  2. ^ プロフィール”. テキサス工科大学. 2016年9月6日閲覧。
  3. ^ World awaits former Millwood Star Gil Roberts”. NewsOK.com (2009年7月10日). 2016年9月5日閲覧。
  4. ^ Tech Brings Home Nine All-American Honors”. テキサス工科大学 (2009年3月14日). 2016年9月5日閲覧。
  5. ^ Tech's Roberts, Osaghae dazzle at Big 12 meet”. Lubbock Avalanche-Journal (2009年5月18日). 2016年9月5日閲覧。
  6. ^ Tech's Roberts sets sights on IAAF World Championships in Berlin”. Lubbock Avalanche-Journal (2009年6月29日). 2016年9月5日閲覧。
  7. ^ Raiders stand fifth heading into final day at NCAA”. Lubbock Avalanche-Journal (2011年6月11日). 2016年9月6日閲覧。
  8. ^ Roberts Wins U.S. Indoor 400 Meter Championship”. テキサス工科大学(texastech.com) (2012年2月26日). 2016年9月6日閲覧。
  9. ^ 2012年世界室内選手権男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2012年3月11日). 2016年9月6日閲覧。
  10. ^ Tech's Gil Roberts fails to advance to 400-meter finals at U.S. Olympic Trials”. Lubbock Avalanche-Journal (2012年6月23日). 2016年9月6日閲覧。
  11. ^ 2013年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟. 2016年9月6日閲覧。
  12. ^ Former Tech star Roberts wins U.S. title in 400 meters”. テキサス工科大学(redraiders.com) (2014年6月28日). 2016年9月6日閲覧。
  13. ^ 2015年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2015年). 2016年9月6日閲覧。
  14. ^ Allyson Felix Overcomes Ankle Sprain to Take 400 Title, Make Fourth Olympic Team”. アメリカオリンピック委員会 (2016年7月3日). 2016年9月6日閲覧。
  15. ^ 2016年全米選手権リザルト”. 全米陸上競技連盟 (2016年7月). 2016年9月6日閲覧。
  16. ^ 第31回オリンピック男子400m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月13日). 2016年9月6日閲覧。
  17. ^ 第31回オリンピック男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2016年8月20日). 2016年9月6日閲覧。
  18. ^ South Plains grad Fred Kerley, Tech grad Gil Roberts go 1-2 at U.S. championships 400”. Lubbock Avalanche-Journal (2017年6月24日). 2017年6月25日閲覧。
  19. ^ 2017年世界選手権男子400m予選スタートリスト 国際陸上競技連盟 (PDF, 135 KB) 2017年08月07日閲覧
  20. ^ 2017年世界選手権男子400m準決勝サマリー”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月7日). 2017年8月7日閲覧。
  21. ^ 2017年世界選手権男子4×400mリレー決勝リザルト”. 国際陸上競技連盟 (2017年8月14日). 2017年8月14日閲覧。
  22. ^ リオ五輪金の米国選手はドーピングで潔白と判明、原因は恋人とのキス”. フランス通信社 (2017年7月15日). 2017年7月15日閲覧。
  23. ^ プロフィール”. All-Athletics.com (2016年9月7日). 2016年9月7日閲覧。

外部リンク

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