キーガン・ブラッドリー
Keegan Bradley | |
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基本情報 | |
名前 | キーガン・ブラッドリー |
生年月日 | 1986年6月7日(38歳) |
身長 | 188 cm (6 ft 2 in) |
体重 | 86 kg (190 lb) |
出身地 | バーモント州ウッドストック |
経歴 | |
プロ転向 | 2008年 |
優勝数 | |
PGAツアー | 5 |
2012年11月13日現在 |
キーガン・ブラッドリー(英語: Keegan Bradley、別表記キーガン・ブラドリー[1]など、1986年6月7日 - )は、アメリカ・バーモント州出身のプロゴルファー。
2011年、ゴルフ4大メジャー大会のひとつ全米プロゴルフ選手権で初出場初優勝を遂げた[2]。過去メジャー大会初出場で優勝したのは、1913年のフランシス・ウィメット(全米オープン)、2003年のベン・カーティス(全英オープン)の二人しかおらず、ブラッドリーは史上3人目の初出場初優勝者である[3]。
生い立ち
[編集]1986年、アメリカ合衆国バーモント州で、マーク・ブラッドリーの長男として生まれる。父親のマークは、ワイオミング州ジャクソン郊外にあるジャクソンホール・ゴルフ・アンド・テニス・クラブ所属のプロであった。高校2年のときにマサチューセッツ州ホプキンスに転居し、2004年のマサチューセッツ・インタースカラスティック・アスレチック・アソシエーション(MIAA、マサチューセッツ州インターハイ)個人部門では優勝した経験がある[4]。高校卒業後はニューヨークのセント・ジョーンズ大学に進学し、2008年に卒業するまでの間に9つの大学タイトルを獲得している[5][6]。
なお、キーガンの叔母パット・ブラッドリーは、LPGAツアーでメジャー6大会を含む通算31勝をあげ世界ゴルフ殿堂入りした女子プロゴルファーである[5]。
プロ経歴
[編集]2008年 - 2010年シーズン
[編集]セント・ジョーンズ大学を卒業した2008年にプロ転向、NGA・フーターズ・ツアーに参戦すると、ツアーの最終戦(第5戦目)となるサザン・デューンズで初勝利した[7]。
2009年のテキサス・ホーニング・オープンでフーターズ・ツアー2勝目をあげ[8]、その年のネイションワイドツアー2試合に出場しし2試合とも予選を通過した[7]。その後2010年PGAツアーに参戦するためクオリファイング・スクール(キュー・スクール)に挑戦したが、規定に2打足りず出場権獲得とはならなかった[5]。
2010年はネイションワイドツアーに参戦、シーズン後半に4試合連続トップ5入りを果たすなどして最終賞金ランキングが14位となり、2011年のPGAツアー参加資格を得た[4][5]。
2011年シーズン
[編集]2011年、PGAツアー初戦のソニー・オープン・イン・ハワイでは予選通過、翌週のボブ・ホープ・クラシックでは7位タイの成績を残す[4]。4月に行われたヴァレロ・テキサス・オープンでは2度目のトップ10入りをはたす[9]。5月のHPバイロン・ネルソン選手権では、サドンデス方式のプレイオフ第1ホール目でライアン・パーマーを破り、PGAツアー初勝利をあげた[10]。8月のブリヂストン招待選手権では、初日、2日目と首位であったが3日目以降スコアを落とし、最終結果は15位タイであった[11][12]。
2011年全米プロゴルフ選手権
[編集]2011年8月、ブリヂストン招待選手権の翌週開催されたメジャー大会全米プロゴルフ選手権で、ブラッドリーは2日目に64をマークし首位につけるなど好調な出足であった。首位と1打差の3位でスタートした最終日、15番でトリプルボギーを叩き、3ホール残して暫定首位のジェイソン・ダフナーに5打差をつけられてしまったが、ブラッドリーは16番17番と連続バーディーを奪い、結局後半3連続ボギーとスコアを落としたダフナーと通算8アンダーで並んで72ホールを終え、勝敗をプレーオフに持ち込んだ。3ホール制の1ホール目(16番)では両者ともバーディーチャンスであったが、ダフナーは外しブラッドリーはパットを沈めた。残りホールもこの1打の優位を守ったフラッドリーがメジャー初優勝を決めた[3]。メジャー初挑戦で優勝したのは2003年のベン・カーティス(全英オープン)以来で、米国内のメジャー大会に限ると1913年のフランシス・ウィメット以来の快挙となる。なおゴルフの4大メジャー大会では2010年マスターズでフィル・ミケルソンが優勝した後、2010年全米オープンでグレアム・マクドウェルが優勝して以降初優勝者が連続しており、ブラッドリーは連続7人目の初優勝者である。またブラッドリーのワールドゴルフランキング順位は、全米プロでの勝利後108位から29位にまで急上昇した[13]。なお中尺パターを使ってメジャー制覇したのはブラッドリーが初めてである[14]。
この全米プロゴルフ選手権の勝利に加え、HPバイロンネルソン選手権での優勝やトップ10フィニッシュ4回といった成績を収めたブラッドリーは、2011年のルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した[15]。
2012年シーズン
[編集]2012年2月のノーザン・トラスト・オープンで、ブラッドリーは最終ホールフィル・ミケルソンと共にロング・バーディパットを決め、ビル・ハースとの3者プレーオフに進出したが、プレーオフ第2ホールで13.5メートルのバーディパットを決めたハースが今大会の優勝を決めた[16]。この最終ラウンド中、ブラッドリーはコース上で何度も唾を吐き、後に反射的にやってしまっていたとして謝罪した[17]。世界ゴルフ選手権第2戦となるWGCキャデラック選手権では2位に2打差の首位で最終ラウンドを迎えたが、18番でダブルボギーをたたくなど終盤の4ホールでスコアを崩し、結果8位タイに終わった[18]。2012年シーズンは開幕から9試合連続25位以内と安定した成績を残し、USAトゥディ誌のPGAツアー・トップ20では11位に選ばれている[19]。6月には欧州ツアーに初参加、ロイヤルポートラッシュでのアイリッシュ・オープンに出場したが、予選落ちに終わっている[20]。
WGCブリヂストン招待選手権
[編集]2012年ブリヂストン招待選手権ではジム・フューリク、スティーブ・ストリッカーを1打差で下しツアー3勝目を挙げた。最終日、首位のジム・フューリクに4打差をつけられてスタートしたブラッドリーは最終18番ホールまでに差を1打差にまで詰め寄っていた。最終ホール、ブラッドリーは4.5メートルのパーパットを沈めたが、フューリクはダブルボギーとスコアを崩し、結果1打差をつけてブラッドリーが逆転優勝した。ゴルフ4大メジャー大会と世界ゴルフ選手権の両方で優勝したのは史上11人目である[21]。この勝利で世界ランキングは15位となった[22]。また同じ8月の全米プロゴルフ選手権で3位タイの成績を収め、世界ランキングは自己最高の12位まで上昇した[23]。
同年9月のライダーカップにも初めて選出され、フィル・ミケルソンとのペアで初日欧州のローリー・マキロイ&グレアム・マクドウェル組を破るなどの活躍を見せた[24][25]。
通算成績(15勝)
[編集]PGAツアー(7勝)
[編集]No. | 日付 | トーナメント名 | スコア | 打差数 | 準優勝者 |
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1 | 2011年5月29日 | HPバイロン・ネルソン選手権 | -3 (66-71-72-68=277) | プレーオフ | ライアン・パーマー |
2 | 2011年8月14日 | 全米プロゴルフ選手権 | -8 (71-64-69-68=272) | プレーオフ | ジェイソン・ダフナー |
3 | 2012年8月5日 | WGCブリヂストン招待 | –13 (67-69–67-64=267) | 1打差 | ジム・フューリク, スティーブ・ストリッカー |
4 | Sep 10, 2018 | BMW選手権 | −20 (66-64-66-64=260) | Playoff | ジャスティン・ローズ |
5 | 16 Oct 2022 | ZOZO CHAMPIONSHIP | 265 | 1打差 | リッキー・ファウラー アンドリュー・パットナム |
6 | Jun 25, 2023 | トラベラーズ選手権 | −23 (62-63-64-68=257) | 3 strokes | Zac Blair, Brian Harman |
7 | Aug 25, 2024 | BMW選手権 | −12 (66-68-70-72=276) | 1 stroke | Ludvig Åberg, サム・バーンズ, アダム・スコット |
PGAツアーでのプレーオフ記録(3勝1敗)
No. | 年 | トーナメント名 | 相手選手 | 結果 |
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1 | 2011年 | HPバイロン・ネルソン選手権 | ライアン・パーマー | 1ホール目、パーマーがボギーを叩き、パーで優勝 |
2 | 2011年 | 全米プロゴルフ選手権 | ジェイソン・ダフナー | 3ホール制プレーオフでダフナーに勝利 (3-3-4=10 to 4-4-3=11) |
3 | 2012年 | ノーザン・トラスト・オープン | ビル・ハース, フィル・ミケルソン | 2ホール目ハースがバーディー。ハースの優勝。 |
4 | 2018年 | BMW選手権 | ジャスティン・ローズ | 1ホール目、ローズがボギーを叩き、パーで優勝 |
5 | 2023年 | ソニーオープン・イン・ハワイ | アン・ビョンフン, グレイソン・マレー | 1ホール目マレーがバーディー。マレーの優勝。 |
NGA フーターズ・ツアー(2勝)
[編集]- 2008年 サザン・デューンズ(Southern Dunes)
- 2009年 テキサス・ホーニング・オープン(Texas Honing Open)
その他(4勝)
[編集]- 2011 PGA Grand Slam of Golf, Franklin Templeton Shootout (with Brendan Steele)
- 2015 CVS Health Charity Classic (with Jon Curran)
- 2016 CVS Health Charity Classic (with Jon Curran)
4大メジャートーナメントの成績
[編集]トーナメント | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 |
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マスターズ | DNP | T27 | T54 | CUT | T22 | T52 | DNP |
全米オープン | DNP | T68 | CUT | T4 | T27 | CUT | T60 |
全英オープン | DNP | T34 | T15 | T19 | CUT | T18 | DNP |
全米プロゴルフ選手権 | 1 | T3 | T19 | CUT | T61 | T43 | T33 |
DNP(Did Not Played) = 不出場
T = タイ
背景黄色 = 10位内入賞
背景緑色 = 優勝
脚注
[編集]- ^ “ゴルフ=全米プロでのブラドリーの優勝、戦国時代到来を象徴”. ロイター (2011年8月16日). 2011年8月16日閲覧。
- ^ “全米プロゴルフ選手権 スコア結果”. TBSテレビ. 2011年8月16日閲覧。
- ^ a b “新たなアメリカンスターの誕生 <キーガン・ブラッドリー>”. ゴルフダイジェストオンライン (2011年8月15日). 2011年8月16日閲覧。
- ^ a b c Pave, Marvin (2011年1月30日). “PGA rookie Bradley celebrates Hope finish”. The Boston Globe 2011年4月17日閲覧。
- ^ a b c d Dorman, Larry (2011年2月11日). “Game, Like the Name, May Soon Ring a Bell”. The New York Times 2011年4月17日閲覧。
- ^ “キーガン・ブラッドリー プロフィール 選手情報”. ゴルフダイジェストオンライン. 2018年2月10日閲覧。
- ^ a b Miles, David (2010年11月24日). “Woodstock Native Keegan Bradley Heating Up Nationwide Tour”. The Vermont Standard 2011年4月17日閲覧。
- ^ “Keegan Bradley wins Hooters Tour event”. USA Today. Associated Press. (2009年8月9日) 2011年4月17日閲覧。
- ^ Szeker, Anne (2011年4月20日). “Sleeper Picks: The Heritage”. PGATour.com. 2011年8月15日閲覧。
- ^ Hawkins, Stephen (2011年5月30日). “Keegan Bradley Wins Nelson in Playoff Over Palmer”. ABC News. 2011年8月15日閲覧。
- ^ Dorman, Larry (2011年8月5日). “Woods Sputters in Second Round, Can’t Threaten Leaders”. The New York Times 2011年8月15日閲覧。
- ^ Elling, Steve (2011年8月10日). “Lefty Teaches Economics to Boost Young Americans' Cred Rating”. CBS Sports. 2011年8月15日閲覧。
- ^ Ferguson, Doug (2011年8月14日). “Bradley Wins PGA in Playoff After Rousing Comeback”. The Atlanta Journal-Constitution 2011年8月15日閲覧。
- ^ “初出場Vは8年ぶり快挙!中尺パター駆使は初 ”. スポニチアネックス (2011年8月16日). 2011年8月16日閲覧。
- ^ “キーガン・ブラドリー選手が「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞!”. クリーブランドゴルフ. (2011年12月19日) 2012年11月14日閲覧。
- ^ Pucin, Diane (February 19, 2012). “All's Quiet on Phil Front as Bill Haas Wins in Playoff at Riviera”. Los Angeles Times. March 11, 2012閲覧。
- ^ DiMeglio, Steve (February 21, 2012). “Keegan Bradley apologizes for on-course, on-air spitting”. USA Today. April 10, 2012閲覧。
- ^ Ferguson, Doug (March 11, 2012). “Rose Rallies to Win World Golf Championship”. Associated Press. ABC News March 11, 2012閲覧。
- ^ “News and notes on the PGA Tour's top 20”. USA Today. (July 24, 2012) August 6, 2012閲覧。
- ^ “Major winner Keegan Bradley bows out of Irish Open at Portrush after failing to make the cut”. Irish Independent (June 29, 2012). August 6, 2012閲覧。
- ^ Ferguson, Doug (2012-08-05). “Bradley wins first WGC in a stunning finish”. U.S. News & World Report 2012年8月6日閲覧。.
- ^ “Bradley up to 15th in world rankings”. FOXニュース (2012年8月6日). 2012年8月13日閲覧。
- ^ “McIlroy back to No. 1 in world rankings”. Miami Herald. (2012年8月13日) 2012年8月13日閲覧。
- ^ “Love adds Scott Verplank, Jeff Sluman as Ryder Cup assistants, now waits on 4 picks”. The Washington Post. Associated Press. (August 13, 2012) August 13, 2012閲覧。
- ^ “米国選抜が5勝し欧州選抜から2ポイントリード”. GDOニュース. (2012年9月30日) 2012年11月14日閲覧。