カービィボウル
ジャンル | ボールアクション |
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対応機種 | スーパーファミコン |
開発元 |
任天堂情報開発本部 ハル研究所 |
運営元 | 任天堂 |
プロデューサー |
山内溥(エグゼクティブプロデューサー) 宮本茂 清水隆雄 |
ディレクター | 齋藤崇 |
デザイナー |
菱田達也 高橋伸也 |
プログラマー |
阿部哲也 郡司照幸 乙黒誠二 高橋芳美 金井誠 三津原敏 中島圭 |
音楽 | 安藤浩和 |
美術 |
橋口茂 橋倉正 三浦和弥 |
シリーズ | 星のカービィシリーズ |
人数 | 1 - 2人(対戦プレイ) |
メディア | 10メガビットロムカセット |
稼働時期 |
1994年9月21日 1995年2月1日 1996年8月24日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB: Kids to Adults (K-A) |
『カービィボウル』は、1994年9月21日に任天堂より発売されたスーパーファミコン用コンピュータゲーム。
概要
[編集]主人公カービィがその名の通りボールとなって敵を倒し、ゴールのカップを目指していく、ゴルフにビリヤードの要素を加えたテーブルゲーム[1]。
ステージ上にはいくつかの敵と障害物があり、接触することで敵を倒しながらゲームを進めていくと、最後の敵がゴールカップになる[1]。ゴールカップに入ることでそれまでの打数がスコアとなり、次のステージへ進む。
ボールの打数には制限があり、残り打数がバイタリティという名称で表示される。敵を1体倒すたびにバイタリティを回復するが、使い切るとライフを1つ失う。
一般的なゴルフゲームと同様に、十字ボタンでボールの方向を決め、Aボタンでカーブや威力を決めショットする。ボールの軌道は、ビリヤード様のゴロとゴルフ様のフライが選択でき、カーブや回転をかけることもできる。なお、ショット前に表示されるガイドはフルパワーでショットした場合の軌道である。
ボールが動いている最中にAボタンを押すと、動きをわずかに助長できる。特にバンパーで反射する際や、バウンドする瞬間に押すことでより効果的に移動距離を伸ばせる。
各ステージにはボールの軌道を変化させる「やくもの」が設置されていることがあり、ステージの難易度を大きく左右する[1]。また特定の敵を倒すとコピー能力が使えるようになる。能力はボールが動いている時に使うことができ、能力を使っているときに別の能力を持った敵を倒すとさらに続けて使える。
本作はハル研究所内で「スペシャルティーショット」という名称で開発されていた作品が元となっており、後にサテラビュー向けに配信が行われている。
ゲーム性は高い評価があり、ハイスコアを狙うにはやり込み必須の難易度となる[2]。
なおカービィシリーズ初のスーパーファミコン用ソフトであり、各キャラクターの造形が詳細まで立体的になっている。
ストーリー
[編集]プププランドの夜。いつものように満天の星を眺めながら眠りにつくカービィ。しかし、今夜の夜空には星が1つしかなかった。心配になったカービィはたった1つしかない星を見ていることにした。するとそこに現れたのはデデデ大王。どうやら大王が夜空の星を盗んでしまったようなのだ。満天の星を取り戻すべく、カービィがボールになって立ち上がった。
ゲーム内容
[編集]1P MODE
[編集]ゲームは8つのコースがあり、各コースに8つのホールがある。8コースをクリアするとデデデ大王との決戦ステージが出現する。コース中の8つのホールをクリアすると打数が計算され、成績によって銅メダル・銀メダル・金メダルが得られる。最後のラスボスでは巨大ロボットになったデデデ大王(メカデデデ)と対戦し、倒すとゲームクリアとなる。しかし、メカデデデがカービィの位置まで前進し終わると床が赤くなってミスとなり、残り玉数に関係なくゲームオーバーになる(左右両端にいるメカはカービィがダメージを受けると玉数を1つ失う)。
1P MODEは、いかに少ない打数でゴールカップにカービィを導くかがポイントとなる。第1打でゴールカップに入れるとホールインワンになり、玉数を1つ増やすことが出来る。バイタリティの最大は4で、カップに入らずにバイタリティがゼロになるとミスになり、残り玉数が減る。また全てのステージは高空にあり、ステージ端から落としても(OBとなっても)玉数が減る。残り玉数が0のときにミスしてしまうとゲームオーバーになる。ホール間でコピー能力は継続する。
さらに全コースで銀メダル以上を入手するとEXTRA COURSEにチャレンジできる。EXTRA COURSEはステージの形状は通常のものに似ているが、スタート地点・敵の配置等が大幅に変わっており、難易度は上がっている。全コースを金メダルにそろえるとMAP SELECTが追加され、各コースの任意のステージだけを遊ぶことが出来る。
2P MODE
[編集]基本ルールは1P MODEと同じだが、敵を倒すと星が出現し、最後に触れたプレイヤー側の色になる。最終的に手玉と同じ色の星の数を競い、8ホール終わった時点で星の数が多い方を勝ちとする。相手プレイヤーの倒した敵であっても、後に自分が星に触れることで自分の色にすることができるため、敵を倒した数が多いことが勝利の条件ではない。また、星の数に関わらず、各ステージで先にカップに入ったプレイヤーが次のホールの先攻となる。コースは4コースから選べ、1P MODEで一定条件を満たすことでEXTRA COURSE(1P MODEと同様に配置が変化)も選ぶことが出来る。
また、対戦相手にぶつけて動かしたり、コピー能力を使って攻撃することができる。吹き飛ばしたり、押しつぶしたり、燃やしたり、凍らせたり、単純に針山や場外に押し出したりすることもできる。
バイタリティの最大値は6で、最初のステージは6から開始する。手玉数は無制限だが、ステージ場外に落下した場合はバイタリティが2減り、コピー能力がなくなる。2Pプレイヤーは黄色いカービィ(通称:キービィ)を使用。能力を使わない状態で敵にぶつかるとコピー能力が入れ替わり、ぶつけられた側のバイタリティが1減る。コピー能力で攻撃されるとバイタリティは2減る。バイタリティが無くなるとカービィが眠ってしまい1回休みになる。1回休みから復帰するときはバイタリティが4回復する。またステージが終わってもバイタリティ数はそのまま引き継がれる。
やくもの
[編集]- キックパネル
- 青色に黄色い矢印の書かれた丸い板。ここを通るとその方向に向きが変わる。速度は変わらない。バウンドでも有効。
- ダッシュ板
- 赤色に>マークが連続して光る板。ここを通るとその方向に向かって加速するが、矢印に真っすぐ加速するわけではない。バウンドでも有効だがゴロのほうが加速効果は大きい。
- ベルトコンベアー
- ゴロの転がり方に影響するほか、コンベア上で停止すると終点まで運ばれていく。
- WARP板
- ペアで設置され、一方を通るともう一方から出る。青色のWARP板は出る際に三角の向きに方向が変わる。赤色のWARP板は進入時と同じ向きで出る。
- 昼夜スイッチ
- 2P MODEにのみ出現。スイッチが作動するとMr.シャインとMr.ブライトが交互に現れて、ホールの昼夜を変えてしまう。自分の星と相手の星の色を逆転できるが、同一ホール内で3回までしか使用できない。
- トランポリン
- フライで着地すると、バウンドが通常より高く跳ね上がる。
- バンパー
- ホール内を仕切っている緑色のライン。接触すると反射するが、跳ね返す力が少々加わる。高さは低いため、少しのバウンドで超えられる。
- 回転床
- 模様の一部が回転している床。通過するときに進行方向がずれる。ホール内にある渦巻き模様のスイッチを押すと回転が止まったり動いたりする。
- エアカーテン
- ボールが通過すると、空気の勢いでフワフワ浮き上がる。
地形
[編集]- 池
- 水が入っており、水中では陸上よりも格段に威力が落ちるため、一度入ると抜け出すのに苦労する。ステージによっては水滴マークのスイッチが設置されており、これを押すと池の水を出し入れできる。通常のゴルフと違って、入っても罰打はない。なお、ホイールとフリーズの能力使用中なら池の上を通過することができるほか、ボールの速度がある程度高いと水切り状態になり能力を使わなくても通過できる。また、ゴロ・フライ両方において、着水時にAボタンをタイミング良く押すことで沈まずに通過できる「水切りショット」も可能。ゴロの場合は威力、フライの場合は落下による威力とスピンの強度に影響する。
- 芝
- 矢印が描かれており、通ると模様の方向に流される。
- バンカー
- 通ると威力が急激に落ちる。バウンドはしない。
- トゲ
- 落ちるとダメージを受け、バイタリティが1つ減る。
コピー能力
[編集]能力の後ろの括弧内は、触れると能力を得られる敵キャラの名前である。コピー能力はBボタンで1打につき1回使用できるが、使用後でも能力を持つ敵に触れれば再び使用できる。能力は敵や地形によるダメージを受けても消えることはないほか、次のホールへ持ち越すことが出来る。また2P MODEでは能力を使わない状態で相手同士がぶつかることでコピー能力を交換できる(どちらかがノーマル状態の場合、片方は能力を失う)。ステージから落下すると能力は消えてしまう。なおコピー能力を持つキャラクターは点滅している。
- スパーク(スパーキー)
- 帯電しながら転がる。ウィスピーウッズやクラッコを破壊できる。また、クラッコの電撃でダメージを受けない。2P MODEでは相手を感電させ、バイタリティを2つ減らすことが出来る。
- トルネード(ツイスター)
- 竜巻になって回転するが、スピードが落ちると回転力は徐々に弱まる。竜巻状態の時は一時的な無敵判定と加速があり、ジャンプ中に使用すると飛距離を伸ばすことが出来る。十字キーで蛇行できる。バンパーや壁にぶつかると一瞬だけ加速する。2P MODEでは相手を巻き上げ、バイタリティを2つ減らすことが出来るほか、場所によってはステージ上から落とすことができる。
- ハイジャンプ(スターマン)
- 高くジャンプする能力。フライで飛んでいるときでも使用できる。
- フリーズ(チリー)
- 体の周りに冷気を発生させ滑走できるほか、池を凍らせ滑ることが出来る。ただし凍った池で止まると池の氷が溶けて水中に沈む。2P MODEでは相手を氷付けにし、1回休みにさせる。
- パラソル(ワドルドゥ)
- 傘を差して減速したり、ゆっくり落下したりできる[1]。落下中は十字キーで左右に移動できる。パラソルを差したままステージから落ちるとパラソルが壊れる。
- ストーン(ロッキー)
- 石になりその場で止まるが、坂で使うと滑り降りる[1]。ジャンプ中はその場から真下に落ちる。2P MODEでは相手をつぶしてダメージを与えられるが、つぶした相手が持ち上げ、そばに移動させる。場所によってはステージ上から落とされることもある。また次の自分の番までストーン状態は持続するが、相手が2回ぶつかると解除される。
- ニードル(スパイニー)
- 体の周りから針を出して止まる。ストーンと似ているが、こちらでは坂でも滑らずに止まる。ジャンプ中は放物線を描き着地した所で止まる。慣性に耐え切れずに発動後、着地後に若干ズレることもある。2P MODEでは次の自分の番になるまでニードル状態が持続し、触れるとダメージを受ける。
- ホイール(ウィリー)
- タイヤに変身し、壁・バンパーにぶつかるまで一直線に走る。水上・芝・バンカーなども影響を受けずに走れ、坂も難なく上る。壁・バンパーにぶつかると、その場で垂直に跳ね上がる。2P MODEでは相手を轢いてダメージを与えられる。
- バーニング(フレイマー)
- 火の玉になってしばらくの間一直線に走る。ジャンプ中でも一直線に飛行できるが、ホイールとは違い登り坂などでは威力が落ちる。2P MODEでは火の玉になっている間相手を燃やしてダメージを与えられる。
- UFO(ユーフォー)
- UFOに変身し、変身時点の高さを保ったまま水平飛行する[1]。十字キーで進行方向を変更できる。変身時間は10秒で、10秒経つとその場で墜落する。また壁・バンパーにぶつかっても墜落する。Bボタンを押すと時間が来なくてもその場で着陸できる。移動速度は変身時のボールの速度なので、変身するチャンスを見極める必要がある。2P MODEでは相手にぶつかると強制的に解除される。
- ランダム(チェンジャー)
- 2P MODEにのみ登場。ルーレットが回り、Bボタンを押すことで何かしら能力が入手できる(何も入手できない「スカ」もある)。ボタンを押さないと勝手に能力が決まるが、この場合の能力はチェンジャーに当たった際に所持していた能力で定まる。なお、Bボタンを押した状態でチェンジャーに当たるとルーレットは回らない。
敵キャラクター
[編集]コピー能力を持つ敵キャラクター
[編集]コピー能力の項を参照
コピー能力を持たない敵キャラクター
[編集]いずれのキャラクターも能力は持っていないが、当たるとバイタリティが1つ増える。
地上にいるキャラクター
[編集]- カブー
- スクイッシー
- ブルームハッター
- ワドルディ
空中にいるキャラクター
[編集]- アンプキン
- カボチャ状のキャラクター。ステージ上を若干浮いているため、ゴロで通っても通過してしまう。
- ギャスパー
- おばけ状のキャラクター。アンプキンよりも高い位置で浮いている。
なお後述するユーフォーもギャスパーと同様に浮いている。
障害物
[編集]- ウィスピーウッズ
- ステージ上に立っている木で、ぶつかってもダメージは受けない。スパークを使うと破壊できるが、必ず破壊する必要はない(破壊してもバイタリティは回復しない)。何故かトルネード状態で接触すると泣き顔になる。
- クラッコ
- ステージ上で時々雷を落とす。本体にぶつかるとバイタリティが1つ、雷を直撃すると2つ減る。スパークを使うと破壊できる。
- ゴルドー
- トゲの付いた金属球のような生物?で、コース上を上下もしくは左右に往復する。唯一ステージ上を移動する敵キャラクターである。ぶつかるとダメージを受け、バイタリティが1つ減る。無敵であり、スパークでも破壊できずダメージを受ける。障害物ではあるが地形の「トゲ」に近い[1]。
他機種版
[編集]No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 備考 |
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1 | カービィボウル | 1997年9月30日 |
スーパーファミコン (ニンテンドウパワー) |
ハル研究所 任天堂情報開発本部 |
任天堂 | フラッシュロムカセット | |
2 | カービィボウル | 2007年4月24日 2007年6月29日 2007年7月23日 |
Wii (バーチャルコンソール) |
ハル研究所 任天堂情報開発本部 |
任天堂 | ダウンロード | |
3 | カービィボウル | 2013年5月8日 |
Wii U (バーチャルコンソール) |
ハル研究所 任天堂情報開発本部 |
任天堂 | ダウンロード | |
4 | カービィボウル | 2016年6月7日 |
Newニンテンドー3DS (バーチャルコンソール) |
ハル研究所 任天堂情報開発本部 |
任天堂 | ダウンロード | |
5 | SNES Classic Edition Nintendo Classic Mini: Super Nintendo Entertainment System |
2017年9月29日 2017年9月29日 |
- | 任天堂 | 任天堂 | 内蔵ソフト | |
6 | スーパーファミコン Nintendo Switch Online |
2019年9月6日 2019年9月6日 |
Nintendo Switch | 任天堂 | 任天堂 | ダウンロード | 2022年6月10日に『カービィボウル レッツ♪カービィダンスバージョン』という特別版が配信 |
スタッフ
[編集]- ディレクター:齋藤崇
- プログラマー:阿部哲也、郡司照幸、乙黒誠二、高橋芳美、金井誠、三津原敏、中島圭
- マップCADプログラマー:菅浩秋、河越巧
- C.G.デザイナー:橋口茂、橋倉正、三浦和弥
- マップ・デザイナー:下村真一、田邊賢輔、藤井英樹
- ミュージック・コンポーザー:安藤浩和
- オリジナル・デザイン:菱田達也、高橋伸也
- スペシャル・サンクス:石田聡、帯金千恵子、角井博信、山城重喜、数野貴亮、広瀬千二、秋山雅也、シェーン・C・アララ、ジム・ウォーネル、ダニエル・オーセン
- プロデューサー:宮本茂、清水隆雄
- エグゼクティブ・プロデューサー:山内溥
評価
[編集]評価 | ||||||
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ゲーム誌「ファミリーコンピュータMagazine」の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、23.9点(満30点)となっている[4]。
項目 | キャラクタ | 音楽 | お買得度 | 操作性 | 熱中度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.5 | 3.7 | 4.1 | 3.8 | 4.0 | 4.0 | 23.9 |
カービィボウル64
[編集]ファミコンスペースワールド'95(第7回初心会ソフト展示会、1995年9月14日)で、NINTENDO64用ソフト「カービィボウル64」がプレイアブル出展されていたが、その後、開発中止になった。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f g 株式会社QBQ編 『懐かしスーパーファミコン パーフェクトガイド』 マガジンボックス(M.B.ムック)、2016年。ISBN 9784866400082 p76
- ^ マイウェイ出版『死ぬ前にクリアしたい200の無理ゲー ファミコン&スーファミ』 (ISBN 9784865119855、2018年10月10日発行)、94ページ
- ^ “Kirby's Dream Course”. All Game (1995年). 2012年8月21日23:30閲覧。
- ^ 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、183頁、雑誌26556-4/15。
外部リンク
[編集]- カービィボウル
- カービィボウル - Wiiバーチャルコンソール
- カービィボウル - Wii Uバーチャルコンソール
- カービィボウル - New 3DSバーチャルコンソール