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カリンカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イワン・ペトローヴィチ・ラリオーノフ
калинаの代表的な種であるセイヨウカンボク

カリンカ」(ロシア語: Калинка)は、ロシアの愛唱歌である。

概要

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題名の「カリンカ」とは、樹木のガマズミ属(ロシアで代表的な種はセイヨウカンボク[1]を意味するロシア語「カリーナ」(калина)の指小形である。いわば「ガマズミさん」「ガマズミちゃん」といった含意である。

長い間ロシア民謡と考えられてきたが、実際には、作曲家・作家・民謡研究者のイワン・ペトローヴィチ・ラリオーノフ1860年に作詞・作曲した作品である。この歌の初演は、ラリオーノフが音楽を書いたサラトフのアマチュア劇団の芝居で、舞台上で歌われたものである。

初演からまもなくして、ラリオーノフの友人で自ら設立した合唱団も擁していた、歌手のドミートリー・アレクサンドロヴィチ・アグレネフ=スラヴャンスキー(Агренев-Славянский, Дмитрий Александрович)の依頼に応じ、スラヴャンスキーのレパートリーにこの歌を加えることを許諾した。スラヴャンスキーの合唱団のレパートリーとなってから、「カリンカ」は人気を集め始めた。

日本語詞では、井上頼豊の訳詞や楽団カチューシャによる詞が広く知られている。

ロシア語の歌詞

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アコーディオンによる演奏例
ロシア語詞 日本語訳

Калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

Ах, под сосною, под зеленою,
Спать положите вы меня!
Ай-люли, люли, ай-люли, люли,
Спать положите вы меня.

Калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

Ах, сосёнушка ты зелёная,
Не шуми же надо мной!
Ай-люли, люли, ай-люли, люли,
Не шуми же надо мной!

Калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

Ах, красавица, душа-девица,
Полюби же ты меня!
Ай-люли, люли, ай-люли, люли,
Полюби же ты меня!

Калинка, калинка, калинка моя!
В саду ягода малинка, малинка моя!

ガマズミよ、ガマズミよ、私のガマズミよ!
庭には私のエゾイチゴが、エゾイチゴの実があるよ
 
ああ!マツの根方に、緑色をしたその下に
私を横たわらせ眠らせておくれ
アイ・リューリ、リューリ、アイ・リューリ、リューリ
私を横たわらせ眠らせておくれ

ガマズミよ、ガマズミよ、私のガマズミよ!
庭には私のエゾイチゴが、エゾイチゴの実があるよ

ああ!緑なす若いマツの木よ
私の上でざわめかないでおくれ
アイ・リューリ、リューリ、アイ・リューリ、リューリ
私の上でざわめかないでおくれ
 
ガマズミよ、ガマズミよ、私のガマズミよ!
庭には私のエゾイチゴが、エゾイチゴの実があるよ
 
ああ!美しい娘さんよ、若い娘心よ
どうか私を好きになっておくれ!
アイ・リューリ、リューリ、アイ・リューリ、リューリ
どうか私を好きになっておくれ!

ガマズミよ、ガマズミよ、私のガマズミよ!
庭には私のエゾイチゴが、エゾイチゴの実があるよ

楽曲の使用

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「カリンカ」の語の使用例

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ロシア料理レストランでは、ロシア国内でも外国でも、店の名前に好んで「カリンカ=マリンカ」 (Калинка - малинка)と名をつける。ロシアの民芸品を売る店でも、店名をこの名前にすることを好み、サンクトペテルブルクにはこの名称の写真スタジオが存在する。「カリンカ=マリンカ」の名称が、いかにも「伝統的ロシア」のイメージを喚起させるものになっているので、ロシア風に見せたいものに好んで施される名称である。

脚注

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  1. ^ 狩野昊子『ロシア語の比喩・イメージ・連想・シンボル事典 ―植物―』 日ソ、2007年、180頁。

外部リンク

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